李太白集 212《太白巻22-21 月夜聽盧子順彈琴》 李白kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 6641
- 2015/09/20
- 21:24
閒坐夜明月,幽人彈素琴。忽聞悲風調,宛若寒松吟。
白雪亂纖手,綠水清虛心。鍾期久已沒,世上無知音。
(月夜に盧子順という人の琴を彈ずるを聽いてつくったもの)
しずかなる夜、明月の底に坐して、幽人の盧子順は素琴を彈じはじめた。たちまちにして、《悲風操》の調べを一曲聞いたが、その響きは、清越なるは、琴曲の《寒松操》にあわせて吟ずるようである。はじめに《白雪》の曲を弾ずるにあたって、盛んに纖手を動かし、次には、《綠水》の曲を弾じると、人の虚心を清廉にするものである。そうとはいえ、鍾子期は既に没していこの世にはいなくなってもう久しい、世上また音を知らず、折角の琴の音をききわけてくれるひとが無いから、これほどの弾き手の盧子順のためにはまことに気の毒な事である。
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213 《巻22-21 月夜聽盧子順彈琴》Index-13 Ⅱ― 8-733年開元二十一年33歳
年:-733年開元二十一年33歳
卷別: 卷一八二 文體: 五言律詩
詩題: 月夜聽盧子順彈琴
作地點: 安陸(淮南道 / 安州 / 安陸)
交遊人物:盧子順 當地交遊(淮南道 安州 安陸)
月夜聽盧子順彈琴
(月夜に盧子順という人の琴を彈ずるを聽いてつくったもの)
閒坐夜明月,幽人彈素琴。
しずかなる夜、明月の底に坐して、幽人の盧子順は素琴を彈じはじめた。
忽聞悲風調,宛若寒松吟。
たちまちにして、《悲風操》の調べを一曲聞いたが、その響きは、清越なるは、琴曲の《寒松操》にあわせて吟ずるようである。
白雪亂纖手,綠水清虛心。
はじめに《白雪》の曲を弾ずるにあたって、盛んに纖手を動かし、次には、《綠水》の曲を弾じると、人の虚心を清廉にするものである。
鍾期久已沒,世上無知音。
そうとはいえ、鍾子期は既に没していこの世にはいなくなってもう久しい、世上また音を知らず、折角の琴の音をききわけてくれるひとが無いから、これほどの弾き手の盧子順のためにはまことに気の毒な事である。
(月夜 盧子順の琴を彈ずるを聽く)
閒坐すれば 夜 明月,幽人 素琴を彈ず。
忽ち聞く 悲風の調,宛として 寒松の吟ずるが若し。
白雪 纖手に亂れ,綠水 虛心を清くする。
鍾期 久しく已に沒す,世上 知音無し。
『月夜聽盧子順彈琴』 現代語訳と訳註解説
(本文)
月夜聽盧子順彈琴
閒坐夜明月,幽人彈素琴。
忽聞悲風調,宛若寒松吟。
白雪亂纖手,綠水清虛心。
鍾期久已沒,世上無知音。
(下し文)
(月夜 盧子順の琴を彈ずるを聽く)
閒坐すれば 夜 明月,幽人 素琴を彈ず。
忽ち聞く 悲風の調,宛として 寒松の吟ずるが若し。
白雪 纖手に亂れ,綠水 虛心を清くする。
鍾期 久しく已に沒す,世上 知音無し。
(現代語訳)
(月夜に盧子順という人の琴を彈ずるを聽いてつくったもの)
しずかなる夜、明月の底に坐して、幽人の盧子順は素琴を彈じはじめた。
たちまちにして、《悲風操》の調べを一曲聞いたが、その響きは、清越なるは、琴曲の《寒松操》にあわせて吟ずるようである。
はじめに《白雪》の曲を弾ずるにあたって、盛んに纖手を動かし、次には、《綠水》の曲を弾じると、人の虚心を清廉にするものである。
そうとはいえ、鍾子期は既に没していこの世にはいなくなってもう久しい、世上また音を知らず、折角の琴の音をききわけてくれるひとが無いから、これほどの弾き手の盧子順のためにはまことに気の毒な事である。
(訳注)
月夜聽盧子順彈琴
(月夜に盧子順という人の琴を彈ずるを聽いてつくったもの)
盧子順 この人物について詳細もなにも分からない。
閒坐夜明月,幽人彈素琴。【閒夜坐明月】
しずかなる夜、明月の底に坐して、幽人の盧子順は素琴を彈じはじめた。
忽聞悲風調,宛若寒松吟。
たちまちにして、《悲風操》の調べを一曲聞いたが、その響きは、清越なるは、琴曲の《寒松操》にあわせて吟ずるようである。
悲風調・寒松吟 琴曲:《悲風操》、《寒松操》、《白雪》及《綠水》
白雪亂纖手,綠水清虛心。
はじめに《白雪》の曲を弾ずるにあたって、盛んに纖手を動かし、次には、《綠水》の曲を弾じると、人の虚心を清廉にするものである。
鍾期久已沒,世上無知音。
そうとはいえ、鍾子期は既に没していこの世にはいなくなってもう久しい、世上また音を知らず、折角の琴の音をききわけてくれるひとが無いから、これほどの弾き手の盧子順のためにはまことに気の毒な事である。
鍾期 鍾子期:、春秋時代の楚(そ)の人。琴の名人伯牙の音楽の理解者として知られ、その死後、伯牙は琴の糸を切って生涯演奏しなかったといわれる。生没年未詳。
知音 互いに心をよく知り合い、許し合った友達、親友のこと。のち転じて、広く知人や恋人などをもいうようになった。中国、春秋時代の琴の名手伯牙(はくが)に鐘子期という親友がおり、伯牙が高山を思いつつ琴を弾ずれば、子期の心にも高山の姿が映じ、流水を思いつつ弾ずれば、洋々たる江河が子期の心に写ったというほど、伯牙の琴の音をよく知り、聞き分けた。その子期が没すると、伯牙は「もはや琴を聞かせる人はいない」といって、琴を破り、弦を断ってふたたび琴を弾くことがなかった、と伝える『列子』「湯問篇」や『呂氏春秋』「本味篇」などの故事による。「断琴」
「伯牙瑟を鼓すれば淵魚出でて聴き、弧巴琴を鼓すれば六馬仰いで秣う。」という、漢の韓嬰の「韓詩外伝」の言葉をひいている。瓠巴は上古の楚の琴の名手。伯牙は春秋時代の琴の名手。
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- カテゴリ:李太白集 巻二十二
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