燕臺詩四首 其四 冬 李商隠
- 2012/01/04
- 19:56
燕臺詩四首 其四 冬#1 李商隠
其四 冬 #1
天東日出天西下,雌鳳孤飛女龍寡。
天により冬を知らされ、東の空から日は昇り、西の空へとまもなく沈むように天子は歿されたのだ。后妃はひとり寂しく大空を飛ぶのであり、龍の女としての存在に連れ添う相手もいなくなった。
青溪白石不相望,堂上遠甚蒼梧野。
青渓の娘であった「玉環」、白石の青年「寿王」はもう向かい合うこともなく、二人の使った奥座敷はもう遠いものとなった、今度は睦まじく鳳凰が棲む蒼梧の野にかわったのだ。
凍壁霜華交隱起,芳根中斷香心死。
凍てついた壁のように何もできない、発言もできなくなった。庭の木々も霜の花をつけるように、白くなり、主張していたいろんな考えも凍ったのだ。王朝内で、改革を呼びかけている者たちが、党派の間で左遷ということで根を断ち切られ、讒言あるいは宦官の策略、宦官の薬、 香木の根も芯も断ち切られ、その芯は死に絶えた。
浪乘畫舸憶蟾蜍,月娥未必嬋娟子。』
みだりにお迎え舟のようにあでやかな船に乗ったとして月の世界を思っても無駄だ、月の婦蛾があの楊貴妃の美しさに及ぶものではない。
#2
楚管蠻弦愁一概,空城罷舞腰支在。
當時歡向掌中銷,桃葉桃根雙姊妹。」
破鬟倭墮淩朝寒,白玉燕釵黃金蟬。
風車雨馬不持去,蠟燭啼紅怨天曙。』
右冬
○押韻 下,寡。野。野。子。/概,在。妹。/寒,蟬。/去,曙。
其の四 冬
天の東に日出でて 天の西に下る、雌鳳(しほう)は孤り飛び 女龍(じょりょう)は寡なり。
青渓と白石と相い望まず、堂中遠きこと 蒼梧(そうご)の野より甚だし。
凍壁の霜華(そうか) 交(こも)ごも隠起す、芳根(ほうこん)は中断し香心は死す。
浪乗(ろうじょう)す 画舸(がか)にて蟾蜍(せんじょ)を憶う、月蛾 末だ 必ずしも嬋娟(せんけん)子ならず。
楚管(そかん) 蛮絃(ばんげん) 愁いは一概、空域 舞いを罷(や)めて腰支(ようし)在り。
当時の歓びは掌中に銷ゆ、桃葉(とうよう) 桃根(とうこん) 双姉妹。
破鬟(はかん)の倭墮(わだ)朝寒を淩(しの)ぐ,白玉の燕釵(えんさ)黃金の蟬。
風車雨馬 持ち去らず,蠟燭(ろうしょく) 啼紅(ていこう) 天の曙くる を 怨む。』
燕臺詩四首 其四 冬#1 現代語訳と訳註
(本文) 其四 冬
天東日出天西下,雌鳳孤飛女龍寡。
青溪白石不相望,堂上遠甚蒼梧野。
凍壁霜華交隱起,芳根中斷香心死。
浪乘畫舸憶蟾蜍,月娥未必嬋娟子。』
(下し文) 其の四 冬
天の東に日出でて 天の西に下る、雌鳳(しほう)は孤り飛び 女龍(じょりょう)は寡なり。
青渓と白石と相い望まず、堂中遠きこと 蒼梧(そうご)の野より甚だし。
凍壁の霜華(そうか) 交(こも)ごも隠起す、芳根(ほうこん)は中断し香心は死す。
浪乗(ろうじょう)す 画舸(がか)にりて蟾蜍(せんじょ)を憶う、月蛾末だ必ずしも嬋娟(せんけん)子ならず。
(現代語訳) 冬 #1
天により冬を知らされ、東の空から日は昇り、西の空へとまもなく沈むように天子は歿されたのだ。后妃はひとり寂しく大空を飛ぶのであり、龍の女としての存在に連れ添う相手もいなくなった。
青渓の娘であった「玉環」、白石の青年「寿王」はもう向かい合うこともなく、二人の使った奥座敷はもう遠いものとなった、今度は睦まじく鳳凰が棲む蒼梧の野にかわったのだ。
