陸游 絶句二首 其二
- 2011/12/17
- 22:19
陸游 絶句二首 其二
其二
少日曾題菊枕詩、蠧編残稿鎖蛛絲。
まだ青年だったあの頃、菊枕と題した詩をうたった、虫に食われてバラバラになり、下書きを含めた詩文全部が蜘蛛が糸を張って訳が分からない、見る気がしないものとなった。
人閒萬事消磨盡、只有清香似舊時。
人の閒でおこることというものは萬事、消磨し尽くすもの、只有るのは清らかな香りにかこまれたあの閨のその時のことだけだ。
まだ青年だったあの頃、菊枕と題した詩をうたった、虫に食われてバラバラになり、下書きを含めた詩文全部が蜘蛛が糸を張って訳が分からない、見る気がしないものとなった。
人の閒でおこることというものは萬事、消磨し尽くすもの、只有るのは清らかな香りにかこまれたあの閨のその時のことだけだ。
(其の二下し文)
少き日 曾て題せし 菊枕の詩、蠧編 残稿 蛛絲に鎖(とざ)さる
人間 万事 消磨し尽き、只だ 清香の旧時に似たる有り
少日曾題菊枕詩、蠧編残稿鎖蛛絲。
まだ青年だったあの頃、菊枕と題した詩をうたった、虫に食われてバラバラになり、下書きを含めた詩文全部が蜘蛛が糸を張って訳が分からない、見る気がしないものとなった。
○蠧編 虫に食われてバラバラになること。蠧は衣類や書物を食う虫。 ○残稿 下書きを含めた詩文全部。 ○鎖蛛絲 蜘蛛が糸を張って訳が分からない、見る気がしない。・蛛絲 蜘蛛が糸を張ること。放置したままにしておくこと。 ・鎖 とざしてしまう。
人閒萬事消磨盡、只有清香似舊時。
人の閒でおこることというものは萬事、消磨し尽くすもの、只有るのは清らかな香りにかこまれたあの閨のその時のことだけだ。
淳照十四年、六十三歳のときの作。
この詩の中で、元妻に対する愛の感情は全く感じられない。万物、形あるものはすべて消え去るもの、残るのはほのかなかおりの思い出だけである。と。
妻の唐婉は宋の皇室の縁続きに嫁いでいることから、推理されることは、強いものになびいたか、皇室のつながりから陸游の母の関係者から、母親に言い含めた結果、母親がふたりを別れさせた。相手がそういう関係者であるから、文句をつけるわけにいかなかったということなら陸游の謎は解けるのである。
お母さんとうまくいかなかったのではなくて、お母さんも言い含められ、どうしようもなかったということではなかろうか。
唐婉との関係は本来ならすべて消し去られたはずなのに、陸游が詩人でしかも40年以上も過ぎれば、お遊びで詠っても害は受けなくなっていたのだろう。
女性が何人いてもおかしくなく、いる方が立派な人物である時代である。欲しいものは力ずくで奪ってくる時代である。
当時の男性は、女性を性の対象物とみていたのが根底にある。すべてのことが弱肉強食の時代である。腕力、権力、血筋、すべてが強いものが手に入れられるものである。人間の尊厳が男社会にだけ存在した時代のことだ。詩人が残していなければ、しかも「艶歌」だから残ったのだ。
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