李太白集 381《太白巻十六10 送程劉二侍郎兼獨孤判官赴安西幕府》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7483
- 2016/03/14
- 21:22
李白 送程劉二侍郎兼獨孤判官赴安西幕府
安西幕府多材雄,喧喧惟道三數公。繡衣貂裘明積雪,飛書走檄如飄風。
朝辭明主出紫宮,銀鞍送別金城空。天外飛霜下蔥海,火旗雲馬生光彩。
胡塞清塵幾日歸,漢家草綠遙相待。
(侍御劉胱、及び程某、判官獨孤峻の三人が、安西都護府に赴任するのを送る詩)
安西都護府は、西域一帯の地を牽制するから、その必要上、才気雄傑の人が多いが、その中でも、喧喧として、人口に上るのは、侍御の劉胱、程某、判官の獨孤峻の三数公といわれる人たちである。三数公は、繍衣をつけ、貂裘を披き、それが満地の積雪より明かに、そして、書を飛ばしたり、檄を走らせたりする場合に、その疾いことは、さながら飄風の如く、まことに、あっぱれの人物で、それなればこそ、この重職も、やすやすと務まるわけである。今次、三数公は、朝に聖明の君に辭して、紫微垣より出て、そして、その行を送る人人は、馬に銀鞍を置いて、美美しき打扮、しかも、その数の多いことは、長安城が空に成るかとおもうくらいである。これより、行く手の路は、いとも遥かにして、天外の飛霜は、葱海に下り、まことに凄寒に堪へられぬが、一行は、火のやうな赤い旗を押し立て、相従う人馬の多きことは、雲の如く、まことに見事である。かくて、何れの時かに胡塞の塵が収まって、目出たく歸京せらるるか、都に於では、春囘り、草再び緑にして、遥かに三数公の歸るのを待って居るのである。
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年:743年天寶二年43歳 94首-(64)
卷別: 卷一七六 文體: 七言古詩
詩題: 送程劉二侍郎兼獨孤判官赴安西幕府
作地點: 長安(京畿道 / 京兆府 / 長安)
及地點: 安西都護府 (隴右道西部 無第二級行政層級 安西都護府)別名:安西、安西幕府交遊人物/地點:程侍郎 當地交遊(京畿道 京兆府 長安)
劉眺 當地交遊(京畿道 京兆府 長安)
獨孤峻 當地交遊(京畿道 京兆府 長安)
送程劉二侍郎兼獨孤判官赴安西幕府
(侍御劉胱、及び程某、判官獨孤峻の三人が、安西都護府に赴任するのを送る詩)
安西幕府多材雄,喧喧惟道三數公。
安西都護府は、西域一帯の地を牽制するから、その必要上、才気雄傑の人が多いが、その中でも、喧喧として、人口に上るのは、侍御の劉胱、程某、判官の獨孤峻の三数公といわれる人たちである。
繡衣貂裘明積雪,飛書走檄如飄風。
三数公は、繍衣をつけ、貂裘を披き、それが満地の積雪より明かに、そして、書を飛ばしたり、檄を走らせたりする場合に、その疾いことは、さながら飄風の如く、まことに、あっぱれの人物で、それなればこそ、この重職も、やすやすと務まるわけである。
朝辭明主出紫宮,銀鞍送別金城空。
今次、三数公は、朝に聖明の君に辭して、紫微垣より出て、そして、その行を送る人人は、馬に銀鞍を置いて、美美しき打扮、しかも、その数の多いことは、長安城が空に成るかとおもうくらいである。
天外飛霜下蔥海,火旗雲馬生光彩。
これより、行く手の路は、いとも遥かにして、天外の飛霜は、葱海に下り、まことに凄寒に堪へられぬが、一行は、火のやうな赤い旗を押し立て、相従う人馬の多きことは、雲の如く、まことに見事である。
胡塞清塵幾日歸,漢家草綠遙相待。
かくて、何れの時かに胡塞の塵が収まって、目出たく歸京せらるるか、都に於では、春囘り、草再び緑にして、遥かに三数公の歸るのを待って居るのである。
(程・劉二侍郎の獨孤判官と安西幕府に赴くを送る)
安西の幕府 材雄多し,喧喧 惟だ道う 三數公。
繡衣 貂裘 積雪よりも明かに,書を飛ばし 檄を走らすこと 飄風の如し。
朝 明主を辭して 紫宮を出で,銀鞍 別を送って 金城空し。
天外の飛霜 蔥海に下り,火旗雲馬 光彩を生ず。
胡塞 塵を清めて 幾日か歸る,漢家 草綠にして遙に相い待つ。
『送程劉二侍郎兼獨孤判官赴安西幕府』 現代語訳と訳註解説
(本文)
