李太白集 294《太白巻十四02別魯頌》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7051
- 2015/12/11
- 22:14
李白 別魯頌
誰道泰山高,下卻魯連節。誰云秦軍眾,摧卻魯連舌。獨立天地間,清風灑蘭雪。夫子還倜儻,攻文繼前烈。
(魯頌に別れるにあたって、魯という姓の故を以て、古の魯仲連を引合に出して、その想を構へたのである。)
誰か泰山を高いといふか、魯仲連の高節に比すれば、もとより圧し下れて仕舞うというものだ。誰か秦軍を多勢だというか、魯伸連の舌の先で、散散に打砕かれて仕舞ったという。かの魯伸連は、天地の間に獨立し、その人物の高潔なることは、清風が蘭の葉の上の雪に吹き灑ぐようである。わが魯頌も、魯仲連と同姓の縁故があるというのみならず、その人物も倜儻不羈で、はるかに、羣俗に抜き、そしで、文學を攻究して、前人の功烈を継がんとしている。
李太白集 294《太白巻十四02別魯頌》 李白 | kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7051 |
年:741年開元二十九年41歳
卷別: 卷一七四 文體: 五言古詩
詩題: 別魯頌
作地點: 目前尚無資料
及地點:泰山 (河南道 兗州 泰山) 別名:岱宗、岱、東岳
別魯頌
(魯頌に別れるにあたって、魯という姓の故を以て、古の魯仲連を引合に出して、その想を構へたのである。)
誰道泰山高,下卻魯連節。
誰か泰山を高いといふか、魯仲連の高節に比すれば、もとより圧し下れて仕舞うというものだ。
誰云秦軍眾,摧卻魯連舌。
誰か秦軍を多勢だというか、魯伸連の舌の先で、散散に打砕かれて仕舞ったという。
獨立天地間,清風灑蘭雪。
かの魯伸連は、天地の間に獨立し、その人物の高潔なることは、清風が蘭の葉の上の雪に吹き灑ぐようである。
夫子還倜儻,攻文繼前烈。
わが魯頌も、魯仲連と同姓の縁故があるというのみならず、その人物も倜儻不羈で、はるかに、羣俗に抜き、そしで、文學を攻究して、前人の功烈を継がんとしている。
錯落石上松,無為秋霜折。
彼は、錯落たる石上の松に比すべきもので、どうか、秋霜に折られぬようにして欲しい。
贈言鏤寶刀,千歲庶不滅。
そこで、言を贈らんとして、よって、これを賓刀にほり付けることにしたから、こいねがわくば、千歳の後までも、決して泯滅することがないように、幸に我が嘱望に負かざらんことを希望する。
(魯頌に別る)
誰か泰山を高しと道ふ、下却す魯蓮の節。
誰か秦軍を衆しと云ふ、摧卻す魯連の舌。
獨立す天地の間、清風、蘭雪に灑ぐ。
夫子、還た倜儻、文を攻めて、前烈に繼ぐ。
錯落たり石上の松、秋ほう霜に折らるるなし。
贈言 寶刀に鏤むれば、千歳 庶はくば滅せざらむ。
『別魯頌』 現代語訳と訳註解説
(本文)
別魯頌
誰道泰山高,下卻魯連節。
誰云秦軍眾,摧卻魯連舌。
獨立天地間,清風灑蘭雪。
夫子還倜儻,攻文繼前烈。
錯落石上松,無為秋霜折。
贈言鏤寶刀,千歲庶不滅。
(下し文)
(魯頌に別る)
誰か泰山を高しと道ふ、下却す魯蓮の節。
誰か秦軍を衆しと云ふ、摧卻す魯連の舌。
獨立す天地の間、清風、蘭雪に灑ぐ。
夫子、還た倜儻、文を攻めて、前烈に繼ぐ。
錯落たり石上の松、秋ほう霜に折らるるなし。
贈言 寶刀に鏤むれば、千歳 庶はくば滅せざらむ。
(現代語訳)
(魯頌に別れるにあたって、魯という姓の故を以て、古の魯仲連を引合に出して、その想を構へたのである。)
誰か泰山を高いといふか、魯仲連の高節に比すれば、もとより圧し下れて仕舞うというものだ。
誰か秦軍を多勢だというか、魯伸連の舌の先で、散散に打砕かれて仕舞ったという。
かの魯伸連は、天地の間に獨立し、その人物の高潔なることは、清風が蘭の葉の上の雪に吹き灑ぐようである。
わが魯頌も、魯仲連と同姓の縁故があるというのみならず、その人物も倜儻不羈で、はるかに、羣俗に抜き、そしで、文學を攻究して、前人の功烈を継がんとしている。
彼は、錯落たる石上の松に比すべきもので、どうか、秋霜に折られぬようにして欲しい。
そこで、言を贈らんとして、よって、これを賓刀にほり付けることにしたから、こいねがわくば、千歳の後までも、決して泯滅することがないように、幸に我が嘱望に負かざらんことを希望する。
別魯頌
(魯頌に別れるにあたって、魯という姓の故を以て、古の魯仲連を引合に出して、その想を構へたのである。)
魯頌は人名。この詩は魯頌に別るるに際し、同姓の故を以て、古しへの魯仲連を引合に出して、その想を構へたのである。
魯仲連 (約前305年—前245年),有時簡稱魯連。戰國時代齊國茌平人(今山東省茌平縣王老鄉望魯店村),為遊說名士。曾就學於稷下學宮,不願出任官職。由於他的遊說技巧卓越,有著名的「義不帝秦」辯論。成為現代「和事佬」的代名詞。《漢書》藝文志有《鲁仲連子》14篇。
斉の人。特異卓抜な計画が好きで、宮仕えを厭い、好んで高節を堅持した。B.C.258秦軍が趙の邯鄲を包囲し、趙は魏に救援を求めた。魏安釐王は客将の新垣衍を邯鄲に潜入させ、 平原君を通じて趙孝成王に「使者を秦に遣わし尊んで帝と称するなら、 秦は喜んで兵を引き揚げるだろう」と言わせようとした。魯仲連はたまたま趙に遊説しており、平原君に新垣衍と合わせてくれるよう請うた。
魯仲連は説いて自説を取りやめるよう新垣衍を説得し、結局新垣衍は再拝して取りやめた。
