360 唐宋八大家文読本 巻五 394 《柳州羅池廟碑》 韓愈kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 4126
- 2014/04/30
- 00:33
360 唐宋八大家文読本 巻五 394 《柳州羅池廟碑》 韓愈 | kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 4126 |
柳州羅池廟碑
1段目(#1)
羅池廟者,故刺史柳侯廟也。柳侯爲州,不鄙夷其民,動以禮法。三年,民各自矜奮曰:「茲土雖遠京師,吾等亦天氓,今天幸惠仁侯,若不化服,我則非人。」
於是老幼相教語,莫違侯令。凡有所爲於其鄉閭及於其家,皆曰:「吾侯聞之,得無不可於意否?」莫不忖度而後從事。凡令之期,民勸趨之,無有後先,必以其時。於是民業有經,公無負租,流逋四歸,樂生興事。宅有新屋,步有新船,池園潔修,豬牛鴨雞,肥大蕃息。子嚴父詔,婦顺夫指,嫁娶葬送,各有條法,出相弟長,入相慈孝。先時,民貧以男女相質,久不得贖,盡沒爲隸。我侯之至,案國之故,以傭除本,悉奪歸之。大修孔子廟。城郭巷道,皆治使端正,樹以名木。
2段目(#2)
柳民既皆悦喜。常於其部將魏忠、謝寧、歐陽翼飲酒驛亭,謂曰:「吾棄於時,而寄於此,與若等好也。明年,吾將死,死而爲神。後三年,爲廟祀我。」及期而死。三年孟秋辛卯,侯降於州之後堂,歐陽翼等見而拜之。其夕,夢翼而告之曰:「館我於羅池。」其月景辰,廟成大祭,過客李儀醉酒,慢侮堂上,得疾,扶出廟門即死。
3段目(#3)
明年春,魏忠、歐陽翼使謝寧來京師,請書其事於石。餘謂柳侯生能澤其民,死能驚動禍福之,以食其土,可謂靈也已。作《迎享送神詩》遺柳民,伸歌以祀焉,而並刻之。柳侯,河東人,諱宗元,字子厚。賢而有文章。嚐位於朝,光顯矣,已而擯不用。其辭曰:
4段目(#4)
荔子丹兮蕉黄。雜餚蔬兮進侯堂。
侯之船兮兩旗。度中流兮風泊之。
待侯不來兮不知我悲。侯乘駒兮入廟。
慰我民兮不嚬以笑。鵝之山兮柳之水。
桂樹團團兮白石齒齒。侯朝出游兮暮來歸。
春與猿吟兮秋鶴與飛。北方之人兮爲侯是非。
千秋萬歲兮侯無我違。福我兮壽我。
驅厲鬼兮山之左。下無苦濕兮高無幹。
秔稌充羨兮蛇蛟結蟠。我民報事兮無怠。
其始自今兮欽於世世。
柳州羅池廟碑 1段目(#1)-1
(柳宗元柳州刺史の羅池廟の碑文並びに詩)#1-1
羅池廟者,故刺史柳侯廟也。
羅池廟は、もとの刺史柳侯(柳宗元)の廟である。
柳侯爲州,不鄙夷其民,
柳侯が州を治めるのに、モの人民を辺鄙な土地の異民族としてあつかいはしなかった。
動以禮法。三年,民各自矜奮曰:
取り扱うのに、文化の進んだものと同じく、礼義法度を以てしたのである。三年で、人民は各々自分を重んじ奮い立った。
「茲土雖遠京師,吾等亦天氓,
この土地は都から遠ざかっているけれども、われらも天の民である。
今天幸惠仁侯,若不化服,我則非人。」
今幸いにも仁愛の君を恵まれた。もしその徳に感化して服従しなければ、我々は人間でない」と。
-2
於是老幼相教語,莫違侯令。
そして「そこで老人から若いものまで、互いに教えとしての語というと、君公の命令に違反してはならない」ということだ。
凡有所爲於其鄉閭及於其家,皆曰:
凡そその郷村の中や自分の家で何かを為そうとする者は、皆いう:
「吾侯聞之,得無不可於意否?」
「わか君がこれを聞いて、心によくないとされないか、どうであろうか、」と。
莫不忖度而後從事。
柳侯の心意をはかり考えて仕事をしないものはなかった。
-3
凡令之期,民勸趨之,
凡そ命令の期日には、民は自ら進んで集まってくる。
無有後先,必以其時。
後れたり、先んじたりする者がいなくて、必ず其の時を以て行われたのである。
於是民業有經,公無負租,
そこでは、人民の仕事には一定の収入があり、役所には未納の租税がないのである。
流逋四歸,樂生興事。
流民や逃亡民たちも、四方から帰って来て、生活を楽しみ仕事を盛んにおこしたのである。
-4
宅有新屋,步有新船,
宅地には新しい家屋が築かれ、船つき場には新造船がならぶ。
池園潔修,豬牛鴨雞,肥大蕃息。
池や園畠は清潔に整頓され、豚や牛から、鴨や鶏などの家畜は肥えて大きく繁殖したのだ。
子嚴父詔,婦顺夫指,
家庭では、子は父の告げる言葉を敬しみいましめ、妻は夫の考えに従順にし、円満である。
嫁娶葬送,各有條法,
嫁入り、嫁取りや葬式などに、各々一定の筋目や法則があって
出相弟長,入相慈孝。
家の外に出ては互いに年長者、子弟の礼を守り、家庭内では親子互いに慈しみと孝心を尽くすのであった。
-5
先時,民貧以男女相質,
先の時代は、人民は貧しく、男女の子を互いに人質として金を借りていた。
久不得贖,盡沒爲隸。
久しくかかってもその金を払って買いもどさなければ、すべて没収して使役人とする風習があった。
我侯之至,案國之故,
