巻1 37 李太白集 《0137 古風五十九首之三十七》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 5486
- 2015/02/01
- 22:48
その時点を仰いで、慟哭すると真夏である五月というのに、秋に降りるはずの霜が飛んだという。また、斉の娘が嫁して寡婦となったが、無実の罪を着せられたため、悲しみのため天に向かって号泣したところ、天が感じて雷を起こし、そのため斉の景公の高殿に雷撃があった、景公も傷ついたのだ。
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37巻一 古風,五十九首之三十七
製作年: 747年 天寶六年 47歲
卷別: 卷一六一 文體: 五言古詩
詩題: 古風,五十九首之十七
作地點: 婺州(江南東道 / 婺州 / 婺州)
及地點: 金華 (江南東道 婺州 金華)
崑崙山 (隴右道東部 肅州 崑崙山)
古風,五十九首之三十七
(この詩も、感嘆の詩で、李白が高力士らの讒言にあって、長安を追放された後作ったもの。)
燕臣昔慟哭、五月飛秋霜。
鄒衍は燕国に忠誠を尽くしたにもかかわらず獄につながれ、その時点を仰いで、慟哭すると真夏である五月というのに、秋に降りるはずの霜が飛んだという。
庶女號蒼天、震風擊齊堂。
また、斉の娘が嫁して寡婦となったが、無実の罪を着せられたため、悲しみのため天に向かって号泣したところ、天が感じて雷を起こし、そのため斉の景公の高殿に雷撃があった、景公も傷ついたのだ。
精誠有所感、造化為悲傷。
つまり、天を感じさせる誠さえあれば、天も悲しんでくれるものだ」。誠実に生きることがたいせつだ、自分も誠実に生きてきた。姦物どもの非難・中傷はあろうが、天も知って悲しんでくれるであろうというのがそれである。
#2
而我竟何辜、遠身金殿旁。
浮云蔽紫闥、白日難回光。
群沙穢明珠、眾草凌孤芳。
古來共嘆息、流淚空沾裳。
(古風,五十九首之三十七)
燕臣 昔 慟哭すれば、五月 秋霜を飛ばす。
庶女 蒼天に 號けべば、震風 齊堂を擊つ。
精誠 感ずる所有り、造化 為に悲傷。
而して我 竟に何んぞ辜【つみ】か、身を遠ざく金殿の旁。
浮云【ふうん】 紫闥【したつ】を蔽い、白日 光を回らし難し。
群沙 明珠を穢【けが】し、眾草 孤芳 凌【しの】ぐ。
古來 共に嘆息、流淚 空しく裳を沾【うるお】す。
『古風,五十九首之三十七』 現代語訳と訳註
(本文)
古風,五十九首之三十七
燕臣昔慟哭、五月飛秋霜。
庶女號蒼天、震風擊齊堂。
精誠有所感、造化為悲傷。
(下し文)
(古風,五十九首之三十七)
燕臣 昔 慟哭すれば、五月 秋霜を飛ばす。
庶女 蒼天に 號けべば、震風 齊堂を擊つ。
精誠 感ずる所有り、造化 為に悲傷。
(現代語訳)
(この詩も、感嘆の詩で、李白が高力士らの讒言にあって、長安を追放された後作ったもの。)
鄒衍は燕国に忠誠を尽くしたにもかかわらず獄につながれ、その時点を仰いで、慟哭すると真夏である五月というのに、秋に降りるはずの霜が飛んだという。
また、斉の娘が嫁して寡婦となったが、無実の罪を着せられたため、悲しみのため天に向かって号泣したところ、天が感じて雷を起こし、そのため斉の景公の高殿に雷撃があった、景公も傷ついたのだ。
つまり、天を感じさせる誠さえあれば、天も悲しんでくれるものだ」。誠実に生きることがたいせつだ、自分も誠実に生きてきた。姦物どもの非難・中傷はあろうが、天も知って悲しんでくれるであろうというのがそれである。
(訳注)
