李太白集 250《太白巻24-70 贈內》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 6831
- 2015/10/28
- 22:29
李白 贈內
三百六十日,日日醉如泥。雖為李白婦,何異太常妻。
(詩を妻に贈る。)
われ李白は、酒が好きであって、一年三百六十日、日として酔わぬことはなく、酔えば泥のごとく如く、まことにたわいもない態である。むかし、後漢の周澤は、太常となり、一年三百五十九日は齋で、冥府を近づけず、たった一日、齋【ものいみ】せぬことがあっても、其の時は酔って泥の如くであったというが、汝は名こそ李白の妻といふものの、太常の妻と区別なく、なんといっても気の毒なことだということだとは思っている。
李太白集 250《太白巻24-70 贈內》 李白 | kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 6831 |
年:737年開元二十五年37歳
卷別: 卷一八四 文體: 五言絕句
詩題: 贈內
作地點: 安陸(淮南道 / 安州 / 安陸)
(改訂版Ver.2.1)
贈內
(詩を妻に贈る。)
三百六十日,日日醉如泥。
われ李白は、酒が好きであって、一年三百六十日、日として酔わぬことはなく、酔えば泥のごとく如く、まことにたわいもない態である。
雖為李白婦,何異太常妻。
むかし、後漢の周澤は、太常となり、一年三百五十九日は齋で、冥府を近づけず、たった一日、齋【ものいみ】せぬことがあっても、其の時は酔って泥の如くであったというが、汝は名こそ李白の妻といふものの、太常の妻と区別なく、なんといっても気の毒なことだということだとは思っている。
(内に 贈る)
三百 六十日,日日 醉いて 泥の如し。
李白の婦 爲りと 雖も,何ぞ 太常の妻に 異ならん。
(改訂版Ver.2.1)
『贈內』 現代語訳と訳註解説
(本文)
贈內
三百六十日,日日醉如泥。
雖為李白婦,何異太常妻。
(下し文)
内に 贈る
三百 六十日,日日 醉いて 泥の如し。
李白の婦 爲りと 雖も,何ぞ 太常の妻に 異ならん。
(現代語訳)
(詩を妻に贈る。)
われ李白は、酒が好きであって、一年三百六十日、日として酔わぬことはなく、酔えば泥のごとく如く、まことにたわいもない態である。
むかし、後漢の周澤は、太常となり、一年三百五十九日は齋で、冥府を近づけず、たった一日、齋【ものいみ】せぬことがあっても、其の時は酔って泥の如くであったというが、汝は名こそ李白の妻といふものの、太常の妻と区別なく、なんといっても気の毒なことだということだとは思っている。
(訳注) (改訂版Ver.2.1)
贈内
(詩を妻に贈る。)
李白は妻に贈った詩をいくつか残している。これはそのなかでも特に有名なもの。ただ書かれた時期や、どの妻なのかは、正確にはわかっていない。また、酔っぱらって帰ってきて、奥さんに叱られた時の誤魔化しの雰囲気を漂わせた作品という解釈もあるが、実際そんなことをするだろうか。
三百六十日,日日醉如泥。
われ李白は、酒が好きであって、一年三百六十日、日として酔わぬことはなく、酔えば泥のごとく如く、まことにたわいもない態である。
○日日 毎日。
○醉如泥 ひどく酒に酔う。泥のように酔う。
雖爲李白婦,何異太常妻。
むかし、後漢の周澤は、太常となり、一年三百五十九日は齋で、冥府を近づけず、たった一日、齋【ものいみ】せぬことがあっても、其の時は酔って泥の如くであったというが、汝は名こそ李白の妻といふものの、太常の妻と区別なく、なんといっても気の毒なことだということだとは思っている。
○この二句 李白の嫁とはいっても、一体どこが(漢の周澤)太常の妻と異なろうか。 ・雖:…とはいっても。…といえども。 ・爲:…である。 ・婦:嫁。妻。・何:なんぞ。反語。疑問。
○太常 卿の一。礼儀、祭祀を掌る官(『後漢書・百官』)。大常は身を清め命令通りに誠心誠意祭祀を執り行っていた。周沢はしばしば病気になり、斎宮に病臥していたが、妻は周沢の持病を心配し、病状をうかがい尋ねて来た。しかし、夫の周沢は、妻が斎戒の禁を犯したと大いに怒り、妻を監獄に送って謝罪した。世間の人は、その行為をきわどいことだと考えて、次のように語りあっていた。「今の世に調和しないことがある,太常は妻をめとった。一歲は三百六十日であるが,三百五十九日に齋しい、というのもその一日、泥酔したようなもので許さないというのだ。」
《後漢書.儒林傳》:後漢周澤太常,虔敬宗廟,常臥疾齋宮,其妻哀其老病,窺問疾苦。澤大怒,以妻干犯齋禁,收送詔獄,時人譏之曰「生世不諧,作太常妻。一歲三百六十日,三百五十九日齋、一日不齋酔如泥。」
「周澤、太常となり、清潔循行、敬を宗廟に盡す、かつて、病に齋官に臥す、その妻、澤の老病む哀んで、苦しむところ私闘い問う。澤、大に怒り、妻が齋禁を干犯ぜしを以て、遂に収めて詔獄に送って、罪を謝す、常世、その詭激を疑ふ。時人、これが語を為して日く、生世不諧、作大常妻、一歳三百六十日、二百五十九日、一日不齋酔如泥」とある。
・齋【ものいみ】 神道で、ものいみ(潔斎)をして神に仕えること。また、その人 ⇒ 斎 (神道); 斎: 断食と食物品目の制限。食事のみならず行動も律し、祈りを増やす事が求められる。ここでは、太常の周澤にたいする齋をいう。
(内に 贈る)
三百 六十日,日日 醉いて 泥の如し。
李白の婦 爲りと 雖も,何ぞ 太常の妻に 異ならん。
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