李太白集 246《太白巻22-16 獨酌》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 6811
- 2015/10/24
- 22:11
李白 獨酌
春草如有意,羅生玉堂陰。東風吹愁來,白髮坐相侵。
獨酌勸孤影,閒歌面芳林。長松爾何知,蕭瑟為誰吟。
手舞石上月,膝橫花間琴。過此一壺外,悠悠非我心。
(春の日に、独酌をして、興に乗じて詠ったもの)
春の草は、さながら、心あるが如く、《楚辞、九歌、少司命》にいう玉堂の陰に羅列して生じ、眼前の景色は、極めて長閑である。しかも、東風は、愁をともなって吹いてくる、白髪は、知らぬ間に我を侵すので、この時、この愁を消遣するには、酒が第一である。そこで、語ろうとしても、わたしに応えてくれる人がいないから、わが影を顧みつつ獨酌し、聞歌して、花咲き匂う林に対して居る。その林の中には、一株の長松がある。ああ長松よ、汝は、人の心も知らずに、蕭瑟として、誰がために吟ずるのであるか。幸にして、われ今ここに在ることによって、石上の月に向い、手を翳して舞い、花間に坐し、膝の上に琴を横たへて弾じ、颯颯たる汝の春風の音楽に和するのである。しかし、どうあれ、酒あればこそであり、この酒は自分の命であって、この一壺の外は、萬物は悠悠としてあるのは、我が心を解せぬものばかりである。
李太白集 246《太白巻22-16 獨酌》 李白 | kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 6811 |
年:737年開元二十五年37歳
卷別: 卷一八二 文體: 五言古詩
詩題: 獨酌
作地點: 安陸(淮南道 / 安州 / 安陸)
獨酌
(春の日に、独酌をして、興に乗じて詠ったもの)
春草如有意,羅生玉堂陰。
春の草は、さながら、心あるが如く、《楚辞、九歌、少司命》にいう玉堂の陰に羅列して生じ、眼前の景色は、極めて長閑である。
東風吹愁來,白髮坐相侵。
しかも、東風は、愁をともなって吹いてくる、白髪は、知らぬ間に我を侵すので、この時、この愁を消遣するには、酒が第一である。
獨酌勸孤影,閒歌面芳林。
そこで、語ろうとしても、わたしに応えてくれる人がいないから、わが影を顧みつつ獨酌し、聞歌して、花咲き匂う林に対して居る。その林の中には、一株の長松がある。
長松爾何知,蕭瑟為誰吟。
ああ長松よ、汝は、人の心も知らずに、蕭瑟として、誰がために吟ずるのであるか。
手舞石上月,膝橫花間琴。
幸にして、われ今ここに在ることによって、石上の月に向い、手を翳して舞い、花間に坐し、膝の上に琴を横たへて弾じ、颯颯たる汝の春風の音楽に和するのである。
過此一壺外,悠悠非我心。
しかし、どうあれ、酒あればこそであり、この酒は自分の命であって、この一壺の外は、萬物は悠悠としてあるのは、我が心を解せぬものばかりである。
(獨酌)
春草、意あるが如く、羅生す玉堂の陰。
東風、愁を吹いて来たり、白髪 坐に相い侵す。
獨酌、孤影に勧め、閒歌、芳林に面す。
長松、爾、何をか知らむ、簫瑟、誰が為に吟ずる。
手は舞う石上の月、膝には横たう花間の琴。
この一壺の外を過ぐれば、悠悠 我が心に非ず。
『獨酌』 現代語訳と訳註解説
(本文)
獨酌
春草如有意,羅生玉堂陰。
東風吹愁來,白髮坐相侵。
獨酌勸孤影,閒歌面芳林。
長松爾何知,蕭瑟為誰吟。
手舞石上月,膝橫花間琴。
過此一壺外,悠悠非我心。
【春草遍綠野,新鶯有佳音。落日不盡歡,恐為愁所侵。獨酌勸孤影,閒歌面芳林。清風尋空來,巖松與共吟。手舞石上月,膝橫花下琴。過此一壺外,悠悠非我心。】
(下し文)
(獨酌)
春草、意あるが如く、羅生す玉堂の陰。
東風、愁を吹いて来たり、白髪 坐に相い侵す。
獨酌、孤影に勧め、閒歌、芳林に面す。
長松、爾、何をか知らむ、簫瑟、誰が為に吟ずる。
手は舞う石上の月、膝には横たう花間の琴。
この一壺の外を過ぐれば、悠悠 我が心に非ず。
(現代語訳)
(春の日に、独酌をして、興に乗じて詠ったもの)
春の草は、さながら、心あるが如く、《楚辞、九歌、少司命》にいう玉堂の陰に羅列して生じ、眼前の景色は、極めて長閑である。
しかも、東風は、愁をともなって吹いてくる、白髪は、知らぬ間に我を侵すので、この時、この愁を消遣するには、酒が第一である。
そこで、語ろうとしても、わたしに応えてくれる人がいないから、わが影を顧みつつ獨酌し、聞歌して、花咲き匂う林に対して居る。その林の中には、一株の長松がある。
そこで、語ろうとしても、わたしに応えてくれる人がいないから、わが影を顧みつつ獨酌し、聞歌して、花咲き匂う林に対して居る。その林の中には、風に向かう一株の長松がある。
