李太白集 221《太白巻4-16 大堤曲》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 6686
- 2015/09/29
- 22:28
漢水臨襄陽,花開大堤暖。佳期大堤下,淚向南雲滿。
春風無復情,吹我夢魂散。不見眼中人,天長音信斷。
(大堤の街の妓女の目線、心持になって構想したもの)
漢江の水は、襄陽城が臨み、城外を圍繞する大隄のまちの上には、花が満開、時候も暖かである。
春になったらと誰もが逢瀬の約束をして南の方に出かけていった、この大堤の下で逢うことを約束したのに来てくれない、南雲をみあげると、涙が満ちてあふれだす。春風は和らぎ暖かであるから、恩恵の深い風も、わたしにとってはまことにつれなくなさけないもので、慕情の夢を冷ましてしまう。恋しいあの人の面影ばかりが目の中に残っているが、それがなかなか見えない。天は、遠くして、空のかなた、音信は断絶、さていよいよわが心は傷ましく増すばかり。
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222 《
(改訂版) 巻4-16 大堤曲》Index-14 Ⅱ― 9-734年開元二十二年34歳
年:734年開元二十二年34歳
卷別: 卷一六四 文體: 樂府
詩題: 大堤曲
作地點: 襄州(山南東道 / 襄州 / 襄州)
及地點:大堤 (山南東道 襄州 襄州)
襄州 (山南東道 襄州 襄州) 別名:襄陽
襄陽シリーズ
襄陽曲,四首之一:(襄陽地方の名所古蹟について述べ一首一か所を詠出し、第一首は襄陽の風景を慨叙したもの。)
襄陽曲,四首之二:(襄陽地方の名所古蹟について述べ一首一か所を詠出し、第二首は襄陽の高陽池に遊んだ西晋の山簡について詠う)
襄陽曲,四首之三:(襄陽地方の名所古蹟について述べ一首一か所を詠出し、第三首は襄陽の峴山の上に立てられた晋のこの地の太守であった羊祜の記念碑「墮淚碑」について詠う)
襄陽曲,四首之四:(襄陽地方の名所古蹟について述べ一首一か所を詠出し、第四首は第二首に続いて襄陽の高陽池に遊んだ西晋の山簡について詠う)
大堤曲:(大堤の街の妓女の目線、心持になって構想したもの)
襄陽歌:(襄陽の名所旧跡について興をよせ,酒を頌える歌であると同時に山簡の賛歌でもある。)
《(改訂版) 巻4-16 大堤曲》
大堤曲
(大堤の街の妓女の目線、心持になって構想したもの)
漢水臨襄陽,花開大堤暖。【漢水橫襄陽】
漢江の水は、襄陽城が臨み、城外を圍繞する大隄のまちの上には、花が満開、時候も暖かである。
佳期大堤下,淚向南雲滿。
春になったらと誰もが逢瀬の約束をして南の方に出かけていった、この大堤の下で逢うことを約束したのに来てくれない、南雲をみあげると、涙が満ちてあふれだす。
春風無復情,吹我夢魂散。【春風復無情】
春風は和らぎ暖かであるから、恩恵の深い風も、わたしにとってはまことにつれなくなさけないもので、慕情の夢を冷ましてしまう。
不見眼中人,天長音信斷。
恋しいあの人の面影ばかりが目の中に残っているが、それがなかなか見えない。天は、遠くして、空のかなた、音信は断絶、さていよいよわが心は傷ましく増すばかり。
(大堤曲)
漢水は 嚢陽に臨み、花開いて 大堤暖かなり。
佳期 大堤の下【もと】、涙は南雲に向って満つ。
春風 復た 情 無く、我が 夢魂を吹いて散ず
眼中の人を見えず、天 長くして 音信 断ゆ。
