李太白集 207《太白巻12-21 北山獨酌寄韋六》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 6616
- 2015/09/15
- 22:06
巢父將許由,未聞買山隱。道存跡自高,何憚去人近。紛吾下茲嶺,地閒喧亦泯。
(嵩山の北山において独酌しつつ、韋六というものに寄せた詩)巢父と許由は耳を洗って隠遁したものだが、ところが山を買ってしかる後に隠遁したというような話は未だに聞いたことが無い。つまり、道家の道にして存すれば、その人の行跡、自ずから高く、大隠は市中に棲むというように、人間を去ること近くとも、そんなことは一向に構わないはずである、ここに、吾、この峰を下ると地閒にして、世俗の喧騒もすでに滅して、もう耳には聞こえてはこない。
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208-#1 《巻12-21 北山獨酌寄韋六 -#1》Index-13 Ⅱ― 8-733年開元二十一年33歳
年:733年開元二十一年33歳
卷別: 卷一七二 李太白集 巻12 21首目 文體:五言古詩
詩題: 北山獨酌寄韋六
作地點: 白兆山(淮南道 / 安州 / 白兆山)
及地點: 白兆山 (淮南道 安州 白兆山) 別名:北山
交遊人物:韋六 書信往來 (京畿道 京兆府 長安)
《巻12-21 北山獨酌寄韋六》#1
(嵩山の北山において独酌しつつ、韋六というものに寄せた詩)
巢父將許由,未聞買山隱。
巢父と許由は耳を洗って隠遁したものだが、ところが山を買ってしかる後に隠遁したというような話は未だに聞いたことが無い。
道存跡自高,何憚去人近。
つまり、道家の道にして存すれば、その人の行跡、自ずから高く、大隠は市中に棲むというように、人間を去ること近くとも、そんなことは一向に構わないはずである、
紛吾下茲嶺,地閒喧亦泯。
ここに、吾、この峰を下ると地閒にして、世俗の喧騒もすでに滅して、もう耳には聞こえてはこない。
#2
門橫群岫開,水鑿眾泉引。
屏高而在雲,竇深莫能準。
川光晝昏凝,林氣夕淒緊。
於焉摘朱果,兼得養玄牝。
#3
坐月觀寶書,拂霜弄瑤軫。
傾壺事幽酌,顧影還獨盡。
念君風塵游,傲爾令自哂。
安知世上人,名利空蠢蠢。【案:一本此下有以下二句:安知世上人,名利空蠢蠢。】
(北山に獨酌し韋六に寄す)
巢父 將許由と,未だ聞かず 山を買うて隱るるを。
道 存すれば 跡 自ら高し,何ぞ憚らん 人を去ろこと 近きを。
紛として 吾 茲の嶺を下る,地閒にして 喧の亦た 泯【ほろ】ぶ。
門は群岫に橫って開き,水は眾泉を鑿って引く。
屏 高くして 雲に在り,竇 深くして能く準ずる莫し。
川光 晝 昏凝【こんぎょう】,林氣 夕べに淒緊【せいきん】。
於焉【ここ】に朱果を摘み,兼ねて 玄牝を養うを得たり。
月に坐して寶書を觀,拂霜をうて瑤軫【ようしん】を弄す。
壺を傾けて 幽酌を事とし,影を顧りみて還た獨り盡く。
君が風塵の游ぶを念えば,傲爾【ごうじ】として自ら哂わ令む。
『北山獨酌寄韋六』 現代語訳と訳註解説
(本文)
《巻12-21 北山獨酌寄韋六》#1
巢父將許由,未聞買山隱。
道存跡自高,何憚去人近。
紛吾下茲嶺,地閒喧亦泯。
(下し文)
北山に獨酌し韋六に寄す
巢父 將許由と,未だ聞かず 山を買うて隱るるを。
道 存すれば 跡 自ら高し,何ぞ憚らん 人を去ろこと 近きを。
紛として 吾 茲の嶺を下る,地閒にして 喧の亦た 泯【ほろ】ぶ。
(現代語訳)
(嵩山の北山において独酌しつつ、韋六というものに寄せた詩)
