450 韓昌黎集 巻五 383《梁國惠康公主挽歌,二首之二》 韓愈 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 4576
- 2014/07/29
- 00:06
《梁國惠康公主挽歌,二首之二〔公主,憲宗長女,下嫁于頔之子季友,元和中薨,詔令百官進詩。〕》長安の街には簫を吹く女がいるが、湘水の波の音にのせて、湘君の奏でる瑟と鼓の音が何処からともなく聞こえてくる。
梁國惠康公主挽歌,二首之二〔公主,憲宗長女,下嫁于頔之子季友,元和中薨,詔令百官進詩。〕》韓愈(韓退之)
卷別: 卷三四三 文體: 五言律詩
詩題: 梁國惠康公主挽歌,二首之一
〔公主,憲宗長女,下嫁于頔之子季友,元和中薨,詔令百官進詩。〕
梁國惠康公主挽歌,二首之一
(諡「梁國惠康公主」の野辺の送り、柩の車を挽きつつうたう歌二首の一。)
〔公主,憲宗長女,下嫁于頔之子季友,元和中薨,詔令百官進詩。〕
〔皇帝の女子、憲宗の長女、唐の大臣頔之の子、季友の嫁に下される。元和年間に薨される。勅命で朝廷百官に詩を奉進したものである。〕
定諡芳聲遠,移封大國新。
諡を定められ、芳しき名声はその功績に比べれれば今一つというところだが、大きな国の方に新たに移し封じられた。
巽宮尊長女,台室屬良人。
巽宮傾斜という長女として尊ばれ、朝廷の大臣の賢人の夫に嫁がれた。
河漢重泉夜,梧桐半樹春。
銀河に続く黄泉の国の夜に向かい、鳳凰の棲む梧桐が半分繁った春の木に睦まじくとまる。
龍輀非厭翟,還輾禁城塵。
龍を引き馬にした車は雉の尾羽に飾られ、そして宮中御殿に音を立てて戻ってこられたのである。
(梁國惠康公主の挽歌,二首の一)
諡を定め芳聲の遠と,移封され大國の新として。
巽宮 長女を尊び,台室 良人に屬す。
河漢 重泉の夜,梧桐 半樹の春。
龍輀 厭翟にら非ず,還輾 禁城の塵。
梁國惠康公主挽歌,二首之二
(諡「梁國惠康公主」の野辺の送り、柩の車を挽きつつうたう歌二首の二。)
秦地吹簫女,湘波鼓瑟妃。
長安の街には簫を吹く女がいるが、湘水の波の音にのせて、湘君の奏でる瑟と鼓の音が何処からともなく聞こえてくる。
佩蘭初應夢,奔月竟淪輝。
佩蘭となって初めて夢の中で対応する。「嫦娥奔月」はついに沈まれて、そして輝いている。
夫族迎魂去,宮官會葬歸。
夫の血族は魂を迎えそして去ってゆくし、宮女たちは葬儀に出て帰っていく。
從今沁園草,無復更芳菲。
今からこの宮殿の庭園の花畑の草花となって、この世には再び帰ることはない更に芳しい花となるだけだ。
梁國 惠康公主の挽歌,二首の二
秦地 簫を吹く女,湘波 鼓瑟の妃。
佩蘭 初めて夢に應じ,奔月 竟に淪輝す。
夫族 迎魂して去り,宮官 會葬して歸る。
今從り 沁園の草,無復して更に芳菲す。
『梁國惠康公主挽歌,二首之二』 現代語訳と訳註
(本文)
梁國惠康公主挽歌,二首之二
秦地吹簫女,湘波鼓瑟妃。
佩蘭初應夢,奔月竟淪輝。
夫族迎魂去,宮官會葬歸。
從今沁園草,無復更芳菲。
(下し文)
梁國 惠康公主の挽歌,二首の二
秦地 簫を吹く女,湘波 鼓瑟の妃。
佩蘭 初めて夢に應じ,奔月 竟に淪輝す。
夫族 迎魂して去り,宮官 會葬して歸る。
今從り 沁園の草,無復して更に芳菲す。
(現代語訳)
(諡「梁國惠康公主」の野辺の送り、柩の車を挽きつつうたう歌二首の二。)
長安の街には簫を吹く女がいるが、湘水の波の音にのせて、湘君の奏でる瑟と鼓の音が何処からともなく聞こえてくる。
佩蘭となって初めて夢の中で対応する。「嫦娥奔月」はついに沈まれて、そして輝いている。
夫の血族は魂を迎えそして去ってゆくし、宮女たちは葬儀に出て帰っていく。
今からこの宮殿の庭園の花畑の草花となって、この世には再び帰ることはない更に芳しい花となるだけだ。
(訳注)
梁國惠康公主挽歌,二首之二
(諡「梁國惠康公主」の野辺の送り、柩の車を挽きつつうたう歌二首の二。)
秦地 吹簫 女 ,湘波 鼓瑟 妃 。
長安の街には簫を吹く女がいるが、湘水の波の音にのせて、湘君の奏でる瑟と鼓の音が何処からともなく聞こえてくる。
「秦地」長安の街。
「吹簫」器物、樂器(單稱)、簫。
「湘波」湘水の水澤湖泊、波。
「鼓瑟妃」鼓と樂器瑟。洞庭湖には湘水の神、湘君の奏でる瑟の音が何処からともなく聞こえてくると言う言い伝えも存在する。これは別に、湘妃が鼓する瑶瑟だと言う。
佩蘭 初應 夢 ,奔月 竟淪輝 。
佩蘭となって初めて夢の中で対応する。「嫦娥奔月」はついに沈まれて、そして輝いている。
「佩蘭」【はいらん】ジバカマのこと。茎葉を薬用とする。秋の七草としても知られている。 食欲不振、消化不良、吐き気、嘔吐、軟便、倦怠感などに応用する。 糖尿病や浮腫にも用いられ、痒みに浴用剤としても用いられる。
「月」『嫦娥奔月』【じょうがほんげつ】のこと。后羿の妻である嫦娥(嫦娥仙子)が、后羿が西王母から貰った不老不死の霊薬(または天上界へ行ける霊薬)を飲み1人月へ昇り月宮(広寒宮)で寂しく暮らすことになったという中秋節の故事である。嫦娥奔月とは「嫦娥、月に奔る」の意味。
「淪」1 さざなみ。「淪(りんい)」 2 沈む。落ちぶれる。
夫族 迎魂 去 ,宮官 會葬 歸 。
夫の血族は魂を迎えそして去ってゆくし、宮女たちは葬儀に出て帰っていく。
「夫族」嫁ぎ先の一族。
從今 沁園 草 ,無復 更芳菲 。
今からこの宮殿の庭園の花畑の草花となって、この世には再び帰ることはない更に芳しい花となるだけだ。
「從今」語義類別:時、時間、範圍時間(今昔)、今。
「沁園」沁みる/浸みる/滲みる】 [動マ上一][文]し・む[マ上二]1 液体や気体が他の物に移りついて、次第に深く広がる。また、にじんで汚れる。しむ。宮殿の庭園の花畑にしみてくる。。
「草」語義類別:物、生物、植物泛稱(草)、草。
「芳菲」植物泛稱、花。
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梁國惠康公主挽歌,二首之二〔公主,憲宗長女,下嫁于頔之子季友,元和中薨,詔令百官進詩。〕》韓愈(韓退之)
作者: 韓愈 816年元和十一年49歲
- テーマ:詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
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- カテゴリ:韓昌黎集 全十一巻
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