巻1 52 李太白集 《0152 古風五十九首之五十二》 李白kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 5561
- 2015/02/16
- 22:41
李太白集 《0152 古風五十九首之五十二》 (この詩は、歳月人を待たず、折角優秀な芸才を持っていても、老いては、とかく、世に棄てられるもので、これを傷んだもの。人もまたこの通りであり、たとえ、才徳があるといっても、明君に出会わなければ、到底登用される機会はなく、草木の日々に零落すると同じに、やがて老いさらばえて、恨んで死んでいくことになるのである。容姿端麗であっても、芸に秀でても、才徳があっても登用という機会がなければどうしようもないのである。)
52 《古風,五十九首之五十二》Index-7Ⅱ― 3-728年開元十六年28歳69古風,五十九首之二十六碧荷生幽泉, <52> Ⅰ李白詩1215 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4623
作年: 728年開元十六年28歲
卷別: 卷一六一 文體: 五言古詩
詩題: 古風,五十九首之五十二
古風,五十九首之五十二
(この詩は、歳月人を待たず、折角優秀な芸才を持っていても、老いては、とかく、世に棄てられるもので、これを傷んだもの)
青春流驚湍,朱明驟回薄。
青春は、早瀬の波にしたがって、用意に流れ去り、朱明の夏もがぜんめぐりさってしって、やがて秋となった。
不忍看秋蓬,飄揚竟何託。
秋になれば西風に吹きまかれる転蓬を観ては飄颻として、いずこともなく飛んで行って、竟に託する所がないというのと似ている。
光風滅蘭蕙,白露洗葵藿。
雨がやみ、日が出て、風が吹いて草木が生き生きとして光り輝くはずの蘭惠も風雨が強ければ砕かれて形も香りもなくなり、白露が冷ややかに注いで、葵や豆の葉など、何時しか枯れ、万物、すべて凋落してしまうのである。
美人不我期,草木日零落。
人もまたこの通りであり、たとえ、才徳があるといっても、明君に出会わなければ、到底登用される機会はなく、草木の日々に零落すると同じに、やがて老いさらばえて、恨んで死んでいくことになるのである。容姿端麗であっても、芸に秀でても、才徳があっても登用という機会がなければどうしようもないのである。
古風,五十九首之五十二
青春 驚湍に流れ,朱明 驟【にわ】かに回薄。
秋蓬を看る忍びず,飄揚 竟に何くにか託する。
光風 蘭蕙を滅し,白露 葵藿【きかく】を洗う。
美人 我と期せず,草木日に 零落。
『古風,五十九首之五十二』 現代語訳と訳註
(本文)
古風,五十九首之五十二
青春流驚湍,朱明驟回薄。
不忍看秋蓬,飄揚竟何託。
光風滅蘭蕙,白露洗葵藿。
美人不我期,草木日零落。
(含異文)
青春流驚湍,朱明驟回薄【朱火驟回薄】。
不忍看秋蓬,飄揚竟何託。
光風滅蘭蕙,白露洗葵藿【白露委蕭藿】。
美人不我期,草木日零落。
(下し文)
古風,五十九首之五十二
青春 驚湍に流れ,朱明 驟【にわ】かに回薄。
秋蓬を看る忍びず,飄揚 竟に何くにか託する。
光風 蘭蕙を滅し,白露 葵藿【きかく】を洗う。
美人 我と期せず,草木日に 零落。
(現代語訳)
(この詩は、歳月人を待たず、折角優秀な芸才を持っていても、老いては、とかく、世に棄てられるもので、これを傷んだもの)
青春は、早瀬の波にしたがって、用意に流れ去り、朱明の夏もがぜんめぐりさってしって、やがて秋となった。
秋になれば西風に吹きまかれる転蓬を観ては飄颻として、いずこともなく飛んで行って、竟に託する所がないというのと似ている。
雨がやみ、日が出て、風が吹いて草木が生き生きとして光り輝くはずの蘭惠も風雨が強ければ砕かれて形も香りもなくなり、白露が冷ややかに注いで、葵や豆の葉など、何時しか枯れ、万物、すべて凋落してしまうのである。
人もまたこの通りであり、たとえ、才徳があるといっても、明君に出会わなければ、到底登用される機会はなく、草木の日々に零落すると同じに、やがて老いさらばえて、恨んで死んでいくことになるのである。容姿端麗であっても、芸に秀でても、才徳があっても登用という機会がなければどうしようもないのである。
(訳注)
古風,五十九首之五十二
(この詩は、歳月人を待たず、折角優秀な芸才を持っていても、老いては、とかく、世に棄てられるもので、これを傷んだもの)
古風とは古体の詩というほどのことで、漢魏の間に完成した五言古詩の継承を目指すものである。諸篇は一時の作でなく、折にふれて作られた無題の詩を後から編集し、李白の生き方を述べたものである。
詠史詩
青春流驚湍,朱明驟回薄。
青春は、早瀬の波にしたがって、用意に流れ去り、朱明の夏もがぜんめぐりさってしって、やがて秋となった。
青春 五行思想で青は東、春の盛りをいう。
驚湍 早瀬。王維、輞川集・欒家瀨(13)「 颯颯秋雨中、浅浅石溜瀉。波跳自相濺、白鷺驚復下。」 颯颯(さつさつ)たる秋雨(しゅうう)の中(うち)、浅浅(せんせん)として石溜(せきりゅう)に瀉ぐ。波は跳(おど)って自(おのずか)ら相い濺(そそ)ぎ、白鷺(はくろ)は驚きて復(ま)た下(くだ)れり。
朱明 五行思想で、南、夏のこと。
10南 陀 なんだ | 11欹 湖 いこ | ||
13欒家瀬らんからい | 16北 陀 ほくだ | ||
18辛夷塢 しんいお | 19漆 園 しつえん |
回薄 めぐりせますこと。
不忍看秋蓬,飄揚竟何託。
秋になれば西風に吹きまかれる転蓬を観ては飄颻として、いずこともなく飛んで行って、竟に託する所がないというのと似ている。
秋蓬 秋になって蓬が枯れること。秋風が吹きつけることで根が切れぬけて轉蓬となる。
光風滅蘭蕙,白露洗葵藿。
雨がやみ、日が出て、風が吹いて草木が生き生きとして光り輝くはずの蘭惠も風雨が強ければ砕かれて形も香りもなくなり、白露が冷ややかに注いで、葵や豆の葉など、何時しか枯れ、万物、すべて凋落してしまうのである。
光風 雨がやみ、日が出て、風が吹いて草木が生き生きとして光り輝くこと。
蘭蕙 ともに蘭の香草で、一茎一花を蕙といい、一茎多花を蘭という。
葵藿 薬用あおい、藿は豆の苗、葉っぱで食用にする。
美人不我期,草木日零落。
人もまたこの通りであり、たとえ、才徳があるといっても、明君に出会わなければ、到底登用される機会はなく、草木の日々に零落すると同じに、やがて老いさらばえて、恨んで死んでいくことになるのである。容姿端麗であっても、芸に秀でても、才徳があっても登用という機会がなければどうしようもないのである。
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