李太白集 210《太白巻22-3 安州般若寺水閣納涼,喜遇薛員外父》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 6631
- 2015/09/18
- 22:19
翛然金園賞,遠近含晴光。樓臺成海氣,草木皆天香。忽逢青雲士,共解丹霞裳。
(安州の般若寺の水閣において納涼をした時に,員外郎の薛父というものと遇って喜んで作ったもの)
悠然として、この寺の園中に勝賞をほしいままにしており、それに加え、おりしも空はよく晴れて、遠近とも日に光がふりそそいでいる。樓臺は海気が蒸してくるような暖かさになる、草木はこの世とは思えない天上の香気をすべて帯びたような感じに見える。こうしていて出会った員外郎の薛父という人は、俗世間から超越した、高尚な志の人であり、もとより仙道に心を寄せ、甚だ高潔な人である、そこでふたりとも丹霞の裳をといてうちとけたのである。
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211 《巻22-3 安州般若寺水閣納涼,喜遇薛員外父》Index-13 Ⅱ― 8-733年開元二十一年33歳
年:-733年開元二十一年33歳
卷別: 卷一八二 李太白集 巻22 文體:五言古詩
詩題: 安州般若寺水閣納涼,喜遇薛員外父
作地點:資料 無
及地點: 般若寺 (淮南道 安州 安州)
交遊人物/地點: 薛員外 當地交遊(淮南道 安州 安州)
安州般若寺水閣納涼,喜遇薛員外父
(安州の般若寺の水閣において納涼をした時に,員外郎の薛父というものと遇って喜んで作ったもの)
翛然金園賞,遠近含晴光。
悠然として、この寺の園中に勝賞をほしいままにしており、それに加え、おりしも空はよく晴れて、遠近とも日に光がふりそそいでいる。
樓臺成海氣,草木皆天香。
樓臺は海気が蒸してくるような暖かさになる、草木はこの世とは思えない天上の香気をすべて帯びたような感じに見える。
忽逢青雲士,共解丹霞裳。
こうしていて出会った員外郎の薛父という人は、俗世間から超越した、高尚な志の人であり、もとより仙道に心を寄せ、甚だ高潔な人である、そこでふたりとも丹霞の裳をといてうちとけたのである。
水退池上熱,風生松下涼。
吞討破萬象,搴窺臨眾芳。
而我遺有漏,與君用無方。
心垢都已滅,永言題禪房。
(安州 般若寺の水閣に納涼し,薛員外父に遇うを喜ぶ)
翛然たり 金園の賞,遠近 晴光を含む。
樓臺 海氣を成し,草木 皆 天香。
忽ち 青雲士に逢い,共に丹霞の裳を解く。
水は 池上の熱を退け,風は 松下の涼を生ず。
吞討 萬象を破り,搴窺 眾芳に臨む。
而も 我 有漏を遺れ,君と 無方を用う。
心垢 都て已に滅し,永言 禪房に題す。
『安州般若寺水閣納涼,喜遇薛員外父』 現代語訳と訳註解説
(本文)
安州般若寺水閣納涼,喜遇薛員外父
翛然金園賞,遠近含晴光。
樓臺成海氣,草木皆天香。
忽逢青雲士,共解丹霞裳。
(下し文)
(安州 般若寺の水閣に納涼し,薛員外父に遇うを喜ぶ)
翛然たり 金園の賞,遠近 晴光を含む。
樓臺 海氣を成し,草木 皆 天香。
忽ち 青雲士に逢い,共に丹霞の裳を解く。
(現代語訳)
(安州の般若寺の水閣において納涼をした時に,員外郎の薛父というものと遇って喜んで作ったもの)
悠然として、この寺の園中に勝賞をほしいままにしており、それに加え、おりしも空はよく晴れて、遠近とも日に光がふりそそいでいる。