ああ長松よ、汝は、人の心も知らずに、蕭瑟として、誰がために吟ずるのであるか。
幸にして、われ今ここに在ることによって、石上の月に向い、手を翳して舞い、花間に坐し、膝の上に琴を横たへて弾じ、颯颯たる汝の春風の音楽に和するのである。
しかし、どうあれ、酒あればこそであり、この酒は自分の命であって、この一壺の外は、萬物は悠悠としてあるのは、我が心を解せぬものばかりである。
(訳注)
獨酌
(春の日に、独酌をして、興に乗じて詠ったもの)
春草如有意,羅生玉堂陰。
春の草は、さながら、心あるが如く、《楚辞、九歌、少司命》にいう玉堂の陰に羅列して生じ、眼前の景色は、極めて長閑である。
羅生 連って生する。《楚辞、九歌、少司命》に「秋蘭兮蘼蕪、羅生兮堂下」 とあって、王逸の註にその堂下をめぐり羅列して生す」とある。秋蘭はフジバカマ(藤袴)。キク科ヒヨドリバナ属の多年生植物。秋の七草の1つ。
東風吹愁來,白髮坐相侵。
しかも、東風は、愁をともなって吹いてくる、白髪は、知らぬ間に我を侵すので、この時、この愁を消遣するには、酒が第一である。
獨酌勸孤影,閒歌面芳林。
そこで、語ろうとしても、わたしに応えてくれる人がいないから、わが影を顧みつつ獨酌し、聞歌して、花咲き匂う林に対して居る。その林の中には、風に向かう一株の長松がある。
勸孤影 陶淵明 《雜詩.十二首其二》「欲言無予和、揮杯勸孤影」(言らんと欲せど予に和する無く、杯を揮(て孤影に勸む)“語ろうとしても、わたしに応えてくれる人がいない。杯をもちあげて、独りぼっちの自分の影に、酒を勧める。”とある。
面芳林 芳林に封する。面は対する。
長松爾何知,蕭瑟為誰吟。
ああ長松よ、汝は、人の心も知らずに、蕭瑟として、誰がために吟ずるのであるか。
手舞石上月,膝橫花間琴。
幸にして、われ今ここに在ることによって、石上の月に向い、手を翳して舞い、花間に坐し、膝の上に琴を横たへて弾じ、颯颯たる汝の春風の音楽に和するのである。
過此一壺外,悠悠非我心。
しかし、どうあれ、酒あればこそであり、この酒は自分の命であって、この一壺の外は、萬物は悠悠としてあるのは、我が心を解せぬものばかりである。
春草、意あるが如く、羅生す玉堂の陰。
東風、愁を吹いて来たり、白髪 坐に相い侵す。
獨酌、孤影に勧め、閒歌、芳林に面す。
長松、爾、何をか知らむ、簫瑟、誰が為に吟ずる。
手は舞う石上の月、膝には横たう花間の琴。
この一壺の外を過ぐれば、悠悠 我が心に非ず。
- テーマ:詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
- ジャンル:学問・文化・芸術
- カテゴリ:李太白集 巻二十二
- CM:0
最新記事
- 長い間ブログを休校している件について (09/01)
- 李太白集 397《太白巻23-02效古二首其一》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7573 (04/04)
- 李太白集 396《太白巻二十二40憶東山二首 其二》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7568 (04/03)
- 李太白集 395《太白巻二十二39憶東山二首 其一》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7563 (03/30)
- 李太白集 394《太白巻二十08杜陵絕句》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7558 (03/29)
- 李太白集 393《太白巻十九18朝下過盧郎中敘舊游》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7553 (03/28)
- 李太白集 392《太白巻十八12金門答蘇秀才》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7548 (03/27)
- 太白集 391《太白巻十九17下終南山過斛斯山人宿置酒》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7543 (03/26)
- 太白集 390《太白巻十六33 送長沙陳太守,二首之二》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7538 (03/25)
- 李太白集 389《太白巻十六32 送長沙陳太守,二首之一》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7533 (03/24)
