李太白集 178《太白巻22-11 冬夜醉宿龍門覺起言志》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 6471
- 2015/08/17
- 22:03
醉來脫寶劍,旅憩高堂眠。中夜忽驚覺,起立明燈前。開軒聊直望,曉雪河冰壯。
哀哀歌苦寒,鬱鬱獨惆悵。傅說版築臣,李斯鷹犬人。
(冬の夜、酔うて龍門山に宿し、醒めて起きた時、その志を述べたもの)酔っぱらってその揚げ句、宝剣を解き棄て、旅中の高堂で憩うて眠ってしまった。中夜に忽ち驚いて、目が覚めて明燈の前に起立した。試みに軒の窓を開けて正面より眺めてみた。暁の雪、紛々として、河はびっしりと氷がはっている、その景色はいかにも淒壮である。そこで哀哀として、魏の武帝の苦寒行を歌い、鬱々として、ひとり心に思い悩んだ。おもえば、傅説は、土工の人足であったし、李斯は、上蔡門外の鷹や犬を据えて、遊猟に耽って居たのだ。
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179-#1 《巻22-11 冬夜醉宿龍門覺起言志 -#1》Index-11 Ⅱ―6 -731年開元十九年31歳 43首
年:731年開元十九年31歳
卷別: 卷一八二 文體: 五言古詩
詩題: 冬夜醉宿龍門覺起言志
作地點: 伊闕(都畿道 / 河南府 / 伊闕)
及地點: 伊闕 (都畿道 河南府 伊闕) 別名:龍門山、闕口
冬夜醉宿龍門覺起言志
(冬の夜、酔うて龍門山に宿し、醒めて起きた時、その志を述べたもの)
醉來脫寶劍,旅憩高堂眠。
酔っぱらってその揚げ句、宝剣を解き棄て、旅中の高堂で憩うて眠ってしまった。
中夜忽驚覺,起立明燈前。
中夜に忽ち驚いて、目が覚めて明燈の前に起立した。
開軒聊直望,曉雪河冰壯。
試みに軒の窓を開けて正面より眺めてみた。暁の雪、紛々として、河はびっしりと氷がはっている、その景色はいかにも淒壮である。
哀哀歌苦寒,鬱鬱獨惆悵。
そこで哀哀として、魏の武帝の苦寒行を歌い、鬱々として、ひとり心に思い悩んだ。
傅說版築臣,李斯鷹犬人。
おもえば、傅説は、土工の人足であったし、李斯は、上蔡門外の鷹や犬を据えて、遊猟に耽って居たのだ。
欻起匡社稷,寧復長艱辛。
而我胡為者,歎息龍門下。
富貴未可期,殷憂向誰寫。
去去淚滿襟,舉聲梁甫吟。
青雲當自致,何必求知音。
(冬夜 醉うて龍門に宿し覺めて起きて志を言う)
醉い來って寶劍を脫し,旅憩して高堂に眠る。
中夜 忽ち驚いて覺め,明燈前に起立す。
軒を開いて聊か直望,曉雪 河冰壯なり。
哀哀として苦寒を歌い,鬱鬱として獨り惆悵。
傅說は版築の臣,李斯は鷹犬の人。
欻ち起って 社稷を匡し,寧ろ復た長く艱辛せん。
而して我 胡ん為る者ぞ,歎息す 龍門の下。
富貴 未だ期すからず,殷憂 誰に向って寫【のぞ】かん。
去去 淚 襟に滿ち,聲を舉ぐ梁甫吟。
青雲 當に自ら致し,何ぞ必らずしも知音を求めん。
『冬夜醉宿龍門覺起言志』 現代語訳と訳註解説
(本文)
冬夜醉宿龍門覺起言志
醉來脫寶劍,旅憩高堂眠。
中夜忽驚覺,起立明燈前。
開軒聊直望,曉雪河冰壯。
哀哀歌苦寒,鬱鬱獨惆悵。
傅說版築臣,李斯鷹犬人。
(下し文)
(冬夜 醉うて龍門に宿し覺めて起きて志を言う)
醉い來って寶劍を脫し,旅憩して高堂に眠る。
