巻1 26 李太白集 《0126 古風五十九首之二十六》 李白kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 5431
- 2015/01/21
- 22:09
根をおろすのに場所が良い所ではなかったからどうすることもできない。この碧荷の子頃では、崑崙山頂の華池のようなところに生えたいと思ったに違いない。そうであればその秀色を発揮し、馨香をも人が傳えて賞美されるに違いないのに。
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製作年: 728年 開元十六年 28歲
卷別: 卷一六一 文體: 五言古詩
詩題: 古風,五十九首之二十六
古風,五十九首之二十六
碧荷生幽泉,朝日豔且鮮。
秋花冒綠水,密葉羅青煙。
秀色空絕世,馨香竟誰傳。
坐看飛霜滿,凋此紅芳年。
結根未得所,願託華池邊。
(若き李白が碧荷に託して、自分の思いをのべる。)
幽泉に生じている碧の蓮はもともときれいで、そこに朝日が射しかかると、つややかであり、その上、あざやかにみえるのだ。
秋になると花は、綠の水の上におおいかぶさり、密生したおおきな葉は、青い靄に網をかぶせられたように見える。
こうして、そのすばらしい色は絶世のうつくしさをしめすものであるが、その場所が幽僻であるために折角よいかおりがあっても、だれのこれを世間につたえてくれるひとはいないのである。
そうこうしてるうちに、花の盛りはまことに短くて、秋も末になれば、やがて霜が一面に降りかかる時節ともなり、せっかくの紅い花びらのしおれてしまうのを、むざむざと見なければならず、まことに情けないことである。
根をおろすのに場所が良い所ではなかったからどうすることもできない。この碧荷の子頃では、崑崙山頂の華池のようなところに生えたいと思ったに違いない。そうであればその秀色を発揮し、馨香をも人が傳えて賞美されるに違いないのに。
古風其の二十六
碧荷【へきか】は幽泉に生じ、朝日 艶にして且つ鮮【あざや】かなり。
秋花は綠水を冒【おお】い、密葉は青煙を羅【あみ】す。
秀色空しく絶世、馨香 竟に誰か伝えん。
坐【そぞろ】に看る 飛霜【ひそう】満ちて、此の紅芳の年を凋【しぼ】ましむを。
根を結んで 未だ所を得ず、願わくば華池の辺に託せん。
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『古風,五十九首之二十六』 現代語訳と訳註
(本文)
古風,五十九首之二十六
碧荷生幽泉,朝日豔且鮮。
秋花冒綠水,密葉羅青煙。
秀色空絕世,馨香竟誰傳。
坐看飛霜滿,凋此紅芳年。
結根未得所,願託華池邊。
(下し文)
古風其の二十六
碧荷【へきか】は幽泉に生じ、朝日 艶にして且つ鮮【あざや】かなり。
秋花は綠水を冒【おお】い、密葉は青煙を羅【あみ】す。
秀色空しく絶世、馨香 竟に誰か伝えん。
坐【そぞろ】に看る 飛霜【ひそう】満ちて、此の紅芳の年を凋【しぼ】ましむを。
根を結んで 未だ所を得ず、願わくば華池の辺に託せん。
(現代語訳)
(若き李白が碧荷に託して、自分の思いをのべる。)
幽泉に生じている碧の蓮はもともときれいで、そこに朝日が射しかかると、つややかであり、その上、あざやかにみえるのだ。
秋になると花は、綠の水の上におおいかぶさり、密生したおおきな葉は、青い靄に網をかぶせられたように見える。
こうして、そのすばらしい色は絶世のうつくしさをしめすものであるが、その場所が幽僻であるために折角よいかおりがあっても、だれのこれを世間につたえてくれるひとはいないのである。
そうこうしてるうちに、花の盛りはまことに短くて、秋も末になれば、やがて霜が一面に降りかかる時節ともなり、せっかくの紅い花びらのしおれてしまうのを、むざむざと見なければならず、まことに情けないことである。
根をおろすのに場所が良い所ではなかったからどうすることもできない。この碧荷の子頃では、崑崙山頂の華池のようなところに生えたいと思ったに違いない。そうであればその秀色を発揮し、馨香をも人が傳えて賞美されるに違いないのに。
(訳注)
古風,五十九首之二十六
(若き李白が碧荷に託して、自分の思いをのべる。)
古風とは古体の詩というほどのことで、漢魏の間に完成した五言古詩の継承を目指すものである。諸篇は一時の作でなく、折にふれて作られた無題の詩を後から編集し、李白の生き方を述べたものである。
碧荷生幽泉。 朝日艷且鮮。
幽泉に生じている碧の蓮はもともときれいで、そこに朝日が射しかかると、つややかであり、その上、あざやかにみえるのだ。
○碧荷 みどり色の蓮。 ○幽泉 人目につかないところ。茂みの影の暗いところ。
秋花冒綠水。 密葉羅青煙。
秋になると花は、綠の水の上におおいかぶさり、密生したおおきな葉は、青い靄に網をかぶせられたように見える。
○綠水 澄み切った水。 ○羅青煙 青い靄に網をかぶせられる。
秀色空絕世。 馨香竟誰傳。
こうして、そのすばらしい色は絶世のうつくしさをしめすものであるが、その場所が幽僻であるために折角よいかおりがあっても、だれのこれを世間につたえてくれるひとはいないのである。
○馨香 よいかおり。
坐看飛霜滿。 凋此紅芳年。
そうこうしてるうちに、花の盛りはまことに短くて、秋も末になれば、やがて霜が一面に降りかかる時節ともなり、せっかくの紅い花びらのしおれてしまうのを、むざむざと見なければならず、まことに情けないことである。
結根未得所。 願托華池邊。
根をおろすのに場所が良い所ではなかったからどうすることもできない。この碧荷の子頃では、崑崙山頂の華池のようなところに生えたいと思ったに違いない。そうであればその秀色を発揮し、馨香をも人が傳えて賞美されるに違いないのに。
○華池 西王母の住む崑崙山上にある池の名。(瑤地)
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- カテゴリ:李太白集 巻一 古風五十九首
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