巢父と許由は耳を洗って隠遁したものだが、ところが山を買ってしかる後に隠遁したというような話は未だに聞いたことが無い。
つまり、道家の道にして存すれば、その人の行跡、自ずから高く、大隠は市中に棲むというように、人間を去ること近くとも、そんなことは一向に構わないはずである、
ここに、吾、この峰を下ると地閒にして、世俗の喧騒もすでに滅して、もう耳には聞こえてはこない。
(訳注)
《巻12-21 北山獨酌寄韋六》#1
(嵩山の北山において独酌しつつ、韋六というものに寄せた詩)
巢父將許由,未聞買山隱。
巢父と許由は耳を洗って隠遁したものだが、ところが山を買ってしかる後に隠遁したというような話は未だに聞いたことが無い。
巢父・許由 許由と巣父の故事による。許由は、中国古代の三皇五帝時代の人と伝わる、伝説の隠者である。伝説によれば、許由は陽城槐里の人でその人格の廉潔さは世に名高く、当時の堯帝がその噂を聞き彼に帝位を譲ろうと申し出るが、それを聞いた許由は箕山に隠れてしまう。さらに堯帝が高い地位をもって許由に報いようとすると、許由は潁水のほとりにおもむき「汚らわしいことを聞いた」と、その流れで自分の耳をすすいだという。
それを見聞きしていたやはり伝説の高士として知られる巣父は、まさに牛にその川の水を飲ませようとしていたが、「牛に汚れた水を飲ませるわけにはいかぬ」と立ち去ったという。
買山 もっぱら山を使い、自分の為だけのために支配するために購入する。《世說新語/排調》「支道林因人就深公買印山,深公答曰:「未聞巢、由買山而隱。」(支道林 因て人 深公に就いて印山を買う,深公 答えて曰く:「未だ巢、由の山を買うて而隱るるを聞かず。」)
道存跡自高,何憚去人近。
つまり、道家の道にして存すれば、その人の行跡、自ずから高く、大隠は市中に棲むというように、人間を去ること近くとも、そんなことは一向に構わないはずである、
去人近 人間を去ること近くとは、大隠は市中に棲むということをいう。
紛吾下茲嶺,地閒喧亦泯。
ここに、吾、この峰を下ると地閒にして、世俗の喧騒もすでに滅して、もう耳には聞こえてはこない。
喧亦泯 世俗の喧騒もすでに滅して、もう耳には聞こえてはこない。
~
《巻12-21 北山獨酌寄韋六》#1
(嵩山の北山において独酌しつつ、韋六というものに寄せた詩)
巢父將許由,未聞買山隱。
巢父と許由は耳を洗って隠遁したものだが、ところが山を買ってしかる後に隠遁したというような話は未だに聞いたことが無い。
道存跡自高,何憚去人近。
つまり、道家の道にして存すれば、その人の行跡、自ずから高く、大隠は市中に棲むというように、人間を去ること近くとも、そんなことは一向に構わないはずである、
紛吾下茲嶺,地閒喧亦泯。
ここに、吾、この峰を下ると地閒にして、世俗の喧騒もすでに滅して、もう耳には聞こえてはこない。
#2
門橫群岫開,水鑿眾泉引。
谷間を入る崖は門とは、群岫に対して横に向って開いており、水は、山中の衆泉を遠くから集め引いて来て滝となって落ちて流れを穿っている。
屏高而在雲,竇深莫能準。
それから四面の靑嶂は屏風のように屹立して、その頂は、兀として雲を抜け、洞窟の深いものはとてもその奥を測ることはできないくらいである。
川光晝昏凝,林氣夕淒緊。
川の色は昼だというのに暗くて、太陽が動いても暗さは変わらない、森の木々の嵐気は夕べのような冷気がすごくて身に浸みる。
於焉摘朱果,兼得養玄牝。
ここでは、熟した朱色の果物を摘み取り、そして老子の云う「神秘なる母性」なる宇宙の大道をこの身に涵養することができる。
