296 《奉酬盧給事雲夫四兄曲江荷花行見寄并呈上錢七兄》 韓愈 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3806
- 2014/02/25
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奉酬盧給事雲夫四兄曲江荷花行見寄并呈上錢七兄【徽。】閣老張十八助教 韓愈(韓退之)
816-13 韓愈 奉酬盧給事雲夫四兄曲江荷花行見寄并呈上錢七兄【徽。】閣老張十八助教
作者: 韓愈 816年 元和十一年 49歲
卷別: 卷三四二 文體: 雜言古詩
詩題: 奉酬盧給事雲夫四兄曲江荷花行見寄并呈上錢七兄【徽。】閣老張十八助教
作地點: 長安(京畿道 / 京兆府 / 長安)
及地點: 樂遊原 (京畿道 京兆府 長安) 別名:宜春北苑、宜春北院、宜春苑、太平公主山莊、曲江、樂遊苑、樂遊園、江頭
大明宮 (京畿道 京兆府 長安) 別名:永安宮、蓬萊宮、含元殿、蓬萊殿
昆明 (劍南道南部 嶲州 昆明)
太白山 (京畿道 岐州 太白山) 別名:太白峰
交遊人物: 盧汀 、錢徽 、張籍
奉酬盧給事雲夫四兄「曲江荷花行」見寄并呈上錢七兄【徽。】閣老張十八助教 #1
(盧給事から、「曲江荷花行」を寄せられたので、それに酬いためにこの詩を、それに合わせて錢徽閣老・張籍助教にこの詩を呈上する)
曲江千頃秋波淨,平鋪紅雲蓋明鏡。
曲江池は広さ一千頃、おりしも秋水もまさに漲って、浪光はなはだ浄く、おまけに、紅い蓮の花がいっぱい咲き満ちて、さながら紅雲を浮ばせたような感じで、それが鏡と見まごう水面におおわれている。
大明宮中給事歸,走馬來看立不正。
盧給事は、大明宮より退出し、直に馬を走らし、曲江に來て、荷花を観賞し、佇立の姿勢正しからす、いろいろな風をして眺めあかした。
遺我明珠九十六,寒光映骨睡驪目。
そこで、詩を作ったといって、「曲江荷花行」の一篇を寄せられ、全篇九十六字、一字一珠、即ち九十六明可珠を贈られたが、寒光骨に映ずるを覚えるばかり.驪龍はおのが頷下の珠を大事にして、滅多に睡らないというが、これほど多くの明珠をもらったから、目を塞いで、やすやすと睡つて居る。
我今官閒得婆娑,問言何處芙蓉多。
われはこの時、太子右良庶子に轉じで、勤務も暇である處から、遠ざけることも乗り出す出摩るか、何處が蓮の花が多くさいているのか、問いただして謂うのである。
撐舟昆明度雲錦,腳敲兩舷叫吳歌。
舟の舳先をかえて、昆明池に乗り出し雲海をわたる。足で以で両舷を叩いて音頭を取りつつ、大聾で呉歌を唄った。#2
太白山高三百里,負雪崔嵬插花裡。
玉山前卻不復來,曲江汀瀅水平盃。
我時相思不覺一回首,天門九扇相當開。
上界真人足官府,豈如散仙鞭笞鸞鳳終日相追陪。
(盧給事雲夫四兄、「曲江荷花行」を寄せらるる酬い奉り、見并せて錢【徽】七兄閣老・張十八助教に呈上す)
曲江 千頃【うけい】秋波淨く,平らかに紅雲を鋪【し】いて明鏡を蓋う。
大明宮中、給事歸り,馬を走らし來り看て立つこと正しからず。
我に遺る明珠 九十六,寒光 骨に映じて驪目【りもく】睡る。
我、今、官閒にして 婆娑たる得たり,問うて言う 何の處か 芙蓉多きと。
舟を撐【とう】して 昆明 雲錦を度る,腳【あし】は兩舷【りょうげん】を敲【たた】いて吳歌を叫ぶ。
太白山は高し三百里,雪を負うて、崔嵬、花裡【かり】插【さしはさ】む。
玉山 前に卻りて 復た來らず,曲江 汀瀅【ていえい】として 水 盃に平かなし。
我 時に相い思うて 覺えず一び 首を回らす,天門 九扇 相い當って開く。
上界の真人 官府足れり,豈に如かむや 散仙の鸞鳳を鞭笞【べんち】して 終日 相い追陪するに。
『奉酬盧給事雲夫四兄曲江荷花行見寄并呈上錢七兄閣老張十八助教』 現代語訳と訳註