古風,五十九首之三十七
(この詩も、感嘆の詩で、李白が高力士らの讒言にあって、長安を追放された後作ったもの。)
高力士は、李白によって、脱靴の恥を懐き、清平楽の詞の語を摘まんで楊貴妃に譖し、法遂せられたのである。
燕臣昔慟哭、五月飛秋霜。
鄒衍は燕国に忠誠を尽くしたにもかかわらず獄につながれ、その時点を仰いで、慟哭すると真夏である五月というのに、秋に降りるはずの霜が飛んだという。
○燕臣 鄒衍(前305-前240)天地万物は陰陽二つの性質を持ち、その消長によって変化する(日・春・南・男などが陽、月・秋・夜・女・北などが陰)とする陰陽説と、万物組成の元素を土・木・金・火・水とする五行説とをまとめ、自然現象から世の中の動き、男女の仲まであらゆることをこの陰陽五行説によって説明。彼の説は占いや呪術とも結びついて後世に多大な影響を与えた。どれほど影響があるかは「陽気」「陰気」という言葉や、曜日の名前を思い浮かべればすぐわかる。
○飛秋霜 秋に降りる霜が降り、風に飛んだ。
庶女號蒼天。 震風擊齊堂。
また、斉の娘が嫁して寡婦となったが、無実の罪を着せられたため、悲しみのため天に向かって号泣したところ、天が感じて雷を起こし、そのため斉の景公の高殿に雷撃があった、景公も傷ついたのだ。
○庶女 斉の娘が嫁して寡婦となったが、無実の罪を着せられた。
精誠有所感。 造化為悲傷。
つまり、天を感じさせる誠さえあれば、天も悲しんでくれるものだ」。誠実に生きることがたいせつだ、自分も誠実に生きてきた。姦物どもの非難・中傷はあろうが、天も知って悲しんでくれるであろうというのがそれである。
浮雲は、天子の居ます宮闕を蔽い、陰険な者たちにより、この朝廷は暗闇のようになった。真昼の太陽の輝きが照らすことさえ難しくなっている。それほど正当なことが天子に届かないものになっているのだ。
37-#2
《古風五十九首之三十七》Index-26Ⅳ-1 747年天寶六年47歳466古風,五十九首之三十七燕臣昔慟哭, <37-#2> Ⅰ李白詩1199 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4543
37巻一 古風,五十九首之三十七
製作年: 747年 天寶六年 47歲
卷別: 卷一六一 文體: 五言古詩
詩題: 古風,五十九首之十七
作地點: 婺州(江南東道 / 婺州 / 婺州)
及地點: 金華 (江南東道 婺州 金華)
崑崙山 (隴右道東部 肅州 崑崙山)
古風,五十九首之三十七
(この詩も、感嘆の詩で、李白が高力士らの讒言にあって、長安を追放された後作ったもの。)
燕臣昔慟哭、五月飛秋霜。
鄒衍は燕国に忠誠を尽くしたにもかかわらず獄につながれ、その時点を仰いで、慟哭すると真夏である五月というのに、秋に降りるはずの霜が飛んだという。
庶女號蒼天、震風擊齊堂。
また、斉の娘が嫁して寡婦となったが、無実の罪を着せられたため、悲しみのため天に向かって号泣したところ、天が感じて雷を起こし、そのため斉の景公の高殿に雷撃があった、景公も傷ついたのだ。
精誠有所感、造化為悲傷。
つまり、天を感じさせる誠さえあれば、天も悲しんでくれるものだ」。誠実に生きることがたいせつだ、自分も誠実に生きてきた。姦物どもの非難・中傷はあろうが、天も知って悲しんでくれるであろうというのがそれである。
#2
而我竟何辜、遠身金殿旁。
ところで、「誠実に生きている自分には何の罪があるのか、天子のおられる金殿の傍らからこの身を遠ざけられてしまうのだ」。
浮云蔽紫闥、白日難回光。
