巻1 11 李太白集 《0111 古風五十九首之十一》 李白kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 5356
- 2015/01/06
- 22:23
李白《0111 古風五十九首之十一》 黄河の流れは当たり前のこととしてはるか東の海にむかって走り、太陽は西方の海に落ちる。孔子が言うように、すぎゆく川の流れも、光矢のようにはやく流れる時間も、たちまちのことであり、人を待ってはくれない。青春の顔かたちはわたしの所から去って変わってしまった。頭はすでに秋霜のような白髪哀しくも変わってしまった。
巻1 11 李太白集 《0111 古風五十九首之十一》 李白 | kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 5356 |
Index- | 20 | Ⅱ― 16-741年開元二十九年41歳 | 14 |
ID | No. | 詩題 | 詩文初句 |
237 | 1 | 古風,五十九首之十 | 齊有倜儻生, |
238 | 2 | 古風,五十九首之十一 | 黃河走東溟, |
239 | 3 | 鳳吹笙曲【鳳笙篇送別】 | 仙人十五愛吹笙, |
240 | 4 | 搗衣篇 | 閨裡佳人年十餘, |
241 | 5 | 東魯見狄博通 | 去年別我向何處, |
242 | 6 | 秋日鍊藥院鑷白髮贈元六兄林宗 | 木落識歲秋, |
243 | 7 | 贈從弟冽 | 楚人不識鳳, |
244 | 8 | 別魯頌 | 誰道泰山高, |
245 | 9 | 送薛九被讒去魯 | 宋人不辨玉, |
246 | 10 | 送魯郡劉長史遷弘農長史 | 魯國一杯水, |
247 | 11 | 魯郡堯祠送張十四遊河北 | 猛虎伏尺草, |
248 | 12 | 早秋單父南樓酬竇公衡 | 白露見日滅, |
249 | 13 | 答友人贈烏紗帽 | 領得烏紗帽, |
250 | 14 | 詠鄰女東窗海石榴 | 魯女東窗下, |
製作年: 741年 開元二十九年 41歲
卷別: 巻一 卷一六一 文體: 五言古詩
詩題: 古風,五十九首之十一
古風,五十九首之十一
(人生今をいかに生きるか、去って行く日は、時は取り戻せない)
黃河走東溟,白日落西海。
黄河の流れは当たり前のこととしてはるか東の海にむかって走り、太陽は西方の海に落ちる。
逝川與流光,飄忽不相待。
孔子が言うように、すぎゆく川の流れも、光矢のようにはやく流れる時間も、たちまちのことであり、人を待ってはくれない。
春容捨我去,秋髮已衰改。
青春の顔かたちはわたしの所から去って変わってしまった。頭はすでに秋霜のような白髪哀しくも変わってしまった。
人生非寒松,年貌豈長在。
人間の生命は、寒い冬がきても葉を落さない松の木のようにはいかないのだ。年齢と容貌は、長く同じところにいてくれないのだ。
吾當乘雲螭,吸景駐光彩。
わたしは、幸運の竜の背に乗って日月の光を吸いとり、流れる五色の光矢時間をひきとめたいと思う。
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古風五十九首 の十一
黃河は 東溟に走り、 白日は西海に落つ。
逝川【せいせん】と 流光と、 飄忽として 相待たず。
春容 我を舍てて去り、 秋髪 已に衰改す。
人生は 寒松に非ず、年貌【ねんぼう】豈に長えに在らんや。
吾 当に雲螭【うんち】に乗じ、景を吸うて 光彩を駐むべし。
『古風,五十九首之十一』 現代語訳と訳註
(本文)
古風,五十九首之十一
黃河走東溟,白日落西海。
逝川與流光,飄忽不相待。
春容捨我去,秋髮已衰改。
人生非寒松,年貌豈長在。
吾當乘雲螭,吸景駐光彩。
【誰能學天飛,三秀與君採】
(下し文)
古風五十九首 古風其の十一
黃河は 東溟に走り、 白日は西海に落つ。
逝川と 流光と、 飄忽として 相待たず。
春容 我を舍てて去り、 秋髪 已に衰改す。
