巻1 22 李太白集 《0122 古風五十九首之二十二》 李白kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 5411
- 2015/01/17
- 22:24
《0122 古風五十九首之二十二》 李白 思い出せば心に思うこと、目にする物、すべては詩人としての私の心を動かした、わかれにはいろんな思いにふけるものである、これから先の旅路のはるか遠くのことを考えると長安を旅立つというのではなくはやくこの故郷に帰ってきたいと思う気持ちの方が強いというものだ。
巻1 22 李太白集 《0122 古風五十九首之二十二》 李白 | kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 5411 |
Index-23Ⅲ-1 744年天寶三年44歳366
李白index- 23 《744年 高力士に讒言され首都追放。四方遊歴を再開する。》李白詩 全詩<李白index- 23> Ⅰ李白詩1094 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4018
年: 744年 天寶三年 44歲
卷別: 卷一六一 文體: 五言古詩
詩題: 古風,五十九首之二十二
古風,五十九首之二十二
秦水別隴首,幽咽多悲聲。
胡馬顧朔雪,躞蹀長嘶鳴。
感物動我心,緬然含歸情。
(此の詩は長安を追放されて去ったのちに、長安を去るものの気持ちを故郷を去りがたいことと一般化して詠ったものである。)
長安を旅立つものは東流する秦水がやがて隴山に別れを告げるのをみる、ひとしれずむせび泣き嗚咽して悲しい声を発てて流れてゆく。
胡地の馬は故郷の朔地の山に積もった雪の向こうを振り向いて、馬に付けた鈴や玉を鳴らして、いつまでも嘶きつづけるものなのだ。
思い出せば心に思うこと、目にする物、すべては詩人としての私の心を動かした、わかれにはいろんな思いにふけるものである、これから先の旅路のはるか遠くのことを考えると長安を旅立つというのではなくはやくこの故郷に帰ってきたいと思う気持ちの方が強いというものだ。
<!--[if !supportLineBreakNewLine]-->
<!--[endif]-->
昔視秋蛾飛,今見春蠶生。
嫋嫋桑柘葉,萋萋柳垂榮。
急節謝流水,羈心搖懸旌。
揮涕且復去,惻愴何時平。
(古風,五十九首の二十二)
秦水【しんすい】 隴首【ろうしゅ】に別れ、幽咽【ゆうえつ】して悲声多し。
胡馬【こば】 朔雪【さくせつ】を顧み、躞蹀【しょうちょう】として長く嘶鳴【しめい】す。
物に感じて我が心を動かし、緬然【めんぜん】として帰情を含む。
昔は視る 秋蛾【しゅうが】の飛ぶを、今は見る 春蚕【しゅんさん】の生ずるを。
嫋嫋【じょうじょう】として桑は葉を結び、萋萋【せいせい】として柳は栄を垂る。
急節 流水のごとく謝【さ】り、羇心【きしん】 懸旌【けんせい】を揺るがす。
涕を揮って且【しばら】く復(ま)た去り、惻愴【そくそう】 何【いず】れの時か平かならん。
『古風,五十九首之二十二』 現代語訳と訳註
(本文) 古風,五十九首之二十二
秦水別隴首,幽咽多悲聲。
胡馬顧朔雪,躞蹀長嘶鳴。
感物動我心,緬然含歸情。
(下し文)
(古風,五十九首の二十二)
秦水【しんすい】 隴首【ろうしゅ】に別れ、幽咽【ゆうえつ】して悲声多し。
胡馬【こば】 朔雪【さくせつ】を顧み、躞蹀【しょうちょう】として長く嘶鳴【しめい】す。
物に感じて我が心を動かし、緬然【めんぜん】として帰情を含む。
(現代語訳)
(此の詩は長安を追放されて去ったのちに、長安を去るものの気持ちを故郷を去りがたいことと一般化して詠ったものである。)
長安を旅立つものは東流する秦水がやがて隴山に別れを告げるのをみる、ひとしれずむせび泣き嗚咽して悲しい声を発てて流れてゆく。
胡地の馬は故郷の朔地の山に積もった雪の向こうを振り向いて、馬に付けた鈴や玉を鳴らして、いつまでも嘶きつづけるものなのだ。
思い出せば心に思うこと、目にする物、すべては詩人としての私の心を動かした、わかれにはいろんな思いにふけるものである、これから先の旅路のはるか遠くのことを考えると長安を旅立つというのではなくはやくこの故郷に帰ってきたいと思う気持ちの方が強いというものだ。
<!--[if !supportLineBreakNewLine]-->
<!--[endif]-->
(訳注)
古風,五十九首之二十二
古風とは古体の詩というほどのことで、漢魏の間に完成した五言古詩の継承を目指すものである。諸篇は一時の作でなく、折にふれて作られた無題の詩を後から編集し、李白の生き方を述べたものである。
(此の詩は長安を追放されて去ったのちに、長安を去るものの気持ちを故郷を去りがたいことと一般化して詠ったものである。)
秦水別隴首。 幽咽多悲聲。
長安を旅立つものは東流する秦水がやがて隴山に別れを告げるのをみる、ひとしれずむせび泣き嗚咽して悲しい声を発てて流れてゆく。
