李太白集 304《太白巻五 30李白24 子夜呉歌其四 冬》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7101
- 2015/12/21
- 22:23
李白 子夜吳歌【子夜四時歌】四首:冬歌
明朝驛使發,一夜絮征袍。 素手抽針冷,那堪把剪刀。 裁縫寄遠道,幾日到臨洮。
(四時行楽の詩で、子夜冬歌、其四首は、「冬のかじかむ素手」で、西域を守る隴右道東部 鄯州 臨洮軍にいる夫へ、「擣衣」した厚手の生地の綿入れを縫製して送る。翌朝出る便に間に合わせるため夜なべをする、冬のエピソードは、寒い夜縫製する思婦である。)
都合の良い西域方面臨洮への飛脚便が明朝、長安を立つというので、一夜なべをして、砧で柔らかくした厚い袍にたくさん綿を入れた上衣をぬった。冬の初めとはいえ、ちぎれるほどの寒さで、針仕事は手が凍えて動かず、そのうえ重たいはさみなどは持つことさえ難儀をした。それでもこれをやっとのことで縫い上げて、出立する便に頼むのであるが、夫の今いる臨洮は万里の長城の西遠く、シルクロードの分岐点の地であって、何日かかるものやら、心配でたまらない
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子夜吳歌【子夜四時歌】四首:春歌
(四時行楽の詩で、子夜春歌、其一首は、「春の素手」で、羅敷の古辞を詠ったもの。春のエピソードは羅敷である)
秦地羅敷女,採桑綠水邊。
秦地の羅敷という女がいて、緑水の辺に出て、桑の葉を摘んでいた。
素手青條上,紅妝白日鮮。
その桑の枝の青々としたところへ、真っ白な手をかけて、そして、、白日の照り輝くところへ、紅妝鮮やかに見えるのは、いかにも、人目を惹くばかり、そこを通りかかった太守がたちまち羅敷を見初めたのである。
蠶飢妾欲去,五馬莫留連。
直ちに連れて帰ろうとしたのも無理はないということだが、羅敷は決してみだらな心は持っていないから、この桑を摘んで家の蚕に与えないと飢えて死んでしまうから、私はすぐにでも帰ります。あなた様もいつまでここで待たれても仕方がないことですと言って、帰って行ったので、五頭立ての太守も羅敷を載せて連れ帰ることができなかった。
(子夜吳歌【子夜四時の歌】四首:春の歌)
秦地羅敷の女,桑を綠水の邊に採る。
素手 青條の上,紅妝 白日鮮かなり。
蠶 飢えて 妾 去らんと欲す,五馬 留連する莫れ。
年:742年天寶元年42歳 18首
卷別: 卷一六五 文體: 樂府
詩題: 子夜吳歌【子夜四時歌】四首:夏歌
作地點: 長安(京畿道 / 京兆府 / 長安)
及地點: 鑑湖 (江南東道 越州 會稽) 別名:鏡湖
若耶溪 (江南東道 越州 會稽) 別名:耶溪、若溪、浣紗溪
子夜吳歌【子夜四時歌】四首:夏歌
(四時行楽の詩で、子夜春歌、其二首は、「夏の素足」で、呉越戦争、越の西施の古辞を詠ったもの。夏のエピソードは、越の美女西施である。)
鏡湖三百里,菡萏發荷花。
鏡湖は回り巡って三百里といい、広さは、九千餘頃にわたった大きな湖で、初夏からつぼみであった蓮の花がいっぱいに咲き満ちている。
五月西施採,人看隘若耶。
五月、夏の盛りには、絶世の美女、「西施」がここに採蓮したように、越の若い娘が、採蓮の船を出している、それを見ようと若耶に人が押し寄せ、鏡湖から若耶溪の堤に人があふれるほどになる。
回舟不待月,歸去越王家。
しかし、此処の美女たちは、そんなことには頓着せず、日が暮れかかると月が昇り始める前にはさっさと船を返して、越王宮であろう、我が家に帰ってゆくのである。
(子夜吳歌【子夜 四時の歌】四首:夏の歌)
鏡湖 三百里,菡萏 荷花を發く。
五月 西施も採る,人は看る 若耶 隘しと。
舟を回して 月を待たず,歸り去る 越王の家。
子夜吳歌【子夜四時歌】四首:秋歌
(四時行楽の詩で、子夜夏歌、其三首は、当時、玄宗は西域に兵を大量に送り込み領土拡大を重ねて、最も拡大させていた。いったん出征した兵士は帰ることがなかった。秋の風物詩として手、出征の夫に送るために作業する思婦の情を詠ったもの。秋のエピソードは、布帛を、きぬたにのせて擣つ音である。)
長安一片月,萬戶搗衣聲。
時は今、秋の末、清らかな一片の月が昇ってくると、その月光は長安城中に満ちている、その明かりの中、どこの家でも砧をたたく音が聞こえてくる。
秋風吹不盡,總是玉關情。
秋風が吹いて凍える寒さになり、砧の音は絶えることもない、この時期は、西戎に出ている夫に送らんがために衣を擣つので、その一つ、一つの音、西域、玉門關やその外域の人を思う深い情を込めて擣っているのである。
何日平胡虜,良人罷遠征。
そして、その思いは、いつの日にその地の異民族を平定して凱旋するだろうか、良人は遠征をやめて、行くことがないようになるだろうか、ということだ。
(子夜吳歌【子夜 四時の歌】四首:秋の歌)
長安 一片の月、万戸 衣を擣つの声。
秋風 吹いて尽きず、総て是れ玉関の情。
何れの日か胡虜を平らげ、良人 遠征を罷めん。