浮雲は、天子の居ます宮闕を蔽い、陰険な者たちにより、この朝廷は暗闇のようになった。真昼の太陽の輝きが照らすことさえ難しくなっている。それほど正当なことが天子に届かないものになっているのだ。
群沙穢明珠、眾草凌孤芳。
思えは宮中には誠実ならざる姦物が多くけがれてしまっている。こうした何の考えのしないただの草の集まりみたいな朝廷の現状を嘆き、なさけなくなるのだ。
古來共嘆息、流淚空沾裳。
それは昔から毎々あることであって、嘆かわしいことであった。これを思うと、ただ涙が流れて着物をぬらせてしまう。
(古風,五十九首之三十七)
燕臣 昔 慟哭すれば、五月 秋霜を飛ばす。
庶女 蒼天に 號けべば、震風 齊堂を擊つ。
精誠 感ずる所有り、造化 為に悲傷。
而して我 竟に何んぞ辜【つみ】か、身を遠ざく金殿の旁。
浮云【ふうん】 紫闥【したつ】を蔽い、白日 光を回らし難し。
群沙 明珠を穢【けが】し、眾草 孤芳 凌【しの】ぐ。
古來 共に嘆息、流淚 空しく裳を沾【うるお】す。
『古風,五十九首之三十七』 現代語訳と訳註
(本文)#2
而我竟何辜、遠身金殿旁。
浮云蔽紫闥、白日難回光。
群沙穢明珠、眾草凌孤芳。
古來共嘆息、流淚空沾裳。
(下し文)
(古風,五十九首之三十七)#2
而して我 竟に何んぞ辜【つみ】か、身を遠ざく金殿の旁。
浮云【ふうん】 紫闥【したつ】を蔽い、白日 光を回らし難し。
群沙 明珠を穢【けが】し、眾草 孤芳 凌【しの】ぐ。
古來 共に嘆息、流淚 空しく裳を沾【うるお】す。
(現代語訳)
(この詩も、感嘆の詩で、李白が高力士らの讒言にあって、長安を追放された後作ったもの。)
ところで、「誠実に生きている自分には何の罪があるのか、天子のおられる金殿の傍らからこの身を遠ざけられてしまうのだ」。
浮雲は、天子の居ます宮闕を蔽い、陰険な者たちにより、この朝廷は暗闇のようになった。真昼の太陽の輝きが照らすことさえ難しくなっている。それほど正当なことが天子に届かないものになっているのだ。
思えは宮中には誠実ならざる姦物が多くけがれてしまっている。こうした何の考えのしないただの草の集まりみたいな朝廷の現状を嘆き、なさけなくなるのだ。
それは昔から毎々あることであって、嘆かわしいことであった。これを思うと、ただ涙が流れて着物をぬらせてしまう。
(訳注)
古風,五十九首之三十七
(この詩も、感嘆の詩で、李白が高力士らの讒言にあって、長安を追放された後作ったもの。)
高力士は、李白によって、脱靴の恥を懐き、清平楽の詞の語を摘まんで楊貴妃に譖し、法遂せられたのである。
而我竟何辜。 遠身金殿旁。
ところで、「誠実に生きている自分には何の罪があるのか、天子のおられる金殿の傍らからこの身を遠ざけられてしまうのだ」。
浮云蔽紫闥。 白日難回光。
浮雲は、天子の居ます宮闕を蔽い、陰険な者たちにより、この朝廷は暗闇のようになった。真昼の太陽の輝きが照らすことさえ難しくなっている。それほど正当なことが天子に届かないものになっているのだ。
群沙穢明珠。 眾草凌孤芳。
思えは宮中には誠実ならざる姦物が多くけがれてしまっている。こうした何の考えのしないただの草の集まりみたいな朝廷の現状を嘆き、なさけなくなるのだ。
○群沙 ただ集まっている砂。誠実ならざる姦物が多い
○穢 けがれている。荒れ果てる。
古來共嘆息。 流淚空沾裳。
それは昔から毎々あることであって、嘆かわしいことであった。これを思うと、ただ涙が流れて着物をぬらせてしまう。
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