李太白集 274《太白巻十九15與從姪杭州刺史良遊天竺寺》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 6951
- 2015/11/21
- 22:20
李白 與從姪杭州刺史良遊天竺寺
掛席凌蓬丘,觀濤憩樟樓。三山動逸興,五馬同遨遊。
天竺森在眼,松風颯驚秋。覽雲測變化,弄水窮清幽。
(從姪であった杭州刺史李良と共に、天竺寺に遊んだ時に作ったもの)
席の帆を掛けて、海上に浮び、遠く蓬莱を凌がんとして、観涛の豪を縦にし、やがて、樟亭に風流に休憩した。そうすれば、東海の三山には、逸輿を動かすことになり、ここに又、五馬を連ねて敖遊し、杭州を歴て、充分めぐったのである。すると、西湖から天竺寺の路の両側は、“九里松”が森然として眼中に在り、松風は、颯然として秋を感じて驚くばかり。そこで、寺へ往くと、雲水の景勝があって、雲に対しては変化を観るべく、水を弄しては、その上源にさかのぼって清幽を窮めた。
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年:739年開元二十七年39歳
卷別: 卷一七九 文體: 五言古詩
詩題: 與從姪杭州刺史良遊天竺寺
作地點: 杭州(江南東道 / 杭州 / 杭州)
及地點: 杭州 (江南東道 杭州 杭州)
天竺寺 (江南東道 杭州 杭州)
樟亭驛 (江南東道 杭州 錢塘(錢唐)) 別名:樟樓
交遊人物:李良 當地交遊(江南東道 杭州 杭州)
與從姪杭州刺史良遊天竺寺
(從姪であった杭州刺史李良と共に、天竺寺に遊んだ時に作ったもの)
掛席凌蓬丘,觀濤憩樟樓。
席の帆を掛けて、海上に浮び、遠く蓬莱を凌がんとして、観涛の豪を縦にし、やがて、樟亭に風流に休憩した。
三山動逸興,五馬同遨遊。
そうすれば、東海の三山には、逸輿を動かすことになり、ここに又、五馬を連ねて敖遊し、杭州を歴て、充分めぐったのである。
天竺森在眼,松風颯驚秋。
すると、西湖から天竺寺の路の両側は、“九里松”が森然として眼中に在り、松風は、颯然として秋を感じて驚くばかり。
覽雲測變化,弄水窮清幽。
そこで、寺へ往くと、雲水の景勝があって、雲に対しては変化を観るべく、水を弄しては、その上源にさかのぼって清幽を窮めた。
疊嶂隔遙海,當軒寫歸流。
重畳せる峰嶂は、遙かなる海を隔てて、翠黛を抱き、軒端に近く紆曲せる長流は、滾々としてそそいでいる。
詩成傲雲月,佳趣滿吳洲。
ここを楽しんでめぐる内に、詩成って、雪月に嘯傲すれば、佳趣、呉洲に満ちて、さすがに、棄て難き景致がある。
從姪の杭州の刺史良と天竺寺に遊ぶ。
席を掛けて蓬丘を凌ぎ,濤を觀て樟樓に憩う。
三山 逸興を動かし,五馬 同じく遨遊。
天竺 森として 眼に在り,松風 颯として秋に驚く。
雲を覽て變化を測り,水を弄して清幽を窮む。
疊嶂 遙海を隔て,當軒 歸流を寫ぐ。
『與從姪杭州刺史良遊天竺寺』 現代語訳と訳註解説
(本文)
與從姪杭州刺史良遊天竺寺
掛席凌蓬丘,觀濤憩樟樓。
三山動逸興,五馬同遨遊。
天竺森在眼,松風颯驚秋。
覽雲測變化,弄水窮清幽。
疊嶂隔遙海,當軒寫歸流。
詩成傲雲月,佳趣滿吳洲。
(下し文)
從姪の杭州の刺史良と天竺寺に遊ぶ。
