巻1 28 李太白集 《0128 古風五十九首之二十八》 李白kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 5441
- 2015/01/23
- 22:06
(この篇は、年華は頻りに移り、四時の節物は、常に推移し、現象界は変化極まらず、まことにつまらないから、そこで道を得て、宇宙の本体に参透したいということをのべる。)
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紀年: 753年 天寶十二年 53歲
卷別: 卷一六一 文體: 五言古詩
詩題: 古風,五十九首之二十八
古風,五十九首之二十八
(この篇は、年華は頻りに移り、四時の節物は、常に推移し、現象界は変化極まらず、まことにつまらないから、そこで道を得て、宇宙の本体に参透したいということをのべる。)
容顏若飛電,時景如飄風。
人の容顔は電光の如く、つかの間に消えてゆくもので、昨日の紅顔も今日は血の気もなく青ざめてしまうし、四季折々の景色は、旋風の如く其移り変わることは極めて速やかなものである。
草綠霜已白,日西月復東。
草木の緑もわずかな内で、忽ち霜を置いて白けてしまうし、日が西に沈めば、今度は月が又東の空に昇ってくる。それがこの世界の当たり前の景色というものである。
華鬢不耐秋,颯然成衰蓬。
このように白髪になっているこの身はもとより秋には耐えず、一度、西風に遭えば颯然として枯れた蓬のようになるものである。人がこの世に存在するあいだは極めて短い年月である。
古來賢聖人,一一誰成功。
古来より、賢者、聖人と称されるものすべて成功者というわけではないのである。賢者聖人と雖も、一人ひとり違った人生なのであり、せっかくの志を遂げずに死んだ者も少なくないのである。
君子變猿鶴,小人為沙蟲。
周の穆王が南征して久しく帰らざる時に、三軍ことごとく覆没し、その中の君子は、猿鶴となり、小人はただの砂や虫けらになったというとおり、千変万化、極まりのないというものである。
不及廣成子,乘雲駕輕鴻。
そうであれば、廣成子のように軽やかに飛んでいく鴻にまたがって、大空を自由に飛び回るのが一番で、自分のこの仙術をぜひ習得したいと思うところである。
古風,五十九首之二十八
容顏は飛電の若く,時景は飄風の如し。
草は綠にして霜は已に白く,日は西にして月は復た東なり。
華鬢 秋に耐えず,颯然として 衰蓬を成す。
古來 賢聖の人,一一 誰か功を成す。
君子は猿鶴に變じ,小人は沙蟲と為る。
及ばず 廣成子,雲に乘じて 輕鴻を駕するに。
『古風,五十九首之二十八』 現代語訳と訳註
(本文)
古風,五十九首之二十八
容顏若飛電,時景如飄風。
草綠霜已白,日西月復東。
華鬢不耐秋,颯然成衰蓬。
古來賢聖人,一一誰成功。
君子變猿鶴,小人為沙蟲。
不及廣成子,乘雲駕輕鴻。
(含異文)
容顏若飛電,時景如飄風。草綠霜已白,日西月復東。華鬢不耐秋【華髮不耐秋】,颯然成衰蓬。古來賢聖人,一一誰成功。君子變猿鶴,小人為沙蟲。不及廣成子,乘雲駕輕鴻。
(下し文)
古風,五十九首之二十八
容顏は飛電の若く,時景は飄風の如し。
草は綠にして霜は已に白く,日は西にして月は復た東なり。
華鬢 秋に耐えず,颯然として 衰蓬を成す。
古來 賢聖の人,一一 誰か功を成す。
君子は猿鶴に變じ,小人は沙蟲と為る。
及ばず 廣成子,雲に乘じて 輕鴻を駕するに。
(現代語訳)
(この篇は、年華は頻りに移り、四時の節物は、常に推移し、現象界は変化極まらず、まことにつまらないから、そこで道を得て、宇宙の本体に参透したいということをのべる。)
人の容顔は電光の如く、つかの間に消えてゆくもので、昨日の紅顔も今日は血の気もなく青ざめてしまうし、四季折々の景色は、旋風の如く其移り変わることは極めて速やかなものである。