#3
坐月觀寶書,拂霜弄瑤軫。
傾壺事幽酌,顧影還獨盡。
念君風塵游,傲爾令自哂。
安知世上人,名利空蠢蠢。【案:一本此下有以下二句:安知世上人,名利空蠢蠢。】
(北山に獨酌し韋六に寄す)
巢父 將許由と,未だ聞かず 山を買うて隱るるを。
道 存すれば 跡 自ら高し,何ぞ憚らん 人を去ろこと 近きを。
紛として 吾 茲の嶺を下る,地閒にして 喧の亦た 泯【ほろ】ぶ。
門は群岫に橫って開き,水は眾泉を鑿って引く。
屏 高くして 雲に在り,竇 深くして能く準ずる莫し。
川光 晝 昏凝【こんぎょう】,林氣 夕べに淒緊【せいきん】。
於焉【ここ】に朱果を摘み,兼ねて 玄牝を養うを得たり。
月に坐して寶書を觀,拂霜をうて瑤軫【ようしん】を弄す。
壺を傾けて 幽酌を事とし,影を顧りみて還た獨り盡く。
君が風塵の游ぶを念えば,傲爾【ごうじ】として自ら哂わ令む。
安ぞ知らん 世の上人,名利 空しく蠢蠢【しゅんしゅん】。
『北山獨酌寄韋六』 現代語訳と訳註解説
(本文)
《巻12-21 北山獨酌寄韋六》#2
門橫群岫開,水鑿眾泉引。
屏高而在雲,竇深莫能準。
川光晝昏凝,林氣夕淒緊。
於焉摘朱果,兼得養玄牝。
(下し文)
門は群岫に橫って開き,水は眾泉を鑿って引く。
屏 高くして 雲に在り,竇 深くして能く準ずる莫し。
川光 晝 昏凝【こんぎょう】,林氣 夕べに淒緊【せいきん】。
於焉【ここ】に朱果を摘み,兼ねて 玄牝を養うを得たり。
(現代語訳)
谷間を入る崖は門とは、群岫に対して横に向って開いており、水は、山中の衆泉を遠くから集め引いて来て滝となって落ちて流れを穿っている。
それから四面の靑嶂は屏風のように屹立して、その頂は、兀として雲を抜け、洞窟の深いものはとてもその奥を測ることはできないくらいである。
川の色は昼だというのに暗くて、太陽が動いても暗さは変わらない、森の木々の嵐気は夕べのような冷気がすごくて身に浸みる。
ここでは、熟した朱色の果物を摘み取り、そして老子の云う「神秘なる母性」なる宇宙の大道をこの身に涵養することができる。
(訳注) #2
《巻12-21 北山獨酌寄韋六》
(嵩山の北山において独酌しつつ、韋六というものに寄せた詩)
門橫群岫開,水鑿眾泉引。
谷間を入る崖は門とは、群岫に対して横に向って開いており、水は、山中の衆泉を遠くから集め引いて来て滝となって落ちて流れを穿っている。
群岫 岫は山穴で、山に洞窟がたくさんある。
屏高而在雲,竇深莫能準。
それから四面の靑嶂は屏風のように屹立して、その頂は、兀として雲を抜け、洞窟の深いものはとてもその奥を測ることはできないくらいである。
川光晝昏凝,林氣夕淒緊。
川の色は昼だというのに暗くて、太陽が動いても暗さは変わらない、森の木々の嵐気は夕べのような冷気がすごくて身に浸みる。
於焉摘朱果,兼得養玄牝。
ここでは、熟した朱色の果物を摘み取り、そして老子の云う「神秘なる母性」なる宇宙の大道をこの身に涵養することができる。
朱果 果物の中で朱色のもの、熟したもの。
玄牝 老子はこれを玄牝:“神秘なる母性”と呼んでいる。老子の『道徳経』第6章。「谷神不死。是謂玄牝。玄牝之門、是謂天地根。緜緜若存、用之不勤。」(谷神は死せず。これを玄牝と謂う。玄牝の門、これを天地の根と謂う。緜緜として存する若く、これを用いて勤【つ】きず。)万物を生み出す谷間の神は、とめどなく生み出して死ぬ事は無い。これを私は「玄牝(げんぴん) – 神秘なる母性」と呼ぶ。この玄牝は天地万物を生み出す門である。その存在はぼんやりとはっきりとしないようでありながら、その働きは尽きる事は無い。(大河の源流にある谷神は、とめどなく生命を生み出しながらも絶えることはない。谷神同様、女性(器)もまた、万物を生み出す源であり、その働きは尽きることがない。)
