李太白集 67《太白巻二十二28 尋雍尊師隱居 》 李白kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 5916
- 2015/04/28
- 22:13
尋雍尊師隱居
群峭碧摩天,逍遙不記年。
撥雲尋古道,倚石聽流泉。
花暖青牛臥,松高白鶴眠。
語來江色暮,獨自下寒煙。
群峰は突兀としていて、緑は天を摩すばかりである、雍尊師はここに隠遁され、逍遥を事とし、幾年を経たかはわからないという。ここを歩くというのは、雲を開いてゆくことであり、古い道を尋ねてゆくのである。歩き疲れて石に倚りかかって、心地いいことに、流泉の響きを聞くのである。
Index-2 | Ⅰ- 2-718年開元六年18歳 | 3首 | ||
ID | No. | 詩題 | 詩文初句 | |
7 | 1 | 贈江油尉 | 嵐光深院裡, | 巻二十五 |
8 | 2 | 尋雍尊師隱居 | 群峭碧摩天, | 巻二十二 |
9 | 3 | 犬吠水聲中, | 巻二十二 |
制作年: 718年開元六年18歲
卷別: 卷一八二 文體: 五言律詩
李太白集 巻二十二
詩題: 尋雍尊師隱居
交遊人物:雍尊師 當地交遊
尋雍尊師隱居
(この詩は雍尊師の隠棲居を訪ねて、その地の様子を詠ったものである。)
群峭碧摩天,逍遙不記年。
群峰は突兀としていて、緑は天を摩すばかりである、雍尊師はここに隠遁され、逍遥を事とし、幾年を経たかはわからないという。
撥雲尋古道,倚石聽流泉。
ここを歩くというのは、雲を開いてゆくことであり、古い道を尋ねてゆくのである。歩き疲れて石に倚りかかって、心地いいことに、流泉の響きを聞くのである。
花暖青牛臥,松高白鶴眠。
花は暖かくなった気候で咲き乱れ、遠き山々は青く、牛の群れが伏せたようであり、千年の松は、高く聳えていて、そこに白鶴が穏やかに眠っている。
語來江色暮,獨自下寒煙。
ここに来て雍尊師と対談することが出来、やがて江色に暮れかかってくる。そこで辞して去ることにして、来た道を変えるのだが、寒煙が立ち込めた中を一人、てくてく降りてゆくのである。
(尋雍尊師隱居)
群峭【ぐんしょう】碧 摩天し,逍遙 年を記せず。
雲を撥して 古道を尋ぬ,石に倚りて 流泉を聽く。
花は 暖くして 青牛臥し,松高くして 白鶴眠る。
語り來れば 江色暮れ,獨り自ら寒煙を下る。
『尋雍尊師隱居』 現代語訳と訳註
(本文)
尋雍尊師隱居
群峭碧摩天,逍遙不記年。
撥雲尋古道,倚石聽流泉。
花暖青牛臥,松高白鶴眠。
語來江色暮,獨自下寒煙。
(下し文)
(尋雍尊師隱居)
群峭【ぐんしょう】碧 摩天し,逍遙 年を記せず。
雲を撥して 古道を尋ぬ,石に倚りて 流泉を聽く。
花は 暖くして 青牛臥し,松高くして 白鶴眠る。
語り來れば 江色暮れ,獨り自ら寒煙を下る。
(現代語訳)
(この詩は雍尊師の隠棲居を訪ねて、その地の様子を詠ったものである。)
群峰は突兀としていて、緑は天を摩すばかりである、雍尊師はここに隠遁され、逍遥を事とし、幾年を経たかはわからないという。
ここを歩くというのは、雲を開いてゆくことであり、古い道を尋ねてゆくのである。歩き疲れて石に倚りかかって、心地いいことに、流泉の響きを聞くのである。
花は暖かくなった気候で咲き乱れ、遠き山々は青く、牛の群れが伏せたようであり、千年の松は、高く聳えていて、そこに白鶴が穏やかに眠っている。
ここに来て雍尊師と対談することが出来、やがて江色に暮れかかってくる。そこで辞して去ることにして、来た道を変えるのだが、寒煙が立ち込めた中を一人、てくてく降りてゆくのである。
(訳注)
807 巻二十二 尋雍尊師隱居
(この詩は雍尊師の隠棲居を訪ねて、その地の様子を詠ったものである。)
雍尊師 この僧侶は不明。尊師・大師・老師・御坊・導師。
群峭碧摩天 逍遙不記年
撥雲尋古道 倚石聽流泉
花暖青牛臥 松高白鶴眠
語來江色暮 獨自下寒煙
○●●△○ ○○△●○
●○○●● △●△○○
○●○○● ○○●●○
●△○●● ●●●○○
群峭碧摩天。 逍遙不記年。
群峰は突兀としていて、緑は天を摩すばかりである、雍尊師はここに隠遁され、逍遥を事とし、幾年を経たかはわからないという。
○群峭 群峰。四川成都盆地は群峰に囲まれる。
○逍遙 気ままにあちこちを歩き回ること。そぞろ歩き。散歩。
撥云尋古道。 倚石聽流泉。
ここを歩くというのは、雲を開いてゆくことであり、古い道を尋ねてゆくのである。歩き疲れて石に倚りかかって、心地いいことに、流泉の響きを聞くのである。
○この二句は山水画を意識した景色である。
花暖青牛臥。 松高白鶴眠。
花は暖かくなった気候で咲き乱れ、遠き山々は青く、牛の群れが伏せたようであり、千年の松は、高く聳えていて、そこに白鶴が穏やかに眠っている。
○青牛臥 五行思想で青は春、遠くの山は青山であり、遠ざかるほど黒に近い単色となり、牛が伏せたようである。
○松高白鶴 とりわけ高く聳える松は高潔な印象を与え、男性的でやや威圧的でもある
鶴もまた、「鶴寿千歳」と称されるように長寿の象徴であり、なかでも白鶴の優美な姿は清廉潔白な印象を与え女性的な優しさを持つ、 めでたさの上にもめでたさを重ね、さらに仙境を思わせるような洒脱な雰囲気をかもし出している。
語來江色暮。 獨自下寒煙。
ここに来て雍尊師と対談することが出来、やがて江色に暮れかかってくる。そこで辞して去ることにして、来た道を変えるのだが、寒煙が立ち込めた中を一人、てくてく降りてゆくのである。
○江色暮 ゆうやけ。
○寒煙 春山は夕暮れには寒くなるということと、李白自身、隠遁者を感じている様子を詠うものである。
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