(本文)
奉酬盧給事雲夫四兄曲江荷花行見寄并呈上錢七兄【徽。】閣老張十八助教 #1
曲江千頃秋波淨,平鋪紅雲蓋明鏡。
大明宮中給事歸,走馬來看立不正。
遺我明珠九十六,寒光映骨睡驪目。
我今官閒得婆娑,問言何處芙蓉多。
撐舟昆明度雲錦,腳敲兩舷叫吳歌。
(下し文)
(盧給事雲夫四兄、「曲江荷花行」を寄せらるる酬い奉り、見并せて錢【徽】七兄閣老・張十八助教に呈上す)
曲江 千頃【うけい】秋波淨く,平らかに紅雲を鋪【し】いて明鏡を蓋う。
大明宮中、給事歸り,馬を走らし來り看て立つこと正しからず。
我に遺る明珠 九十六,寒光 骨に映じて驪目【りもく】睡る。
我、今、官閒にして 婆娑たる得たり,問うて言う 何の處か 芙蓉多きと。
舟を撐【とう】して 昆明 雲錦を度る,腳【あし】は兩舷【りょうげん】を敲【たた】いて吳歌を叫ぶ。
(現代語訳)
(盧給事から、「曲江荷花行」を寄せられたので、それに酬いためにこの詩を、それに合わせて錢徽閣老・張籍助教にこの詩を呈上する)
曲江池は広さ一千頃、おりしも秋水もまさに漲って、浪光はなはだ浄く、おまけに、紅い蓮の花がいっぱい咲き満ちて、さながら紅雲を浮ばせたような感じで、それが鏡と見まごう水面におおわれている。
盧給事は、大明宮より退出し、直に馬を走らし、曲江に來て、荷花を観賞し、佇立の姿勢正しからす、いろいろな風をして眺めあかした。
そこで、詩を作ったといって、「曲江荷花行」の一篇を寄せられ、全篇九十六字、一字一珠、即ち九十六明可珠を贈られたが、寒光骨に映ずるを覚えるばかり.驪龍はおのが頷下の珠を大事にして、滅多に睡らないというが、これほど多くの明珠をもらったから、目を塞いで、やすやすと睡つて居る。
われはこの時、太子右良庶子に轉じで、勤務も暇である處から、遠ざけることも乗り出す出摩るか、何處が蓮の花が多くさいているのか、問いただして謂うのである。
舟の舳先をかえて、昆明池に乗り出し雲海をわたる。足で以で両舷を叩いて音頭を取りつつ、大聾で呉歌を唄った。
(訳注)
奉酬盧給事雲夫四兄曲江荷花行見寄并呈上錢七兄【徽。】閣老張十八助教
(盧給事から、「曲江荷花行」を寄せられたので、それに酬いためにこの詩を、それに合わせて錢徽閣老・張籍助教にこの詩を呈上する)
盧給事は盧四、名は汀、宇は雲夫。銭七、名は徽。字は蔚章。閣老といへば侍郎で、今の内閣員、但し何部だか分からない。張十八は張籍、國子助教である。この詩は。盧給筝が「曲江荷花行」という詩を作つで寄せられだから.この詩を賦して酬い、且つ併せて銭徽・張籍の二君に呈すというものである。
曲江 千頃 秋波 淨 ,平鋪 紅雲 蓋 明鏡 。
曲江池は広さ一千頃、おりしも秋水もまさに漲って、浪光はなはだ浄く、おまけに、紅い蓮の花がいっぱい咲き満ちて、さながら紅雲を浮ばせたような感じで、それが鏡と見まごう水面におおわれている。
「曲江」語義類別:地、地名、河湖地名(江河溪流)、曲江。
「千頃」面積單位、千頃。
「秋」秋水もまさに漲っているさま。
「波淨」浪光はなはだ浄いさま。
「平鋪」蓮の花がいっぱい咲き満ちている。
「紅雲」、紅い蓮の花が紅雲を浮ばせたような感じになる。
「蓋」ふたをするようなさま。
「明鏡」鏡と見まごう水面。
大明宮 中 給事 歸 ,走馬 來看 立 不正 。
盧給事は、大明宮より退出し、直に馬を走らし、曲江に來て、荷花を観賞し、佇立の姿勢正しからす、いろいろな風をして眺めあかした。
「大明宮」建築專名(宮室屋廬)、大明宮。唐の長安城の北東にあった宮城。三大内(だいだい)の東内。634年(貞観8)に建設。662年(竜朔2)に重建,蓬萊宮と改称し,705年(神竜1)より旧名に復した。含元殿を正殿,丹鳳門を正門とし,含元の北に宣政殿(左右に中書,門下省)や紫宸殿などを配した。1957‐59年に規模,城垣,宮牆,門,宮殿,池渠の遺跡分布測量調査があり,そのうち玄武,銀漢,重玄など4門,麟徳殿跡や西内苑の含光殿跡および夾城などが発掘された。
