李太白集 200《太白巻16-22送梁公昌從信安北征》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 6581
- 2015/09/08
- 22:03
入幕推英選,捐書事遠戎。高談百戰術,鬱作萬夫雄。起舞蓮花劍,行歌明月弓。
將飛天地陣,兵出塞垣通。祖席留丹景,征麾拂彩虹。旋應獻凱入,麟閣佇深功。
(安陸で交遊した梁公昌が信安郡王の幕府軍に入って契丹征伐に向かうのを送る。)
今回君は、信安郡王の幕府軍に入り、まことによく選ばれたものという評判となっている。ということで、書を擲って遠戎の契丹を征伐することとした。そのことに及んで、起って蓮花の名劍をもって舞い、明月の名弓をひいて「明月弓」をことで演奏し、歌ってゆくことになる。百戦百勝の錬磨術を高談していたし、鬱としているものの萬夫の雄と称されているのである。まさに、今この時であり、将軍にしたがって、「天地の陣」「地の陣」「人の陣」をしき、兵を出して塞垣の道を通ぜしめ、終始その雋邁の気概をしめしている。この日の餞別の筵は夕日が赤く染まり、暗くなるまでにも及び、やがて、きみは、征麾を揮って、さながら、彩虹を拂うがごとく、愈々乗り出すというので、勇ましいものと思うところである。天子は諸侯が大功をたてるのをまって、麒麟閣にこれを図画して飾ろうと思し召しであるから、凱歌を奏して、早く帰京されるようにされたいものである。
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201 《巻16-22送梁公昌從信安北征(入幕推英選)》Index-12 Ⅱ―7 -732年開元二十年32歳 12首
年:732年開元二十年32歳
卷別: 卷一七六 文體: 五言古詩
詩題: 送梁公昌從信安北征
作地點: 洛陽(都畿道 / 河南府 / 洛陽)
及地點: 麒麟閣 (京畿道 京兆府 長安) 別名:麟閣
交遊人物:梁昌 當地交遊 (都畿道 河南府 洛陽)
送梁公昌從信安北征
(安陸で交遊した梁公昌が信安郡王の幕府軍に入って契丹征伐に向かうのを送る。)
入幕推英選,捐書事遠戎。
今回君は、信安郡王の幕府軍に入り、まことによく選ばれたものという評判となっている。ということで、書を擲って遠戎の契丹を征伐することとした。
高談百戰術,鬱作萬夫雄。
百戦百勝の錬磨術を高談していたし、鬱としているものの萬夫の雄と称されているのである。
起舞蓮花劍,行歌明月弓。
そのことに及んで、起って蓮花の名劍をもって舞い、明月の名弓をひいて「明月弓」をことで演奏し、歌ってゆくことになる。
將飛天地陣,兵出塞垣通。
まさに、今この時であり、将軍にしたがって、「天地の陣」「地の陣」「人の陣」をしき、兵を出して塞垣の道を通ぜしめ、終始その雋邁の気概をしめしている。
祖席留丹景,征麾拂彩虹。
この日の餞別の筵は夕日が赤く染まり、暗くなるまでにも及び、やがて、きみは、征麾を揮って、さながら、彩虹を拂うがごとく、愈々乗り出すというので、勇ましいものと思うところである。
旋應獻凱入,麟閣佇深功。
天子は諸侯が大功をたてるのをまって、麒麟閣にこれを図画して飾ろうと思し召しであるから、凱歌を奏して、早く帰京されるようにされたいものである。
(梁公昌の信安に從って北征するを送る)
幕に入って英選を推し,書を捐てて 遠戎を事とす。
高く百戰の術を談じ,鬱として 萬夫の雄と作る。
起って舞わす 蓮花の劍,行【ゆくゆ】く歌う 明月の弓。
將 飛んで 天地の陣,兵出でて 塞垣 通ず。
祖席 丹景を留め,征麾【せいき】彩虹を拂う。
旋【かえ】って 應に凱を獻じて入るべし,麟閣 深功を佇つ。
『送梁公昌從信安北征』 現代語訳と訳註解説
(本文)
送梁公昌從信安北征
入幕推英選,捐書事遠戎。
高談百戰術,鬱作萬夫雄。
起舞蓮花劍,行歌明月弓。
將飛天地陣,兵出塞垣通。
祖席留丹景,征麾拂彩虹。
旋應獻凱入,麟閣佇深功。
