李太白集 366《太白巻五12 紫騮馬》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7408
- 2016/02/27
- 20:57
李白 紫騮馬
紫騮行且嘶,雙翻碧玉蹄。臨流不肯渡,似惜錦障泥。
白雪關山遠,黃雲海戍迷。揮鞭萬里去,安得念春閨。
(西域の邊塞後の守りには紫騮馬の跨ってゆくものであるが、賢い馬なので、功をなすことだろう、ただ問題は、あまりにいい馬であるために、家で待つ妻のことを思い出す暇がないということになってしまう)
わが赤毛の駒は、路を行きながら、嘶きつつ、碧玉の如き蹄を遊び翻して足なみも、極めて静かで賢いのである。途中に流水に遇ったら王濟のように馬のことがわかっているから渡らないし、当然、錦の泥よけを汚すことを恐れるからで、さすがに、名馬である。今、この馬に跨り、遠く出でて邊塞を守れば、白雪、黄雲の地であり、關山遠くして、望むものであるが、青海となれば、亦た この馬であっても迷うであろう。但し、鞭を揮って萬李の先へ馳せ行く間は、意、功名の事だけに専念して、里心を起こし、香閏を守って居る人を思う暇などどうしてあるものか。
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年:743年天寶二年43歳 94首-(49)
卷別: 卷一六五 文體: 樂府
詩題: 紫騮馬
作地點: 長安(京畿道 / 京兆府 / 長安)
寫及地點:無
交遊人物/地點:
紫騮馬
(西域の邊塞後の守りには紫騮馬の跨ってゆくものであるが、賢い馬なので、功をなすことだろう、ただ問題は、あまりにいい馬であるために、家で待つ妻のことを思い出す暇がないということになってしまう)
紫騮行且嘶,雙翻碧玉蹄。
わが赤毛の駒は、路を行きながら、嘶きつつ、碧玉の如き蹄を遊び翻して足なみも、極めて静かで賢いのである。
臨流不肯渡,似惜錦障泥。
途中に流水に遇ったら王濟のように馬のことがわかっているから渡らないし、当然、錦の泥よけを汚すことを恐れるからで、さすがに、名馬である。
白雪關山遠,黃雲海戍迷。
今、この馬に跨り、遠く出でて邊塞を守れば、白雪、黄雲の地であり、關山遠くして、望むものであるが、青海となれば、亦た この馬であっても迷うであろう。
揮鞭萬里去,安得念春閨。
但し、鞭を揮って萬李の先へ馳せ行く間は、意、功名の事だけに専念して、里心を起こし、香閏を守って居る人を思う暇などどうしてあるものか。
(紫騮馬)
紫騮 行いて且つ嘶く,雙翻す 碧玉の蹄。
流に臨んで 肯て渡らず,惜むに似たり 錦障の泥を。
白雪 關山遠く,黃雲 海戍迷う。
鞭を揮って萬里に去る,安ぞ得ん 春閨を念うを。
『紫騮馬』 現代語訳と訳註解説
(本文)
紫騮馬
紫騮行且嘶,雙翻碧玉蹄。
臨流不肯渡,似惜錦障泥。
白雪關山遠,黃雲海戍迷。
揮鞭萬里去,安得念春閨。
詩文(含異文)
紫騮行且嘶,雙翻碧玉蹄。臨流不肯渡,似惜錦障泥。白雪關山遠【白雪關城遠】,黃雲海戍迷【黃雲海樹迷】。揮鞭萬里去,安得念春閨【安得戀春閨】。
(下し文)
(紫騮馬)
紫騮 行いて且つ嘶く,雙翻す 碧玉の蹄。
流に臨んで 肯て渡らず,惜むに似たり 錦障の泥を。
白雪 關山遠く,黃雲 海戍迷う。
鞭を揮って萬里に去る,安ぞ得ん 春閨を念うを。
(現代語訳)
紫騮馬(西域の邊塞後の守りには紫騮馬の跨ってゆくものであるが、賢い馬なので、功をなすことだろう、ただ問題は、あまりにいい馬であるために、家で待つ妻のことを思い出す暇がないということになってしまう)
わが赤毛の駒は、路を行きながら、嘶きつつ、碧玉の如き蹄を遊び翻して足なみも、極めて静かで賢いのである。
途中に流水に遇ったら王濟のように馬のことがわかっているから渡らないし、当然、錦の泥よけを汚すことを恐れるからで、さすがに、名馬である。
