韓昌黎集 巻八 《黎08-10 遠遊聯句〔韓愈、李翱、孟郊〕》-7 韓愈kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 5291
- 2014/12/19
- 00:57
《遠遊聯句〔韓愈、李翱、孟郊〕》#7そんなことで行き、まじりけがなく,濃くのある酒を飲み、聖明の時代に対してもてはやされることであるが、このような蛮族の生臭い食事を味わうようなことはご容赦願いたいものと願っているところである。
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韓愈詩-24-7
#6
楚些待誰弔,賈辭緘恨投。
しかし、江南は瘴癘の地で、決して永住すべきところではなく、魂魄の離散するのを弔ってあげるのに誰が楚辞の「楚些」のうたを作るのであろうか。そういう人もいないので、死後において、賈誼が屈原を弔ったように恨みを竹簡に包みこんでくれたところで、何の役にも立たない。
翳明弗可曉,祕魂安所求。
自分たちもまた、屈原のように、自らその明を掩うてしまえば、人を諭すどころではなく、魂が一たび幽暗のなかに秘められたなら、それでおしまいであり、その上何を求めるということもできないのである。
氣毒放逐域,蓼雜芳菲疇。
どうせ放逐された人の行く区域であるから、瘴癘の毒気が蔓延していて、蛮人の群がる中でに、自分が一人行くのは、蓼が、芳しい花畑の中交じっているように思われて、無論他人扱いされるに相違ないのである。
當春忽淒涼,不枯亦颼飀。
その地は気候の激変する常としており、春にあたって、忽ち凄涼の様相となり満願の草木、未だに枯れてはいない中に、風は颼飀の響きを成している。
#7
貉謠眾猥款,巴語相咿嚘。
貉族の歌は何やら頻りに悲しむことが多く集まったようで、巴国の言葉は、その場所場所において違っていて、どれが正しいのかわからないのである。
默誓去外俗,嘉願還中州。
自分は黙然として、心に誓い、ここの地方の風俗に同化されることなく、そうして、この国の中心に帰りたいと願うことを喜びとしているのである。
江生行既樂,躬輦自相戮。
その時、長江に春水が生じたならば、舟で旅を進めるのが楽しいものだし、何も自分で力を合わせて輦車をおしていくことはないのである。
飲醇趣明代,味腥謝荒陬。〔孟郊。〕
そんなことで行き、まじりけがなく,濃くのある酒を飲み、聖明の時代に対してもてはやされることであるが、このような蛮族の生臭い食事を味わうようなことはご容赦願いたいものと願っているところである。〔ここまで#6・#7孟郊〕#6
楚些【そさ】誰が弔いを待たん,賈辭 恨を緘みて投ず。
明を翳【かざ】して曉【さと】す可からず,祕魂【ひこん】安んぞ求むる所あらん。
氣は放逐の域に毒し,蓼は芳菲の疇に雜わる。
春に當って忽ち淒涼し,枯れずして 亦た颼飀【しゅうりゅう】す。
#7
貉謠【はくよう】眾く猥款【わいあい】し,巴語 相い咿嚘【いゆう】す。
默誓【もくせい】外俗を去り,嘉願 中州に還る。
江生 行 既に樂み,輦を躬【みずから】して自ら相い戮【あ】わす。
醇を飲んで明代に趣き,腥を味うて荒陬【こうしゅ】を謝す。:〔孟郊。〕
『遠遊聯句〔韓愈、李翱、孟郊〕』 現代語訳と訳註解説
(本文) #7
貉謠眾猥款,巴語相咿嚘。
默誓去外俗,嘉願還中州。
江生行既樂,躬輦自相戮。
飲醇趣明代,味腥謝荒陬。〔孟郊。〕
(下し文)
貉謠【はくよう】眾く猥款【わいあい】し,巴語 相い咿嚘【いゆう】す。
默誓【もくせい】外俗を去り,嘉願 中州に還る。
江生 行 既に樂み,輦を躬【みずから】して自ら相い戮【あ】わす。
醇を飲んで明代に趣き,腥を味うて荒陬【こうしゅ】を謝す。:〔孟郊。〕
(現代語訳)
貉族の歌は何やら頻りに悲しむことが多く集まったようで、巴国の言葉は、その場所場所において違っていて、どれが正しいのかわからないのである。
自分は黙然として、心に誓い、ここの地方の風俗に同化されることなく、そうして、この国の中心に帰りたいと願うことを喜びとしているのである。
その時、長江に春水が生じたならば、舟で旅を進めるのが楽しいものだし、何も自分で力を合わせて輦車をおしていくことはないのである。
そんなことで行き、まじりけがなく,濃くのある酒を飲み、聖明の時代に対してもてはやされることであるが、このような蛮族の生臭い食事を味わうようなことはご容赦願いたいものと願っているところである。〔ここまで#6・#7孟郊〕
(訳注) #7
(遠遊聯句)
(江南に赴任する孟郊と韓愈・李翺の送別の聯句。)
○遠遊 元和三年、孟郊が溧陽尉に任ぜられて、江南に赴任するということで、孟郊20韻を中心にして、韓愈19韻、李翺1韻を聯句とした。孟郊が遠方にしか赴任する所がなく、ふてくされているのを慰めるための聯句ということである。
貉謠眾猥款,巴語相咿嚘。
貉族の歌は何やら頻りに悲しむことが多く集まったようで、巴国の言葉は、その場所場所において違っていて、どれが正しいのかわからないのである。
貉謠 貉族の歌。貉族とは北方諸族,中国文明の最早者であると傳えられ,貉,又た貊をされた,あるいはまた、濊貉と称せられた。
巴語相咿嚘 巴国の言葉は、その相応した場所において違っていて、どれが正しいのかわからないのである。
默誓去外俗,嘉願還中州。
自分は黙然として、心に誓い、ここの地方の風俗に同化されることなく、そうして、この国の中心に帰りたいと願うことを喜びとしているのである。
江生行既樂,躬輦自相戮。
その時、長江に春水が生じたならば、舟で旅を進めるのが楽しいものだし、何も自分で力を合わせて輦車をおしていくことはないのである。
躬輦自相戮 何も自分で力を合わせて輦車をおしていくことはないのである。
戮 1 切り殺す。「殺戮・誅戮(ちゅうりく)」2 力を合わせる。「戮力」
飲醇趣明代,味腥謝荒陬。 〔孟郊。〕
そんなことで行き、まじりけがなく,濃くのある酒を飲み、聖明の時代に対してもてはやされることであるが、このような蛮族の生臭い食事を味わうようなことはご容赦願いたいものと願っているところである。〔ここまで#6・#7孟郊〕
醇 まじりけがなく,こくのある酒。
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