(下し文)
(梁公昌の信安に從って北征するを送る)
幕に入って英選を推し,書を捐てて 遠戎を事とす。
高く百戰の術を談じ,鬱として 萬夫の雄と作る。
起って舞わす 蓮花の劍,行【ゆくゆ】く歌う 明月の弓。
將 飛んで 天地の陣,兵出でて 塞垣 通ず。
祖席 丹景を留め,征麾【せいき】彩虹を拂う。
旋【かえ】って 應に凱を獻じて入るべし,麟閣 深功を佇つ。
(現代語訳)
(安陸で交遊した梁公昌が信安郡王の幕府軍に入って契丹征伐に向かうのを送る。)
今回君は、信安郡王の幕府軍に入り、まことによく選ばれたものという評判となっている。ということで、書を擲って遠戎の契丹を征伐することとした。
そのことに及んで、起って蓮花の名劍をもって舞い、明月の名弓をひいて「明月弓」をことで演奏し、歌ってゆくことになる。
百戦百勝の錬磨術を高談していたし、鬱としているものの萬夫の雄と称されているのである。
まさに、今この時であり、将軍にしたがって、「天地の陣」「地の陣」「人の陣」をしき、兵を出して塞垣の道を通ぜしめ、終始その雋邁の気概をしめしている。
この日の餞別の筵は夕日が赤く染まり、暗くなるまでにも及び、やがて、きみは、征麾を揮って、さながら、彩虹を拂うがごとく、愈々乗り出すというので、勇ましいものと思うところである。
天子は諸侯が大功をたてるのをまって、麒麟閣にこれを図画して飾ろうと思し召しであるから、凱歌を奏して、早く帰京されるようにされたいものである。
送梁公昌從信安北征
(安陸で交遊した梁公昌が信安郡王の幕府軍に入って契丹征伐に向かうのを送る。)
梁公昌 安陸で交遊したもので、信安郡王の幕府軍に入って契丹征伐に向かうのを送る。
信安 朔方節度使、副大使禮部信安郡王褘のこと。
北征 732年、開元20年正月、契丹征伐にむかったこと。
入幕推英選,捐書事遠戎。
今回君は、信安郡王の幕府軍に入り、まことによく選ばれたものという評判となっている。ということで、書を擲って遠戎の契丹を征伐することとした。
遠戎 契丹征伐のこと。
高談百戰術,鬱作萬夫雄。
百戦百勝の錬磨術を高談していたし、鬱としているものの萬夫の雄と称されているのである。
百戰術 百戦百勝の錬磨術。
起舞蓮花劍,行歌明月弓。
そのことに及んで、起って蓮花の名劍をもって舞い、明月の名弓をひいて「明月弓」をことで演奏し、歌ってゆくことになる。
蓮花劍 南朝梁吳均《古意》詩之三: 「玉鞭蓮花劍, 金苣流星勒。」とある。
明月弓 古代琴曲、楽府の名
將飛天地陣,兵出塞垣通。
まさに、今この時であり、将軍にしたがって、「天地の陣」「地の陣」「人の陣」をしき、兵を出して塞垣の道を通ぜしめ、終始その雋邁の気概をしめしている。
天地陣 《六韜‧虎韜‧三陣》「武王問太公曰:『凡用兵為天陣、地陣、人陣,奈何?』太公曰:『日月星辰斗杓,一左一右,一迎一背,此謂天陣;丘陵水泉,亦有左右前後之利,此謂地陣;用馬用人,用文用武,此謂人陣。』
祖席留丹景,征麾拂彩虹。
この日の餞別の筵は夕日が赤く染まり、暗くなるまでにも及び、やがて、きみは、征麾を揮って、さながら、彩虹を拂うがごとく、愈々乗り出すというので、勇ましいものと思うところである。
丹景 夕日の日陰。太陽が昇り、夕日が赤く染まり、暗くなってゆくころまでにも及ぶということ。
祖席 この日の餞別の筵をいう。
征麾 麾は旌幡、指揮するため麾を揮うこと。
拂彩虹 虹を渡って行進するというほどの意。
旋應獻凱入,麟閣佇深功。
天子は諸侯が大功をたてるのをまって、麒麟閣にこれを図画して飾ろうと思し召しであるから、凱歌を奏して、早く帰京されるようにされたいものである。
麟閣 漢代、長安の未央宮中にあった高殿。武帝が麒麟を献上されたとき築いたといわれる。宣帝のとき、11人の功臣の肖像などが飾られた。「未央宮麒麟閣十一功臣」
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