柳枝五首 其五 李商隠
- 2011/12/30
- 21:26
柳枝五首 其五 李商隠
其五
畫屏繡步障,物物自成雙。
鮮やかな屏風がある、縫い取りを施した外出用のとばりもある、物と物、すべてのものがみなそれぞれ自然に対と対のそろいになっている。
如何江上望,只是見鴛鴦。
なんとしたことか湖上を眺めてみた、ただそこに見えるはこれまたつがいのおしどりではないか。
其の五
画屏 繍歩障、物物 自ら双を成す。
如何ぞ湖上に望めば、只だ是れ鴛鴦を見る
柳枝五首 其五 現代語訳と訳註
(本文) 其五
畫屏繡步障,物物自成雙。
如何江上望,只是見鴛鴦。
(下し文) 其の五
画屏 繍歩障、物物 自ら双を成す。
如何ぞ湖上に望めば、只だ是れ鴛鴦を見る
(現代語訳)
鮮やかな屏風がある、縫い取りを施した外出用のとばりもある、物と物、すべてのものがみなそれぞれ自然に対と対のそろいになっている。
なんとしたことか湖上を眺めてみた、ただそこに見えるはこれまたつがいのおしどりではないか。
(語訳)
畫屏繡步障,物物自成雙。
鮮やかな屏風がある、縫い取りを施した外出用のとばりもある、物と物、すべてのものがみなそれぞれ自然に対と対のそろいになっている。
○画屏 あやどり美しい屏風。○繍歩障 歩障は外出した時に用いるとばり。竹や木の枠に布を張った物。○物物自成雙 「成双」はペアになる。屏風、歩障、いずれも二枚で一揃いになっている。
如何江上望,只是見鴛鴦。
なんとしたことか湖上を眺めてみた、ただそこに見えるはこれまたつがいのおしどりではないか。
○詩型 五言絶句。
○押韻 障,雙。鴦。
自分の詩をきっかけに一人の娘と知り合ったが、自分のミス、旅の支度のもの必要需品を先に送りかえしてしまった。その日に逢えなかったことが、こうして二度と会えないことになってしまった。でも会えたとしても、一介の下級官僚風情ではどうしようもないのだ。詩歌については、広く知れ渡っても、それだけのことなのだ。朝廷内の派閥争いに負けた側の私はもう取り返しがつかないのだ。柳枝も芸妓として連れて行かれたものできょうぐうは私と違いはないのだ。
世の中のものは何からなにまで二つにそろい、対である。江上の鴛鴦もつがいである。そのつがいになったことも私にとって将来を期待できないものとなったのだ。
柳枝、丁香、嘉瓜、碧玉、いずれも芸妓を指す語である。美しい、おいしいと表現されれば、その反対語としては、醜い、まずいということになる。芸妓にとっては、歳を重ねることを意味している。芸妓は一度傅くとそのまま一生底で過ごすか、流民となるかであるが、流民は詩を意味する時代である。明日の食のためには我慢しかないのである。
毎日それぞれ一首(長詩の場合一部分割掲載)kanbuniinkai紀 頌之の漢詩3ブログ
李白詩350首kanbuniinkai紀頌之のブログ |

kanbuniinkai11の頌之漢詩 杜甫詩700首 |

kanbuniinkai10 頌之の漢詩 唐宋詩人選集 Ⅰ李商隠150首 |
恋歌・女詩
トラックバック
最新記事
- 長い間ブログを休校している件について (09/01)
- 李太白集 397《太白巻23-02效古二首其一》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7573 (04/04)
- 李太白集 396《太白巻二十二40憶東山二首 其二》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7568 (04/03)
- 李太白集 395《太白巻二十二39憶東山二首 其一》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7563 (03/30)
- 李太白集 394《太白巻二十08杜陵絕句》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7558 (03/29)
- 李太白集 393《太白巻十九18朝下過盧郎中敘舊游》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7553 (03/28)
- 李太白集 392《太白巻十八12金門答蘇秀才》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7548 (03/27)
- 太白集 391《太白巻十九17下終南山過斛斯山人宿置酒》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7543 (03/26)
- 太白集 390《太白巻十六33 送長沙陳太守,二首之二》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7538 (03/25)
- 李太白集 389《太白巻十六32 送長沙陳太守,二首之一》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7533 (03/24)
- 李太白集 388《太白巻十六26 送祝八之江東賦得浣紗石》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7528 (03/23)
- 李太白集 387《太白巻十六23-《送白利從金吾董將軍西征》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7523 (03/22)
- 李太白集 386《太白巻十六21 送族弟綰從軍安西》(漢家兵馬乘北風) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7508 (03/19)
- 李太白集 385《太白巻十六18-3-《送外甥鄭灌從軍,三首之三》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7503 (03/18)
- 李太白集 384《太白巻十六18-2 送外甥鄭灌從軍,三首之二》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7498 (03/17)
- 李太白集 383《太白巻十六18-1 送外甥鄭灌從軍,三首之一》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7493 (03/16)
- 李太白集 382《太白巻十六13 送張遙之壽陽幕府》 (壽陽信天險,) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7488 (03/15)
- 李太白集 381《太白巻十六10 送程劉二侍郎兼獨孤判官赴安西幕府》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7483 (03/14)
- 李太白集 381《太白巻十六10 送程劉二侍郎兼獨孤判官赴安西幕府》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7483 (03/13)
- 李太白集 380《太白巻十六08 送竇司馬貶宜春》 (天馬白銀鞍,) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7478 (03/12)
- 李太白集 379《太白巻十四34 贈別王山人歸布山》(王子析道論,) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7473 (03/11)
- 李太白集 378《太白巻十二06-夕霽杜陵登樓寄韋繇》 (浮陽滅霽景) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7468 (03/10)
- 李太白集 377《太白巻巻十二05-《望終南山寄紫閣隱者》(出門見南山) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7463 (03/09)
- 李太白集 376《太白巻八36 贈盧徵君昆弟》 (明主訪賢逸) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7458 (03/08)
- 李太白集 375《太白巻八22 贈郭將軍》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7453 (03/07)
- 李太白集 374《太白巻六10-《同族弟金城尉叔卿燭照山水壁畫歌》 (高堂粉壁圖蓬瀛) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7448 (03/06)
- 李太白集 373《太白巻六07 西嶽雲臺歌送丹丘子》 (西嶽崢嶸何壯哉) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7443 (03/05)
- 李太白集 372《太白巻六05 玉壺吟》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7438 (03/04)
- 李太白集 371《太白巻卷六04-《侍從宜春苑,奉詔賦龍池柳色初青,聽新鶯百囀歌》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7433 (03/03)
- 李太白集 370《太白巻五 24-秋思》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7428 (03/02)