李太白集 257《太白巻十六27送侯十一》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 6866
- 2015/11/04
- 22:33
李白 送侯十一
朱亥已擊晉,侯嬴尚隱身。時無魏公子,豈貴抱關人。
余亦不火食,遊梁同在陳。空餘湛盧劍,贈爾託交親。
(戦国、信陵君のもとにいた賢人侯嬴というべき老侠、賢人である侯某をおくる)
今や朱亥に比すべき君の門下は、すでに晉鄙の様な人を椎殺し、著著と場面が進行するに拘わらず、侯嬴に此すべき肝腎の大立物たる君が出できて活動すべき筈であるのに、なお身を隠して引っ込んでいるのは、どうしたことか。刻下の世、魏の公子信陵君の様な人が無く、従って、関門の番人の如き餞しき地位に居るものを貴ばないのは、尤も至極な事である。かくの如く君が不遇であるばかりか、予もまた火食せず、今しも、梁に遊歴しているが、丁度、孔子が陳蔡の野に苦しんだと同じである。さはれ、湛盧に比すべき名剣だけが残っているから、ここに別れを為すに際し、この詩を君に贈って、二人の親交の表徴としようとおもうのである。
| kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 6871 |
年:738年開元二十六年38歳
卷別: 卷一七六 文體: 五言古詩
詩題: 送侯十一
作地點: 陳州(河南道 / 陳州 / 陳州)
及地點: 陳州 (河南道 陳州 陳州) 別名:淮陽
交遊人物/地點:侯十一 當地交遊(河南道 陳州 陳州)
送侯十一
(戦国、信陵君のもとにいた賢人侯嬴というべき老侠、賢人である侯某をおくる)
朱亥已擊晉,侯嬴尚隱身。
今や朱亥に比すべき君の門下は、すでに晉鄙の様な人を椎殺し、著著と場面が進行するに拘わらず、侯嬴に此すべき肝腎の大立物たる君が出できて活動すべき筈であるのに、なお身を隠して引っ込んでいるのは、どうしたことか。
時無魏公子,豈貴抱關人。
刻下の世、魏の公子信陵君の様な人が無く、従って、関門の番人の如き餞しき地位に居るものを貴ばないのは、尤も至極な事である。
余亦不火食,遊梁同在陳。
かくの如く君が不遇であるばかりか、予もまた火食せず、今しも、梁に遊歴しているが、丁度、孔子が陳蔡の野に苦しんだと同じである。
空餘湛盧劍,贈爾託交親。
さはれ、湛盧に比すべき名剣だけが残っているから、ここに別れを為すに際し、この詩を君に贈って、二人の親交の表徴としようとおもうのである。
(侯十一を送る)
朱亥 已に晉を擊ち,侯嬴 尚お身を隱す。
時に魏の公子無くんば,豈に抱關の人を貴ばんや。
余 亦た火食せず,梁に遊ぶは 陳に在るに同じ。
空しく湛盧の劍を餘し,爾に贈って交親を託す。
『送侯十一』 現代語訳と訳註解説
(本文)
送侯十一
朱亥已擊晉,侯嬴尚隱身。
時無魏公子,豈貴抱關人。
余亦不火食,遊梁同在陳。
空餘湛盧劍,贈爾託交親。
(下し文)
(侯十一を送る)
朱亥 已に晉を擊ち,侯嬴 尚お身を隱す。
時に魏の公子無くんば,豈に抱關の人を貴ばんや。
余 亦た火食せず,梁に遊ぶは 陳に在るに同じ。
空しく湛盧の劍を餘し,爾に贈って交親を託す。
(現代語訳)
(戦国、信陵君のもとにいた賢人侯嬴というべき老侠、賢人である侯某をおくる)
今や朱亥に比すべき君の門下は、すでに晉鄙の様な人を椎殺し、著著と場面が進行するに拘わらず、侯嬴に此すべき肝腎の大立物たる君が出できて活動すべき筈であるのに、なお身を隠して引っ込んでいるのは、どうしたことか。
刻下の世、魏の公子信陵君の様な人が無く、従って、関門の番人の如き餞しき地位に居るものを貴ばないのは、尤も至極な事である。
かくの如く君が不遇であるばかりか、予もまた火食せず、今しも、梁に遊歴しているが、丁度、孔子が陳蔡の野に苦しんだと同じである。
さはれ、湛盧に比すべき名剣だけが残っているから、ここに別れを為すに際し、この詩を君に贈って、二人の親交の表徴としようとおもうのである。
(訳注)
送侯十一
(戦国、信陵君のもとにいた賢人侯嬴というべき老侠、賢人である侯某をおくる)
同姓の故に、侯嬴を以て其の人に此したのは、例の慣用手段である。次の二句は、自分のことを述べ、結二句は、自他の交親に及んだのである。
朱亥已擊晉,侯嬴尚隱身。
今や朱亥に比すべき君の門下は、すでに晉鄙の様な人を椎殺し、著著と場面が進行するに拘わらず、侯嬴に此すべき肝腎の大立物たる君が出できて活動すべき筈であるのに、なお身を隠して引っ込んでいるのは、どうしたことか。
朱亥 侯嬴 朱亥:信陵君の評判を高めることになった肉屋の若者。
侯嬴 老人で門番であったが賢者であることで新陵君が度量が大きいとの評判を高めた。 逸話 魏の公子と食客(信陵君・侯嬴・朱亥)任侠の士を詠うもの、侠客行は侠遊二十五曲の一つである。
159-#2 《巻02-30 俠客行 -#2》Index-11 Ⅱ―6 -731年開元十九年31歳 43首 <159-#2> Ⅰ李白詩6 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ5373
時無魏公子,豈貴抱關人。
刻下の世、魏の公子信陵君の様な人が無く、従って、関門の番人の如き餞しき地位に居るものを貴ばないのは、尤も至極な事である。
余亦不火食,遊梁同在陳。
かくの如く君が不遇であるばかりか、予もまた火食せず、今しも、梁に遊歴しているが、丁度、孔子が陳蔡の野に苦しんだと同じである。
不火食 煮た物を食べないこと。陳蔡之厄といわれるもの。《莊子集釋》卷九下〈雜篇‧讓王〉「孔子窮於陳蔡之間,七日不火食,」に基づく。
空餘湛盧劍,贈爾託交親。
さはれ、湛盧に比すべき名剣だけが残っているから、ここに別れを為すに際し、この詩を君に贈って、二人の親交の表徴としようとおもうのである。
湛盧劍 越王允常が欧冶子に造らせた五振りの剣「純鈞」・「湛盧」・「豪曹」・「魚腸」・「巨闕」があり、「湛盧剣」は薛燭によれば、これを帯びる者は敵を討つことが出来、謀反を企む臣下がいれば、他国に去らせることが出来るという。允常はこれを呉に贈るが、呉王闔閭の暴虐無道ぶりを嫌った湛盧は自ら楚に飛んでいったので、楚の昭王はいながらにしてこの剣を手に入れた。
(侯十一を送る)
朱亥 已に晉を擊ち,侯嬴 尚お身を隱す。
時に魏の公子無くんば,豈に抱關の人を貴ばんや。
余 亦た火食せず,梁に遊ぶは 陳に在るに同じ。
空しく湛盧の劍を餘し,爾に贈って交親を託す。
- テーマ:詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
- ジャンル:学問・文化・芸術
- カテゴリ:李太白集 巻十六
- CM:0
最新記事
