李太白集 287《太白巻二二05 客中行》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7016
- 2015/12/04
- 22:35
李白 客中行
蘭陵美酒鬱金香,玉碗盛來琥珀光。
但使主人能醉客,不知何處是他鄕。
(異客となって、よその地を旅していて「旅先での歌」)
蘭陵産の美酒は、天下の佳醸で、鬱金の香を浸して、その味、最も芳美、況や、玉碗をもって、これを盛れば、黄流透徹、さながら琥珀の様な色をしている。これをもって、私に勧めるのだから飲まないわけにはいかない。 既に十分飲んで酔ってしまえば、客であったことを忘れ、故郷も、他郷も、何処であれ区別なく,酒あるところ、即ち、我が家で、主人の好意、まことに感謝すべきである。
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年:740年開元二十八年40歳
卷別: 卷一八一 文體: 七言絕句
詩題: 客中行
作地點: 目前尚無資料
及地點: 氶縣 (河南道 沂州 氶縣) 別名:蘭陵
客中行
(異客となって、よその地を旅していて「旅先での歌」)
蘭陵美酒鬱金香,玉碗盛來琥珀光。
蘭陵産の美酒は、天下の佳醸で、鬱金の香を浸して、その味、最も芳美、況や、玉碗をもって、これを盛れば、黄流透徹、さながら琥珀の様な色をしている。これをもって、私に勧めるのだから飲まないわけにはいかない。
但使主人能醉客,不知何處是他鄕。
既に十分飲んで酔ってしまえば、客であったことを忘れ、故郷も、他郷も、何処であれ区別なく,酒あるところ、即ち、我が家で、主人の好意、まことに感謝すべきである。
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(客中行)
蘭陵の美酒 鬱金香,玉碗 盛り來る 琥珀の光。
但だ 主人をして 能く客を醉はしむれば,知らず 何れの處か 是れ他鄕なるを。
蘭陵美酒鬱金香,玉碗盛來琥珀光。
但使主人能醉客,不知何處是他鄕。
(下し文)
(客中行)
蘭陵の美酒 鬱金香,玉碗 盛り來る 琥珀の光。
但だ 主人をして 能く客を醉はしめば,知らず 何れの處か 是れ他鄕なるを。
(現代語訳)
(異客となって、よその地を旅していて「旅先での歌」)
蘭陵産の美酒は、天下の佳醸で、鬱金の香を浸して、その味、最も芳美、況や、玉碗をもって、これを盛れば、黄流透徹、さながら琥珀の様な色をしている。これをもって、私に勧めるのだから飲まないわけにはいかない。
既に十分飲んで酔ってしまえば、客であったことを忘れ、故郷も、他郷も、何処であれ区別なく,酒あるところ、即ち、我が家で、主人の好意、まことに感謝すべきである。
(訳注)
客中行
(異客となって、よその地を旅していて「旅先での歌」)
●「客中作」ともする。
・客 よその地を旅すること。異客となること。
・中 …をしている時、中。
・行 歌行。詩歌。「…行」は楽府に付く「詩・歌」の意。
蘭陵美酒鬱金香,玉碗盛來琥珀光。
蘭陵産の美酒は、天下の佳醸で、鬱金の香を浸して、その味、最も芳美、況や、玉碗をもって、これを盛れば、黄流透徹、さながら琥珀の様な色をしている。これをもって、私に勧めるのだから飲まないわけにはいかない。
●蘭、金、玉、琥珀、。美、香、来、光。それぞれの語が絡み合って句と聯を計成する。美しい響きを持つ聯に仕上げ、五感でよませる聯にしている。
・蘭陵 地名。山東省嶧県のお酒の産地。荀子の墓もある。
・鬱金香 ミョウガ科の多年草(鬱金の香)香草の名。酒に浸して、色や香を附けるために使う。
・玉碗 玉(ぎょく)で出来たさかづき。玉杯。「玉杯」としないのは、容器の大小、深浅の差異もある。また、発音上のリズム感にも因る。
・盛 (器に)もる、盛り上げたから光り輝きが増すことになる。
・~來 …てきた。
・琥珀 天然樹脂の化石であり、宝石である。 半化石の琥珀は、コーパル(英: Copal)という。 バルト海沿岸で多く産出するため、ヨーロッパでは古くから知られ、宝飾品として珍重されてきた。 鉱物ではないが、硬度は鉱物に匹敵する。透き通った黄色みを帯びた茶色系の宝石。女性のブローチ・ブレスレットなどの材料にも使われている。
・琥珀光 コハク色に輝く酒。鬱金香を酒に浸したためついた色。
但使主人能醉客、不知何處是他鄕。
既に十分飲んで酔ってしまえば、客であったことを忘れ、故郷も、他郷も、何処であれ区別なく,酒あるところ、即ち、我が家で、主人の好意、まことに感謝すべきである。
・但使 ただ…しさえすれば。ただ…のようにさせれば。「ただ…しさえすれば」という或る条件を満たすようにさえすれば、次のような結果が出る、という表現の語。
・主人 もてなす側の人。「客」に対する語。
・能:よく。あたう。できる。可能を表す。
・醉客 客(李白)を酔わせる。
・不知 分からない。
・何處 どこ。 ・他鄕 異郷。よその地。「故郷」に対する語。
「但使主人能醉客,不知何處是他鄕。」主人側が充分に酔っぱらわせてくれたならば、(酔っぱらった結果、)一体どこが異郷であるのか、忘れて分からなくなることだろう。
旅の空、こんなにおいしいお酒、琥珀色をした酒は身も心潤してくれる。旅の恥はかき捨てベロベロになるまで酔わせくれ・・・・・・と。
(客中行)
蘭陵の美酒 鬱金香,玉碗 盛り來る 琥珀の光。
但だ 主人をして 能く客を醉はしめば,知らず 何れの處か 是れ他鄕なるを。
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- カテゴリ:李太白集 巻二十二
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