285 《遊城南十六首:題韋氏莊》 韓愈 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3751
- 2014/02/14
- 00:34
遊城南十六首:題韋氏莊 韓愈 この別荘もひっそりと青草しげる潏水の隈の堤のほとりにある。そぞろにやわらかくかげが吹き抜ける、葉をいっぱいに広げ茂る白楡の間を風がふきぬけてくる。藤棚の高架は倒れて藤はすっかり落ちてしまっている。別荘の周りを囲んだ籬は崩れて竹も半ばはなくなったままになっている。
遊城南十六首:題韋氏莊 韓愈(韓退之)
作者: 韓愈 816年 元和十一年 49歲
卷別: 卷三四三 文體: 五言律詩
詩題: 遊城南十六首:題韋氏莊
詩序:
寫作地點: 目前尚無資料
寫及地點: 城南 (京畿道 京兆府 長安) 、韋氏莊 (京畿道 京兆府 長安)
遊城南十六首:題韋氏莊
(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の「韋氏一族の別荘に題す」)
昔者誰能比,今來事不同。
むかし、たれが、この家の韋氏一族とかたをならべるものがいただろうか。ちかごろでは世間の出来事も 同じでないのである。
寂寥青草曲,散漫白榆風。
この別荘もひっそりと青草しげる潏水の隈の堤のほとりにある。そぞろにやわらかくかげが吹き抜ける、葉をいっぱいに広げ茂る白楡の間を風がふきぬけてくる。
架倒藤全落,籬崩竹半空。
藤棚の高架は倒れて藤はすっかり落ちてしまっている。別荘の周りを囲んだ籬は崩れて竹も半ばはなくなったままになっている。
寧須惆悵立,翻覆本無窮。
でも、どうして嘆いてたたずむ必要などありはしないだろう。移り変わりというものはどんなものにもあるもので、もともと、究極の不滅ということなどありはしないものということなのだ。
遊城南十六首:韋氏の莊に題す
昔者【むかし】誰か能く比べし,今來【こんらい】事同じからず。
寂寥【せきしゅう】青草の曲,散漫たり 白榆の風。
架は倒れ 藤 全く落ち,籬は崩れ 竹 半ば空し。
寧んぞ惆悵して立つを須【もち】いん,翻覆 本【もとも】と 窮り無し。
『遊城南十六首:題韋氏莊』 現代語訳と訳註
(本文)
遊城南十六首:題韋氏莊
昔者誰能比,今來事不同。
寂寥青草曲,散漫白榆風。
架倒藤全落,籬崩竹半空。
寧須惆悵立,翻覆本無窮。
(下し文)
遊城南十六首:韋氏の莊に題す
昔者【むかし】誰か能く比べし,今來【こんらい】事同じからず。
寂寥【せきしゅう】青草の曲,散漫たり 白榆の風。
架は倒れ 藤 全く落ち,籬は崩れ 竹 半ば空し。
寧んぞ惆悵して立つを須【もち】いん,翻覆 本【もとも】と 窮り無し。
(現代語訳)
(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の「韋氏一族の別荘に題す」)
むかし、たれが、この家の韋氏一族とかたをならべるものがいただろうか。ちかごろでは世間の出来事も 同じでないのである。
この別荘もひっそりと青草しげる潏水の隈の堤のほとりにある。そぞろにやわらかくかげが吹き抜ける、葉をいっぱいに広げ茂る白楡の間を風がふきぬけてくる。
藤棚の高架は倒れて藤はすっかり落ちてしまっている。別荘の周りを囲んだ籬は崩れて竹も半ばはなくなったままになっている。
でも、どうして嘆いてたたずむ必要などありはしないだろう。移り変わりというものはどんなものにもあるもので、もともと、究極の不滅ということなどありはしないものということなのだ。
(訳注)
遊城南十六首:題韋氏莊
(長安の南でゆっくりしている時の詩、十六首の「韋氏一族の別荘に題す」)
・游城南十六首 底本巻九。十六首が一時に作られたものではないのかもしれない。長安城南に遊んで作った詩が、どれも晩春をうたったものである。
・韋氏荘 唐代では韋氏は名族の一つ長安城南にその一族が住み、地を韋曲といった。『雍録』に「呂図に、韋曲は明徳門外に在り。韋后の家ここに在り。蓋し皇子陂西、いわゆる城南の韋・杜なり」といい、鄭樵の『通志』には「韋曲は樊川に在り。唐の韋安石の別業なり」という。韓愈が遊んだときには、韋氏も衰え、その別荘などもすたれたものが多かったのであろう。
昔者誰能比,今來事不同。
むかし、たれが、この家の韋氏一族とかたをならべるものがいただろうか。ちかごろでは世間の出来事も 同じでないのである。
寂寥青草曲,散漫白榆風。
この別荘もひっそりと青草しげる潏水の隈の堤のほとりにある。そぞろにやわらかくかげが吹き抜ける、葉をいっぱいに広げ茂る白楡の間を風がふきぬけてくる。
・青草曲 青くさの生いしげった潏水の堤のほとり。
・白榆風 楡は西側に植えるもので夕方の風というところ。白楡・旱楡他. 沙棗 (スナナツメ), グミ科 グミ属, 樹高5~15m 耐乾・耐暑・耐寒・耐塩性などに優れる落葉樹。成長が比較的早く根粒菌が共生し、土壌改良の働きがあるため砂漠の緑化によく使われる。枝葉は家畜の優れた飼料となり果実はトウモロコシなどに近い。
架倒藤全落,籬崩竹半空。
藤棚の高架は倒れて藤はすっかり落ちてしまっている。別荘の周りを囲んだ籬は崩れて竹も半ばはなくなったままになっている。
寧須惆悵立,翻覆本無窮。
でも、どうして嘆いてたたずむ必要などありはしないだろう。移り変わりというものはどんなものにもあるもので、もともと、究極の不滅ということなどありはしないものということなのだ。
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