- 長い間ブログを休校している件について (09/01)
- 李太白集 397《太白巻23-02效古二首其一》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7573 (04/04)
- 李太白集 396《太白巻二十二40憶東山二首 其二》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7568 (04/03)
- 李太白集 395《太白巻二十二39憶東山二首 其一》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7563 (03/30)
- 李太白集 394《太白巻二十08杜陵絕句》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7558 (03/29)
- 李太白集 393《太白巻十九18朝下過盧郎中敘舊游》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7553 (03/28)
- 李太白集 392《太白巻十八12金門答蘇秀才》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7548 (03/27)
- 太白集 391《太白巻十九17下終南山過斛斯山人宿置酒》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7543 (03/26)
- 太白集 390《太白巻十六33 送長沙陳太守,二首之二》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7538 (03/25)
- 李太白集 389《太白巻十六32 送長沙陳太守,二首之一》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7533 (03/24)
- 李太白集 388《太白巻十六26 送祝八之江東賦得浣紗石》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7528 (03/23)
- 李太白集 387《太白巻十六23-《送白利從金吾董將軍西征》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7523 (03/22)
- 李太白集 386《太白巻十六21 送族弟綰從軍安西》(漢家兵馬乘北風) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7508 (03/19)
- 李太白集 385《太白巻十六18-3-《送外甥鄭灌從軍,三首之三》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7503 (03/18)
- 李太白集 384《太白巻十六18-2 送外甥鄭灌從軍,三首之二》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7498 (03/17)
- 李太白集 383《太白巻十六18-1 送外甥鄭灌從軍,三首之一》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7493 (03/16)
- 李太白集 382《太白巻十六13 送張遙之壽陽幕府》 (壽陽信天險,) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7488 (03/15)
- 李太白集 381《太白巻十六10 送程劉二侍郎兼獨孤判官赴安西幕府》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7483 (03/14)
- 李太白集 381《太白巻十六10 送程劉二侍郎兼獨孤判官赴安西幕府》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7483 (03/13)
- 李太白集 380《太白巻十六08 送竇司馬貶宜春》 (天馬白銀鞍,) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7478 (03/12)
- 李太白集 379《太白巻十四34 贈別王山人歸布山》(王子析道論,) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7473 (03/11)
- 李太白集 378《太白巻十二06-夕霽杜陵登樓寄韋繇》 (浮陽滅霽景) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7468 (03/10)
- 李太白集 377《太白巻巻十二05-《望終南山寄紫閣隱者》(出門見南山) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7463 (03/09)
- 李太白集 376《太白巻八36 贈盧徵君昆弟》 (明主訪賢逸) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7458 (03/08)
- 李太白集 375《太白巻八22 贈郭將軍》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7453 (03/07)
- 李太白集 374《太白巻六10-《同族弟金城尉叔卿燭照山水壁畫歌》 (高堂粉壁圖蓬瀛) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7448 (03/06)
- 李太白集 373《太白巻六07 西嶽雲臺歌送丹丘子》 (西嶽崢嶸何壯哉) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7443 (03/05)
- 李太白集 372《太白巻六05 玉壺吟》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7438 (03/04)
- 李太白集 371《太白巻卷六04-《侍從宜春苑,奉詔賦龍池柳色初青,聽新鶯百囀歌》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7433 (03/03)
- 李太白集 370《太白巻五 24-秋思》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7428 (03/02)