柳枝五首其二 李商隠
- 2011/12/28
- 17:09
柳枝五首其二 李商隠
柳枝五首 其二
本是丁香樹,春絛結始生。
本来これは丁子の香木、どんなになってもくちをとざしているというもの。柳枝も蕾を閉じていたのだが、春になって伸びた細い枝というのは、蕾のように固く結んでいたのに初めて性を経験したのだ。
玉作彈碁局,中心亦不平。
ここは諸侯の御屋敷、宝玉でこさえられた将棋盤があるのだ、どんなに宝玉で作られていてもその中心はやっぱり盛り上がっていて平らではないのだ。
其の二
本より是れ丁香の樹、春条 結 始めて生ず。
玉もて弾棋の局を作るも、中心 亦た平らかならず。
柳枝五首 其二 現代語訳と訳註 解説
(本文)
本是丁香樹,春絛結始生。
玉作彈碁局,中心亦不平。
(下し文)其の二
本より是れ丁香の樹、春条 結 始めて生ず。
玉もて弾棋の局を作るも、中心 亦た平らかならず。
(現代語訳)
本来これは丁子の香木、どんなになってもくちをとざしているというもの。柳枝も蕾を閉じていたのだが、春になって伸びた細い枝というのは、蕾のように固く結んでいたのに初めて性を経験したのだ。
ここは諸侯の御屋敷、宝玉でこさえられた将棋盤があるのだ、どんなに宝玉で作られていてもその中心はやっぱり盛り上がっていて平らではないのだ。
(訳註)
本是丁香樹,春絛結始生。
本来これは丁子の香木、どんなになってもくちをとざしているというもの。柳枝も蕾を閉じていたのだが、春になって伸びた細い枝というのは、蕾のように固く結んでいたのに初めて性を経験したのだ。
○丁香樹 香木の丁子の木。○春条 春になって伸びた細い枝。芽吹く春とはは男女の性交をあらわす季節。○結 つぼみ。少女が恋に目覚めてゆくのとともに、また「代附二首」(代わりて贈る二首)其一代附二首 其一 漢詩ブログ150- 97
樓上黄昏欲望休、玉梯横絶月中鉤。
芭蕉不展丁香結、同向春風各自愁。
というように、つぼみがつくことと心が結ばれることとをも掛ける。
玉作彈碁局,中心亦不平。
ここは諸侯の御屋敷、宝玉でこさえられた将棋盤があるのだ、どんなに宝玉で作られていてもその中心はやっぱり盛り上がっていて平らではないのだ。
○弾棋 弾碁ともいう。遊戯の一。 中心が盛り上がった盤で行うおはじきに似たゲーム。四角い中高の盤の両方に6個または8個の白黒の石を並べ、対座した二人が交互にその石をはじいて、相手の石に当たれば取り、当たらなければ取られる。指石。いしはじき。たぎ。・局:その盤。このゲームは、男の客に相手にされなくなり暇を持て余した年増の芸妓の子を連想させるものである。初めて経験したうぶな女を「梁を照らす朝日」を見ていることで表現し、その芸妓が年を取ってきて待っていても思う人が来てくれなくなったという表現につかう。
「無題(梁を照らして)」。
照梁初有情、出水舊知名。
裙衩芙蓉小、釵茸翡翠輕。
錦長書鄭重、眉細恨分明。
莫近彈棋局、中心最不平。
無 題(照梁初有情) 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集-90この「無題」の詩では、「いくら男から声がかからなくなったとしても『彈碁』のゲームをしてはますます辛くなるだけだから近付いてはダメだよ。」というもの、中央の朝廷からどんなに声がかからくなったとしても、信念を曲げるなと詠ったものだ。この詩を踏まえて柳枝其二は詠われている。
○詩型 五言絶句。
○押韻 生。平。
諸公とは、勝手なものだ、禊ぎまでさせて、連れてきて、固く閉ざしていたものを初めて開いたのだ。それがどうだ、どこにでもある彈碁局があるではないか。
楊枝は、若い間だけの慰めものなのか。彈碁局は権力者、富豪がしている理不尽なことを示す、日常茶万事をあらわす材料としているのだ。
芭蕉のツボミ、丁子のツボミ。男と女に、口を閉ざさなければいけないわけがあるのだろうか。春風に同じように向かって各々の心の内にそれぞれ違った愁いというものがあるのだろうか。
貴公子や、富豪には口を閉ざす理由はない。権力を持たない、体制側でない官僚にはは口を閉ざす理由は山ほどある。妓女になる女性にはいつも違ったわけがある。
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