李太白集 68《太白巻二十二35 訪載天山道士不遇 》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 5921
- 2015/04/29
- 21:26
訪戴天山道士不遇
犬吠水聲中,桃花帶雨濃。
樹深時見鹿,溪午不聞鐘。
野竹分青靄,飛泉掛碧峰。
無人知所去,愁倚兩三松。
野竹の林は叢をなしていて、棚引く青い靄を分かつように立っている。滝の飛沫が緑の峰の頂にかかっている。
李太白集 68《太白巻二十二35 訪載天山道士不遇 》 李白 | kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 5921 |
Index-2 | Ⅰ- 2-718年開元六年18歳 | 3首 | ||
ID | No. | 詩題 | 詩文初句 | |
7 | 1 | 贈江油尉 | 嵐光深院裡, | 巻二十五 |
8 | 2 | 尋雍尊師隱居 | 群峭碧摩天, | 巻二十二 |
9 | 3 | 訪載天山道士不遇 | 犬吠水聲中, | 巻二十二 |
制作年: 718年開元六年18歲
卷別: 卷一八二 文體: 五言律詩
李太白集 巻二十二
詩題: 訪戴天山道士不遇
作地點: 戴天山(劍南道北部 / 綿州 / 昌明)
及地點: 戴天山 (劍南道北部綿州 昌明) 別名:大康山、大匡山、匡山
交遊人物:戴天山道士 當地交遊(劍南道北部 綿州昌明)
訪戴天山道士不遇
(四川省彰明県の北にある載天山に隠遁している道士を訪問したけれど会えなかった悵恨を詠った)
犬吠水聲中,桃花帶雨濃。
この山は、水声潺湲であるところに、犬が吠えている。桃花は 露に濡れて、緑の中に、より鮮やかに、より濃かになる。
樹深時見鹿,溪午不聞鐘。
木立は深くしているので、ときおり鹿が往来する姿を見かける、渓谷にいるとど時の移り変わり様がどうでもよくなって、正午になっているはずなのに鐘の音が聞こえてこない。
野竹分青靄,飛泉掛碧峰。
野竹の林は叢をなしていて、棚引く青い靄を分かつように立っている。滝の飛沫が緑の峰の頂にかかっている。
無人知所去,愁倚兩三松。
私が訪ねる道士は何処に行ったのか、行く先を知る人はいない、悲しい思いで二、三本集まった松の木に寄りかかって、暫くの間、悵然としていた。
(載天山の道士を訪ねて遇わず)
犬は吠ゆ 水声の中、桃花は露を帯びて濃【こま】やかなり。
樹は深くして 時に鹿を見、渓は午にして 鐘を聞かず。
野竹は青靄【せいあい】を分け、飛泉は碧峰に挂【か】かる。
人の去る所を知る無し、愁えて倚る 両三の松。
『訪戴天山道士不遇』 現代語訳と訳註
(本文)
訪戴天山道士不遇
犬吠水聲中,桃花帶雨濃。
樹深時見鹿,溪午不聞鐘。
野竹分青靄,飛泉掛碧峰。
無人知所去,愁倚兩三松。
(下し文)
(載天山の道士を訪ねて遇わず)
犬は吠ゆ 水声の中、桃花は露を帯びて濃【こま】やかなり。
樹は深くして 時に鹿を見、渓は午にして 鐘を聞かず。
野竹は青靄【せいあい】を分け、飛泉は碧峰に挂【か】かる。
人の去る所を知る無し、愁えて倚る 両三の松。
(現代語訳)
(四川省彰明県の北にある載天山に隠遁している道士を訪問したけれど会えなかった悵恨を詠った)
この山は、水声潺湲であるところに、犬が吠えている。桃花は 露に濡れて、緑の中に、より鮮やかに、より濃かになる。
木立は深くしているので、ときおり鹿が往来する姿を見かける、渓谷にいるとど時の移り変わり様がどうでもよくなって、正午になっているはずなのに鐘の音が聞こえてこない。
野竹の林は叢をなしていて、棚引く青い靄を分かつように立っている。滝の飛沫が緑の峰の頂にかかっている。
私が訪ねる道士は何処に行ったのか、行く先を知る人はいない、悲しい思いで二、三本集まった松の木に寄りかかって、暫くの間、悵然としていた。
(訳注)
訪戴天山道士不遇
(四川省彰明県の北にある載天山に隠遁している道士を訪問したけれど会えなかった悵恨を詠った)
○載天山 四川省彰明県の北にある山。別名として、大康山、康山、大匤山、とある。李白が少年時代、読書をしたところ。
○道士 道教の修行につとめ、その祭儀を執り行う専門家。道家。 ・神仙の術を行う人。仙人。方士。
○不遇 隠遁者の生活環境は「閑」であり、「静」である。会えないのが基本。 *陶淵明の詩「尋隠者不遇」詩の生成のイメージを借りている。
李白は十八歳のころには郷里の近くにあった載天山の大明寺に下宿して読書に励んでいる。
詩は載天山に道士を訪ねていって会えなかったときのもので、十六、七歳で本格的に学問をはじめたころの作品。こまやかな観察と少年のころの李白の淳朴な姿が写し出されていて、初期の習作のなかでは佳作に属する微笑ましい詩だ。
犬吠水聲中,桃花帶雨濃。
この山は、水声潺湲であるところに、犬が吠えている。桃花は 露に濡れて、緑の中に、より鮮やかに、より濃かになる。
○犬吠 静寂を示す。猿が鳴くのは、愁いを示す。鳥が鳴くのはうるさいことを示す。
樹深時見鹿,溪午不聞鐘。
木立は深くしているので、ときおり鹿が往来する姿を見かける、渓谷にいるとど時の移り変わり様がどうでもよくなって、正午になっているはずなのに鐘の音が聞こえてこない。
○溪午 渓谷にいると正午に気が付かないほど時の移り変わり様であることをいう。隠遁者にとっては時間経過を問題としない。
野竹分青靄,飛泉掛碧峰。
野竹の林は叢をなしていて、棚引く青い靄を分かつように立っている。滝の飛沫が緑の峰の頂にかかっている。
無人知所去,愁倚兩三松。
私が訪ねる道士は何処に行ったのか、行く先を知る人はいない、悲しい思いで二、三本集まった松の木に寄りかかって、暫くの間悵然としていた。
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