樓臺は海気が蒸してくるような暖かさになる、草木はこの世とは思えない天上の香気をすべて帯びたような感じに見える。
こうしていて出会った員外郎の薛父という人は、俗世間から超越した、高尚な志の人であり、もとより仙道に心を寄せ、甚だ高潔な人である、そこでふたりとも丹霞の裳をといてうちとけたのである。
(訳注)
安州般若寺水閣納涼,喜遇薛員外父
(安州の般若寺の水閣において納涼をした時に,員外郎の薛父というものと遇って喜んで作ったもの)
安州 淮南道 安州。中華人民共和国湖北省にかつて存在した州。
般若寺 斑若、鉢若、般羅若、鉢羅枳嬢など)は、一般には智慧(ちえ)といい、仏教におけるいろいろの修行の結果として得られた「さとり」の智慧をいう。ことに、大乗仏教が起こってからは、般若は大乗仏教の特質を示す意味で用いられ、分別的な「智」としての「若那」(jñāna, ジュニャーナ)と対照される形で、諸法の実相である空と相応する無分別の「慧」として強調されてきた。
同じ悟りの智慧をあらわす遍智(へんち、 परिज्ञा parijñā)と区別される。遍智とは文字通り「あまねく知る」ことで、四諦の道理を無漏(むろ)の智によって知ることである。この遍智を小乗のさとりを表すものとして、大乗の般若と区別するのも、般若を存在の当相をそのままに自覚する実践智と考えるからである。
薛員外父 員外郎の薛父というもの。
翛然金園賞,遠近含晴光。
悠然として、この寺の園中に勝賞をほしいままにしており、それに加え、おりしも空はよく晴れて、遠近とも日に光がふりそそいでいる。
翛然 物事に動ぜず、ゆったりと落ち着いているさま。
金園 般若寺のなかの園圃、精舎に金を用いているのでこういう。
樓臺成海氣,草木皆天香。
樓臺は海気が蒸してくるような暖かさになる、草木はこの世とは思えない天上の香気をすべて帯びたような感じに見える。
忽逢青雲士,共解丹霞裳。
こうしていて出会った員外郎の薛父という人は、俗世間から超越した、高尚な志の人であり、もとより仙道に心を寄せ、甚だ高潔な人である、そこでふたりとも丹霞の裳をといてうちとけたのである。
青雲士 〔史記 伯夷伝〕 ① 高位高官に昇った人。学徳の高い人。 ② 隠逸の士。俗世間から超越した、高尚な志の人。
丹霞 日が映って紅くたなびく雲気。仙郷をいう。丹霞裳:ここでは隠遁した道教の人の衣裳ということ。
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安州般若寺水閣納涼,喜遇薛員外父
(安州の般若寺の水閣において納涼をした時に,員外郎の薛父というものと遇って喜んで作ったもの)
翛然金園賞,遠近含晴光。
悠然として、この寺の園中に勝賞をほしいままにしており、それに加え、おりしも空はよく晴れて、遠近とも日に光がふりそそいでいる。
樓臺成海氣,草木皆天香。
樓臺は海気が蒸してくるような暖かさになる、草木はこの世とは思えない天上の香気をすべて帯びたような感じに見える。
忽逢青雲士,共解丹霞裳。
こうしていて出会った員外郎の薛父という人は、俗世間から超越した、高尚な志の人であり、もとより仙道に心を寄せ、甚だ高潔な人である、そこでふたりとも丹霞の裳をといてうちとけたのである。
(安州 般若寺の水閣に納涼し,薛員外父に遇うを喜ぶ)
翛然たり 金園の賞,遠近 晴光を含む。
樓臺 海氣を成し,草木 皆 天香。
忽ち 青雲士に逢い,共に丹霞の裳を解く。
水退池上熱,風生松下涼。
水は、漫漫と湛えて、池上、既に熱をなくし、風は、颯颯と響いて、丘の上の松下、自ずから涼を生じるものだ。