人生は 寒松に非ず、年貌 豈に長えに在らんや。
吾 当に雲螭に乗じ、景を吸うて 光彩を駐むべし。
(現代語訳)
(人生今をいかに生きるか、去って行く日は、時は取り戻せない)
黄河の流れは当たり前のこととしてはるか東の海にむかって走り、太陽は西方の海に落ちる。
孔子が言うように、すぎゆく川の流れも、光矢のようにはやく流れる時間も、たちまちのことであり、人を待ってはくれない。
青春の顔かたちはわたしの所から去って変わってしまった。頭はすでに秋霜のような白髪哀しくも変わってしまった。
人間の生命は、寒い冬がきても葉を落さない松の木のようにはいかないのだ。年齢と容貌は、長く同じところにいてくれないのだ。
わたしは、幸運の竜の背に乗って日月の光を吸いとり、流れる五色の光矢時間をひきとめたいと思う。
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(訳注)
古風,五十九首之十一
古風とは古体の詩というほどのことで、漢魏の間に完成した五言古詩の継承を目指すものである。諸篇は一時の作でなく、折にふれて作られた無題の詩を後から編集し、李白の生き方を述べたものである。
(人生今をいかに生きるか、去って行く日は、時は取り戻せない)
黃河走東溟、白日落西海。
黄河の流れは当たり前のこととしてはるか東の海にむかって走り、太陽は西方の海に落ちる。
○黄河 中国の北部を流れ、渤海へと注ぐ川。全長約5,464kmで、中国では長江に次いで2番目に長く、世界では6番目の長さである。なお、河という漢字は本来固有名詞であり、中国で「河」と書いたときは黄河を指す。これに対し、「江」と書いたときは長江を指す。
○東溟 はるか東の海。東流は常識。東海の蒼海に泛ぶ神仙三山を意識する
○西海 日の入りを意識する。中国人は大地の四方に海があると意識していた。青海と砂漠、天竺の向こうには大海がある。中国人の宇宙観であり、道教の教えでもある。
逝川與流光、飄忽不相待。
孔子が言うように、すぎゆく川の流れも、光矢のようにはやく流れる時間も、たちまちのことであり、人を待ってはくれない。
○逝川 流れゆく川。むかし孔子が川のほとりに立って流れゆく水を見て言った。論語・子罕』に「子在川上曰:逝者如斯夫!不舎昼夜。」「逝く者は斯の如き夫、昼夜を舎かず。」に基づく。
○流光 1 年月がたつこと。光陰の移り行くこと。「五年の―に転輪の疾(と)き趣を解し得たる婆さんは」〈漱石・草枕〉2 流れ出る光。また、光の流れること。3 水の流れにうつる月光。ここでは光矢のようにはやく流れさる時間。
○飄忽 急なさま。たちまち。非常に速いこと。
春容舍我去、秋髪已衰改。
青春の顔かたちはわたしの所から去って変わってしまった。頭はすでに秋霜のような白髪哀しくも変わってしまった。
○春容 青春の日の容貌。青春の顔かたち。
○秋髪 晩年の白髪。
人生非寒松、年貌豈長在。
人間の生命は、寒い冬がきても葉を落さない松の木のようにはいかないのだ。年齢と容貌は、長く同じところにいてくれないのだ。
○寒松 寒い冬がきても葉を落さない松の木。
〇年貌 年齢と容貌。
吾當乘云螭。吸景駐光彩。
わたしは、幸運の竜の背に乗って日月の光を吸いとり、流れる五色の光矢時間をひきとめたいと思う。
○雲螭 螭竜の一種。螭は額に角を持たない龍のことを言う。龍から角を取った感じだ。山や沢に棲む小さな龍で、色は赤や白、あるいは蒼色のものがいる。螭はとりわけ岩や木陰などの湿った場所を好むという。そして小さな虫や動物を食べて生きている。人目に触れる場所にはあまり出没しないという。螭が湿った場所を好むのか、螭が棲む場所を湿らせるのかはよく分からないが、螭がいなくなったためにその場所から湿気がなくなったという話も残されているという。仙界の幸運のいきもの。○吸景 日月の景を吸う。景は、ひかり。
○光彩 ひかり。
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