~
年:733年開元二十一年33歳
卷別: 卷一七二 李太白集 巻12 21首目 文體:五言古詩
詩題: 北山獨酌寄韋六
作地點: 白兆山(淮南道 / 安州 / 白兆山)
及地點: 白兆山 (淮南道 安州 白兆山) 別名:北山
交遊人物:韋六 書信往來 (京畿道 京兆府 長安)
《巻12-21 北山獨酌寄韋六》#1
(嵩山の北山において独酌しつつ、韋六というものに寄せた詩)
巢父將許由,未聞買山隱。
巢父と許由は耳を洗って隠遁したものだが、ところが山を買ってしかる後に隠遁したというような話は未だに聞いたことが無い。
道存跡自高,何憚去人近。
つまり、道家の道にして存すれば、その人の行跡、自ずから高く、大隠は市中に棲むというように、人間を去ること近くとも、そんなことは一向に構わないはずである、
紛吾下茲嶺,地閒喧亦泯。
ここに、吾、この峰を下ると地閒にして、世俗の喧騒もすでに滅して、もう耳には聞こえてはこない。
#2
門橫群岫開,水鑿眾泉引。
谷間を入る崖は門とは、群岫に対して横に向って開いており、水は、山中の衆泉を遠くから集め引いて来て滝となって落ちて流れを穿っている。
屏高而在雲,竇深莫能準。
それから四面の靑嶂は屏風のように屹立して、その頂は、兀として雲を抜け、洞窟の深いものはとてもその奥を測ることはできないくらいである。
川光晝昏凝,林氣夕淒緊。
川の色は昼だというのに暗くて、太陽が動いても暗さは変わらない、森の木々の嵐気は夕べのような冷気がすごくて身に浸みる。
於焉摘朱果,兼得養玄牝。
ここでは、熟した朱色の果物を摘み取り、そして老子の云う「神秘なる母性」なる宇宙の大道をこの身に涵養することができる。
#3
坐月觀寶書,拂霜弄瑤軫。
そして、名月の秋には、坐して仙書を讀み、霜を払って、琴柱を引き締めやがて糸を掻き鳴らす。
傾壺事幽酌,顧影還獨盡。
酒壺を傾けて、一人心静かに、また、酌み、そして月影を顧みて、またその尽きるに任せる。
念君風塵游,傲爾令自哂。
北山山中の幽居の趣きはおおよそこんなところで、君が今風塵にさまよい歩くのを思い、吾は既にその処を得ているので、傲然として、君がいまだに浮世に執着しているのを自然と笑ってしまうのである。
安知世上人,名利空蠢蠢。【案:一本此下有以下二句:安知世上人,名利空蠢蠢。】
これほどのことをどうして世の中の人は知ろうとしないのであろうか、名誉と利益を求めようとする気持ちばかり先に立ち、秩序なく動きまわるだけではないか、そんなことより君も、衣の塵を払って、ここに来て、一緒に、凊修を事としてはいかがだろうか。
(北山に獨酌し韋六に寄す)
巢父 將許由と,未だ聞かず 山を買うて隱るるを。
道 存すれば 跡 自ら高し,何ぞ憚らん 人を去ろこと 近きを。
紛として 吾 茲の嶺を下る,地閒にして 喧の亦た 泯【ほろ】ぶ。
門は群岫に橫って開き,水は眾泉を鑿って引く。
屏 高くして 雲に在り,竇 深くして能く準ずる莫し。
川光 晝 昏凝【こんぎょう】,林氣 夕べに淒緊【せいきん】。
於焉【ここ】に朱果を摘み,兼ねて 玄牝を養うを得たり。
月に坐して寶書を觀,拂霜をうて瑤軫【ようしん】を弄す。
壺を傾けて 幽酌を事とし,影を顧りみて還た獨り盡く。
君が風塵の游ぶを念えば,傲爾【ごうじ】として自ら哂わ令む。
安ぞ知らん 世の上人,名利 空しく蠢蠢【しゅんしゅん】。
『北山獨酌寄韋六』 現代語訳と訳註解説
