李太白集 309《太白巻十五21魯城北郭曲腰桑下送張子還嵩陽》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7126
- 2015/12/26
- 22:49
李白 魯城北郭曲腰桑下送張子還嵩陽
送別枯桑下,凋葉落半空。我行懵道遠,爾獨知天風。
誰念張仲蔚,還依蒿與蓬。何時一杯酒,更與李膺同。
(この詩は、魯城の北郭である曲腰といふ処の桑下に於いて、張某の嵩山の南に還るのを送って作ったものである。)
君の嵩山の南に行くのを送って、枯桑の下に佇めば、黄ばんだ葉が、はらはらと半空より落ちて来る。われは、道の遠いことをも知らず、茫然として居るが、桑は、時の風を知って、かくは落ちて来るので、ひとしお淒涼の趣を添える。隠棲をしていて誰に知られることもない高士であった張仲蔚に此すべき君は、ここを去って、蓬蒿の中に隠れ住む。また、何時、この生まれつき礼法にこだわらず、亢然としていて人と交際しなかったという李膺と共に一杯の酒を酌むであらうか。あわれ、再会期すべからず、この恨、愈よ堪へ難きを覚える。
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年:742年天寶元年42歳 18首
卷別: 卷一七五 文體: 五言古詩
詩題: 魯城北郭曲腰桑下送張子還嵩陽
作地點: 瑕丘(河南道 / 兗州 / 瑕丘)
及地點: 瑕丘 (河南道 兗州 瑕丘) 別名:魯城、沙丘城、魯東門
交遊人物/地點:張謂 當地交遊(河南道 兗州 瑕丘)
魯城北郭曲腰桑下送張子還嵩陽
(この詩は、魯城の北郭である曲腰といふ処の桑下に於いて、張某の嵩山の南に還るのを送って作ったものである。)
送別枯桑下,凋葉落半空。
君の嵩山の南に行くのを送って、枯桑の下に佇めば、黄ばんだ葉が、はらはらと半空より落ちて来る。
我行懵道遠,爾獨知天風。
われは、道の遠いことをも知らず、茫然として居るが、桑は、時の風を知って、かくは落ちて来るので、ひとしお淒涼の趣を添える。
誰念張仲蔚,還依蒿與蓬。
隠棲をしていて誰に知られることもない高士であった張仲蔚に此すべき君は、ここを去って、蓬蒿の中に隠れ住む。
何時一杯酒,更與李膺同。
また、何時、この生まれつき礼法にこだわらず、亢然としていて人と交際しなかったという李膺と共に一杯の酒を酌むであらうか。あわれ、再会期すべからず、この恨、愈よ堪へ難きを覚える。
(魯城 北郭 曲腰の桑下に 張子の嵩陽に還るを送る)
別を送る 枯桑の下,葉を凋る 半空に落つ。
我が行 道の遠きに懵し,爾 獨り天風を知る。
誰か念わん 張仲蔚,還た依る 蒿と蓬と。
何れの時か 一杯の酒,更に 李膺と同じゅうせん。
『魯城北郭曲腰桑下送張子還嵩陽』 現代語訳と訳註解説
(本文)
魯城北郭曲腰桑下送張子還嵩陽
送別枯桑下,凋葉落半空。
我行懵道遠,爾獨知天風。
誰念張仲蔚,還依蒿與蓬。
何時一杯酒,更與李膺同。
(下し文)
(魯城 北郭 曲腰の桑下に 張子の嵩陽に還るを送る)
別を送る 枯桑の下,葉を凋る 半空に落つ。
我が行 道の遠きに懵し,爾 獨り天風を知る。
誰か念わん 張仲蔚,還た依る 蒿と蓬と。
何れの時か 一杯の酒,更に 李膺と同じゅうせん。
(現代語訳)
(この詩は、魯城の北郭である曲腰といふ処の桑下に於いて、張某の嵩山の南に還るのを送って作ったものである。)
君の嵩山の南に行くのを送って、枯桑の下に佇めば、黄ばんだ葉が、はらはらと半空より落ちて来る。
われは、道の遠いことをも知らず、茫然として居るが、桑は、時の風を知って、かくは落ちて来るので、ひとしお淒涼の趣を添える。
隠棲をしていて誰に知られることもない高士であった張仲蔚に此すべき君は、ここを去って、蓬蒿の中に隠れ住む。
また、何時、この生まれつき礼法にこだわらず、亢然としていて人と交際しなかったという李膺と共に一杯の酒を酌むであらうか。あわれ、再会期すべからず、この恨、愈よ堪へ難きを覚える。
(訳注)
魯城北郭曲腰桑下送張子還嵩陽
(この詩は、魯城の北郭である曲腰といふ処の桑下に於いて、張某の嵩山の南に還るのを送って作ったものである。)
送別枯桑下,凋葉落半空。
君の嵩山の南に行くのを送って、枯桑の下に佇めば、黄ばんだ葉が、はらはらと半空より落ちて来る。
○枯桑 古楽府に《飲馬長城窟行》「枯桑知天風、海水知天寒。」とある。
我行懵道遠,爾獨知天風。
われは、道の遠いことをも知らず、茫然として居るが、桑は、時の風を知って、かくは落ちて来るので、ひとしお淒涼の趣を添える。
○懵 暗いこと。
誰念張仲蔚,還依蒿與蓬。
隠棲をしていて誰に知られることもない高士であった張仲蔚に此すべき君は、ここを去って、蓬蒿の中に隠れ住む。
○張仲蔚 張仲蔚という人物は高士であったが、隠棲をしていて誰に知られることもなく世を送っていた。その力を見出したのが、後漢の劉孟公であった。陶潛は“《飮酒 其十六》「孟公不在茲,終以翳吾情。」(孟公 茲には在らず,終に以て吾が情を翳らす。)孟公のような、世に隠れている有能な隠士である張仲蔚のような者を見出せる人物は、今の時代には、いない。そのようなことが結局、わたしの心を暗くさせている。”と李白と同じ使い方をしている。
晉皇甫謐《高士傳 張仲蔚》「「張仲蔚者,平陵人也,與同郡魏景卿俱修道德,隱身不仕。明天官博物,善屬文,好賦詩,常居窮素,所處蓬蒿沒人,閉門養性,不治榮名,時人莫識,惟劉、龔知之。」(張仲蔚は,平陵の人なり,與同郡の魏景卿と俱に道德を修め,身を隱して仕えず。天官博物に明かに,善く文を屬し,賦詩を好み,常に窮素に居り,處る所 蓬蒿 人を沒し,門を閉じ 性を養い,榮名を治めず,時人 識る莫れ,惟だ劉、龔 之を知る。)
何時一杯酒,更與李膺同。
また、何時、この生まれつき礼法にこだわらず、亢然としていて人と交際しなかったという李膺と共に一杯の酒を酌むのであらうか。あわれ、再会期すべからず、この恨、愈よ 堪へ難きを覚える。
○李膺 後漢時代の官僚。字は元礼。潁川郡襄城県の人。祖父の李脩は、安帝の治世、太尉。父の李益は趙国の相であった。子は李瓚。生まれつき礼法にこだわらず、亢然としていて人と交際しなかったという。ただ同郡の荀淑、陳寔らを師友とした。
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- カテゴリ:李太白集 巻五
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