秦軍が去った後、平原君は魯仲連を封じようとしたが「天下の士が貴いのは、人のために禍を除き災難を払い、紛争を解いて身に受けるところがないからである。 金を受けるのは商人のすることで連のできるところではない」と言って去り、生涯再び会わなかった。
斉の将軍田単が長狄を討とうとして、魯仲連に会いに出かけた。魯仲連は「将軍が狄をお攻めになっても、降すことはできますまい」 と言った。田単は挨拶もせずに憤然と立ち去った。しかし田単は狄を3ヶ月攻めたが降すことができなかった。
田単は再び魯仲連に見えた。魯仲連は「将軍が即墨におられたときは、決死の覚悟があり、士卒には生き延びる未練はありませんでした。たから強い燕を破ることができたのです。 ところが、いまや将軍には掖邑の領地があり、生きる楽しみがあって、死ぬ覚悟がありません。これが勝てない原因です」と言った。
田単はそこで気を奮い起こして、ついに狄を討ち破った。
燕の将軍が斉を攻め、聊城を取った。聊城の人が燕王に将軍のことを讒言したため、将軍は誅殺されることを恐れて、国に帰らなかった。 田単は聊城を討ったが、一年経っても落ちなかった。
魯仲連は燕将に書簡をもって 「孫臏や管夷吾や曹沫は小恥を知り、 小節をおこなうことができなかったのではなく、わが身を殺し、家系を断ち、子孫を絶やして功名の立たないのを智者の振舞いとしなかったのである。
願わくば公にも、その一を選んで実行されますように」と言った。
燕将は書簡を見て泣くこと3日、帰国することも降ることもできないので自殺した。田単はついに聊城をおとしいれた。
田単は王にこのことを言上し、爵位を与えようとしたが、魯仲連は逃げて海浜に隠れ「わたしは富貴の身となって人主に屈するより、むしろ貧賤のまま世を軽んじ、 思いのままに振舞いたい」と言った。
誰道泰山高,下卻魯連節。
誰か泰山を高いといふか、魯仲連の高節に比すれば、もとより圧し下れて仕舞うというものだ。
下卻 ~より劣っているという意。
泰山 山東省中部にある名山。高さは1,545m(最高峰は玉皇頂と呼ばれる)。中国五岳の一。古来信仰の対象となり、秦・漢時代から皇帝が封禅(ほうぜん) の儀式を行った所。玉皇廟など古跡が多い。
誰云秦軍眾,摧卻魯連舌。
誰か秦軍を多勢だというか、魯伸連の舌の先で、散散に打砕かれて仕舞ったという。
摧卻魯連舌 魯仲連の舌先で摧かれる。
嘲魯連子 韓愈(韓退之) <165>Ⅱ中唐詩771 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2839
獨立天地間,清風灑蘭雪。
かの魯伸連は、天地の間に獨立し、その人物の高潔なることは、清風が蘭の葉の上の雪に吹き灑ぐようである。
夫子還倜儻,攻文繼前烈。
わが魯頌も、魯仲連と同姓の縁故があるというのみならず、その人物も倜儻不羈で、はるかに、羣俗に抜き、そしで、文學を攻究して、前人の功烈を継がんとしている。
倜儻 才気があって優れていること。 「倜儻不羈(てきとうふき)」は、「信念と独立心を持ち、安易に人に左右されない」
前烈 前人のすぐれた功績。《文選.司馬相如.喻巴蜀檄》:「名聲施於無窮,功烈著而不滅。」 功業。
錯落石上松,無為秋霜折。
彼は、錯落たる石上の松に比すべきもので、どうか、秋霜に折られぬようにして欲しい。
錯落 。いろいろと、ふぞろいの物が入り混じっているさま。▽「参差」は長短・高低入り混じり、ふぞろいなさま。「錯落」はたくさんの物がごたごた入り混じるさま。
贈言鏤寶刀,千歲庶不滅。
そこで、言を贈らんとして、よって、これを賓刀にほり付けることにしたから、こいねがわくば、千歳の後までも、決して泯滅することがないように、幸に我が嘱望に負かざらんことを希望する。
鏤寶刀 南朝梁·江淹·古意報袁功曹詩「故人贈寶劍, 鏤以瑤華文。」に基づく。
- テーマ:詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
- ジャンル:学問・文化・芸術
- カテゴリ:李太白集 巻十四
- CM:0
最新記事
- 長い間ブログを休校している件について (09/01)
- 李太白集 397《太白巻23-02效古二首其一》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7573 (04/04)
- 李太白集 396《太白巻二十二40憶東山二首 其二》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7568 (04/03)
- 李太白集 395《太白巻二十二39憶東山二首 其一》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7563 (03/30)
- 李太白集 394《太白巻二十08杜陵絕句》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7558 (03/29)
- 李太白集 393《太白巻十九18朝下過盧郎中敘舊游》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7553 (03/28)
- 李太白集 392《太白巻十八12金門答蘇秀才》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7548 (03/27)