凍てついた壁のように何もできない、発言もできなくなった。庭の木々も霜の花をつけるように、白くなり、主張していたいろんな考えも凍ったのだ。王朝内で、改革を呼びかけている者たちが、党派の間で左遷ということで根を断ち切られ、讒言あるいは宦官の策略、宦官の薬、 香木の根も芯も断ち切られ、その芯は死に絶えた。
みだりにお迎え舟のようにあでやかな船に乗ったとして月の世界を思っても無駄だ、月の婦蛾があの楊貴妃の美しさに及ぶものではない。
(訳注) 其四 冬 #1
天東日出天西下,雌鳳孤飛女龍寡。
天により冬を知らされ、東の空から日は昇り、西の空へとまもなく沈むように天子は歿されたのだ。后妃はひとり寂しく大空を飛ぶのであり、龍の女としての存在に連れ添う相手もいなくなった。
○天東日出 太陽が東から昇ったと思えばすぐ・天西下 西に下る。冬の日の短さをいう。○雌鳳孤飛 雌鳳は后妃、お相手の天子が死んだことを意味するもの。・女龍寡 英雄を相手に不義をしていた后妃が天子の詩に伴って、不義の相手と会えなくなったことを示す。寡は女性が連れ合いの存在がなくなったこと。 燕臺詩四首 其一 春#1 では「雄龍雌鳳」身分の違う男女交際を詠ったことが関連している。
青溪白石不相望,堂上遠甚蒼梧野。
青渓の娘であった「玉環、白石の青年「寿王」はもう向かい合うこともなく、二人の使った奥座敷はもう遠いものとなった、今度は睦まじく鳳凰が棲む蒼梧の野にかわったのだ。
○青溪 南朝の「楽府神絃歌の青渓小姑曲のことで、ここでは梁の呉均の「続斉諧記」に出てくる齢若い仙女を指す。会稽の超文韶なる者と、つかのまの歌合せをして消え去ったという。○郎 思いをやるきみ。女性が男性を呼ぶ親称。
無題(垂幡深く下ろす)
重幃深下莫愁堂、臥後清宵細細長。
紳女生涯原是夢、小姑居処本無郎。
風波不信菱枝弱、月露誰敦桂葉香。
直道相思了無益、未妨啁悵是清狂。
(莫愁のことを詠う。)其二夏篇も参照燕臺詩四首 其二 夏#1
○白石 「白石即の曲」がある。それに借りて玄宗の子の寿王とその妃の楊環をしめす。○不相望 玄宗に見初められ女道士とならせ、太真と呼んだ。逢うことはできなくなった。○堂上遠甚 大切な座敷を意味する。○蒼梧野 仙界の蒼梧桐は鳳凰の食べ物でこれがないと住まない。玄宗と楊貴妃の愛の巢をしめす。
凍壁霜華交隱起,芳根中斷香心死。
凍てついた壁のように何もできない、発言もできなくなった。庭の木々も霜の花をつけるように、白くなり、主張していたいろんな考えも凍ったのだ。王朝内で、改革を呼びかけている者たちが、党派の間で左遷ということで根を断ち切られ、讒言あるいは宦官の策略、宦官の薬、 香木の根も芯も断ち切られ、その芯は死に絶えた。
○凍壁 壁まで凍り付いて身動きが取れないさまを比喩として言う。○霜華 庭の常緑の葉に霜の花。○交隠起 くぼんだり盛り上がったり。○芳根 王朝内で、改革を呼びかけている者たちが、党派の間で左遷ということで根を断ち切られ、讒言あるいは宦官の策略、宦官の薬、 香木の根も芯も枯れる。
浪乘畫舸憶蟾蜍,月娥未必嬋娟子。』
みだりにお迎え舟のようにあでやかな船に乗ったとして月の世界を思っても無駄だ、月の婦蛾があの楊貴妃の美しさに及ぶものではない。