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《(改訂版) 巻4-16 大堤曲》
『大堤曲』 現代語訳と訳註解説
(本文)
大堤曲
漢水臨襄陽,花開大堤暖。【漢水橫襄陽】
佳期大堤下,淚向南雲滿。
春風無復情,吹我夢魂散。【春風復無情】
不見眼中人,天長音信斷。
(下し文)
(大堤曲)
漢水は 嚢陽に臨み、花開いて 大堤暖かなり。
佳期 大堤の下【もと】、涙は南雲に向って満つ。
春風 復た 情 無く、我が 夢魂を吹いて散ず
眼中の人を見えず、天 長くして 音信 断ゆ。
(現代語訳)
(大堤の街の妓女の目線、心持になって構想したもの)
漢江の水は、襄陽城が臨み、城外を圍繞する大隄のまちの上には、花が満開、時候も暖かである。
春になったらと誰もが逢瀬の約束をして南の方に出かけていった、この大堤の下で逢うことを約束したのに来てくれない、南雲をみあげると、涙が満ちてあふれだす。
春風は和らぎ暖かであるから、恩恵の深い風も、わたしにとってはまことにつれなくなさけないもので、慕情の夢を冷ましてしまう。
恋しいあの人の面影ばかりが目の中に残っているが、それがなかなか見えない。天は、遠くして、空のかなた、音信は断絶、さていよいよわが心は傷ましく増すばかり。
大堤曲(大隄曲)
(大堤の街の妓女の目線、心持になって構想したもの)
○大堤曲 『楽府詩集』#48「清商曲辞、西曲歌」。襄陽歌から派生したものとされる。 舊唐書《襄陽樂》「宋隨王誕之所作也。誕始為襄陽郡,元嘉二十六年,仍為雍州,夜聞諸女歌謠,因作之。故歌和云「襄陽來夜樂。」其歌曰:「朝發襄陽來,暮至大堤宿。大堤諸女兒,花艷驚郎目。」隨王誕は大隄曲を作ったといわれている。
○大堤/大隄《大清一統志》「隄堰襄陽城隄在府城外」、《湖廣志》「大堤東臨漢江,西自萬山經檀溪、十門、白龍池、東津渡繞城北老龍堤,復至萬山之麓,周圍四十餘里。」
漢水臨襄陽,花開大堤暖。【漢水橫襄陽】
漢江の水は、襄陽城が臨み、城外を圍繞する大隄のまちの上には、花が満開、時候も暖かである。
○襄陽 湖北省、漢江にのぞむ町。
○大堤 襄陽の南郊外にあり、行楽の土地。遊女が住んでいた。
○漢水 襄陽の街を北西から、南東に廻るように流れている。大堤からすると南は下流の方角になり、江南からの人ということになる。あるいは、李白が色町の女性と別れた時に作ったのかもしれない。
佳期大堤下,淚向南雲滿。
春になったらと誰もが逢瀬の約束をして南の方に出かけていった、この大堤の下で逢うことを約束したのに来てくれない、南雲をみあげると、涙が満ちてあふれだす。
○佳期 男女の逢う約束。あいびきの時。
○南雲 晋の陸機の「親(肉親)を憶う賦」に「南雲を指して、まごころを寄せ、帰風を望みて誠をいたす」とあり、故郷の肉親を思うと解釈されることが多いが、恋人を思う気持ちを詠っている。
春風無復情,吹我夢魂散。【春風復無情】
春風は和らぎ暖かであるから、恩恵の深い風も、わたしにとってはまことにつれなくなさけないもので、慕情の夢を冷ましてしまう。
○春風 春の風。宋玉 《登徒子好色賦》「寤春風兮發鮮榮。」春風は和らぎ暖かであるから、恩恵の深い喩え。春風は万物を発生するから、人を教育する。
不見眼中人,天長音信斷。
恋しいあの人の面影ばかりが目の中に残っているが、それがなかなか見えない。天は、遠くして、空のかなた、音信は断絶、さていよいよわが心は傷ましく増すばかり。
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