今、この馬に跨り、遠く出でて邊塞を守れば、白雪、黄雲の地であり、關山遠くして、望むものであるが、青海となれば、亦た この馬であっても迷うであろう。
但し、鞭を揮って萬李の先へ馳せ行く間は、意、功名の事だけに専念して、里心を起こし、香閏を守って居る人を思う暇などどうしてあるものか。
紫騮馬
(西域の邊塞後の守りには紫騮馬の跨ってゆくものであるが、賢い馬なので、功をなすことだろう、ただ問題は、あまりにいい馬であるために、家で待つ妻のことを思い出す暇がないということになってしまう)
紫騮馬は、楽府題にして、横吹曲に属し、古辭に十五従軍征、八十始得帰。道逢郷里人 、家中有阿誰。遥望是君家 、松柏冢纍纍。(十五にして軍に従いて征き、八十にして始めて帰るを得たり。道に郷里の人に逢う、家中に何誰か有りや。遥かに望む是れ君が家、松柏の冢【つか】纍纍たり。)といい、梁の同題の曲に「獨柯不成樹、獨樹不成林、念郎錦禰襠、 恒長不忘心。」といい、大抵、従軍久戍、歸るを懐うという作であるが、梁の簡文帝、元帝、陳の後主、徐陵の諸作に至りては、単に馬を詠じて居る。李白の此詩は、両者を抱きませた様なもので、なお多少の古色があるというものである。
巻三20採蓮曲
若耶溪傍採蓮女,笑隔荷花共人語。
日照新妝水底明,風飄香袂空中舉。
岸上誰家遊冶郎,三三五五映垂楊。
紫騮嘶入落花去,見此踟躕空斷腸。
紫騮行且嘶,雙翻碧玉蹄。
わが赤毛の駒は、路を行きながら、嘶きつつ、碧玉の如き蹄を遊び翻して足なみも、極めて静かで賢いのである。
紫騮 赤毛の馬、説文に「騮は赤馬、黒毛の尾あり」とあり、爾雅の註に「赤色黒鬣」とある。紫は、つまり赤の濃いものである。鄭玄の毛詩箋に「赤身黒鬣を騮という。」とある。
《巻三20採蓮曲》「紫騮嘶入落花去。 見此踟躕空斷腸。 」
《巻五12紫騮馬》「紫騮行且嘶。 雙翻碧玉蹄。 臨流不肯渡。 似惜錦障泥。 」
《巻十七27宣城送劉副使入秦》「昔贈紫騮駒。 今傾白玉卮。 同歡萬斛酒。 未足解相思。」
碧玉蹄 馬蹄の美しさを形容していう。 亦た良馬、賢い馬をいう。沈佺期《驄馬》「西北五花驄,來時道向東。四蹄碧玉片,雙眼黃金瞳。 鞍上留明月,嘶間動朔風。借君馳沛艾,一戰取雲中。」とある。
臨流不肯渡,似惜錦障泥。
途中に流水に遇ったら王濟のように馬のことがわかっているから渡らないし、当然、錦の泥よけを汚すことを恐れるからで、さすがに、名馬である。
臨流不肯渡 《晉書‧王濟傳》“濟善解馬性, 嘗乘一馬, 著連乾鄣泥, 前有水, 終不肯渡。濟云:「此必是惜鄣泥。」使人解去,便渡。”(王濟善く馬の性を解す、かつて、一馬に乗り、連金の障泥を著く。前に水あれば、終に肯て渡らず。済云ふ、これ必ず障泥は惜しむならむと。人をして解き去らしめ、便ち渡る)とある。
王済は馬の性質をよく理解した。かつて馬に乗っていると、乾いて道を塞ぐ泥が連なっており、前方には川があった。ついに王済は、馬に川を渡らせなかった。王済は「馬が泥で汚れるとイヤだ」と言った。人に(泥の障壁を)壊させてから、渡った。ゆえに杜預は「王済には馬癖がある」と言われた。
白雪關山遠,黃雲海戍迷。
今、この馬に跨り、遠く出でて邊塞を守れば、白雪、黄雲の地であり、關山遠くして、望むものであるが、青海となれば、亦た この馬であっても迷うであろう。
白雪,黃雲 ともに成名。白雪に、吐蕃との閥境に常り、責書は.何虞だか分らねが、海戊といへぼ、いづれ青海近傍であらう。
揮鞭萬里去,安得念春閨。
但し、鞭を揮って萬李の先へ馳せ行く間は、意、功名の事だけに専念して、里心を起こし、香閏を守って居る人を思う暇などどうしてあるものか。
念春閨 里心を起こし、香閏を守って居る人を思うこと、手紙の一つを書くこと。
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- カテゴリ:李太白集 巻五
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