中夜 忽ち驚いて覺め,明燈前に起立す。
軒を開いて聊か直望,曉雪 河冰壯なり。
哀哀として苦寒を歌い,鬱鬱として獨り惆悵。
傅說は版築の臣,李斯は鷹犬の人。
(現代語訳)
(冬の夜、酔うて龍門山に宿し、醒めて起きた時、その志を述べたもの)
酔っぱらってその揚げ句、宝剣を解き棄て、旅中の高堂で憩うて眠ってしまった。
中夜に忽ち驚いて、目が覚めて明燈の前に起立した。
試みに軒の窓を開けて正面より眺めてみた。暁の雪、紛々として、河はびっしりと氷がはっている、その景色はいかにも淒壮である。
そこで哀哀として、魏の武帝の苦寒行を歌い、鬱々として、ひとり心に思い悩んだ。
おもえば、傅説は、土工の人足であったし、李斯は、上蔡門外の鷹や犬を据えて、遊猟に耽って居たのだ。
冬夜醉宿龍門覺起言志
(冬の夜、酔うて龍門山に宿し、醒めて起きた時、その志を述べたもの)
龍門 都畿道河南府関塞山あり、俗に龍門という。南山伊闕、洛陽の西南伊闕口という。
醉來脫寶劍,旅憩高堂眠。
酔っぱらってその揚げ句、宝剣を解き棄て、旅中の高堂で憩うて眠ってしまった。
中夜忽驚覺,起立明燈前。
中夜に忽ち驚いて、目が覚めて明燈の前に起立した。
開軒聊直望,曉雪河冰壯。
試みに軒の窓を開けて正面より眺めてみた。暁の雪、紛々として、河はびっしりと氷がはっている、その景色はいかにも淒壮である。
直望 正面より眺めてみる。
哀哀歌苦寒,鬱鬱獨惆悵。
そこで哀哀として、魏の武帝の苦寒行を歌い、鬱々として、ひとり心に思い悩んだ。
歌苦寒 魏の武帝、曹操《苦寒行》「北上太行山,艱哉何巍巍!」(北上して太行山にある、艱【かん】なるかな何ぞ巍巍【ぎぎ】たるを。)とある。
《曹操詩︰苦寒行》袁紹の残党を北上して太行山のあたりで征討する。山々はけわしくそびえ立ち、散りじりの敵を打つのは何と艱難辛苦の戦いである。
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傅說版築臣,李斯鷹犬人。
おもえば、傅説は、土工の人足であったし、李斯は、上蔡門外の鷹や犬を据えて、遊猟に耽って居たのだ。
傅說 殷(いん)の高宗の大臣。刑人とともに道を補修していたところを高宗に見いだされて宰相となり殷の中興に寄与したという。
李斯 秦代の宰相。字は通古[1]。子は李由ら。法家にその思想的基盤を置き、度量衡の統一、焚書などを行い、秦帝国の成立に貢献したが、始皇帝の死後、権力争いに敗れて殺害された。若い頃は小役人として楚に仕えていた。李斯は厠で人の糞尿を食らい人の姿を見て逃げ出すネズミと、兵糧庫の中で人の姿におびえずのうのうと兵糧を食うネズミを見て、「人が居る環境だけで人の賢さなど価値が決まってしまうのか」と嘆き、儒家の荀子の門を叩いた。同門に韓の公子・韓非がおり、共に荀子から学び、秦に入って呂不韋の食客となり、呂不韋からその才能を絶賛され推薦を受けて、秦王政(後の始皇帝)に仕えて、その近侍になった。
年:731年開元十九年31歳
卷別: 卷一八二 文體: 五言古詩
詩題: 冬夜醉宿龍門覺起言志
作地點: 伊闕(都畿道 / 河南府 / 伊闕)
及地點: 伊闕 (都畿道 河南府 伊闕) 別名:龍門山、闕口
冬夜醉宿龍門覺起言志
(冬の夜、酔うて龍門山に宿し、醒めて起きた時、その志を述べたもの)
醉來脫寶劍,旅憩高堂眠。
