巻1 56 李太白集 《0156 古風五十九首之五十六》 李白kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 5581
- 2015/02/20
- 22:46
(この詩は、世人が真仮をわきまえないことを嘲ったもので、《古風その五十》の世俗のものは短見であり、すべてものの真贋、人の賢否を弁別せぬことを傷んだものと同様のものである。)南の南越の人が海底から明真珠を採り当てた。これを手に携えて、南隅のその国を出て都の上った。
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制作年: 743年天寶二年43歲
卷別: 卷一六一 文體: 五言古詩
詩題: 古風,五十九首之五十六
作地點: 長安(京畿道 / 京兆府 / 長安)
古風,五十九首之五十六
(この詩は、世人が真仮をわきまえないことを嘲ったもので、《古風その五十》の世俗のものは短見であり、すべてものの真贋、人の賢否を弁別せぬことを傷んだものと同様のものである。)
越客採明珠,提攜出南隅。
南の南越の人が海底から明真珠を採り当てた。これを手に携えて、南隅のその国を出て都の上った。
清輝照海月,美價傾皇都。
その真珠はもとより特別なもので、その清らかな輝きは、海上の月の照り輝きのようで美しいものであり、都を傾けるほど、驚きの価値である。
獻君君按劍,懷寶空長吁。
そこで、この南越の人は、君王に献上したのであるが、あまりに光り輝くのが不思議で、唯のものではあるまいと、剣の柄に手をかけて、身がまえをしてこれを睨み付け、気にいるばかりか、恩賞の話もないので、南越人はそれを懐に入れて、長い嘆息して退出した。
魚目復相哂,寸心增煩紆。
魚の目は珠の形をしているが、なんの価値もないものである。しかるに、今の世では、この方が帰って珍とされるぐらいで、魚目は、南越の明珠を笑っているというもので、何らの価値を見出さないのである。君子が君王に見いだされないで、かえって小人共の侮蔑されるのも、丁度この事と同じことであり、これを思えば、方寸の心の中で、頻りに思いは乱れるのである。
(古風,五十九首之五十六)
越の客 明珠を採り,提げ攜えて 南隅を出づ。
清輝 海月を照らし,美價 皇都を傾く。
君に獻ずれば 君 劍を按じ,寶を懷いて 空しく長吁す。
魚目して 復た相い哂い,寸心 煩紆を增す。
『古風,五十九首之五十六』 現代語訳と訳註
(本文)
古風,五十九首之五十六
越客採明珠,提攜出南隅。
清輝照海月,美價傾皇都。
獻君君按劍,懷寶空長吁。
魚目復相哂,寸心增煩紆。
(下し文)
(古風,五十九首之五十六)
越の客 明珠を採り,提げ攜えて 南隅を出づ。
清輝 海月を照らし,美價 皇都を傾く。
君に獻ずれば 君 劍を按じ,寶を懷いて 空しく長吁す。
魚目して 復た相い哂い,寸心 煩紆を增す。
(現代語訳)
(この詩は、世人が真仮をわきまえないことを嘲ったもので、《古風その五十》の世俗のものは短見であり、すべてものの真贋、人の賢否を弁別せぬことを傷んだものと同様のものである。)
南の南越の人が海底から明真珠を採り当てた。これを手に携えて、南隅のその国を出て都の上った。
その真珠はもとより特別なもので、その清らかな輝きは、海上の月の照り輝きのようで美しいものであり、都を傾けるほど、驚きの価値である。
そこで、この南越の人は、君王に献上したのであるが、あまりに光り輝くのが不思議で、唯のものではあるまいと、剣の柄に手をかけて、身がまえをしてこれを睨み付け、気にいるばかりか、恩賞の話もないので、南越人はそれを懐に入れて、長い嘆息して退出した。
魚の目は珠の形をしているが、なんの価値もないものである。しかるに、今の世では、この方が帰って珍とされるぐらいで、魚目は、南越の明珠を笑っているというもので、何らの価値を見出さないのである。君子が君王に見いだされないで、かえって小人共の侮蔑されるのも、丁度この事と同じことであり、これを思えば、方寸の心の中で、頻りに思いは乱れるのである。
(訳注)
(この詩は、世人が真仮をわきまえないことを嘲ったもので、古風五十の世俗のものは短見であり、すべてものの真贋、人の賢否を弁別せぬことを傷んだものと同様のものである。)
古風,五十九首之五十六
(この詩は、世人が真仮をわきまえないことを嘲ったもので、古風五十の世俗のものは短見であり、すべてものの真贋、人の賢否を弁別せぬことを傷んだものと同様のものである。)
古風,五十九首之五十(この詩は、世俗のものは短見であり、すべてものの真贋、人の賢否を弁別せぬことを傷んだもの)
宋國梧臺東,野人得燕石。
誇作天下珍,卻哂趙王璧。
趙璧無緇磷,燕石非貞真。
流俗多錯誤,豈知玉與珉。
宋國 梧臺の東,野人 燕石を得たり。
誇って 天下の珍と作し,卻って 趙王の璧を哂う。
趙璧は 緇磷【しりん】無く,燕石は 貞真に非らず。
流俗 錯誤多し,豈に玉と珉とを知らんや。
50 《古風五十九首之五十》Index-22Ⅲ― 2-743年天寶二年43歳275古風,五十九首之五十宋國梧臺東, <50> Ⅰ李白詩1213 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4613
越客採明珠,提攜出南隅。
南の南越の人が海底から明真珠を採り当てた。これを手に携えて、南隅のその国を出て都の上った。
越客 南越、今のヴェトナム。
南隅 南方のイメージをいう。
清輝照海月,美價傾皇都。
その真珠はもとより特別なもので、その清らかな輝きは、海上の月の照り輝きのようで美しいものであり、都を傾けるほど、驚きの価値である。
獻君君按劍,懷寶空長吁。
そこで、この南越の人は、君王に献上したのであるが、あまりに光り輝くのが不思議で、唯のものではあるまいと、剣の柄に手をかけて、身がまえをしてこれを睨み付け、気にいるばかりか、恩賞の話もないので、南越人はそれを懐に入れて、長い嘆息して退出した。
獻君 君王に献上すること。
君按劍 あまりに光り輝くのが不思議で、唯のものではあるまいと、剣の柄に手をかけて、身がまえをしてこれを睨み付ける。
魚目復相哂,寸心增煩紆。
魚の目は珠の形をしているが、なんの価値もないものである。しかるに、今の世では、この方が帰って珍とされるぐらいで、魚目は、南越の明珠を笑っているというもので、何らの価値を見出さないのである。君子が君王に見いだされないで、かえって小人共の侮蔑されるのも、丁度この事と同じことであり、これを思えば、方寸の心の中で、頻りに思いは乱れるのである。
魚目 魚の目
寸心 方寸の心の中。
煩紆 頻りに思いは乱れる。
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