李太白集 249《太白巻22-19 春日獨酌二首 其二》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 6826
- 2015/10/27
- 22:43
李白 春日獨酌,二首之二
我有紫霞想,緬懷滄洲間。思對一壺酒,澹然萬事閒。
橫琴倚高松,把酒望遠山。長空去鳥沒,落日孤雲還。
但恐光景晚,宿昔成秋顏。
その二:(春の日に当たり、一人で酒を酌み詠ったもの。)
私は老荘思想、神仙の思想を志し、仙人となって紫霞を餐したいとおもっている、常々はるかさきの隠者の棲む滄洲を思っている。ここに暫く、一壷の酒に対し、何もこだわらず、浮世の事に自然にふるまうほどの心静かなものである。そこで琴をたずさえて、高松の木に寄りかかり、 酒を把って遠山を眺めている。大空に鳥が去って、姿も見えなくなった、夕日は沈み、孤雲が流れて帰って行った。ただ恐れるところは、光陰は移りやすく、景色は暮れていくものだし、 むかし紅顔であったものが、やがて衰容に変ずることである。
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年:737年開元二十五年37歳
卷別: 卷一八二 文體: 五言古詩
詩題: 春日獨酌,二首之二
作地點: 安陸(淮南道 / 安州 / 安陸)
(改訂版Ver.2.1)
春日獨酌,二首之二
春日獨酌,二首之二:(春の日に当たり、一人で酒を酌み詠ったもの。)
我有紫霞想,緬懷滄洲間。
私は老荘思想、神仙の思想を志し、仙人となって紫霞を餐したいとおもっている、常々はるかさきの隠者の棲む滄洲を思っている。
思對一壺酒,澹然萬事閒。
ここに暫く、一壷の酒に対し、何もこだわらず、浮世の事に自然にふるまうほどの心静かなものである。
橫琴倚高松,把酒望遠山。
そこで琴をたずさえて、高松の木に寄りかかり、 酒を把って遠山を眺めている。
長空去鳥沒,落日孤雲還。
大空に鳥が去って、姿も見えなくなった、夕日は沈み、孤雲が流れて帰って行った。
但恐光景晚,宿昔成秋顏。
ただ恐れるところは、光陰は移りやすく、景色は暮れていくものだし、 むかし紅顔であったものが、やがて衰容に変ずることである。
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(春日獨酌,二首之二)
我に 紫霞の想 有り、緬懐す 滄洲の間を。
思いは 一壷の酒に対し、澹然【たんぜん】として万事閑なり。
琴を横えて高松に倚り、酒を把って遠山を望む。
長空 鳥去って没し、落日 孤雲 還る。
但だ恐る 光景 晩く、宿昔 秋顔を成すを。
(改訂版Ver.2.1)
『春日獨酌,二首之二』 現代語訳と訳註解説
(本文)
春日獨酌,二首之二
我有紫霞想,緬懷滄洲間。
思對一壺酒,澹然萬事閒。
橫琴倚高松,把酒望遠山。
長空去鳥沒,落日孤雲還。
但恐光景晚,宿昔成秋顏。
(含異文)
我有紫霞想,緬懷滄洲間。思對一壺酒【且對一壺酒】,澹然萬事閒。橫琴倚高松,把酒望遠山。長空去鳥沒,落日孤雲還。但恐光景晚,宿昔成秋顏。
(下し文)
(春日獨酌,二首之二)
我に 紫霞の想 有り、緬懐す 滄洲の間を。
思いは 一壷の酒に対し、澹然【たんぜん】として万事閑なり。
琴を横えて高松に倚り、酒を把って遠山を望む。
長空 鳥去って没し、落日 孤雲 還る。
但だ恐る 光景 晩く、宿昔 秋顔を成すを。
(現代語訳)
春日獨酌,二首之二:(春の日に当たり、一人で酒を酌み詠ったもの。)