酔っぱらってその揚げ句、宝剣を解き棄て、旅中の高堂で憩うて眠ってしまった。
中夜忽驚覺,起立明燈前。
中夜に忽ち驚いて、目が覚めて明燈の前に起立した。
開軒聊直望,曉雪河冰壯。
試みに軒の窓を開けて正面より眺めてみた。暁の雪、紛々として、河はびっしりと氷がはっている、その景色はいかにも淒壮である。
哀哀歌苦寒,鬱鬱獨惆悵。
そこで哀哀として、魏の武帝の苦寒行を歌い、鬱々として、ひとり心に思い悩んだ。
傅說版築臣,李斯鷹犬人。
おもえば、傅説は、土工の人足であったし、李斯は、上蔡門外の鷹や犬を据えて、遊猟に耽って居たのだ。
欻起匡社稷,寧復長艱辛。
二人とも、忽然として起ち、各々その君のために社稷を一匡したくらいで、けっしていつまでも艱辛を歎いてはいなかった。
而我胡為者,歎息龍門下。
しかるに、我独りいかなるものなれば、今しも、龍門山下に客となって、空しく嘆息しているのである。
富貴未可期,殷憂向誰寫。
富貴は未だ帰すべからず、この心中の憂いは、誰によって取り除くことができるのだろうか。
去去淚滿襟,舉聲梁甫吟。
ここを去ろうとすれば、涙が自然に流れてきて、襟を満たし、やがて声をあげて「梁甫吟」の一曲を歌うのである。
青雲當自致,何必求知音。
青雲の上には、高い志を持った自らのその身を致すべきであり、独力でやってのけるのが第一であり、何もかならずしも、知恩の友を求めてその人にすがっていこうという了見ではいけないのである。
(冬夜 醉うて龍門に宿し覺めて起きて志を言う)
醉い來って寶劍を脫し,旅憩して高堂に眠る。
中夜 忽ち驚いて覺め,明燈前に起立す。
軒を開いて聊か直望,曉雪 河冰壯なり。
哀哀として苦寒を歌い,鬱鬱として獨り惆悵。
傅說は版築の臣,李斯は鷹犬の人。
欻ち起って 社稷を匡し,寧ろ復た長く艱辛せん。
而して我 胡ん為る者ぞ,歎息す 龍門の下。
富貴 未だ期すからず,殷憂 誰に向って寫【のぞ】かん。
去去 淚 襟に滿ち,聲を舉ぐ梁甫吟。
青雲 當に自ら致し,何ぞ必らずしも知音を求めん。
『冬夜醉宿龍門覺起言志』 現代語訳と訳註解説
(本文)
欻起匡社稷,寧復長艱辛。
而我胡為者,歎息龍門下。
富貴未可期,殷憂向誰寫。
去去淚滿襟,舉聲梁甫吟。
青雲當自致,何必求知音。
(下し文)
欻ち起って 社稷を匡し,寧ろ復た長く艱辛せん。
而して我 胡ん為る者ぞ,歎息す 龍門の下。
富貴 未だ期すからず,殷憂 誰に向って寫【のぞ】かん。
去去 淚 襟に滿ち,聲を舉ぐ梁甫吟。
青雲 當に自ら致し,何ぞ必らずしも知音を求めん。
(現代語訳)
二人とも、忽然として起ち、各々その君のために社稷を一匡したくらいで、けっしていつまでも艱辛を歎いてはいなかった。
しかるに、我独りいかなるものなれば、今しも、龍門山下に客となって、空しく嘆息しているのである。
富貴は未だ帰すべからず、この心中の憂いは、誰によって取り除くことができるのだろうか。
ここを去ろうとすれば、涙が自然に流れてきて、襟を満たし、やがて声をあげて「梁甫吟」の一曲を歌うのである。
青雲の上には、高い志を持った自らのその身を致すべきであり、独力でやってのけるのが第一であり、何もかならずしも、知恩の友を求めてその人にすがっていこうという了見ではいけないのである。
(訳注)
冬夜醉宿龍門覺起言志