わが君公がこの州に来られて、その国の古い記録簿を調べられた。
以傭除本,悉奪歸之。
質となった子供の労賃を以て元本を除き去り、悉く奪い取って父母の下に帰へされた。
大修孔子廟。城郭巷道,
また精神の構築のため孔子廟を大いに修築された。そして、城郭や巷の道路などを整備し、
皆治使端正,樹以名木。
皆、丹念に整え正して、名木を植えたのである。
2段目(#2)-1
柳民既皆悦喜。
柳州の住民はすでに皆悦んだ。
常於其部將魏忠、謝寧、歐陽翼飲酒驛亭,謂曰:
その後ある時、柳宗元侯は部下の将魏忠、謝寧、欧陽翼と、宿場の茶屋で酒を飲んでいて語ったことは次のように言ったのだ、
「吾棄於時,而寄於此,與若等好也。
「私は王叔文の党にくみして失敗して流謫されて、此の地に身を寄せ、お前たちと仲善くなったのである。
明年,吾將死,死而爲神。
明年には、私は死ぬであろう。死んだら神となるはずである。
後三年,爲廟祀我。」
だから三年の後には、廟を造って私を祀ってくれるように。」と。
及期而死。
その時期がくると死んだのである。
#2-2
三年孟秋辛卯,侯降於州之後堂,
三年の後の初秋七月の辛卯の日に、柳宗元侯は州の役所の後の広間に神となって降りた。
歐陽翼等見而拜之。
欧陽翼らは見て、柳宗元侯に礼拝した。
其夕,夢翼而告之曰:「館我於羅池。」
その夜のこと、歐陽翼の夢に現れて告げていった、「私を羅池の館に住まわせよ」と。
其月景辰,廟成大祭,過客李儀醉酒,
その月の丙辰の日に廟ができ上がり、大祭をした。折しも立寄った客の李儀がそこで酒に酔った。
慢侮堂上,得疾,扶出廟門即死。
酔いに任せて神となった柳宗元侯をその広聞であなどり悪口をいったために病気になってしまい、人から支えられて廟の門を出たが、その場で死んだ。
3段目(#3)-1
明年春,魏忠、歐陽翼使謝寧來京師,
その翌年春、魏忠・欧陽翼が、謝寧を都にやってきた。
請書其事於石。
その事柄を石碑に書くように私に要請してきた。
餘謂柳侯生能澤其民,
私は思った、「柳侯は、生きている間は、その当該の人民を恵みうるおすことができ、
死能驚動禍福之,
死んではその民を驚かし、禍を他へうごかし、福を与えることができ、
以食其土,可謂靈也已。
それで以てその土地で祭りを受けるという、神の様な不可思議な力あるひとであるというべきである」と。
(#3)-2
作《迎享送神詩》遺柳民,
そこで「神を迎え、祭り、送る詩」を作って、柳州の民に贈る。
伸歌以祀焉,而並刻之。
大声で歌ってそれをお祭りし、そして、あわせてこれを石に刻ませるのである。
柳侯,河東人,諱宗元,字子厚。
柳侯は河東の人、諱は(本名)は宗元、字は子厚ともうされる。
賢而有文章。
賢者であり、徳にすぐれて文章の才がある。
嚐位於朝,光顯矣,
以前には朝廷の高い位につき、輝き顕れたことがあったひとである。
已而擯不用。其辭曰。
やがて押し退けられて用いられなくなった。その詩の辞にいう。
4段目(#4)-1
荔子丹兮蕉黄。
荔子の実は赤く、芭蕉の実は黄色である、
雜餚蔬兮進侯堂。
山海の魚肉と野莱とを一緒にして、わが御神、柳侯の御堂にささげる。
侯之船兮兩旗。
わが御神、柳侯の御舟に二本の旗がある。
度中流兮風泊之。
進む船は流れの中を渡るのに、風はこれをとどめるのである。
待侯不來兮不知我悲。
わが御神、柳侯は待てども来られない。待つわれわれの悲しみを知らないのだろう。
(#4)-2
侯乘駒兮入廟。
やがて君は駒に乗ってみ、この霊屋に入られる。
慰我民兮不嚬以笑。
わが柳州の民を慰めて、その顔をしかめずに笑顔にさせ給う。
鵝之山兮柳之水。
ここには鵝の山があり、柳の水がある。
桂樹團團兮白石齒齒。
その上には桂の樹がこんもりまーるくこんもりと茂り、白い石は歯の並ぶように列なる。
侯朝出游兮暮來歸。
わが御神、柳侯は朝に出て遊び、暮れには帰って来られる。
春與猿吟兮秋鶴與飛。
春は山の猿とともに吟じ、秋には鶴とともに飛びたつ。
北方之人兮爲侯是非。
北方の長安の人々はわが柳侯の是か非かを評論したりする。
千秋萬歲兮侯無我違。
千秋 万歳とこえをあげ、わが柳侯はわれわれを離れ去り給うことはない。
(#4)-3
福我兮壽我。
そしてわれわれに幸福を与え、われわれを長寿の慶びを与えてくれた。
驅厲鬼兮山之左。
悪鬼は山の左に追いやり給え。
下無苦濕兮高無幹。
低い土地で温気に苦しむことなく、高地でも乾き過ぎでない。
秔稌充羨兮蛇蛟結蟠。
各種の稲は十分で満ち溢れ、その多いことは蛇や蚊の龍のとぐろを巻いているようであって欲しい。
我民報事兮無怠。
わが柳州の民は、そうなれば、その事に報いて祭ることを怠りはしない。
其始自今兮欽於世世。
それこそ、今、この時から始まって世々にありがたく敬うことであろう。
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