- 太白集 391《太白巻十九17下終南山過斛斯山人宿置酒》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7543 (03/26)
- 太白集 390《太白巻十六33 送長沙陳太守,二首之二》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7538 (03/25)
- 李太白集 389《太白巻十六32 送長沙陳太守,二首之一》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7533 (03/24)
- 李太白集 388《太白巻十六26 送祝八之江東賦得浣紗石》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7528 (03/23)
- 李太白集 387《太白巻十六23-《送白利從金吾董將軍西征》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7523 (03/22)
- 李太白集 386《太白巻十六21 送族弟綰從軍安西》(漢家兵馬乘北風) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7508 (03/19)
- 李太白集 385《太白巻十六18-3-《送外甥鄭灌從軍,三首之三》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7503 (03/18)
- 李太白集 384《太白巻十六18-2 送外甥鄭灌從軍,三首之二》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7498 (03/17)
- 李太白集 383《太白巻十六18-1 送外甥鄭灌從軍,三首之一》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7493 (03/16)
- 李太白集 382《太白巻十六13 送張遙之壽陽幕府》 (壽陽信天險,) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7488 (03/15)
- 李太白集 381《太白巻十六10 送程劉二侍郎兼獨孤判官赴安西幕府》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7483 (03/14)
- 李太白集 381《太白巻十六10 送程劉二侍郎兼獨孤判官赴安西幕府》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7483 (03/13)
- 李太白集 380《太白巻十六08 送竇司馬貶宜春》 (天馬白銀鞍,) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7478 (03/12)
- 李太白集 379《太白巻十四34 贈別王山人歸布山》(王子析道論,) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7473 (03/11)
- 李太白集 378《太白巻十二06-夕霽杜陵登樓寄韋繇》 (浮陽滅霽景) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7468 (03/10)
- 李太白集 377《太白巻巻十二05-《望終南山寄紫閣隱者》(出門見南山) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7463 (03/09)
- 李太白集 376《太白巻八36 贈盧徵君昆弟》 (明主訪賢逸) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7458 (03/08)
- 李太白集 375《太白巻八22 贈郭將軍》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7453 (03/07)
- 李太白集 374《太白巻六10-《同族弟金城尉叔卿燭照山水壁畫歌》 (高堂粉壁圖蓬瀛) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7448 (03/06)
- 李太白集 373《太白巻六07 西嶽雲臺歌送丹丘子》 (西嶽崢嶸何壯哉) 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7443 (03/05)
- 李太白集 372《太白巻六05 玉壺吟》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7438 (03/04)
- 李太白集 371《太白巻卷六04-《侍從宜春苑,奉詔賦龍池柳色初青,聽新鶯百囀歌》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7433 (03/03)
- 李太白集 370《太白巻五 24-秋思》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7428 (03/02)