(冬の夜、酔うて龍門山に宿し、醒めて起きた時、その志を述べたもの)
龍門 都畿道河南府関塞山あり、俗に龍門という。南山伊闕、洛陽の西南伊闕口という。
欻起匡社稷,寧復長艱辛。
二人とも、忽然として起ち、各々その君のために社稷を一匡したくらいで、けっしていつまでも艱辛を歎いてはいなかった。
欻 たちまち。忽然として。
匡 ただす。
社稷 。① 古代中国で、天子や諸侯が祭った土地の神(社)と五穀の神(稷)。② 朝廷または国家。
而我胡為者,歎息龍門下。
しかるに、我独りいかなるものなれば、今しも、龍門山下に客となって、空しく嘆息しているのである。
富貴未可期,殷憂向誰寫。
富貴は未だ帰すべからず、この心中の憂いは、誰によって取り除くことができるのだろうか。
殷憂 心中の憂い。
向誰寫 誰によって取り除くことができるのだろうか。
去去淚滿襟,舉聲梁甫吟。
ここを去ろうとすれば、涙が自然に流れてきて、襟を満たし、やがて声をあげて「梁甫吟」の一曲を歌うのである。
梁甫吟 別記。
青雲當自致,何必求知音。
青雲の上には、高い志を持った自らのその身を致すべきであり、独力でやってのけるのが第一であり、何もかならずしも、知恩の友を求めてその人にすがっていこうという了見ではいけないのである。
知音 、『列子(湯問)』などの故事に由来する。 中国春秋時代、伯牙(はくが)という琴の名手がいた。 友人の鐘子期(しょうしき)が死に、伯牙は自分の琴の音をよく理解してくれる者がいなくなったと嘆き、琴の弦を切って二度と弾かなかった。 そこから、自分を知ってくれる友人を云うようになった。
梁甫吟
梁甫吟は楽府題の古い題の一つ。相和歌楚調曲に梁父吟行とあって、その由来は戦国の武侯が好んで詠ったものといわれる。梁甫は、梁父とも書き、むかしの斉の国、いまの山東省の、泰山のふもとにある、570mの小さな山の名である。そこは、古代の迷信では、死者のたましいの帰る場所とされていた。「梁甫吟」はもともと、葬いの歌であったという。また、骨子(孔子の弟子)の作ったものであるという。骨子が泰山のふもとに耕していたところ、天が大雪をふらし、凍ること旬日、帰ることができず、その父母を思って、巣山歌を作ったと、「琴挽」という本に見える、それが「梁甫吟」の起源であるという。現在「楽府詩集」に収められている一首は、「三国志」の立役者である諸葛亮(孔明)の作と伝えられている。それは次の歌である。
諸葛亮(孔明)「梁甫吟」
歩出斉城門 遥望蕩陰里
里中有三墳 塁塁正相似
問是誰家墓 田疆古冶子
力能排南山 文能絶地紀
一朝被讒言 二桃殺三士
誰能為此謀 国相斉晏子
下し文
歩して斉の城門を出で 遥に蕩陰の里を望む
里中に三墳有り 塁塁として正に相似たり
問う是れ誰が家の墓ぞ 田疆古冶氏
力を能く南山を排し 文を能く地紀を絶つ
一朝 讒言を被りて 二桃 三士を殺す
誰か能く此の謀を為せる 国相斉の晏子なり
現代訳
梁甫の歌;
斉の城門を歩いて出て、遠くに蕩陰(地名)の村を眺めるとそこにお墓が三基ある 並んで立っていて、よく似ていた。
これはどちらのお墓ですかと聞いてみた。
これが有名な公孫接・田開彊・古冶子のお墓です。
三人は南山を動かすほど力が強く、大地の四隅を繋ぐ紐を切るほど学問もできる人たちでした
ところが、ひとたび、讒言を言われ、二つの桃でもって三人を殺してしまった。