草木の緑もわずかな内で、忽ち霜を置いて白けてしまうし、日が西に沈めば、今度は月が又東の空に昇ってくる。それがこの世界の当たり前の景色というものである。
このように白髪になっているこの身はもとより秋には耐えず、一度、西風に遭えば颯然として枯れた蓬のようになるものである。人がこの世に存在するあいだは極めて短い年月である。
古来より、賢者、聖人と称されるものすべて成功者というわけではないのである。賢者聖人と雖も、一人ひとり違った人生なのであり、せっかくの志を遂げずに死んだ者も少なくないのである。
周の穆王が南征して久しく帰らざる時に、三軍ことごとく覆没し、その中の君子は、猿鶴となり、小人はただの砂や虫けらになったというとおり、千変万化、極まりのないというものである。
そうであれば、廣成子のように軽やかに飛んでいく鴻にまたがって、大空を自由に飛び回るのが一番で、自分のこの仙術をぜひ習得したいと思うところである。
(訳注)
古風,五十九首之二十八
この篇は、年華は頻りに移り、四時の節物は、常に推移し、現象界は変化極まらず、まことにつまらないから、そこで道を得て、宇宙の本体に参透したいということをのべる。
容顏若飛電,時景如飄風。
人の容顔は電光の如く、つかの間に消えてゆくもので、昨日の紅顔も今日は血の気もなく青ざめてしまうし、四季折々の景色は、旋風の如く其移り変わることは極めて速やかなものである。
時景 時時の景色。
飄風 旋風。急に激しく吹く風。つむじかぜ。はやて。《「老子」23章》(飄風は朝を終えず驟雨は日を終えず)つむじ風が朝の間じゅう吹きつづけることはないし、にわか雨が一日じゅう降りつづけることもない。不自然な出来事は長くは続かないというたとえ。
草綠霜已白,日西月復東。
草木の緑もわずかな内で、忽ち霜を置いて白けてしまうし、日が西に沈めば、今度は月が又東の空に昇ってくる。それがこの世界の当たり前の景色というものである。
華鬢不耐秋,颯然成衰蓬。
このように白髪になっているこの身はもとより秋には耐えず、一度、西風に遭えば颯然として枯れた蓬のようになるものである。人がこの世に存在するあいだは極めて短い年月である。
華鬢 白髪。
衰蓬 枯れた蓬。
古來賢聖人,一一誰成功。
古来より、賢者、聖人と称されるものすべて成功者というわけではないのである。賢者聖人と雖も、一人ひとり違った人生なのであり、せっかくの志を遂げずに死んだ者も少なくないのである。
君子變猿鶴,小人為沙蟲。
周の穆王が南征して久しく帰らざる時に、三軍ことごとく覆没し、、その中の君子は、猿鶴となり、小人はただの砂や虫けらになったというとおり、千変万化、極まりのないというものである。
君子變猿鶴 藝文類聚に引用している抱朴子には「周の穆王、南征して、久しく帰らず、君子は猿となり、小人は蟲となって、沙となる。」
不及廣成子,乘雲駕輕鴻。
そうであれば、廣成子のように軽やかに飛んでいく鴻にまたがって、大空を自由に飛び回るのが一番で、自分のこの仙術をぜひ習得したいと思うところである。
廣成子 広成子『神仙伝』巻一の『広成子』によると、広成子は古代の仙人で、崆峒山の石の部屋で暮らしていた。彼が千二百歳の時に黄帝が至上の道の要旨について尋ねてきたが、広成子は「お前が天下を治めるようになってから鳥類はその季節にもならないのに飛び立ち、草木は黄葉する前に散るようになった」と言って断った。黄帝が三ヶ月間閉居した後に再び教えを請うと、広成子はこれに答えたという。また同じく『神仙伝』巻一の『老子』では、老子は黄帝のときは広成子になったという記述がある。
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