○浪乗 浪+動詞 浪費はみだりに~を費やす。ここではみだりに舟に乗ること。○畫舸 彩色を施した船。○蟾蜍 月を指す。河内詩二首 其一 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集150- 126
鼉鼓沈沈虬水咽、秦絲不上蠻絃絶。
常蛾衣薄不禁寒、蟾蜍夜艶秋河月。』
碧城冷落空豪煙、簾輕幕重金鉤欄。
霊香不下兩皇子、孤星直上相風竿。』
八桂林邊九芝草、短襟小鬢相逢道。
入門暗數一千春、願去閏年留月小。』
梔子交加香蓼繁、停辛佇苦留待君。』
(薬を飲んで帰られなくなった嫦娥は薄いころもをまとった月の女神となり寒さに震えている。月は蟾蜍に食べられた三日月になってはつややかに美しい、銀河と月が輝く秋の夜のできごとだ。)
〇月蛾 月のなかに住む嫦娥。李商隠 12 嫦娥詩参照。〇嬋娟 美しいこと。・嬋娟子で美女。月まで婦娥、嫦娥を連れて帰ったとしても楊貴妃の美しさと比べることさえできない
燕臺詩四首 其四 冬#2 李商隠
其四 冬 #1
天東日出天西下,雌鳳孤飛女龍寡。
青溪白石不相望,堂上遠甚蒼梧野。
凍壁霜華交隱起,芳根中斷香心死。
浪乘畫舸憶蟾蜍,月娥未必嬋娟子。』
#2
楚管蠻弦愁一概,空城罷舞腰支在。
宮廷では楚の曲や指南地方の少数民族の曲も演奏される、どちらも同じように憂愁を催す。滅亡した王朝の城郭には誰もいない、楽曲に合わせて舞踊もされたものだ、それも妖艶な腰の体つきで舞い姿をみせたのだ。
當時歡向掌中銷,桃葉桃根雙姊妹。」
あの頃の歓びというものは王の趣向に迎合して、この掌中で消えていくか細さを求め餓死者さえ出たのだ。あまたの王、富貴が姉妹を妾家として迎えた、あの王獻之の妾家に「桃葉復た桃葉、桃樹は桃根に連なる」といって桃葉・桃根姉妹と同時に歓びを求めた。
破鬟倭墮淩朝寒,白玉燕釵黃金蟬。
経験のない娘に無理矢理迫ったのだろう、その娘の髪は乱れ、矮墮の髪型のままが朝の寒さに耐えている、白玉の燕のかんざし、黄金の蝉の髪飾りをつけて精一杯のおめかしをしてきたのだろう。
風車雨馬不持去,蠟燭啼紅怨天曙。』
年を取ってきたり、ほかの女に気が移ると風の車も雨の車馬でさえもだれも運んでくれることはなくなるのだ。蝋燭は赤い涙を流し、声出して啼いても、明けてゆく大空への怨みを抱くだけなのだ。
右冬
○押韻 下,寡。野。野。子。/概,在。妹。/寒,蟬。/去,曙。
其の四 冬
天の東に日出でて 天の西に下る、雌鳳(しほう)は孤り飛び 女龍(じょりょう)は寡なり。
青渓と白石と相い望まず、堂中遠きこと 蒼梧(そうご)の野より甚だし。
凍壁の霜華(そうか) 交(こも)ごも隠起す、芳根(ほうこん)は中断し香心は死す。
浪乗(ろうじょう)す 画舸(がか)にりて蟾蜍(せんじょ)を憶う、月蛾末だ必ずしも嬋娟(せんけん)子ならず。
楚管(そかん) 蛮絃(ばんげん) 愁いは一概、空域 舞いを罷(や)めて腰支(ようし)在り。
当時の歓びは掌中に銷ゆ、桃葉(とうよう) 桃根(とうこん) 双姉妹。
破鬟(はかん)の倭墮(わだ)朝寒を淩(しの)ぐ,白玉の燕釵(えんさ)黃金の蟬。
風車雨馬 持ち去らず,蠟燭(ろうしょく) 啼紅(ていこう) 天の曙くる を 怨む。』
燕臺詩四首 其四 冬#2 現代語訳と訳註
(本文) 其四 冬
楚管蠻弦愁一概,空城罷舞腰支在。
