巻1 17 李太白集 《0117 古風五十九首之十七》 李白kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 5386
- 2015/01/12
- 22:31
顧みれば崑崙山に攀じ登り、仙術に使う瓊蕊の花を摘み取って、それと一緒に精魄を煉りあげれば、虚無の道であり、こんな世俗に居続けるのはつまらないことであると思うのだ。
巻1 17 李太白集 《0117 古風五十九首之十》 李白 | kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 5386 |
製作年: 747年 天寶六年 47歲
卷別: 卷一六一 文體: 五言古詩
詩題: 古風,五十九首之十七
作地點: 婺州(江南東道 / 婺州 / 婺州)
寫及地點: 金華 (江南東道 婺州 金華)
崑崙山 (隴右道東部 肅州 崑崙山)
古風,五十九首之十七
(金華山中で羊を放牧しながら、神仙となった黄初平への憧れ、仙人の術業を学びたいと詠う。)
金華牧羊兒,乃是紫煙客。
黄初平はもと金華山の山中へ羊を放牧して居たものであったが、道を学んで紫煙にまたがる神仙となった。
我願從之遊,未去髮已白。
我はこの人にしたがって教えを受けたいと思っているが、まだこの地を去らぬうちにこんな様に白髪頭になってしまった。
不知繁華子,擾擾何所迫。
それにつけても一刻も早く、世俗に暇乞いをして、早くそこに行きたいと思っている、
崑山採瓊蕊,可以煉精魄。
顧みれば崑崙山に攀じ登り、仙術に使う瓊蕊の花を摘み取って、それと一緒に精魄を煉りあげれば、虚無の道であり、こんな世俗に居続けるのはつまらないことであると思うのだ。
(古風,五十九首の十七)
金華 牧羊の兒,乃ち是れ紫煙の客。
我 之に從って遊ばんことを願えども,未だ去らざるは 髮已に白きことなり。
知らず 繁華の子,擾擾として 何所れにか迫らん。
崑山 瓊蕊を採り,以って精魄を煉る可し。
『古風,五十九首之十七』 現代語訳と訳註
(本文)
金華牧羊兒,乃是紫煙客。
我願從之遊,未去髮已白。
不知繁華子,擾擾何所迫。
崑山採瓊蕊,可以煉精魄。
(下し文)
(古風,五十九首の十七)
金華 牧羊の兒,乃ち是れ紫煙の客。
我 之に從って遊ばんことを願えども,未だ去らざるは 髮已に白きことなり。
知らず 繁華の子,擾擾として 何所れにか迫らん。
崑山 瓊蕊を採り,以って精魄を煉る可し。
(現代語訳)
(金華山中で羊を放牧しながら、神仙となった黄初平への憧れ、仙人の術業を学びたいと詠う。)
黄初平はもと金華山の山中へ羊を放牧して居たものであったが、道を学んで紫煙にまたがる神仙となった。
我はこの人にしたがって教えを受けたいと思っているが、まだこの地を去らぬうちにこんな様に白髪頭になってしまった。
それにつけても一刻も早く、世俗に暇乞いをして、早くそこに行きたいと思っている、
顧みれば崑崙山に攀じ登り、仙術に使う瓊蕊の花を摘み取って、それと一緒に精魄を煉りあげれば、虚無の道であり、こんな世俗に居続けるのはつまらないことであると思うのだ。
(訳注)
古風,五十九首之十七
古風とは古体の詩というほどのことで、漢魏の間に完成した五言古詩の継承を目指すものである。諸篇は一時の作でなく、折にふれて作られた無題の詩を後から編集し、李白の生き方を述べたものである。
(金華山中で羊を牧しながら、神仙となった黄初平への憧れ、仙人の術業を学びたいと詠う。)
黄初平に憧れているうちに白髪頭になってしまった、世上はなぜこうも忙しないのか、崑崙山に行けば仙人になれるのに、といった内容。
金華牧羊兒,乃是紫煙客。
黄初平はもと金華山の山中へ羊を放牧して居たものであったが、道を学んで紫煙にまたがる神仙となった。
○牧羊兒 黄初平のこと。黄初平(こう・しょへい、328年-?386年?)、晋代中国の仙人。「黄」は「皇」と書く場合がある。黄大仙(道教系寺院)に本尊として祀られる。[は牧羊を生業としていたが、ある時、道士に見込まれて何処ともなく行ってしまった。40年間行方不明の後に、兄が黄初平を見つける。兄が、昔飼っていた羊の所在を聞くと、路傍の羊の石の所へ行き、黄初平が仙術をかけると石が本物の羊に戻ったという。
我願從之遊,未去髮已白。
我はこの人にしたがって教えを受けたいと思っているが、まだこの地を去らぬうちにこんな様に白髪頭になってしまった。
不知繁華子,擾擾何所迫。
それにつけても一刻も早く、世俗に暇乞いをして、早くそこに行きたいと思っている、
○繁華 人が多く集まり、にぎわっていること。また、そのさま。
○擾擾 ごたごたと乱れているさま。騒がしいさま。
崑山採瓊蕊,可以煉精魄。
顧みれば崑崙山に攀じ登り、仙術に使う瓊蕊の花を摘み取って、それと一緒に精魄を煉りあげれば、虚無の道であり、こんな世俗に居続けるのはつまらないことであると思うのだ。
○崑崙山 中国古代の伝説上の山岳。崑崙山・崑崙丘・崑崙虚ともいう。中国の西方にあり、黄河の源で、玉を産出し、仙女の西王母がいるとされた。仙界とも呼ばれ、八仙がいるとされる。 崑崙奴とは、アフリカ系黒人に対しての呼び名であるが、伎楽の崑崙〔くろん〕面の名称も、そもそもは黒人のことをさした。
○精魄 仙術である金丹を練ること。道教の道士が金石を砕いて練って作ったという不老不死の薬。
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