李太白集 248《太白巻22-18 春日獨酌二首 其一》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 6821
- 2015/10/26
- 21:38
李白 春日獨酌,二首之一
東風扇淑氣,水木榮春暉。白日照綠草,落花散且飛。
孤雲還空山,眾鳥各已歸。彼物皆有託,吾生獨無依。
對此石上月,長醉歌芳菲。
(春の日に当たり、一人で酒を酌み詠ったもの。)
東風はめでたい生気をあおり、天地山河いたるところに瑞祥の気が満ちて、水は根から吸収されて木が生まれ、万物を成長させる相生関係に在る水や木は 春の暖かい陽光につつまれる。曇りのない日中の輝く太陽は 萌黄色の成長する草草を照らしている、落ちる花びらは 静心無く散り、そして、ひるがえる。眺め遣れば、ポツンとした雲はゆるく引いて、人気ない山にかえっていく、あつまって鳴き騒いでいた鳥達も それぞれねぐらに帰った。 それら萬物は、おのおの皆、身を寄せるところがあって落ち着いて居る、吾のみ、生きるところ、そして、独り身を寄せるところはない。 この石の上にのぼる月に対し、杯を傾け、長醉すること、草花のかんばしい香りを歌うことよりほかにないのである。
李太白集 248《太白巻22-18 春日獨酌二首 其一》 李白 | kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 6821 |
年:737年開元二十五年37歳
卷別: 卷一八二 文體: 五言古詩
詩題: 春日獨酌,二首之一
作地點: 安陸(淮南道 / 安州 / 安陸)
春日獨酌,二首之一
(春の日に当たり、一人で酒を酌み詠ったもの。)
東風扇淑氣,水木榮春暉。
東風はめでたい生気をあおり、天地山河いたるところに瑞祥の気が満ちて、水は根から吸収されて木が生まれ、万物を成長させる相生関係に在る水や木は 春の暖かい陽光につつまれる。
白日照綠草,落花散且飛。
曇りのない日中の輝く太陽は 萌黄色の成長する草草を照らしている、落ちる花びらは 静心無く散り、そして、ひるがえる。
孤雲還空山,眾鳥各已歸。
眺め遣れば、ポツンとした雲はゆるく引いて、人気ない山にかえっていく、あつまって鳴き騒いでいた鳥達も それぞれねぐらに帰った。
彼物皆有託,吾生獨無依。
それら萬物は、おのおの皆、身を寄せるところがあって落ち着いて居る、吾のみ、生きるところ、そして、独り身を寄せるところはない。
對此石上月,長醉歌芳菲。
この石の上にのぼる月に対し、杯を傾け、長醉すること、草花のかんばしい香りを歌うことよりほかにないのである。
(春日獨酌,二首之一)
東風 淑気【しゅくき】を扇【あお】ぎ、水木 春暉に栄ゆ。
白日 緑草を照らし、 落花 散じ且つ飛ぶ。
孤雲 空山に還り、衆鳥 各(おのおの)已に帰る。
彼の物 皆 托する有るも、 吾が生 独り依る無し。
此の石上の月に対し、 長酔して芳菲に歌う。
『春日獨酌,二首之一』 現代語訳と訳註解説
(本文)
春日獨酌,二首之一
東風扇淑氣,水木榮春暉。
白日照綠草,落花散且飛。
孤雲還空山,眾鳥各已歸。
彼物皆有託,吾生獨無依。
對此石上月,長醉歌芳菲。
(含異文): 東風扇淑氣,水木榮春暉。白日照綠草,落花散且飛。孤雲還空山,眾鳥各已歸。彼物皆有託,吾生獨無依。對此石上月,長醉歌芳菲【長歌醉芳菲】。
(下し文)
(春日獨酌,二首之一)
東風 淑気【しゅくき】を扇【あお】ぎ、水木 春暉に栄ゆ。
白日 緑草を照らし、 落花 散じ且つ飛ぶ。
孤雲 空山に還り、衆鳥 各(おのおの)已に帰る。
彼の物 皆 托する有るも、吾が生 独り依る無し。
此の石上の月に対し、 長酔して芳菲に歌う。
(現代語訳)