當時歡向掌中銷,桃葉桃根雙姊妹。
破鬟矮墮淩朝寒,白玉燕釵黃金蟬。
風車雨馬不持去,蠟燭啼紅怨天曙。』
(下し文)
楚管(そかん) 蛮絃(ばんげん) 愁いは一概、空域 舞いを罷(や)めて腰支(ようし)在り。
当時の歓びは掌中に銷ゆ、桃葉(とうよう) 桃根(とうこん) 双姉妹。
破鬟(はかん)の矮墮(わだ)朝寒を淩(しの)ぐ,白玉の燕釵(えんさ)黃金の蟬。
風車雨馬 持ち去らず,蠟燭(ろうしょく) 啼紅(ていこう) 天の曙くる を 怨む。』
右 冬のうた
(現代語訳)
宮廷では楚の曲や指南地方の少数民族の曲も演奏される、どちらも同じように憂愁を催す。滅亡した王朝の城郭には誰もいない、楽曲に合わせて舞踊もされたものだ、それも妖艶な腰の体つきで舞い姿をみせたのだ。
あの頃の歓びというものは王の趣向に迎合して、この掌中で消えていくか細さを求め餓死者さえ出たのだ。あまたの王、富貴が姉妹を妾家として迎えた、あの王獻之の妾家に「桃葉復た桃葉、桃樹は桃根に連なる」といって桃葉・桃根姉妹と同時に歓びを求めた。
経験のない娘に無理矢理迫ったのだろう、その娘の髪は乱れ、矮墮の髪型のままが朝の寒さに耐えている、白玉の燕のかんざし、黄金の蝉の髪飾りをつけて精一杯のおめかしをしてきたのだろう。
年を取ってきたり、ほかの女に気が移ると風の車も雨の車馬でさえもだれも運んでくれることはなくなるのだ。蝋燭は赤い涙を流し、声出して啼いても、明けてゆく大空への怨みを抱くだけなのだ。
(訳注)
楚管蠻弦愁一概,空城罷舞腰支在。
宮廷では楚の曲や指南地方の少数民族の曲も演奏される、どちらも同じように憂愁を催す。滅亡した王朝の城郭には誰もいない、楽曲に合わせて舞踊もされたものだ、それも妖艶な腰の体つきで舞い姿をみせたのだ。
○楚管 楚の国の哀愁を帯びる管楽器。○蠻弦 蛮絃:指南地方の少数民族の弦楽器。憂愁を催す。
桂林 李商隠 :anbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集 42
○空城 滅亡した王朝の城郭には誰もいないさま。○罷舞 舞踏はもう過去のこととなった。○腰支在 妖艶な腰の体つきで舞い姿をみせた。「宮妓」詩に「披香新殿に腰支を闘わす」というように、踊り子の動きの際立つ部位。薄絹をつけて舞う宮廷での踊りは、頽廃的に性欲に訴えるものであった。
當時歡向掌中銷,桃葉桃根雙姊妹。
あの頃の歓びというものは王の趣向に迎合して、この掌中で消えていくか細さを求め餓死者さえ出たのだ。あまたの王、富貴が姉妹を妾家として迎えた、あの王獻之の妾家に「桃葉復た桃葉、桃樹は桃根に連なる」といって桃葉・桃根姉妹と同時に歓びを求めた。
○歡向 漢・成帝の寵愛を受けた趙飛燕は体が軽く、「掌上に舞う」ことができたという(『自民六帖』など)。また梁の羊侃の妓女張浄琬は腰周りがわずか一尺六寸(四十cm弱)、「掌中の舞い」ができたという(『梁書』羊侃伝)。○桃葉桃根 桃葉は東晋・王献之の愛人。「桃葉歌二首」其二「桃葉復た桃葉、桃樹は桃根に連なる。相憐れむは兩楽事なるに、獨我をして慇懃ならしむ」(『王台新詠』巻十)。そこから後人が桃菓・桃根を姉妹とする附会の説が生まれたと漏浩はいう。『土花漠漠として頽垣を囲み、中にあり桃葉桃根の魂、夜深く踏むことあまねし階下の月、憐れなり羅襪の終に痕なきを。』
