李太白集 226《太白巻14-35 江夏別宋之悌》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 6711
- 2015/10/04
- 21:05
楚水清若空,遙將碧海通。人分千里外,興在一杯中。
谷鳥吟晴日,江猿嘯晚風。平生不下淚,於此泣無窮。
(江夏で宋之悌に別れる。)
漢水は澄み切っていて、その色は、青天と一般、しかも楚の国を流れる大江に入って遙かに碧海、東海さんざんにいたる碧の大海原へと通じている。今や、われら両人、人と人とは、千里のかなたにの外にあって、いまたがいに分かれようとしているのに、お互いの趣向にたいする思いというものは、この一杯の盃の中にこそ在るのだ。先には、渓谷をでた鳥は、晴れあがった日の光をあびて鳴き、うたってひびきわたっている、長江に迫る岸辺の巌上の猿は、夕暮れの風の乗せて哀しい声で鳴きつづける。われわれは、日頃は剛健を以て性となし、涙を流したことのない私だが、ああ、きょうは、この地において、泣けて、泣けて限りないほど泣けてくるのを禁じ得ない。
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李太白集 226《太白巻14-35 江夏別宋之悌》 李白 | kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 6711 |
年:734年開元二十二年34歳
卷別: 卷一七四 文體: 五言律詩
詩題: 江夏別宋之悌
作地點: 鄂州(江南西道 / 鄂州 / 鄂州)
寫及地點:鄂州 (江南西道 鄂州 鄂州) 別名:江夏
交遊人物:宋之悌 當地交遊(江南西道 鄂州 鄂州)
江夏別宋之悌
(江夏で宋之悌に別れる。)
楚水清若空,遙將碧海通。
漢水は澄み切っていて、その色は、青天と一般、しかも楚の国を流れる大江に入って遙かに碧海、東海さんざんにいたる碧の大海原へと通じている。
人分千里外,興在一杯中。
今や、われら両人、人と人とは、千里のかなたにの外にあって、いまたがいに分かれようとしているのに、お互いの趣向にたいする思いというものは、この一杯の盃の中にこそ在るのだ。
谷鳥吟晴日,江猿嘯晚風。
先には、渓谷をでた鳥は、晴れあがった日の光をあびて鳴き、うたってひびきわたっている、長江に迫る岸辺の巌上の猿は、夕暮れの風の乗せて哀しい声で鳴きつづける。
平生不下淚,於此泣無窮。
われわれは、日頃は剛健を以て性となし、涙を流したことのない私だが、ああ、きょうは、この地において、泣けて、泣けて限りないほど泣けてくるのを禁じ得ない。
(江夏で宋之悌に別れる)
楚水 清きこと空しきが若く、遥かに碧海と通ず。
人は千里の外に分れ、興は一盃の中に在り。
谷鳥 晴日に吟じ、江猿 晩風に嘯く。
平生は涙を下さざるに、此に於て泣くこと窮りなし。
『江夏別宋之悌』 現代語訳と訳註解説
(本文)
江夏別宋之悌
楚水清若空,遙將碧海通。
人分千里外,興在一杯中。
谷鳥吟晴日,江猿嘯晚風。
平生不下淚,於此泣無窮。
(下し文)
(江夏で宋之悌に別れる)
楚水 清きこと空しきが若く、遥かに碧海と通ず。
人は千里の外に分れ、興は一盃の中に在り。
谷鳥 晴日に吟じ、江猿 晩風に嘯く。
平生は涙を下さざるに、此に於て泣くこと窮りなし。
(現代語訳)
(江夏で宋之悌に別れる。)
漢水は澄み切っていて、その色は、青天と一般、しかも楚の国を流れる大江に入って遙かに碧海、東海さんざんにいたる碧の大海原へと通じている。
今や、われら両人、人と人とは、千里のかなたにの外にあって、いまたがいに分かれようとしているのに、お互いの趣向にたいする思いというものは、この一杯の盃の中にこそ在るのだ。
先には、渓谷をでた鳥は、晴れあがった日の光をあびて鳴き、うたってひびきわたっている、長江に迫る岸辺の巌上の猿は、夕暮れの風の乗せて哀しい声で鳴きつづける。
われわれは、日頃は剛健を以て性となし、涙を流したことのない私だが、ああ、きょうは、この地において、泣けて、泣けて限りないほど泣けてくるのを禁じ得ない。
江夏別宋之悌
(江夏で宋之悌に別れる。)
○江夏-現在の湖北省武漢市武昌。d-5点
○宋之悌-初唐の詩人宋之問の末弟。留別詩。
楚水清若空,遙將碧海通。
漢水は澄み切っていて、その色は、青天と一般、しかも楚の国を流れる大江に入って遙かに碧海、東海さんざんにいたる碧の大海原へと通じている。
○楚水 楚(湖南・湖北)の地方を流れる長江。
○清若空 陸放歐翁《入蜀記》「泊鸚鵡洲前南市堤下。南市在城外」 鸚鵡洲より南を漢水となす、齊劉瑱《上湘度琵琶磯詩》「茲山挺異萼,孤起秀雲中,陂池激楚浪,紛糾絕宛風,煙峰晦如晝,寒水清若空,頡頏鷗舞白,流亂葉飛紅。」
人分千里外,興在一杯中。
今や、われら両人、人と人とは、千里のかなたにの外にあって、いまたがいに分かれようとしているのに、お互いの趣向にたいする思いというものは、この一杯の盃の中にこそ在るのだ。
○興 詩についての興趣、心情。
谷鳥吟晴日,江猿嘯晚風。
先には、渓谷をでた鳥は、晴れあがった日の光をあびて鳴き、うたってひびきわたっている、長江に迫る岸辺の巌上の猿は、夕暮れの風の乗せて哀しい声で鳴きつづける。
平生不下淚,於此泣無窮。
われわれは、日頃は剛健を以て性となし、涙を流したことのない私だが、ああ、きょうは、この地において、泣けて、泣けて限りないほど泣けてくるのを禁じ得ない。
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- カテゴリ:李太白集 巻十四
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