誰がこんなはかりごとをしたのですか? それは斉の宰相の晏嬰です
これは、詭計をもちいて人を殺した、斉の量子の故事をうたったものである。「力排南山三壯士。齊相殺之費二桃」参照。李白のこの詩は、その故事をふくみつつ、主題を少しかえ、不遇の志士の時機到来を待つ気持をうたいあげる。
梁甫吟 諸葛亮 漢詩<96>Ⅱ李白に影響を与えた詩819 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2643
李白《梁甫吟》
(呂尚に学び、諸葛亮を学んで、梁甫吟を詠う)
#1
長嘯梁甫吟。 何時見陽春。
君不見朝歌屠叟辭棘津、八十西來釣渭濱。
寧羞白發照淥水。逢時壯氣思經綸。
廣張三千六百鉤。 風期暗與文王親。
大賢虎變愚不測。 當年頗似尋常人。
#2
君不見 高陽酒徒起草中。 長揖山東隆准公。
入門不拜騁雄辯。 兩女輟洗來趨風。
東下齊城七十二。 指揮楚漢如旋蓬。
狂客落魄尚如此。何況壯士當群雄。
我欲攀龍見明主。雷公砰訇震天鼓。
#3
帝旁投壺多玉女。三時大笑開電光。
倏爍晦冥起風雨。閶闔九門不可通。
以額叩關閽者怒。白日不照吾精誠。
杞國無事憂天傾。貕貐磨牙競人肉。
騶虞不折生草莖。手接飛猱搏雕虎。
#4
側足焦原未言苦。智者可卷愚者豪。
世人見我輕鴻毛。力排南山三壯士。
齊相殺之費二桃。吳楚弄兵無劇孟。
亞夫咍爾為徒勞。梁甫吟。聲正悲。
張公兩龍劍。 神物合有時。
風云感會起屠釣。大人嶬屼當安之。
梁甫吟#1
長嘯す梁甫吟、何れの時か陽春を見ん。
君見ずや 朝歌の屠叟【とそう】棘津【きょくしん】を辞し、八十にして西に来って渭浜に釣す。
寧んぞ羞じんや 白髪の淥水を照らすを、時に逢い気を壮にして 經綸を思う。
広く張る三千六百鉤、風期 暗に文王と親しむ。
大賢は虎変して愚は測らず、当年頗る似たり尋常の人に。
#2
君見ずや高陽の酒徒 草中に起り、山東の隆準公に長揖せるを。
門に入りて拝せず 雄弁を騁すれば、両女洗うことを輟めて 来って風に趨る。
東のかた斉城七十二を下す、楚漢を指揮して旋蓬の如し。
狂客落魄するも 尚お此の如し、何ぞ況んや壮士の群雄に当るをや。
我竜に攀じて明主に見えんと欲す、雷公の砰訇【ほうこう】 天鼓を震う。
#3
帝の旁に授壷して 玉女多し、三時大笑して 電光を開く。
倏燦【しゅくしゃく】 晦冥【かいめい】 風雨を起す、
閶闔【しょうこう】の九門 通ず可からず。
額を以て関を叩けば 閽者怒る、白日吾が精誠を照らさず。
杞国無事にして 天の傾くを憂う、喫給は牙を磨いて 人肉を競い。
騶虞【すうぐ】は折らず 生草の茎、手は飛猿に接して 雕虎を持ち。
#4
足を焦原に側だてて 未だ苦を言わず、智者は巻く可く愚者は豪なり。
世人我を見ること鴻毛よりも軽し、力は南山を排す三壮士。
斉相 之を殺すに二桃を費す、呉楚兵を弄して劇孟無し。
亜夫 咍爾としで徒労と為す。梁甫吟 声正に悲し。
張公の両竜剣、神物 合するに時有り。
風雲感会 屠釣を起す、大人嶬屼たらは当に之を安んずべし。
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- カテゴリ:李太白集 巻二十二
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