李太白集 313《太白巻十九09遊泰山,六首之三》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7144
- 2016/01/05
- 21:12
平明登日觀,舉手開雲關。精神四飛揚,如出天地間。黃河從西來,窈窕入遠山。
遊泰山,六首の三(道教の友人と泰山に上って南天門に到着するまでを遊仙の詩として記した。:幻想の中、緑黒髪の仙童に出逢ったが、その風姿は脱俗しているが、仙学を学んで間もないというが、たちまち見えなくなったが、感慨に堪えないことであった。)
夜明けごろ、名だたる日觀峰に攀じ登り、手を挙げて門勢を爲す雲を推し開こうとした。開けだしたその時、精神は四方に飛揚し、天地の中間より脱出した様な気がした。
眺めやれば、黄河は、遥かに西より流れ来て、かすかに美しくしとやかに遠山の内に廻り入ってしまう。
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年:742年天寶元年42歳 18首
卷別: 卷一七九 文體: 五言古詩
詩題: 遊泰山,六首之三【案:天寶元年四月,從故御道上泰山。】
作地點: 目前尚無資料
及地點: 泰山 (河南道 兗州 泰山) 別名:岱宗、岱、東岳
日觀峰 (河南道 兗州 泰山)
泰山,六首之三
遊泰山,六首の三(道教の友人と泰山に上って南天門に到着するまでを遊仙の詩として記した。:幻想の中、緑黒髪の仙童に出逢ったが、その風姿は脱俗しているが、仙学を学んで間もないというが、たちまち見えなくなったが、感慨に堪えないことであった。)
平明登日觀,舉手開雲關。
夜明けごろ、名だたる日觀峰に攀じ登り、手を挙げて門勢を爲す雲を推し開こうとした。
精神四飛揚,如出天地間。
開けだしたその時、精神は四方に飛揚し、天地の中間より脱出した様な気がした。
黃河從西來,窈窕入遠山。
眺めやれば、黄河は、遥かに西より流れ来て、かすかに美しくしとやかに遠山の内に廻り入ってしまう。
憑崖攬八極,目盡長空閒。
偶然值青童,綠髮雙雲鬟。
笑我晚學仙,蹉跎凋朱顏。
躊躇忽不見,浩蕩難追攀。
(泰山,六首之三)#1
平明、日觀に登り、手を挙げて雲関を開く。
精神 四に飛揚、天地の間を出づるが如し。
黄河、西より来たり、窈窕、遠山に入る。
#2
崖に憑って八極を攬し,目盡きて長空閒なり。
偶然 青童に值う,綠髮 雙雲の鬟。
笑う 我が晚に仙を學び,蹉跎 朱顏を凋む。
躊躇 忽ち見えず,浩蕩 追攀し難し。
『泰山,六首之三』 現代語訳と訳註解説
(本文)
泰山,六首之三
平明登日觀,舉手開雲關。
精神四飛揚,如出天地間。
黃河從西來,窈窕入遠山。
(下し文)
(泰山,六首之三)#1
平明、日觀に登り、手を挙げて雲関を開く。
精神 四に飛揚、天地の間を出づるが如し。
黄河、西より来たり、窈窕、遠山に入る。
(現代語訳)
遊泰山,六首の三(道教の友人と泰山に上って南天門に到着するまでを遊仙の詩として記した。:幻想の中、緑黒髪の仙童に出逢ったが、その風姿は脱俗しているが、仙学を学んで間もないというが、たちまち見えなくなったが、感慨に堪えないことであった。)
夜明けごろ、名だたる日觀峰に攀じ登り、手を挙げて門勢を爲す雲を推し開こうとした。
開けだしたその時、精神は四方に飛揚し、天地の中間より脱出した様な気がした。
眺めやれば、黄河は、遥かに西より流れ来て、かすかに美しくしとやかに遠山の内に廻り入ってしまう。
(訳注)#1
泰山,六首之三
遊泰山,六首之三
遊泰山,六首の三(道教の友人と泰山に上って南天門に到着するまでを遊仙の詩として記した。:幻想の中、緑黒髪の仙童に出逢ったが、その風姿は脱俗しているが、仙学を学んで間もないというが、たちまち見えなくなったが、感慨に堪えないことであった。)
【自註:天寶元年四月,從故御道上泰山。】
【742年天寶元年四月、先に玄宗が登った御道に従って上ったものである。】
泰山 山東省泰安市にある山。高さは1,545m。 封禅の儀式が行われる山として名高い。 道教の聖地である五つの山のひとつ。五岳独尊とも言われ、五岳でもっとも尊いとされる。
平明登日觀,舉手開雲關。
夜明けごろ、名だたる日觀峰に攀じ登り、手を挙げて門勢を爲す雲を推し開こうとした。
日觀 日觀峰 (河南道 兗州 泰山)。《水經注‧汶水》引漢應劭《漢官儀》「泰山東南山頂名曰日觀。 日觀者, 雞一鳴時, 見日始欲出, 長三丈許, 故以名焉。” 《水經の注‧汶水》漢の應劭《漢官儀》に引く:泰山の東南山頂 名づけて日觀と曰う。 日觀は, 雞 一たび鳴く時,日の始めて出でんと欲するを見ん, 長さ三丈許, 故に以て名づく。
雲關 雲が門扉のように見えること。雲が門勢を爲す。
精神四飛揚,如出天地間。
開けだしたその時、精神は四方に飛揚し、天地の中間より脱出した様な気がした。
黃河從西來,窈窕入遠山。
眺めやれば、黄河は、遥かに西より流れ来て、かすかに美しくしとやかに遠山の内に廻り入ってしまう。