遺我 明珠 九十六 ,寒光 映骨 睡 驪目 。
そこで、詩を作ったといって、「曲江荷花行」の一篇を寄せられ、全篇九十六字、一字一珠、即ち九十六明可珠を贈られたが、寒光骨に映ずるを覚えるばかり.驪龍はおのが頷下の珠を大事にして、滅多に睡らないというが、これほど多くの明珠をもらったから、目を塞いで、やすやすと睡つて居る。
「遺我」詩を作ったといって、「曲江荷花行」の一篇を寄せられたこと。
「明珠」語義類別:其他、現象、光芒、玉石。ここでは詩篇をいう。
「九十六」九十六字。
「寒光映骨」寒光骨に映ずるを覚えるばかり。
「目」自然資源、玉石、珠。驪龍はおのが頷下の珠を大事にして、滅多に睡らないというが、これほど多くの明珠をもらったから、目を塞いで、やすやすと睡つて居る。
我今 官閒 得婆娑 ,問言 何處 芙蓉 多 。
われはこの時、太子右良庶子に轉じで、勤務も暇である處から、遠ざけることも乗り出す出摩るか、何處が蓮の花が多くさいているのか、問いただして謂うのである。
撐舟 昆明 度 雲錦 ,腳敲 兩舷 叫 吳歌 。
舟の舳先をかえて、昆明池に乗り出し雲海をわたる。足で以で両舷を叩いて音頭を取りつつ、大聾で呉歌を唄った。
「撐」(1) 支える,突っかい棒をする.(2) (船で)竿(さお)さす,竿を突っ張る撑船竿で船を進める.(3) 持ちこたえる,我慢する.(4) 開く,広げる撑伞傘を差す.(5) いっぱいに入れる,ぎっしり詰める.。
「昆明」昆明池。昆明の南方にある湖、池(てんち)の別名。 中国、漢の武帝が、をまねて長安城の西に掘らせた池。
「度」(其他部)、度。
「雲錦」雲霧煙霞。雲海。
「腳敲」足で叩いて音頭を取る。
「吳歌」李白「子夜吳歌」。
李白『白紵辞其二』
館娃日落歌吹深、月寒江清夜沉沉。
美人一笑千黃金、垂羅舞縠揚哀音。
郢中白雪且莫吟、子夜吳歌動君心。
動君心、冀君賞。
愿作天池雙鴛鴦、一朝飛去青雲上。
館娃宮では日が落ちて歌と笛とがいっそうたけなわ。月はつめたく長江の水清く、夜はしんしんとふけてゆく。
美人のほほえみには千の黄金も惜しくない。うすぎぬを垂らし、ちぢみの絹でかざって舞いおどり、かなしそうに、せつなそうに、声をあげる。
郢の白雪というような他国の高尚な歌は、今は場違いだから唄ってはいけない。この国の民謡である子夜の呉歌で君の心を動かそう。(この歌で君の心つかめるか)
君の心を動かして、君から誉めてもらって承諾をもらおう。
願わくは御苑の池のつがいのおしどりのように、やがては青雲の上に飛んで行く心地になろう。
子夜呉歌 其一 春
秦地羅敷女、採桑緑水辺。
素手青条上、紅粧白日鮮。
蚕飢妾欲去、五馬莫留連。
子夜呉歌其二 夏
鏡湖三百里、函萏発荷花。
五月西施採、人看隘若耶。
囘舟不待月、帰去越王家。
子夜呉歌其三 秋
長安一片月、万戸擣衣声。
秋風吹不尽、総是玉関情。
何日平胡虜、良人罷遠征。
子夜呉歌其四 冬
明朝駅使発、一夜絮征袍。
素手抽針冷、那堪把剪刀。
裁縫寄遠道、幾日到臨洮。
奉酬盧給事雲夫四兄「曲江荷花行」見寄并呈上錢七兄【徽。】閣老張十八助教 #1
(盧給事から、「曲江荷花行」を寄せられたので、それに酬いためにこの詩を、それに合わせて錢徽閣老・張籍助教にこの詩を呈上する)
曲江千頃秋波淨,平鋪紅雲蓋明鏡。
曲江池は広さ一千頃、おりしも秋水もまさに漲って、浪光はなはだ浄く、おまけに、紅い蓮の花がいっぱい咲き満ちて、さながら紅雲を浮ばせたような感じで、それが鏡と見まごう水面におおわれている。