○秦水 渭水の上流部。
○隴首 渭水が隴山のすそをながれるあたりは、杜甫の「前出塞九首」其三
「磨刀嗚咽水,水赤刃傷手。欲輕腸斷聲,心緒亂已久。」(隴山までくるとむせび泣いている水が流れている、その水で刀をみがく。水の色がさっと赤くなる、刀の刃が自分の手を傷つけたのだ。自分はこんな腸はらわたを断たせるという水の音などはたいしたことはないつもりなのだが、家と国とのことを考えると以前からさまざま思っていて心がみだれているのだ。)「前出塞九首」其三 紀頌之の漢詩ブログ誠実な詩人杜甫特集 42
胡馬顧朔雪。 躞蹀長嘶鳴。
胡地の馬は故郷の朔地の山に積もった雪の向こうを振り向いて、馬に付けた鈴や玉を鳴らして、いつまでも嘶きつづけるものなのだ。
○躞蹀 馬に付けた鈴や玉が鳴る音。旅立ちの寂しさをあらわす。
○朔雪 朔は、北。ここでは山西省朔州の山に積もった雪とすれば、黄河合流点をこえ、洛陽に近づいて来たことになるが、ここは北の名馬の産地の背後の山である。
○嘶鳴 馬が嘶くのが、李白自身が大声で泣きたい心境を示していると考えられもするが古風の詩であることを考慮すると、馬の嘶きが別れの時にはよく響き渡るものというほどの意味である。解釈者の中には長安を追われて去る際の詩と考えて、こじつけ解説されているのを見かけるが、それでは、李白が古風としてまとめた意図を解していないことになる。ここは、そういった事実を踏まえながらも、一般的な長安での別れを詠うものと解釈した方がスケールが大きい。
感物動我心。 緬然含歸情。
思い出せば心に思うこと、目にする物、すべては詩人としての私の心を動かした、わかれにはいろんな思いにふけるものである、これから先の旅路のはるか遠くのことを考えると長安を旅立つというのではなくはやくこの故郷に帰ってきたいと思う気持ちの方が強いというものだ。
○緬然 はるかなさま。遠く思いやるさま。思いにふけるさま。
<!--[if !supportLineBreakNewLine]-->
<!--[endif]-->
古風,五十九首之二十二
秦水別隴首,幽咽多悲聲。
胡馬顧朔雪,躞蹀長嘶鳴。
感物動我心,緬然含歸情。
(古風,五十九首の二十二)
秦水【しんすい】 隴首【ろうしゅ】に別れ、幽咽【ゆうえつ】して悲声多し。
胡馬【こば】 朔雪【さくせつ】を顧み、躞蹀【しょうちょう】として長く嘶鳴【しめい】す。
物に感じて我が心を動かし、緬然【めんぜん】として帰情を含む。
昔視秋蛾飛,今見春蠶生。
嫋嫋桑柘葉,萋萋柳垂榮。
急節謝流水,羈心搖懸旌。
揮涕且復去,惻愴何時平。
昔は視る 秋蛾【しゅうが】の飛ぶを、今は見る 春蚕【しゅんさん】の生ずるを。
嫋嫋【じょうじょう】として桑は葉を結び、萋萋【せいせい】として柳は栄を垂る。
急節 流水のごとく謝【さ】り、羇心【きしん】 懸旌【けんせい】を揺るがす。
涕を揮って且【しばら】く復(ま)た去り、惻愴【そくそう】 何【いず】れの時か平かならん。
- テーマ:詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
- ジャンル:学問・文化・芸術
- カテゴリ:李太白集 巻一 古風五十九首
- CM:0
最新記事
- 長い間ブログを休校している件について (09/01)
- 李太白集 397《太白巻23-02效古二首其一》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7573 (04/04)
- 李太白集 396《太白巻二十二40憶東山二首 其二》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7568 (04/03)
- 李太白集 395《太白巻二十二39憶東山二首 其一》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7563 (03/30)
- 李太白集 394《太白巻二十08杜陵絕句》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7558 (03/29)
- 李太白集 393《太白巻十九18朝下過盧郎中敘舊游》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7553 (03/28)
- 李太白集 392《太白巻十八12金門答蘇秀才》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7548 (03/27)
- 太白集 391《太白巻十九17下終南山過斛斯山人宿置酒》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7543 (03/26)
- 太白集 390《太白巻十六33 送長沙陳太守,二首之二》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7538 (03/25)