「楚王細腰を好み朝に餓人有り」
お上の好む所に下の者が迎合するたとえで、そのために弊害が生じやすいこと。春秋時代に、楚王が腰の細い美女を好んだので、迎合する官僚、宮女たちは痩せようとして食事をとらなくなり、餓死する者が多く出たという話から。「楚王細腰を好みて宮中餓死多し」ともいう。なお、楚王については、荘王とする説と霊王とする説がある。
破鬟矮墮淩朝寒,白玉燕釵黃金蟬。
経験のない娘に無理矢理迫ったのだろう、その娘の髪は乱れ、矮墮の髪型のままが朝の寒さに耐えている、白玉の燕のかんざし、黄金の蝉の髪飾りをつけて精一杯のおめかしをしてきたのだろう。
○矮墮 女性の髪型。楽府「陌上桑」に羅敷の美しさを述べて、「頭上には倭堕の髻、耳中には明月の珠」。「破贅」はそれが乱れていることをいう。悲愁のために憔悴した女性の姿を描く。○白玉 白玉の燕のかんざしのこと。燕釵:「釵頭雙白燕」。
聖女詞
松篁臺殿蕙香幃、龍護瑤窗鳳掩扉。
無質易迷三里霧、不寒長著五銖衣。
人閒定有崔羅什、天上應無劉武威。
寄問釵頭雙白燕、毎朝珠館幾時歸。
○蝉 髪飾り。この二句は聖女詞のイメージそのままである。
風車雨馬不持去,蠟燭啼紅怨天曙。』
女が年を取ってきた、ほかの女に気が移ると風の車も雨の車馬でさえもだれも運んでくれることがなくなるのだ。寵愛を失ったもの、評価をされないもの、蝋燭は赤い涙を流し、声出して啼いても、明けてゆく大空への怨みを抱くだけなのだ。
○風車雨馬 風雨が車馬となって彼女を運んではくれない。西晋・博玄「擬北楽府三首」『燕人美篇』(『王台新詠』巻九)「燕人美兮趙女佳,其室則邇兮限層崖。 云爲車兮風爲馬,玉在山兮蘭在野。 云無期兮風有止,思心多端兮誰能理。」(燕人は美なり。其室は近きも雲は車と為り風は馬と為る。) ○蠟燭啼紅 赤い蝋燭が血のような赤い涙を垂れる。じ白居易「夜宴惜別」詩に「燭暗きて紅涙 誰が為にか流す」。
○詩型 七言古詩。
○押韻 下,寡。野。野。子。/概,在。妹。/寒,蟬。/去,曙。
国王の趣向というものが国を滅ぼした。それは、王朝貴族がお上の好む所に下の者が迎合することにある。そのために弊害が生じやすいこと。春秋の楚王が腰の細い美女を好んだので、迎合する官僚、宮女たちは痩せようとし、周りも食事をとらせなかった。餓死する者まで多く出したという。「楚王細腰を好みて宮中餓死多し」ともいうことだ。これに王朝内で、宦官の働きが問題になることが多くあった。
網の目のように情報を集め、美女をかき集めてくるのだ。美人であれば、姉妹ごと天子のもとに送られた。生娘から十数年の間の栄華に一族揚げて送り出したのだ。李商隠は、宮女、妓女のこうした運命と自分を重ねて表現したのだ。
其四 冬 #1
天東日出天西下,雌鳳孤飛女龍寡。
青溪白石不相望,堂上遠甚蒼梧野。
凍壁霜華交隱起,芳根中斷香心死。
浪乘畫舸憶蟾蜍,月娥未必嬋娟子。』
#2
楚管蠻弦愁一概,空城罷舞腰支在。
當時歡向掌中銷,桃葉桃根雙姊妹。」
破鬟倭墮淩朝寒,白玉燕釵黃金蟬。
風車雨馬不持去,蠟燭啼紅怨天曙。』
右冬
○押韻 下,寡。野。野。子。/概,在。妹。/寒,蟬。/去,曙。
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