巻1 46 李太白集 《0147 古風五十九首之四十七》 李白kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 5536
- 2015/02/11
- 22:36
李太白集 《0147 古風五十九首之四十七》 東園にある桃李は、爛漫の花を開いて、白日に向って笑いを含んでいる。桃李は、春風のおかげによって、この艶陽の質を生じたのである。もとより、佳人に比すべき嬌麗なる色はあるが、ただ、花を咲かせるばかりで、実を結ばないのはいかにも物足らないことである。
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製作年: 743年 天寶二年 43歲
卷別: 卷一六一 文體: 五言古詩
詩題: 古風,五十九首之四十七
作地點: 長安(京畿道 / 京兆府 / 長安)
古風,五十九首之四十七
(この詩は、士の実行の無いものが、偶然に得た栄達を嘲ったものである。)
桃花開東園,含笑誇白日。
東園にある桃李は、爛漫の花を開いて、白日に向って笑いを含んでいる。
偶蒙東風榮,生此豔陽質。
桃李は、春風のおかげによって、この艶陽の質を生じたのである。
豈無佳人色,但恐花不實。
もとより、佳人に比すべき嬌麗なる色はあるが、ただ、花を咲かせるばかりで、実を結ばないのはいかにも物足らないことである。
宛轉龍火飛,零落早相失。
かくてひとたび龍火が宛転として西にくずれ、夜が秋になれば、零落して、何も残っていない。
詎知南山松,獨立自蕭飋。
これに比すれば南山の松はさすがに偉いもので、独立して、さわさわと長風に鳴り響いているのである。
古風,五十九首の四十七
桃花は東園に開き,含笑をんで白日に誇る。
偶ま東風の榮を蒙って,此の豔陽の質を生ず。
豈に佳人の色無からんや,但だ恐る 花の實らざるを。
宛轉として 龍火飛び,零落すれば 早に相い失う。
詎んぞ知らん 南山の松,獨立 自ら蕭飋たるを。
『古風,五十九首之四十七』 現代語訳と訳註
(本文)
古風,五十九首之四十七
桃花開東園,含笑誇白日。
偶蒙東風榮,生此豔陽質。
豈無佳人色,但恐花不實。
宛轉龍火飛,零落早相失。
詎知南山松,獨立自蕭飋。
(含異文):
桃花開東園,含笑誇白日。
偶蒙東風榮,生此豔陽質【矜此豔陽質】。
豈無佳人色,但恐花不實。
宛轉龍火飛,零落早相失。
詎知南山松,獨立自蕭飋。
【案:此詩一作〈感興〉云:芙蓉嬌綠波,桃李誇白日。偶蒙春風榮,生此豔陽質。豈無佳人色,但恐花不實。宛轉龍火飛,零落互相失。詎知凌寒松,千載長守一。】
(下し文)
古風,五十九首の四十七
桃花は東園に開き,含笑をんで白日に誇る。
偶ま東風の榮を蒙って,此の豔陽の質を生ず。
豈に佳人の色無からんや,但だ恐る 花の實らざるを。
宛轉として 龍火飛び,零落すれば 早に相い失う。
詎んぞ知らん 南山の松,獨立 自ら蕭飋たるを。
(現代語訳)
(この詩は、士の実行の無いものが、偶然に得た栄達を嘲ったものである。)
東園にある桃李は、爛漫の花を開いて、白日に向って笑いを含んでいる。
桃李は、春風のおかげによって、この艶陽の質を生じたのである。
もとより、佳人に比すべき嬌麗なる色はあるが、ただ、花を咲かせるばかりで、実を結ばないのはいかにも物足らないことである。
かくてひとたび龍火が宛転として西にくずれ、夜が秋になれば、零落して、何も残っていない。
これに比すれば南山の松はさすがに偉いもので、独立して、さわさわと長風に鳴り響いているのである。
(訳注)
古風,五十九首之四十七
(この詩は、士の実行の無いものが、偶然に得た栄達を嘲ったものである。)
古風とは古体の詩というほどのことで、漢魏の間に完成した五言古詩の継承を目指すものである。諸篇は一時の作でなく、折にふれて作られた無題の詩を後から編集し、李白の生き方を述べたものである。
桃花開東園,含笑誇白日。
東園にある桃李は、爛漫の花を開いて、白日に向って笑いを含んでいる。
偶蒙東風榮,生此豔陽質。
桃李は、春風のおかげによって、この艶陽の質を生じたのである。
豔陽質 春のことの別表現。万物が覚醒し、成長を始める。艶の心も蘇ることなどをいう。
豈無佳人色,但恐花不實。
もとより、佳人に比すべき嬌麗なる色はあるが、ただ、花を咲かせるばかりで、実を結ばないのはいかにも物足らないことである。
宛轉龍火飛,零落早相失。
かくてひとたび龍火が宛転として西にくずれ、夜が秋になれば、零落して、何も残っていない。
龍火飛 張協の七命に秋になることをいう。龍火西頽。《文選·張協<七命>之一》:“若乃龍火西頽,暄気初收。飛霜迎節,高風送秋。
詎知南山松,獨立自蕭飋。
これに比すれば南山の松はさすがに偉いもので、独立して、さわさわと長風に鳴り響いているのである。
index-22 | Ⅱ-16 | 42歳 | 18 首 |
南山松 終南山の松。この詩を作る時期は長安に仕えていた時である。
蕭飋 寂しげに突風が吹く。蕭瑟:風の吹く音がさびしげであること。
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