李太白集 211《太白巻22-15 待酒不至》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 6636
- 2015/09/19
- 22:59
玉壺繫青絲,沽酒來何遲。山花向我笑,正好銜杯時。
晚酌東窗下,流鶯復在茲。春風與醉客,今日乃相宜。
(客をもてなすために、酒を買いにやったところが、その使いの者がなかなか帰ってこないものだからこの詩を作ってお客に対応したもの)
奇麗な酒壺に油紙に靑糸を持たせて酒を買いに遣らせたが、使いのまぬけものがなかなか帰って来るのが遅い。イライラしてふと見ると、山花が丁度開いていて、こちらを見て笑っているようであり、まさに盃を口にするときのようであるから、まことに良いので益々早く飲みたくなるというものだ。晩方から飲むのは、月がのぼるのを待つ東の窓のもとが良いのでそこに席を設ける、鶯が場所を変えるように次第に高士になってゆくその客人がおり、また、ここに官妓がいて酒を待っているのである。酒がすすみ、そこに官妓と春風が席を払い風流なものになってゆき、そこにお客も酔ってきて、楽しい気分が相俟って、今日は、きわめていい気分、良い眺めとなっている。嬉しい限りだ。
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212 《巻22-15 待酒不至》Index-13 Ⅱ― 8-733年開元二十一年33歳
年:-733年開元二十一年33歳
卷別: 卷一八二 文體: 五言古詩
詩題: 待酒不至
作地點: 安陸(淮南道 / 安州 / 安陸)
待酒不至
(客をもてなすために、酒を買いにやったところが、その使いの者がなかなか帰ってこないものだからこの詩を作ってお客に対応したもの)
玉壺繫青絲,沽酒來何遲。
奇麗な酒壺に油紙に靑糸を持たせて酒を買いに遣らせたが、使いのまぬけものがなかなか帰って来るのが遅い。
山花向我笑,正好銜杯時。
イライラしてふと見ると、山花が丁度開いていて、こちらを見て笑っているようであり、まさに盃を口にするときのようであるから、まことに良いので益々早く飲みたくなるというものだ。
晚酌東窗下,流鶯復在茲。【晚酌東軒下】
晩方から飲むのは、月がのぼるのを待つ東の窓のもとが良いのでそこに席を設ける、鶯が場所を変えるように次第に高士になってゆくその客人がおり、また、ここに官妓がいて酒を待っているのである。
春風與醉客,今日乃相宜。
酒がすすみ、そこに官妓と春風が席を払い風流なものになってゆき、そこにお客も酔ってきて、楽しい気分が相俟って、今日は、きわめていい気分、良い眺めとなっている。嬉しい限りだ。
(酒を待てども至らず)
玉壺 青絲に繫ぎ,沽酒 來る何ぞ遲きか。
山花 我に向って笑い,正に好し 杯を銜むの時。
晚 東窗の下に酌めば,流鶯 復た茲に在り。
春風と醉客と,今日 乃ち相い宜し。
『待酒不至』 現代語訳と訳註解説
(本文)
待酒不至
玉壺繫青絲,沽酒來何遲。
山花向我笑,正好銜杯時。
晚酌東窗下,流鶯復在茲。
春風與醉客,今日乃相宜。
(下し文)
(酒を待てども至らず)
玉壺 青絲に繫ぎ,沽酒 來る何ぞ遲きか。
山花 我に向って笑い,正に好し 杯を銜むの時。
晚 東窗の下に酌めば,流鶯 復た茲に在り。
春風と醉客と,今日 乃ち相い宜し。
(現代語訳)
(客をもてなすために、酒を買いにやったところが、その使いの者がなかなか帰ってこないものだからこの詩を作ってお客に対応したもの)
奇麗な酒壺に油紙に靑糸を持たせて酒を買いに遣らせたが、使いのまぬけものがなかなか帰って来るのが遅い。
イライラしてふと見ると、山花が丁度開いていて、こちらを見て笑っているようであり、まさに盃を口にするときのようであるから、まことに良いので益々早く飲みたくなるというものだ。
晩方から飲むのは、月がのぼるのを待つ東の窓のもとが良いのでそこに席を設ける、鶯が場所を変えるように次第に高士になってゆくその客人がおり、また、ここに官妓がいて酒を待っているのである。
酒がすすみ、そこに官妓と春風が席を払い風流なものになってゆき、そこにお客も酔ってきて、楽しい気分が相俟って、今日は、きわめていい気分、良い眺めとなっている。嬉しい限りだ。
(訳注)
待酒不至
(客をもてなすために、酒を買いにやったところが、その使いの者がなかなか帰ってこないものだからこの詩を作ってお客に対応したもの)
玉壺繫青絲,沽酒來何遲。
奇麗な酒壺に油紙に靑糸を持たせて酒を買いに遣らせたが、使いのまぬけものがなかなか帰って来るのが遅い。
玉壺繫青絲 ふたに油紙をして首に靑ひもで縛る。壺ごと酒造所から出る場合、名産地で異なるが、おおよそ赤茶(黄色)のひもで縛ったようだ。
沽酒 酒を買う。亀壺を持参してそれに一杯入れてもらって買ってくる。
山花向我笑,正好銜杯時。
イライラしてふと見ると、山花が丁度開いていて、こちらを見て笑っているようであり、まさに盃を口にするときのようであるから、まことに良いので益々早く飲みたくなるというものだ。
銜杯 花は開いているのが、盃を口に銜えるように見えることをいう。花が笑うようにみえることで、冗談を言う。
晚酌東窗下,流鶯復在茲。【晚酌東軒下】
晩方から飲むのは、月がのぼるのを待つ東の窓のもとが良いのでそこに席を設ける、鶯が場所を変えるように次第に高士になってゆくその客人がおり、また、ここに官妓がいて酒を待っているのである。
東窗下 月がのぼるのを待つ東の窓のもとが良い客室を意味する。
流鶯 鶯が場所を変えるのは、その客が次第に高士になってゆくこと。中国古代官妓をいう場合がある、その場合、芸妓をここに呼んで侍らせたという意味になる。
春風與醉客,今日乃相宜。
酒がすすみ、そこに官妓と春風が席を払い風流なものになってゆき、そこにお客も酔ってきて、楽しい気分が相俟って、今日は、きわめていい気分、良い眺めとなっている。嬉しい限りだ。
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- カテゴリ:李太白集 巻二十二
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