巻1 38 李太白集 《0138 古風五十九首之三十八》 李白kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 5491
- 2015/02/02
- 22:25
一時は天子の知遇をえて、君側に咫尺したが、宦官の讒言を受けて放遂されたのだ。ただ一つ頼みとするのは、知己の人の吸引である。そういう人がいなければ、自分の持っている才能も何の役にも立たないで終ってしまうということだ。
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製作年:730年 開元十八年 30歲
卷別: 卷一六一 文體: 五言古詩
詩題: 古風,五十九首之三十八
38巻一古風,五十九首之三十八 (孤蘭生幽園)
古風,五十九首之三十八
(李白は一時、玄宗の知遇を得て、君側に咫尺したが、宦官、高力士の讒言を受けて放遂されたので、この詩を作ったものだ。)
孤蘭生幽園、眾草共蕪沒。
蘭は国香とさえ称するほどの薫り高い草であるが、その生じた場所はよろしくないもので、むなしく幽園の中にあるから、誰にも賞賛されることがなくてつまらない集草と共に蕪没して枯れてしまう。
雖照陽春暉、復悲高秋月。
無論、陽春の日には、これを照らして花を咲かせるのであるが、九月の歓喜のために凋まされるのがかわいそうで仕方がないのだ。
飛霜早淅瀝、綠艷恐休歇。
既に秋となったと思う間に、霜が降ってきてせっかくもって生まれた緑艶の色は全く賞美されることなくして、休歇してしまう。
若無清風吹、香氣為誰發。
もし、そこに清風が吹いて来て、蘭の香気を四方に伝播してくれればよいのだが、吹かなかったとすれば、折角の香気も何ら効果をなさないで終るというもの、それは自分が、一時は天子の知遇をえて、君側に咫尺したが、宦官の讒言を受けて放遂されたのだ。ただ一つ頼みとするのは、知己の人の吸引である。そういう人がいなければ、自分の持っている才能も何の役にも立たないで終ってしまうということだ。
古風,五十九首之三十八
孤蘭は幽園に生じ、眾草 共に蕪沒す。
陽春の暉を照らすと雖も、復た高秋の月を悲む。
飛霜 早く淅瀝【せきれき】、綠艷 恐らくは休歇せん。
若し 清風の吹く無くんば、香氣 誰が為にか發する。
『古風,五十九首之三十八』 現代語訳と訳註
(本文)
古風,五十九首之三十八
孤蘭生幽園、眾草共蕪沒。
雖照陽春暉、復悲高秋月。
飛霜早淅瀝、綠艷恐休歇。
若無清風吹、香氣為誰發。
(下し文)
古風,五十九首之三十八
孤蘭は幽園に生じ、眾草 共に蕪沒す。
陽春の暉を照らすと雖も、復た高秋の月を悲む。
飛霜 早く淅瀝【せきれき】、綠艷 恐らくは休歇せん。
若し 清風の吹く無くんば、香氣 誰が為にか發する。
(現代語訳)
(李白は一時、玄宗の知遇を得て、君側に咫尺したが、宦官、高力士の讒言を受けて放遂されたので、この詩を作ったものだ。)
蘭は国香とさえ称するほどの薫り高い草であるが、その生じた場所はよろしくないもので、むなしく幽園の中にあるから、誰にも賞賛されることがなくてつまらない集草と共に蕪没して枯れてしまう。
無論、陽春の日には、これを照らして花を咲かせるのであるが、九月の歓喜のために凋まされるのがかわいそうで仕方がないのだ。
既に秋となったと思う間に、霜が降ってきてせっかくもって生まれた緑艶の色は全く賞美されることなくして、休歇してしまう。
もし、そこに清風が吹いて来て、蘭の香気を四方に伝播してくれればよいのだが、吹かなかったとすれば、折角の香気も何ら効果をなさないで終るというもの、それは自分が、一時は天子の知遇をえて、君側に咫尺したが、宦官の讒言を受けて放遂されたのだ。ただ一つ頼みとするのは、知己の人の吸引である。そういう人がいなければ、自分の持っている才能も何の役にも立たないで終ってしまうということだ。
(訳注)
古風,五十九首之三十八
(李白は一時、玄宗の知遇を得て、君側に咫尺したが、宦官、高力士の讒言を受けて放遂されたので、この詩を作ったものだ。)
孤蘭生幽園、眾草共蕪沒。
蘭は国香とさえ称するほどの薫り高い草であるが、その生じた場所はよろしくないもので、むなしく幽園の中にあるから、誰にも賞賛されることがなくてつまらない集草と共に蕪没して枯れてしまう。
雖照陽春暉、復悲高秋月。
無論、陽春の日には、これを照らして花を咲かせるのであるが、九月の歓喜のために凋まされるのがかわいそうで仕方がないのだ。
高秋月 九月。
飛霜早淅瀝、綠艷恐休歇。
既に秋となったと思う間に、霜が降ってきてせっかくもって生まれた緑艶の色は全く賞美されることなくして、休歇してしまう。
淅瀝【せきれき】哀れで寂しいさま。また、風雨や葉の落ちる音のもの寂しいさま。
若無清風吹、香氣為誰發。
もし、そこに清風が吹いて来て、蘭の香気を四方に伝播してくれればよいのだが、吹かなかったとすれば、折角の香気も何ら効果をなさないで終るというもの、それは自分が、一時は天子の知遇をえて、君側に咫尺したが、宦官の讒言を受けて放遂されたのだ。ただ一つ頼みとするのは、知己の人の吸引である。そういう人がいなければ、自分の持っている才能も何の役にも立たないで終ってしまうということだ。
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