年:742年天寶元年42歳 18首
卷別: 卷一六五 文體: 樂府
詩題: 子夜吳歌【子夜四時歌】四首:冬歌
作地點: 長安(京畿道 / 京兆府 / 長安)
及地點: 臨洮軍 (隴右道東部 鄯州 臨洮軍) 別名:臨洮
子夜吳歌【子夜四時歌】四首:冬歌
(四時行楽の詩で、子夜冬歌、其四首は、「冬のかじかむ素手」で、西域を守る隴右道東部 鄯州 臨洮軍にいる夫へ、「擣衣」した厚手の生地の綿入れを縫製して送る。翌朝出る便に間に合わせるため夜なべをする、冬のエピソードは、寒い夜縫製する思婦である。)明朝驛使發,一夜絮征袍。
都合の良い西域方面臨洮への飛脚便が明朝、長安を立つというので、一夜なべをして、砧で柔らかくした厚い袍にたくさん綿を入れた上衣をぬった。
素手抽針冷,那堪把剪刀。
冬の初めとはいえ、ちぎれるほどの寒さで、針仕事は手が凍えて動かず、そのうえ重たいはさみなどは持つことさえ難儀をした。
裁縫寄遠道,幾日到臨洮。
それでもこれをやっとのことで縫い上げて、出立する便に頼むのであるが、夫の今いる臨洮は万里の長城の西遠く、シルクロードの分岐点の地であって、何日かかるものやら、心配でたまらない。
子夜吳歌【子夜 四時の歌】四首:冬の歌
明朝 驛使發す,一夜 征袍を絮す。
素手 針を抽くこと冷かに,那ぞ 剪刀を把るに堪えんや。
裁縫して 遠道に寄す,幾日か 臨洮に到る。
『子夜吳歌【子夜四時歌】四首:冬歌』 現代語訳と訳註解説
(本文)
子夜吳歌【子夜四時歌】四首:冬歌
明朝驛使發,一夜絮征袍。
素手抽針冷,那堪把剪刀。
裁縫寄遠道,幾日到臨洮。
(下し文)
子夜吳歌【子夜 四時の歌】四首:冬の歌
明朝 驛使發す,一夜 征袍を絮す。
素手 針を抽くこと冷かに,那ぞ 剪刀を把るに堪えんや。
裁縫して 遠道に寄す,幾日か 臨洮に到る。
(現代語訳)
(四時行楽の詩で、子夜冬歌、其四首は、「冬のかじかむ素手」で、西域を守る隴右道東部 鄯州 臨洮軍にいる夫へ、「擣衣」した厚手の生地の綿入れを縫製して送る。翌朝出る便に間に合わせるため夜なべをする、冬のエピソードは、寒い夜縫製する思婦である。)
都合の良い西域方面臨洮への飛脚便が明朝、長安を立つというので、一夜なべをして、砧で柔らかくした厚い袍にたくさん綿を入れた上衣をぬった。
冬の初めとはいえ、ちぎれるほどの寒さで、針仕事は手が凍えて動かず、そのうえ重たいはさみなどは持つことさえ難儀をした。
それでもこれをやっとのことで縫い上げて、出立する便に頼むのであるが、夫の今いる臨洮は万里の長城の西遠く、シルクロードの分岐点の地であって、何日かかるものやら、心配でたまらない。
(訳注)
子夜吳歌【子夜四時歌】四首:冬歌
(四時行楽の詩で、子夜冬歌、其四首は、「冬のかじかむ素手」で、西域を守る隴右道東部 鄯州 臨洮軍にいる夫へ、「擣衣」した厚手の生地の綿入れを縫製して送る。翌朝出る便に間に合わせるため夜なべをする、冬のエピソードは、寒い夜縫製する思婦である。)
明朝驛使發,一夜絮征袍。
都合の良い西域方面臨洮への飛脚便が明朝、長安を立つというので、一夜なべをして、砧で柔らかくした厚い袍にたくさん綿を入れた上衣をぬった。
驛使 主要路線三十里に一か所駅を設置、駅伝制による書簡と物資輸送の制度を言うがここではその使者、飛脚を言う。
絮 綿を入れて縫い付ける。綿入れの服を作る。
征袍 出征している夫の着る厚手の衣。
素手抽針冷,那堪把剪刀。
冬の初めとはいえ、ちぎれるほどの寒さで、針仕事は手が凍えて動かず、そのうえ重たいはさみなどは持つことさえ難儀をした。
剪刀 はさみ。
裁縫寄遠道,幾日到臨洮。
それでもこれをやっとのことで縫い上げて、出立する便に頼むのであるが、夫の今いる臨洮は万里の長城の西遠く、シルクロードの分岐点の地であって、何日かかるものやら、心配でたまらない
臨洮 秦代におかれた県名で,万里の長城の西の起点。現在の甘粛省岷(びん)県。西域を守る臨洮軍 (隴右道東部 鄯州 臨洮軍) 別名:臨洮をいう。この地でシルクロードの北コース、南コースの分岐点である。
李白《巻04-05 白馬篇 》「發憤去函谷,從軍向臨洮。」
163-#2 《巻04-05 白馬篇 #2》Index-11 Ⅱ―6 -731年開元十九年31歳 43首 <163-#2> Ⅰ李白詩1372 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ5408
杜甫《巻十五17近聞》「近聞犬戎遠遁逃,牧馬不敢侵臨洮。」
近頃聞いた情報では、犬戎に等しい吐蕃国が郭子儀軍に追われて遠く逃げ去ったという、臨洮にまで侵寇していたのにそこではもう牧馬はできなくなった。
杜甫《巻五31喜聞官軍已臨賊寇 二十韻》「花門騰絕漠,拓羯渡臨洮。」
遠い沙漠に飛騰している回紇の騎兵軍団、臨桃をわたって来た安西の拓羯、彼等はいずれも援兵にやって来るのだ。
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