大明宮中給事歸,走馬來看立不正。
盧給事は、大明宮より退出し、直に馬を走らし、曲江に來て、荷花を観賞し、佇立の姿勢正しからす、いろいろな風をして眺めあかした。
遺我明珠九十六,寒光映骨睡驪目。
そこで、詩を作ったといって、「曲江荷花行」の一篇を寄せられ、全篇九十六字、一字一珠、即ち九十六明可珠を贈られたが、寒光骨に映ずるを覚えるばかり.驪龍はおのが頷下の珠を大事にして、滅多に睡らないというが、これほど多くの明珠をもらったから、目を塞いで、やすやすと睡つて居る。
我今官閒得婆娑,問言何處芙蓉多。
われはこの時、太子右良庶子に轉じで、勤務も暇である處から、遠ざけることも乗り出す出摩るか、何處が蓮の花が多くさいているのか、問いただして謂うのである。
撐舟昆明度雲錦,腳敲兩舷叫吳歌。
舟の舳先をかえて、昆明池に乗り出し雲海をわたる。足で以で両舷を叩いて音頭を取りつつ、大聾で呉歌を唄った。
#2
太白山高三百里,負雪崔嵬插花裡。
仰ぎ見れば、太白山は高さ三百里である、六月まで雪を戴いて、その名に負けず、崔嵬として白く聳え立つのであるが、連なる山頂は蓮の花の間に挿みこんでいる。
玉山前卻不復來,曲江汀瀅水平盃。
昔から宝玉のとれた玉山の創ある藍田山などは、これに威圧されたものか、前に在りながら.退却して.再び出て来ない。おもへぱ、曲江は、池色は澄んでいて綺麗であるか、ささやかなこと以、盃中に水を平に盛ったようなもので、到底くらべ物にはならない。
我時相思不覺一回首,天門九扇相當開。
その時、われわれは、盧給事を思うて、覚えず一度び首をめぐらせたが、九重の宮門は、左右それぞれが同じように開き、その給事は、そこに出仕して居られるのである。
上界真人足官府,豈如散仙鞭笞鸞鳳終日相追陪。
仙境、神仙は、天上のこととして尊いには相違ないが、さまざまの官府かおかれている。それより、地上の散仙として、鸞鳳に鞭ちをあて、絡日追陪して遊び戯れる方が、はるかに面白く、願わくば、給事を此に呼んで来て、共に崑明の蓮の花を観賞したいものである。
(盧給事雲夫四兄、「曲江荷花行」を寄せらるる酬い奉り、見并せて錢【徽】七兄閣老・張十八助教に呈上す)
曲江 千頃【うけい】秋波淨く,平らかに紅雲を鋪【し】いて明鏡を蓋う。
大明宮中、給事歸り,馬を走らし來り看て立つこと正しからず。
我に遺る明珠 九十六,寒光 骨に映じて驪目【りもく】睡る。
我、今、官閒にして 婆娑たる得たり,問うて言う 何の處か 芙蓉多きと。
舟を撐【とう】して 昆明 雲錦を度る,腳【あし】は兩舷【りょうげん】を敲【たた】いて吳歌を叫ぶ。
太白山は高し三百里,雪を負うて、崔嵬、花裡【かり】插【さしはさ】む。
玉山 前に卻りて 復た來らず,曲江 汀瀅【ていえい】として 水 盃に平かなし。
我 時に相い思うて 覺えず一び 首を回らす,天門 九扇 相い當って開く。
上界の真人 官府足れり,豈に如かむや 散仙の鸞鳳を鞭笞【べんち】して 終日 相い追陪するに。
『奉酬盧給事雲夫四兄曲江荷花行見寄并呈上錢七兄閣老張十八助教』 現代語訳と訳註
(本文) #2
太白山高三百里,負雪崔嵬插花裡。
玉山前卻不復來,曲江汀瀅水平盃。
我時相思不覺一回首,天門九扇相當開。
上界真人足官府,豈如散仙鞭笞鸞鳳終日相追陪。
(下し文)
太白山は高し三百里,雪を負うて、崔嵬、花裡【かり】插【さしはさ】む。
玉山 前に卻りて 復た來らず,曲江 汀瀅【ていえい】として 水 盃に平かなし。
我 時に相い思うて 覺えず一び 首を回らす,天門 九扇 相い當って開く。
上界の真人 官府足れり,豈に如かむや 散仙の鸞鳳を鞭笞【べんち】して 終日 相い追陪するに。
(現代語訳)
(盧給事から、「曲江荷花行」を寄せられたので、それに酬いためにこの詩を、それに合わせて錢徽閣老・張籍助教にこの詩を呈上する)#2