(本文)
《巻12-21 北山獨酌寄韋六》
#3
坐月觀寶書,拂霜弄瑤軫。
傾壺事幽酌,顧影還獨盡。
念君風塵游,傲爾令自哂。
安知世上人,名利空蠢蠢。
(下し文)
月に坐して寶書を觀,拂霜をうて瑤軫【ようしん】を弄す。
壺を傾けて 幽酌を事とし,影を顧りみて還た獨り盡く。
君が風塵の游ぶを念えば,傲爾【ごうじ】として自ら哂わ令む。
安ぞ知らん 世の上人,名利 空しく蠢蠢【しゅんしゅん】。
(現代語訳)
そして、名月の秋には、坐して仙書を讀み、霜を払って、琴柱を引き締めやがて糸を掻き鳴らす。
酒壺を傾けて、一人心静かに、また、酌み、そして月影を顧みて、またその尽きるに任せる。
北山山中の幽居の趣きはおおよそこんなところで、君が今風塵にさまよい歩くのを思い、吾は既にその処を得ているので、傲然として、君がいまだに浮世に執着しているのを自然と笑ってしまうのである。
これほどのことをどうして世の中の人は知ろうとしないのであろうか、名誉と利益を求めようとする気持ちばかり先に立ち、秩序なく動きまわるだけではないか、そんなことより君も、衣の塵を払って、ここに来て、一緒に、凊修を事としてはいかがだろうか。
(訳注) #3
《巻12-21 北山獨酌寄韋六》
(嵩山の北山において独酌しつつ、韋六というものに寄せた詩)
坐月觀寶書,拂霜弄瑤軫。
そして、名月の秋には、坐して仙書を讀み、霜を払って、琴柱を引き締めやがて糸を掻き鳴らす。
寶書 歴史書。寶は保の意で、世々、傳えていくべき戒めと為すべきものである貴重な書籍。天子が収集された書籍。道学傳「夏禹撰眞靈之玄要,集天官之寶書。」(夏禹は眞靈の玄要を撰し、天官の寶書を集む。)とあり、寶書は眞經であるとされる。ここでは道教に関する書籍、仙書。
瑤軫 軫は琴柱に弦の枕を言い、絃を張り調音することをいう。《魏書、樂志》「以軫調聲」に基づく。
傾壺事幽酌,顧影還獨盡。
酒壺を傾けて、一人心静かに、また、酌み、そして月影を顧みて、またその尽きるに任せる。
幽酌 杯を傾けるが風流を愛で、静かに、また酌むというほどの意。
念君風塵游,傲爾令自哂。
北山山中の幽居の趣きはおおよそこんなところで、君が今風塵にさまよい歩くのを思い、吾は既にその処を得ているので、傲然として、君がいまだに浮世に執着しているのを自然と笑ってしまうのである。
安知世上人,名利空蠢蠢。
これほどのことをどうして世の中の人は知ろうとしないのであろうか、名誉と利益を求めようとする気持ちばかり先に立ち、秩序なく動きまわるだけではないか、そんなことより君も、衣の塵を払って、ここに来て、一緒に、凊修を事としてはいかがだろうか。
世上 ① 世の中。世間。 「 -の風聞」 「 -取りざたされているうわさ」 ② まわりの世界。あたり。近辺。
名利【みょうり】名誉と利益。また、それを求めようとする気持ち。
蠢蠢【しゅんしゅん】とは。意味や解説、類語。[ト・タル][文][形動タリ]1 虫などがうごめくさま。「―として御玉杓子(おたまじゃくし)の如く動いて居たものは」〈漱石・趣味の遺伝〉2 おろかで無知なさま。また、そうした人が秩序なく動きまわるさま。
- テーマ:詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
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- カテゴリ:李太白集 巻十二
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