巻1 50 李太白集 《0150 古風五十九首之五十》 李白kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 5551
- 2015/02/14
- 22:23
李太白集 《0150 古風五十九首之五十》 この様な話は、一人、宋人のことだけではなく、滔々たる末世の風俗として、物事に錯誤が多く、玉とこれに似て非なる珉戸を全く判別することなく、つまらぬものを大切にし、貴きものを打ち棄てるということが、間間あるのである。まことに慨嘆に堪えぬ次第である。
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制作年:743年天寶二年43歲
卷別: 卷一六一 文體: 五言古詩
詩題: 古風,五十九首之五十
作地點: 長安(京畿道 / 京兆府 / 長安)
及地點: 梧臺 (河南道 青州 臨淄)
古風,五十九首之五十
宋國梧臺東,野人得燕石。
誇作天下珍,卻哂趙王璧。
趙璧無緇磷,燕石非貞真。
流俗多錯誤,豈知玉與珉。
(この詩は、世俗のものは短見であり、すべてものの真贋、人の賢否を弁別せぬことをいたんだもの)
昔から、愚鈍の評判のある宋国の人が、梧台の東において、普通のつまらぬ燕石を拾ったという。
一途に趙王の秘蔵する卞和の璧玉にも勝る天下の至宝だと思い込んで、折角だから、これを大切にしたいという話がある。
かの趙の碧玉は少しの傷もなく、その上光明爛然たるものであるがこの燕石はその質、すでに、堅貞清真にあらず、もとより三文の値打もないものである。
しかし、この様な話は、一人、宋人のことだけではなく、滔々たる末世の風俗として、物事に錯誤が多く、玉とこれに似て非なる珉戸を全く判別することなく、つまらぬものを大切にし、貴きものを打ち棄てるということが、間間あるのである。まことに慨嘆に堪えぬ次第である。
古風,五十九首之五十
宋國 梧臺の東,野人 燕石を得たり。
誇って 天下の珍と作し,卻って 趙王の璧を哂う。
趙璧は 緇磷【しりん】無く,燕石は 貞真に非らず。
流俗 錯誤多し,豈に玉と珉とを知らんや。
『古風,五十九首之五十』 現代語訳と訳註
(本文)
古風,五十九首之五十
宋國梧臺東,野人得燕石。
誇作天下珍,卻哂趙王璧。
趙璧無緇磷,燕石非貞真。
流俗多錯誤,豈知玉與珉。
(含異文):
宋國梧臺東,野人得燕石【宋人枉千金,去國買燕石】。
(下し文)
古風,五十九首之五十
宋國 梧臺の東,野人 燕石を得たり。
誇って 天下の珍と作し,卻って 趙王の璧を哂う。
趙璧は 緇磷【しりん】無く,燕石は 貞真に非らず。
流俗 錯誤多し,豈に玉と珉とを知らんや。
(現代語訳)
(この詩は、世俗のものは短見であり、すべてものの真贋、人の賢否を弁別せぬことをいたんだもの)
昔から、愚鈍の評判のある宋国の人が、梧台の東において、普通のつまらぬ燕石を拾ったという。
一途に趙王の秘蔵する卞和の璧玉にも勝る天下の至宝だと思い込んで、折角だから、これを大切にしたいという話がある。
かの趙の碧玉は少しの傷もなく、その上光明爛然たるものであるがこの燕石はその質、すでに、堅貞清真にあらず、もとより三文の値打もないものである。
しかし、この様な話は、一人、宋人のことだけではなく、滔々たる末世の風俗として、物事に錯誤が多く、玉とこれに似て非なる珉戸を全く判別することなく、つまらぬものを大切にし、貴きものを打ち棄てるということが、間間あるのである。まことに慨嘆に堪えぬ次第である。
(訳注)
古風,五十九首之五十
(この詩は、世俗のものは短見であり、すべてものの真贋、人の賢否を弁別せぬことを傷んだもの)
古風とは古体の詩というほどのことで、漢魏の間に完成した五言古詩の継承を目指すものである。諸篇は一時の作でなく、折にふれて作られた無題の詩を後から編集し、李白の生き方を述べたものである。
宋國梧臺東,野人得燕石。
昔から、愚鈍の評判のある宋国の人が、梧台の東において、普通のつまらぬ燕石を拾ったという。
宋國梧臺東,野人得燕石 宋の愚人、燕石を梧臺の東(側)に得て、西に帰ってこれを蔵し、以て大寶となす。周の客聞いてみる。主人斉すること七日、 端冕玄服、以て大寶となす。革匮十重,緹巾十袭。客これを見て、首を傾げ、口を覆い、盧胡して笑って曰く「これ、燕石なり、瓦甓と异ならず。主人大いに怒って曰く「商買の言、醫匠のこころなり。」と。これを蔵すること、愈々固し。」とある。
燕石は 燕山所产的一种类似玉的石头。亦称"燕珉"。喻不足珍贵之物。とされる。
この二句は、《太平御覧》卷五十一《闕子》曰:宋之愚人得燕石于梧台之东,归西藏之以为大宝。周客闻而观焉。主人端冕玄服以发宝,华匮十重,缇巾十袭。客见之,卢胡而笑曰:「此燕石也,与瓦甓不异。」主人大怒,藏之愈固。
誇作天下珍,卻哂趙王璧。
一途に趙王の秘蔵する卞和の璧玉にも勝る天下の至宝だと思い込んで、折角だから、これを大切にしたいという話がある。
趙王璧 楚の卞和の璧で、後に趙王の手に還したとされる。
趙璧無緇磷,燕石非貞真。
かの趙の碧玉は少しの傷もなく、その上光明爛然たるものであるがこの燕石はその質、すでに、堅貞清真にあらず、もとより三文の値打もないものである。
緇磷 少しの傷もなく、その上光明であること。
流俗多錯誤,豈知玉與珉。
しかし、この様な話は、一人、宋人のことだけではなく、滔々たる末世の風俗として、物事に錯誤が多く、玉とこれに似て非なる珉戸を全く判別することなく、つまらぬものを大切にし、貴きものを打ち棄てるということが、間間あるのである。まことに慨嘆に堪えぬ次第である。
玉與珉 礼記に「君子、玉を貴んで、珉を賤む。珉は石、玉に似て非なり。」とある。
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