- 李太白集 389《太白巻十六32 送長沙陳太守,二首之一》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7533 (03/24)
- 李太白集 388《太白巻十六26 送祝八之江東賦得浣紗石》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7528 (03/23)
- 李太白集 387《太白巻十六23-《送白利從金吾董將軍西征》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7523 (03/22)
- 李太白集 386《太白巻十六21 送族弟綰從軍安西》(漢家兵馬乘北風) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7508 (03/19)
- 李太白集 385《太白巻十六18-3-《送外甥鄭灌從軍,三首之三》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7503 (03/18)
- 李太白集 384《太白巻十六18-2 送外甥鄭灌從軍,三首之二》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7498 (03/17)
- 李太白集 383《太白巻十六18-1 送外甥鄭灌從軍,三首之一》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7493 (03/16)
- 李太白集 382《太白巻十六13 送張遙之壽陽幕府》 (壽陽信天險,) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7488 (03/15)
- 李太白集 381《太白巻十六10 送程劉二侍郎兼獨孤判官赴安西幕府》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7483 (03/14)
- 李太白集 381《太白巻十六10 送程劉二侍郎兼獨孤判官赴安西幕府》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7483 (03/13)
- 李太白集 380《太白巻十六08 送竇司馬貶宜春》 (天馬白銀鞍,) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7478 (03/12)
- 李太白集 379《太白巻十四34 贈別王山人歸布山》(王子析道論,) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7473 (03/11)
- 李太白集 378《太白巻十二06-夕霽杜陵登樓寄韋繇》 (浮陽滅霽景) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7468 (03/10)
- 李太白集 377《太白巻巻十二05-《望終南山寄紫閣隱者》(出門見南山) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7463 (03/09)
- 李太白集 376《太白巻八36 贈盧徵君昆弟》 (明主訪賢逸) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7458 (03/08)
- 李太白集 375《太白巻八22 贈郭將軍》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7453 (03/07)
- 李太白集 374《太白巻六10-《同族弟金城尉叔卿燭照山水壁畫歌》 (高堂粉壁圖蓬瀛) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7448 (03/06)
- 李太白集 373《太白巻六07 西嶽雲臺歌送丹丘子》 (西嶽崢嶸何壯哉) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7443 (03/05)
- 李太白集 372《太白巻六05 玉壺吟》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7438 (03/04)
- 李太白集 371《太白巻卷六04-《侍從宜春苑,奉詔賦龍池柳色初青,聽新鶯百囀歌》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7433 (03/03)
- 李太白集 370《太白巻五 24-秋思》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7428 (03/02)