仰ぎ見れば、太白山は高さ三百里である、六月まで雪を戴いて、その名に負けず、崔嵬として白く聳え立つのであるが、連なる山頂は蓮の花の間に挿みこんでいる。
昔から宝玉のとれた玉山の創ある藍田山などは、これに威圧されたものか、前に在りながら.退却して.再び出て来ない。おもへぱ、曲江は、池色は澄んでいて綺麗であるか、ささやかなこと以、盃中に水を平に盛ったようなもので、到底くらべ物にはならない。
その時、われわれは、盧給事を思うて、覚えず一度び首をめぐらせたが、九重の宮門は、左右それぞれが同じように開き、その給事は、そこに出仕して居られるのである。
仙境、神仙は、天上のこととして尊いには相違ないが、さまざまの官府かおかれている。それより、地上の散仙として、鸞鳳に鞭ちをあて、絡日追陪して遊び戯れる方が、はるかに面白く、願わくば、給事を此に呼んで来て、共に崑明の蓮の花を観賞したいものである。
(訳注)
奉酬盧給事雲夫四兄曲江荷花行見寄并呈上錢七兄【徽。】閣老張十八助教
(盧給事から、「曲江荷花行」を寄せられたので、それに酬いためにこの詩を、それに合わせて錢徽閣老・張籍助教にこの詩を呈上する)#2
太白山 高 三百 里 ,負雪 崔嵬 插花 裡 。
仰ぎ見れば、太白山は高さ三百里である、六月まで雪を戴いて、その名に負けず、崔嵬として白く聳え立つのであるが、連なる山頂は蓮の花の間に挿みこんでいる。
「太白山」/秦嶺山脈 陝西省南辺部を東西に走る山脈で、同省西部の太白山(3767m)を最高峰とする。甘粛省南部で岷山山脈、河南省西南部で伏牛山脈に連なり、大散関・嶢関などの交通の要衝を抱え、渭水・漢水の分水嶺をなすだけでなく、淮水とともに中国南北の自然地理・生活文化の分水嶺でもあり、しばしば秦淮と呼ばれる。藍田県にある秦嶺山は終南山の後背であり、東麓では商県と洛陽の峠でもある。
「崔嵬」山で、岩や石がごろごろしていて険しいさま。堂や塔などが高くそびえているさま。。
玉山 前卻 不復 來 ,曲江 汀瀅 水平 盃 。
昔から宝玉のとれた玉山の創ある藍田山などは、これに威圧されたものか、前に在りながら.退却して.再び出て来ない。おもへぱ、曲江は、池色は澄んでいて綺麗であるか、ささやかなこと以、盃中に水を平に盛ったようなもので、到底くらべ物にはならない。
「玉山」玉山 藍田にある山の名、即ち藍田山。昔、宝玉を産出していたのでそう呼ぶ。
「曲江」曲江 唐の都長安の中心部より東南東数㎞の風光明媚なところに、曲江池という池があった。池は、「隋の長安建都の時に黄渠の水を引いて池を作り、これを曲江と呼んだ」とされる。宋代(南宋1127~1279)の趙彦衛が撰した『雲麓漫鈔』に記述があるが、隋はこの地に「芙蓉園」を造って離宮とした。
「汀瀅」景物形態、清澈。
我時 相思 不覺 一 回首 ,天門 九扇 相當開 。
その時、われわれは、盧給事を思うて、覚えず一度び首をめぐらせたが、九重の宮門は、左右それぞれが同じように開き、その給事は、そこに出仕して居られるのである。
「天門 九扇」大明宮には天子のもとにいく九つの門をくぐることをいう。
上界 真人 足官府 ,豈如散仙 鞭笞 鸞鳳 終日 相追陪 。
仙境、神仙は、天上のこととして尊いには相違ないが、さまざまの官府かおかれている。それより、地上の散仙として、鸞鳳に鞭ちをあて、絡日追陪して遊び戯れる方が、はるかに面白く、願わくば、給事を此に呼んで来て、共に崑明の蓮の花を観賞したいものである。
「上界」仙境、天上界。
「官府」朝廷。
「散仙」仙界からつかわされた仙人たち。
「鞭笞」鞭うつ。
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