黃河 泰山のすそ野を帯のように西から東に流れている。
窈窕 かすかに美しくしとやかなさま。上品で奥ゆかしいさま。
泰山,六首之三
遊泰山,六首の三(道教の友人と泰山に上って南天門に到着するまでを遊仙の詩として記した。:幻想の中、緑黒髪の仙童に出逢ったが、その風姿は脱俗しているが、仙学を学んで間もないというが、たちまち見えなくなったが、感慨に堪えないことであった。)
平明登日觀,舉手開雲關。
夜明けごろ、名だたる日觀峰に攀じ登り、手を挙げて門勢を爲す雲を推し開こうとした。
精神四飛揚,如出天地間。
開けだしたその時、精神は四方に飛揚し、天地の中間より脱出した様な気がした。
黃河從西來,窈窕入遠山。
眺めやれば、黄河は、遥かに西より流れ来て、かすかに美しくしとやかに遠山の内に廻り入ってしまう。
#2
憑崖攬八極,目盡長空閒。
そこで、断崖により、俯仰して八極を曠覧すれば、目力すでに尽きるも、長空は、猶お闊然としている。
偶然值青童,綠髮雙雲鬟。
その時、どこからか青童に逢ったが、緑黒髪を雙鬟に結い上げ、一見して仙人に使われている子供と知られる位、その風姿も、自然脱俗して居る。
笑我晚學仙,蹉跎凋朱顏。
しかし、私は、晩年に成って、はじめて仙を學び、志、未だ遂げてはいないのに、朱顔すでに凋零せしを憐笑しているところだ。
躊躇忽不見,浩蕩難追攀。
なるほどと思って、ぐずぐずしている内に、忽ち見えなくなり、その跡は、浩蕩として尋ねることもできないが、青童の「出てきて、すぐ消える」、まことに、感慨に堪へなかった。
(泰山,六首之三)#1
平明、日觀に登り、手を挙げて雲関を開く。
精神 四に飛揚、天地の間を出づるが如し。
黄河、西より来たり、窈窕、遠山に入る。
#2
崖に憑って八極を攬し,目盡きて長空閒なり。
偶然 青童に值う,綠髮 雙雲の鬟。
笑う 我が晚に仙を學び,蹉跎 朱顏を凋む。
躊躇 忽ち見えず,浩蕩 追攀し難し。
『泰山,六首之三』 現代語訳と訳註解説
(本文)
#2
憑崖攬八極,目盡長空閒。
偶然值青童,綠髮雙雲鬟。
笑我晚學仙,蹉跎凋朱顏。
躊躇忽不見,浩蕩難追攀。
(下し文)
#2
崖に憑って八極を攬し,目盡きて長空閒なり。
偶然 青童に值う,綠髮 雙雲の鬟。
笑う 我が晚に仙を學び,蹉跎 朱顏を凋む。
躊躇 忽ち見えず,浩蕩 追攀し難し。
(現代語訳)
#2
そこで、断崖により、俯仰して八極を曠覧すれば、目力すでに尽きるも、長空は、猶お闊然としている。
その時、どこからか青童に逢ったが、緑黒髪を雙鬟に結い上げ、一見して仙人に使われている子供と知られる位、その風姿も、自然脱俗して居る。
しかし、私は、晩年に成って、はじめて仙を學び、志、未だ遂げてはいないのに、朱顔すでに凋零せしを憐笑しているところだ。
なるほどと思って、ぐずぐずしている内に、忽ち見えなくなり、その跡は、浩蕩として尋ねることもできないが、青童の「出てきて、すぐ消える」、まことに、感慨に堪へなかった。
(訳注)#2
遊泰山,六首之三
遊泰山,六首の三(道教の友人と泰山に上って南天門に到着するまでを遊仙の詩として記した。:幻想の中、緑黒髪の仙童に出逢ったが、その風姿は脱俗しているが、仙学を学んで間もないというが、たちまち見えなくなったが、感慨に堪えないことであった。)
【自註:天寶元年四月,從故御道上泰山。】
【742年天寶元年四月、先に玄宗が登った御道に従って上ったものである。】
泰山 山東省泰安市にある山。高さは1,545m。 封禅の儀式が行われる山として名高い。 道教の聖地である五つの山のひとつ。五岳独尊とも言われ、五岳でもっとも尊いとされる。
憑崖攬八極,目盡長空閒。
そこで、断崖により、俯仰して八極を曠覧すれば、目力すでに尽きるも、長空は、猶お闊然としている。
八極 『淮南子』にある八紘より外のことをいう。すなわち八方の極遠にまで達するひろがること、敵の門(防御)を打ち開(破)いてすすむこと。
偶然值青童,綠髮雙雲鬟。
その時、どこからか青童に逢ったが、緑黒髪を雙鬟に結い上げ、一見して仙人に使われている子供と知られる位、その風姿も、自然脱俗して居る。
青童 仙人に使われている子供。
笑我晚學仙,蹉跎凋朱顏。
しかし、私は、晩年に成って、はじめて仙を學び、志、未だ遂げてはいないのに、朱顔すでに凋零せしを憐笑しているところだ。
蹉跎 つまずいて時機を失すること。[形動タリ]時機を逸しているさま。不遇であるさま。
躊躇忽不見,浩蕩難追攀。
なるほどと思って、ぐずぐずしている内に、忽ち見えなくなり、その跡は、浩蕩として尋ねることもできないが、青童の「出てきて、すぐ消える」、まことに、感慨に堪へなかった。
躊躇 あれこれ迷って決心できないこと。ためらうこと。
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- カテゴリ:李太白集 巻十九
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