巻1 44 李太白集 《0145 古風五十九首之四十五》 李白kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 5526
- 2015/02/09
- 22:00
李白《0145 古風五十九首之四十五》 もし明君が自分を用いてくれるのなら、留まってやっても良いと思うのだが、そうでなければ白い馬に跨って、則世界を離れ、そして、空山に往って、「わが場藿を食わん。」という詩でも詠ってやろうとおもう。
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製作年: 至德二年
寫作時間: 757年
寫作年紀: 57歲
卷別: 卷一六一 文體: 五言古詩
詩題: 古風,五十九首之四十五
古風,五十九首之四十五
(この詩は、李白が安史の乱に遭遇して、超然高踏の志を述べたものである。)
八荒馳驚飆,萬物盡凋落。
暴風、颯然として、一度天地の間を吹くめくれば、ありとあらゆるものが、ことごとく枯れて、凋んでしまう。
浮雲蔽頹陽,洪波振大壑。
仰いで望めば浮雲とび迷うて、落日を蔽い、伏してみれば、大波が東海をふるいうごかして、万象すべて惨澹、逆臣一たび起って、四海兵戈にくるしむもようも、やはり、これとおなじである。
龍鳳脫罔罟,飄颻將安託。
こうして、龍や鳳凰が幸いに網をのがれたところで、飄々として何処へ行ってよいかわからない。自分も幸いに難を遁れたが、如何にしようか。
去去乘白駒,空山詠場藿。
もし明君が自分を用いてくれるのなら、留まってやっても良いと思うのだが、そうでなければ白い馬に跨って、則世界を離れ、そして、空山に往って、「わが場藿を食わん。」という詩でも詠ってやろうとおもう。
(古風,五十九首之四十五)
八荒 驚飆を馳せ,萬物 盡く凋落す。
浮雲 頹陽を蔽い,洪波 大壑を振う。
龍鳳 罔罟【もうこ】を脫し,飄颻として將に安にか託せんとす。
去去 白駒に乘じ,空山 場藿を詠ず。
『古風,五十九首之四十五』 現代語訳と訳註
(本文)
古風,五十九首之四十五
八荒馳驚飆,萬物盡凋落。
浮雲蔽頹陽,洪波振大壑。
龍鳳脫罔罟,飄颻將安託。
去去乘白駒,空山詠場藿。
(下し文)
(古風,五十九首之四十五)
八荒 驚飆を馳せ,萬物 盡く凋落す。
浮雲 頹陽を蔽い,洪波 大壑を振う。
龍鳳 罔罟【もうこ】を脫し,飄颻として將に安にか託せんとす。
去去 白駒に乘じ,空山 場藿を詠ず。
(現代語訳)
(この詩は、李白が安史の乱に遭遇して、超然高踏の志を述べたものである。)
暴風、颯然として、一度天地の間を吹くめくれば、ありとあらゆるものが、ことごとく枯れて、凋んでしまう。
仰いで望めば浮雲とび迷うて、落日を蔽い、伏してみれば、大波が東海をふるいうごかして、万象すべて惨澹、逆臣一たび起って、四海兵戈にくるしむもようも、やはり、これとおなじである。
こうして、龍や鳳凰が幸いに網をのがれたところで、飄々として何処へ行ってよいかわからない。自分も幸いに難を遁れたが、如何にしようか。
もし明君が自分を用いてくれるのなら、留まってやっても良いと思うのだが、そうでなければ白い馬に跨って、則世界を離れ、そして、空山に往って、「わが場藿を食わん。」という詩でも詠ってやろうとおもう。
(訳注)
古風,五十九首之四十五
(この詩は、李白が安史の乱に遭遇して、超然高踏の志を述べたものである。)
八荒馳驚飆,萬物盡凋落。
暴風、颯然として、一度天地の間を吹くめくれば、ありとあらゆるものが、ことごとく枯れて、凋んでしまう。
驚飆 暴風、颯然とする。
浮雲蔽頹陽,洪波振大壑。
仰いで望めば浮雲とび迷うて、落日を蔽い、伏してみれば、大波が東海をふるいうごかして、万象すべて惨澹、逆臣一たび起って、四海兵戈にくるしむもようも、やはり、これとおなじである。
頹陽 落日。
大壑 東海。
龍鳳脫罔罟,飄颻將安託。
こうして、龍や鳳凰が幸いに網をのがれたところで、飄々として何処へ行ってよいかわからない。自分も幸いに難を遁れたが、如何にしようか。
罔罟 罔は鳥に用いる網、罟は魚に用いる網。
去去乘白駒,空山詠場藿。
もし明君が自分を用いてくれるのなら、留まってやっても良いと思うのだが、そうでなければ白い馬に跨って、則世界を離れ、そして、空山に往って、「わが場藿を食わん。」という詩でも詠ってやろうとおもう。
白駒 詩経「賢者は白駒に乗って去るもの有り。」
場藿 馬が農場の苗を食うように官禄をはむのを慙じる。『詩経、小雅、白駒篇』に「皎皎たる白馬、我が場苗を食まば、之か繋ぎ之を維【つな】ぎて、以て今朝を永うせん」と。白馬がわが畑の苗を食ってくれるならば、繋いで今朝だかでも永く止めておきたい。賢人の留まるのを願う詩。二君にまみえることを恥じてみせる。
『詩経、小雅、白駒篇』
大夫刺宣王也.
皎皎白駒.食我場苗.縶之維之.以永今朝.所謂伊人.於焉逍遙。
皎皎白駒.食我場藿.縶之維之.以永今夕.所謂伊人.於焉嘉客。
皎皎白駒.賁然來思.爾公爾侯.逸豫無期.慎爾優游.勉爾遁思。
皎皎白駒.在彼空谷.生芻一束.其人如玉.毋金玉爾音.而有遐心。
- テーマ:詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
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- カテゴリ:李太白集 巻一 古風五十九首
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