吞討破萬象,搴窺臨眾芳。
やがて、万象を一つに合わせて、飲み下しつつ、その真相を尋ね、簾をかかげて、多くの香り高い花を眺め下ろした。
而我遺有漏,與君用無方。
われは、世間のあらゆる有漏の法はすべてすててしまい、君と共に無法を行い、物に随って転化するのである。
心垢都已滅,永言題禪房。
そこで心上の垢はすべて滅し尽くし、ここに言を永くして歌を唱え、すなわち禅房に題した次第である。
水は 池上の熱を退け,風は 松下の涼を生ず。
吞討 萬象を破り,搴窺 眾芳に臨む。
而も 我 有漏を遺れ,君と 無方を用う。
心垢 都て已に滅し,永言 禪房に題す。
『安州般若寺水閣納涼,喜遇薛員外父』 現代語訳と訳註解説
(本文)
水退池上熱,風生松下涼。
吞討破萬象,搴窺臨眾芳。
而我遺有漏,與君用無方。
心垢都已滅,永言題禪房。
(下し文)
水は 池上の熱を退け,風は 松下の涼を生ず。
吞討 萬象を破り,搴窺 眾芳に臨む。
而も 我 有漏を遺れ,君と 無方を用う。
心垢 都て已に滅し,永言 禪房に題す。
(現代語訳)
水は、漫漫と湛えて、池上、既に熱をなくし、風は、颯颯と響いて、丘の上の松下、自ずから涼を生じるものだ。
やがて、万象を一つに合わせて、飲み下しつつ、その真相を尋ね、簾をかかげて、多くの香り高い花を眺め下ろした。
われは、世間のあらゆる有漏の法はすべてすててしまい、君と共に無法を行い、物に随って転化するのである。
そこで心上の垢はすべて滅し尽くし、ここに言を永くして歌を唱え、すなわち禅房に題した次第である。
(訳注)
安州般若寺水閣納涼,喜遇薛員外父
(安州の般若寺の水閣において納涼をした時に,員外郎の薛父というものと遇って喜んで作ったもの)
安州 淮南道 安州。中華人民共和国湖北省にかつて存在した州。
水退池上熱,風生松下涼。
水は、漫漫と湛えて、池上、既に熱をなくし、風は、颯颯と響いて、丘の上の松下、自ずから涼を生じるものだ。
吞討破萬象,搴窺臨眾芳。
やがて、万象を一つに合わせて、飲み下しつつ、その真相を尋ね、簾をかかげて、多くの香り高い花を眺め下ろした。
而我遺有漏,與君用無方。
われは、世間のあらゆる有漏の法はすべてすててしまい、君と共に無法を行い、物に随って転化するのである。
有漏 大般若経に云う一切の現象のこと。 「有漏法、佛、善現に告ぐ、世間の五蘿、十二歳、十八界、四静慮、四無量、四無色定、所有一切三界、に堕ちる法、これを有漏法という。」とある。
無方 荘子に「無方に行う」物に随って転化することをいう。《荘子 秋水第十七》 「兼懐萬物 其孰承翼 是謂無方 萬物一齊 孰短孰長?道無終始,物有死生,不恃其功。」萬物を兼ね懐く。其れ孰れをか承翼せん。是を無方と謂う。萬物一齊 孰れを短とし孰れを長とせん?道は終始無く,物は死生有り,其の功を恃しまず。
天地の萬物を等しく包容して、取りたてて特にどれかを愛し助けるということが無い。これを無方という。
心垢都已滅,永言題禪房。
そこで心上の垢はすべて滅し尽くし、ここに言を永くして歌を唱え、すなわち禅房に題した次第である。
心垢 四十二章經に「心垢滅盡,淨無瑕穢,是為最明。」(心垢滅盡,淨として 瑕穢無し,是れ最明と為す。)とある。
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- カテゴリ:李太白集 巻二十二
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