(春の日に当たり、一人で酒を酌み詠ったもの。)
東風はめでたい生気をあおり、天地山河いたるところに瑞祥の気が満ちて、水は根から吸収されて木が生まれ、万物を成長させる相生関係に在る水や木は 春の暖かい陽光につつまれる。
曇りのない日中の輝く太陽は 萌黄色の成長する草草を照らしている、落ちる花びらは 静心無く散り、そして、ひるがえる。
眺め遣れば、ポツンとした雲はゆるく引いて、人気ない山にかえっていく、あつまって鳴き騒いでいた鳥達も それぞれねぐらに帰った。
それら萬物は、おのおの皆、身を寄せるところがあって落ち着いて居る、吾のみ、生きるところ、そして、独り身を寄せるところはない。
この石の上にのぼる月に対し、杯を傾け、長醉すること、草花のかんばしい香りを歌うことよりほかにないのである。
(訳注)
春日獨酌,二首之一
(春の日に当たり、一人で酒を酌み詠ったもの。)
東風扇淑氣、水木榮春暉。
東風はめでたい生気をあおり、天地山河いたるところに瑞祥の気が満ちて、水は根から吸収されて木が生まれ、万物を成長させる相生関係に在る水や木は 春の暖かい陽光につつまれる。
○東風 ①ひがしかぜ、こちかぜ。(めでたい生気をあおる風)李白《巻22-19 春日独酌二首其一》「東風扇淑氣,水木榮春暉。」②春風、《禮記、月令》(孟春之月﹞東風解凍, 蟄蟲始振, 魚上冰, 獺祭魚, 鴻雁來。」③草の名。一に冬風に作る。東風菜。
○扇 あおぐ。あおる。そそのかす。
○淑気 おごそかな気。新春,四辺に満ちている瑞祥(ずいしよう)の気。天地山河いたるところに瑞祥の気が満ちていること。
○水木 五行相生説でいう、万物を成長させる良い関係に在るもの、それぞれがそれぞれを生み出す関係のことを示しており、木→火→土→金→水→木の順番に循環しています。木は燃えて火が生まれ、火が燃えたあとには灰(土)が生まれ、土の中からは様々な鉱物(金)が生まれる、金属の表面が冷えて水滴(水)が生まれる、水は根から吸収されて木が生まれる。相性のよい関係、五行相生説である。どうじに、五行相克説があり、相性の悪い関係であり、木→土→水→火→金→木 の順番に循環する。木は土の栄養を搾取、土は水をせき止めて、流れをとめ、水は火を消し、火は金を溶かし、金は木を切り倒すという関係。つまり、春に最も変化するものが、水木である。
○春暉 春の暖かい陽光。
白日照綠草、落花散且飛。
曇りのない日中の輝く太陽は 萌黄色の成長する草草を照らしている、落ちる花びらは 静心無く散り、そして、ひるがえる。
白日 輝く太陽。曇りのない日。宋玉《神女賦序》 「其始來也,耀乎若白日初出照屋梁。」夕日:王之渙〈登鸛雀樓〉詩:「白日依山盡,黃河入海流。」
綠草 萌黄色の成長する草草。
孤雲還空山、眾鳥各已歸。
眺め遣れば、ポツンとした雲はゆるく引いて、人気ない山にかえっていく、あつまって鳴き騒いでいた鳥達も それぞれねぐらに帰った。
○雲 雲は山奥の岩間、洞窟から生まれ帰っていく。
○空山 隠者の住む山。人気のない山。
○眾 衆。
彼物皆有托、吾生獨無依。
それら萬物は、おのおの皆、身を寄せるところがあって落ち着いて居る、吾のみ、生きるところ、そして、独り身を寄せるところはない。
○托 身を寄せる。五行思想による相関をいう。
對此石上月、長醉歌芳菲。
この石の上にのぼる月に対し、杯を傾け、長醉すること、草花のかんばしい香りを歌うことよりほかにないのである。
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- カテゴリ:李太白集 巻二十二
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