席を掛けて蓬丘を凌ぎ,濤を觀て樟樓に憩う。
三山 逸興を動かし,五馬 同じく遨遊。
天竺 森として 眼に在り,松風 颯として秋に驚く。
雲を覽て變化を測り,水を弄して清幽を窮む。
疊嶂 遙海を隔て,當軒 歸流を寫ぐ。
詩成って雲月に傲り,佳趣 吳洲に滿つ。
(現代語訳)
(從姪であった杭州刺史李良と共に、天竺寺に遊んだ時に作ったもの)
席の帆を掛けて、海上に浮び、遠く蓬莱を凌がんとして、観涛の豪を縦にし、やがて、樟亭に風流に休憩した。
そうすれば、東海の三山には、逸輿を動かすことになり、ここに又、五馬を連ねて敖遊し、杭州を歴て、充分めぐったのである。
すると、西湖から天竺寺の路の両側は、“九里松”が森然として眼中に在り、松風は、颯然として秋を感じて驚くばかり。
そこで、寺へ往くと、雲水の景勝があって、雲に対しては変化を観るべく、水を弄しては、その上源にさかのぼって清幽を窮めた。
重畳せる峰嶂は、遙かなる海を隔てて、翠黛を抱き、軒端に近く紆曲せる長流は、滾々としてそそいでいる。
ここを楽しんでめぐる内に、詩成って、雪月に嘯傲すれば、佳趣、呉洲に満ちて、さすがに、棄て難き景致がある。
(訳注)
與從姪杭州刺史良遊天竺寺
(從姪であった杭州刺史李良と共に、天竺寺に遊んだ時に作ったもの)
天竺寺 下天竺霊山寺
この詩は、開元十七年(739)、李白が杭州剌史であった従姪の李良と天竺寺に遊んだ時の作とされる。先ず第二句て杭州の名勝として看潮の名所である樟樓(樟亭)が、第九・十句では天竺から眺望される海が描かれる一方、隣接する西醐への言及は見られない。李白は、行く先々の名称古跡を訪ねては「詩跡」を生み出していったという。その李白が、杭州を訪れながら西湖への言及を残していないということは、この時期に於ける西湖の景勝としての存在感を考える上で重要である。
掛席凌蓬丘,觀濤憩樟樓。
席の帆を掛けて、海上に浮び、遠く蓬莱を凌がんとして、観涛の豪を縦にし、やがて、樟亭に風流に休憩した。
蓬丘 神仙三山の蓬莱山。(方丈、瀛州)
樟樓 樟亭駅の駅樓、浙江亭のことである。錢唐江跨浦橋たもと南側にあった。
三山動逸興,五馬同遨遊。
そうすれば、東海の三山には、逸輿を動かすことになり、ここに又、五馬を連ねて敖遊し、杭州を歴て、充分めぐったのである。
三山 神仙三山の蓬莱、方丈、瀛州山。
五馬 太守は五頭立ての馬車が許されたので、太守のことをいう。
天竺森在眼,松風颯驚秋。
すると、西湖から天竺寺の路の両側は、“九里松”が森然として眼中に在り、松風は、颯然として秋を感じて驚くばかり。
天竺森在眼 西湖より、天竺寺の路の両側が古松林で、“九里松”という。
覽雲測變化,弄水窮清幽。
そこで、寺へ往くと、雲水の景勝があって、雲に対しては変化を観るべく、水を弄しては、その上源にさかのぼって清幽を窮めた。
疊嶂隔遙海,當軒寫歸流。
重畳せる峰嶂は、遙かなる海を隔てて、翠黛を抱き、軒端に近く紆曲せる長流は、滾々としてそそいでいる。
詩成傲雲月,佳趣滿吳洲。
ここを楽しんでめぐる内に、詩成って、雪月に嘯傲すれば、佳趣、呉洲に満ちて、さすがに、棄て難き景致がある。
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