- 李太白集 388《太白巻十六26 送祝八之江東賦得浣紗石》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7528 (03/23)
- 李太白集 387《太白巻十六23-《送白利從金吾董將軍西征》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7523 (03/22)
- 李太白集 386《太白巻十六21 送族弟綰從軍安西》(漢家兵馬乘北風) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7508 (03/19)
- 李太白集 385《太白巻十六18-3-《送外甥鄭灌從軍,三首之三》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7503 (03/18)
- 李太白集 384《太白巻十六18-2 送外甥鄭灌從軍,三首之二》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7498 (03/17)
- 李太白集 383《太白巻十六18-1 送外甥鄭灌從軍,三首之一》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7493 (03/16)
- 李太白集 382《太白巻十六13 送張遙之壽陽幕府》 (壽陽信天險,) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7488 (03/15)
- 李太白集 381《太白巻十六10 送程劉二侍郎兼獨孤判官赴安西幕府》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7483 (03/14)
- 李太白集 381《太白巻十六10 送程劉二侍郎兼獨孤判官赴安西幕府》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7483 (03/13)
- 李太白集 380《太白巻十六08 送竇司馬貶宜春》 (天馬白銀鞍,) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7478 (03/12)
- 李太白集 379《太白巻十四34 贈別王山人歸布山》(王子析道論,) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7473 (03/11)
- 李太白集 378《太白巻十二06-夕霽杜陵登樓寄韋繇》 (浮陽滅霽景) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7468 (03/10)
- 李太白集 377《太白巻巻十二05-《望終南山寄紫閣隱者》(出門見南山) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7463 (03/09)
- 李太白集 376《太白巻八36 贈盧徵君昆弟》 (明主訪賢逸) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7458 (03/08)
- 李太白集 375《太白巻八22 贈郭將軍》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7453 (03/07)
- 李太白集 374《太白巻六10-《同族弟金城尉叔卿燭照山水壁畫歌》 (高堂粉壁圖蓬瀛) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7448 (03/06)
- 李太白集 373《太白巻六07 西嶽雲臺歌送丹丘子》 (西嶽崢嶸何壯哉) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7443 (03/05)
- 李太白集 372《太白巻六05 玉壺吟》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7438 (03/04)
- 李太白集 371《太白巻卷六04-《侍從宜春苑,奉詔賦龍池柳色初青,聽新鶯百囀歌》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7433 (03/03)
- 李太白集 370《太白巻五 24-秋思》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7428 (03/02)