私は老荘思想、神仙の思想を志し、仙人となって紫霞を餐したいとおもっている、常々はるかさきの隠者の棲む滄洲を思っている。
ここに暫く、一壷の酒に対し、何もこだわらず、浮世の事に自然にふるまうほどの心静かなものである。
そこで琴をたずさえて、高松の木に寄りかかり、 酒を把って遠山を眺めている。
大空に鳥が去って、姿も見えなくなった、夕日は沈み、孤雲が流れて帰って行った。
ただ恐れるところは、光陰は移りやすく、景色は暮れていくものだし、むかし紅顔であったものが、やがて衰容に変ずることである。
(訳注) (改訂版Ver.2.1)
春日獨酌,二首之二
春日獨酌,二首之二:(春の日に当たり、一人で酒を酌み詠ったもの。)
我有紫霞想、緬懷滄洲間。
私は老荘思想、神仙の思想を志し、仙人となって紫霞を餐したいとおもっている、常々はるかさきの隠者の棲む滄洲を思っている。
・紫霞想 紫霞を餐したいということを思っている。老子をも示す。紫霞は仙人の宮殿を言う。この場合紫が老荘思想で、霞は神仙思想とする。また紫は天子を示す。ここでは仙人志願をしているということ。。
・緬 遙かな。とおくに。
・滄州 隠者の棲む場所。東海の神仙三山の海、滄海が臨めるあたり。
思對一壺酒、澹然萬事閑。
ここに暫く、一壷の酒に対し、何もこだわらず、浮世の事に自然にふるまうほどの心静かなものである。
・澹然 物事にこだわらない自然にふるまう道教の教えをきほんにする。
橫琴倚高松、把酒望遠山。
そこで琴をたずさえて、高松の木に寄りかかり、 酒を把って遠山を眺めている。
長空去鳥沒、落日孤雲還。
大空に鳥が去って、姿も見えなくなった、夕日は沈み、孤雲が流れて帰って行った。
但恐光景晚、宿昔成秋顏。
ただ恐れるところは、光陰は移りやすく、景色は暮れていくものだし、 むかし紅顔であったものが、やがて衰容に変ずることである。
・光景 景色。ひかり。ありさま。
・宿昔 以前。むかし。昔は紅顔であった。
・秋顔 老顔。衰容。
春日獨酌,二首之一
(春の日に当たり、一人で酒を酌み詠ったもの。)
東風扇淑氣,水木榮春暉。
東風はめでたい生気をあおり、天地山河いたるところに瑞祥の気が満ちて、水は根から吸収されて木が生まれ、万物を成長させる相生関係に在る水や木は 春の暖かい陽光につつまれる。
白日照綠草,落花散且飛。
曇りのない日中の輝く太陽は 萌黄色の成長する草草を照らしている、落ちる花びらは 静心無く散り、そして、ひるがえる。
孤雲還空山,眾鳥各已歸。
眺め遣れば、ポツンとした雲はゆるく引いて、人気ない山にかえっていく、あつまって鳴き騒いでいた鳥達も それぞれねぐらに帰った。
彼物皆有託,吾生獨無依。
それら萬物は、おのおの皆、身を寄せるところがあって落ち着いて居る、吾のみ、生きるところ、そして、独り身を寄せるところはない。
對此石上月,長醉歌芳菲。
この石の上にのぼる月に対し、杯を傾け、長醉すること、草花のかんばしい香りを歌うことよりほかにないのである。
(春日獨酌,二首之一)
東風 淑気【しゅくき】を扇【あお】ぎ、水木 春暉に栄ゆ。
白日 緑草を照らし、 落花 散じ且つ飛ぶ。
孤雲 空山に還り、衆鳥 各(おのおの)已に帰る。
彼の物 皆 托する有るも、 吾が生 独り依る無し。
此の石上の月に対し、 長酔して芳菲に歌う。
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- カテゴリ:李太白集 巻二十二
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