巻1 24 李太白集 《0124 古風五十九首之二十四》 李白kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 5421
- 2015/01/19
- 22:18
(宮中の宦官、中貴が君寵を得て、さも得意げに振る舞っている有様を述べて、自己の不遇を対照にしたのである。)長安の街では、大きな車がほこりを巻きあげて通り、正午という時間帯であるのにほこりで都大路を暗くしている。
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製作年: 731年 開元十九年 31歲
卷別: 卷一六一 文體: 五言古詩
詩題: 古風,五十九首之二十四
作地點: 長安(京畿道 / 京兆府 / 長安)
古風,五十九首之二十四
(宮中の宦官、中貴が君寵を得て、さも得意げに振る舞っている有様を述べて、自己の不遇を対照にしたのである。)
大車揚飛塵,亭午暗阡陌。
長安の街では、大きな車がほこりを巻きあげて通り、正午という時間帯であるのにほこりで都大路を暗くしている。
中貴多黃金,連雲開甲宅。
これは宮中の宦官が君寵を得て、さも得意げに振る舞って、いばっているやからが黄金を沢山ため込んでいる、その家の瓦は雲が連なっているような大邸宅を建てている。
路逢鬥雞者,冠蓋何輝赫。
これら中貴の奴らの中でも町で闘鶏師であったものがその技をもって召されたものもあるが、頭上にのせた冠、車上の被いは、驚くほどピカピカに輝いている。
鼻息干虹蜺,行人皆怵惕。
街中を歩いてもその鼻息のあらさはかれらの権勢をひけらかす、空の虹にとどくばかりである。道行く人びとはおそれいって平伏し、よけていくのである。
世無洗耳翁,誰知堯與跖。
この手合いのものは格別の才能もないのに、ちょっと天子に気にいられて、富貴になったのであり、今の世には、穎水で耳を洗って隠居したような清廉潔白な人はいない、聖人の堯帝と大泥棒の跖とを、誰が見分けられるというのか。
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(古風,五十九首の二十四)
大車 飛塵を揚げ、亭午 阡陌暗し。
中貴は 黄金多く、雲に連なって 甲宅を開く。
路に闘鶏の者に逢う、冠蓋 何ぞ輝赫たる。
鼻息 虹霓を干し、行人 皆怵惕す。
世に耳を洗う翁無し、誰か知らん堯と跖と。
『古風,五十九首之二十四』 現代語訳と訳註
(本文)
古風,五十九首之二十四
大車揚飛塵,亭午暗阡陌。
中貴多黃金,連雲開甲宅。
路逢鬥雞者,冠蓋何輝赫。
鼻息干虹蜺,行人皆怵惕。
世無洗耳翁,誰知堯與跖。
(下し文)
(古風,五十九首の二十四)
大車 飛塵を揚げ、亭午 阡陌暗し。
中貴は 黄金多く、雲に連なって 甲宅を開く。
路に闘鶏の者に逢う、冠蓋 何ぞ輝赫たる。
鼻息 虹霓を干し、行人 皆怵惕す。
世に耳を洗う翁無し、誰か知らん堯と跖と。
(現代語訳)
(宮中の宦官、中貴が君寵を得て、さも得意げに振る舞っている有様を述べて、自己の不遇を対照にしたのである。)
長安の街では、大きな車がほこりを巻きあげて通り、正午という時間帯であるのにほこりで都大路を暗くしている。
これは宮中の宦官が君寵を得て、さも得意げに振る舞って、いばっているやからが黄金を沢山ため込んでいる、その家の瓦は雲が連なっているような大邸宅を建てている。
これら中貴の奴らの中でも町で闘鶏師であったものがその技をもって召されたものもあるが、頭上にのせた冠、車上の被いは、驚くほどピカピカに輝いている。
街中を歩いてもその鼻息のあらさはかれらの権勢をひけらかす、空の虹にとどくばかりである。道行く人びとはおそれいって平伏し、よけていくのである。
この手合いのものは格別の才能もないのに、ちょっと天子に気にいられて、富貴になったのであり、今の世には、穎水で耳を洗って隠居したような清廉潔白な人はいない、聖人の堯帝と大泥棒の跖とを、誰が見分けられるというのか。
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(訳注)
古風,五十九首之二十四
(宮中の宦官、中貴が君寵を得て、さも得意げに振る舞っている有様を述べて、自己の不遇を対照にしたのである。)
大車揚飛塵。 亭午暗阡陌。
長安の街では、大きな車がほこりを巻きあげて通り、正午という時間帯であるのにほこりで都大路を暗くしている。
○亭午 正午。
○阡陌 たてよこのみち。
中貴多黃金。 連云開甲宅。
これは宮中の宦官が君寵を得て、さも得意げに振る舞って、いばっているやからが黄金を沢山ため込んでいる、その家の瓦は雲が連なっているような大邸宅を建てている。
○中貴 宮中において幅をきかしていた宦官。
○甲宅 第一等の邸宅。
路逢鬥雞者。 冠蓋何輝赫。
これら中貴の奴らの中でも町で闘鶏師であったものがその技をもって召されたものもあるが、頭上にのせた冠、車上の被いは、驚くほどピカピカに輝いている。
○闘鶏 一種のカケ事のあそびで、各自のもつ鶏を闘争させて勝負をきめえ。当時、玄宗をはじめ、唐の皇室や貴族たちの間で闘鶏がはやり、賈昌という男は幼い時から鳥のコトバを聞きわけで、鶏を取扱う特殊な才能があったので引き立てられた。○冠蓋 冠と車の上のおおい。
鼻息干虹霓。 行人皆怵惕。
街中を歩いてもその鼻息のあらさはかれらの権勢をひけらかす、空の虹にとどくばかりである。道行く人びとはおそれいって平伏し、よけていくのである。
○虹霓 にじ。
○怵惕 おそれてよける。
世無洗耳翁。 誰知堯與跖。
この手合いのものは格別の才能もないのに、ちょっと天子に気にいられて、富貴になったのであり、今の世には、穎水で耳を洗って隠居したような清廉潔白な人はいない、聖人の堯帝と大泥棒の跖とを、誰が見分けられるというのか。
○洗耳翁 太古堯帝の時の高士、許由のこと。責帝から天子の位をゆずろうと相談をもちかけられた時、受けつけず、穎水の北にゆき隠居した。堯帝が又、かれを招いて九州の長にしようとしたら、かれは、こういう話は耳がけがれるといって、すぐさま川の水で耳を洗った。李白「迭裴十八図南歸嵩山其二」紀頌之の漢詩 164 参照
○堯与跖 堯は伝説中の古代の聖天子。跖は伝説中の春秋時代の大泥棒。堯と跖といえば聖人と極悪人の代表である。
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