送程劉二侍郎兼獨孤判官赴安西幕府
安西幕府多材雄,喧喧惟道三數公。
繡衣貂裘明積雪,飛書走檄如飄風。
朝辭明主出紫宮,銀鞍送別金城空。
天外飛霜下蔥海,火旗雲馬生光彩。
胡塞清塵幾日歸,漢家草綠遙相待。
(下し文)
(程・劉二侍郎の獨孤判官と安西幕府に赴くを送る)
安西の幕府 材雄多し,喧喧 惟だ道う 三數公。
繡衣 貂裘 積雪よりも明かに,書を飛ばし 檄を走らすこと 飄風の如し。
朝 明主を辭して 紫宮を出で,銀鞍 別を送って 金城空し。
天外の飛霜 蔥海に下り,火旗雲馬 光彩を生ず。
胡塞 塵を清めて 幾日か歸る,漢家 草綠にして遙に相い待つ。
(現代語訳)
送程劉二侍郎兼獨孤判官赴安西幕府(侍御劉胱、及び程某、判官獨孤峻の三人が、安西都護府に赴任するのを送る詩)
安西都護府は、西域一帯の地を牽制するから、その必要上、才気雄傑の人が多いが、その中でも、喧喧として、人口に上るのは、侍御の劉胱、程某、判官の獨孤峻の三数公といわれる人たちである。
三数公は、繍衣をつけ、貂裘を披き、それが満地の積雪より明かに、そして、書を飛ばしたり、檄を走らせたりする場合に、その疾いことは、さながら飄風の如く、まことに、あっぱれの人物で、それなればこそ、この重職も、やすやすと務まるわけである。
今次、三数公は、朝に聖明の君に辭して、紫微垣より出て、そして、その行を送る人人は、馬に銀鞍を置いて、美美しき打扮、しかも、その数の多いことは、長安城が空に成るかとおもうくらいである。
これより、行く手の路は、いとも遥かにして、天外の飛霜は、葱海に下り、まことに凄寒に堪へられぬが、一行は、火のやうな赤い旗を押し立て、相従う人馬の多きことは、雲の如く、まことに見事である。
かくて、何れの時かに胡塞の塵が収まって、目出たく歸京せらるるか、都に於では、春囘り、草再び緑にして、遥かに三数公の歸るのを待って居るのである。
送程劉二侍郎兼獨孤判官赴安西幕府
(侍御劉胱、及び程某、判官獨孤峻の三人が、安西都護府に赴任するのを送る詩)
舊唐書封常清傳に「開元の末、安西四鎭節度使夫蒙靈詧判官に劉眺・獨孤峻あり」と見えて居るから、劉侍御、獨孤判官は大方その人であらう。但し、程は何人だか、わからない。
通鑑唐紀に「安西節度は、西域を撫寧し、龜玆、焉耆、于闐、疎勒の四鎭を統べ、龜玆城に治す、兵二万四千」とある。
この詩は、侍御劉胱、及び程某、判官獨孤峻の三人が、安西都護府に赴任するを送って作ったのである。
起首四句は、三人の人物を写し、朝辭の二句は、送別の有様、天外の二句は、途中の光景を想像し、胡塞の二句は、その帰京の早からむことを嘱望したのである。
安西幕府多材雄,喧喧惟道三數公。
安西都護府は、西域一帯の地を牽制するから、その必要上、才気雄傑の人が多いが、その中でも、喧喧として、人口に上るのは、侍御の劉胱、程某、判官の獨孤峻の三数公といわれる人たちである。
安西幕府 安西都護府の地方、安西は新疆省庫車、唐代におかれた六都護府の一つ。辺境警備・周辺諸民族統治などのために置かれた軍事機関。都護府の長官は都護と呼ばれていた。
三數公 侍御の劉胱、程某、判官の獨孤峻。
繡衣貂裘明積雪,飛書走檄如飄風。
三数公は、繍衣をつけ、貂裘を披き、それが満地の積雪より明かに、そして、書を飛ばしたり、檄を走らせたりする場合に、その疾いことは、さながら飄風の如く、まことに、あっぱれの人物で、それなればこそ、この重職も、やすやすと務まるわけである。
繍衣 漢書に「侍御史に繍衣直指あり」と記し、顔師古の註に「衣するに繍を以てするは、これを尊重するなり」とある。
飛書走檄 西京雜記に「枚皐文章敏疾」とあり、揚子法言に「軍族の際、戎鳥の間、飛書馳檄には枚皐を用ふ」とある。
朝辭明主出紫宮,銀鞍送別金城空。
今次、三数公は、朝に聖明の君に辭して、紫微垣より出て、そして、その行を送る人人は、馬に銀鞍を置いて、美美しき打扮、しかも、その数の多いことは、長安城が空に成るかとおもうくらいである。
紫薇 紫微垣、即ち紫微宮、天子の居るところ。古代中国天文学において天球上を3区画に分けた三垣の中垣。天の北極を中心とした広い天区。あるいはその主体となった星官(星座)のことを指す場合もある。「紫微」「紫微宮(しびきゅう)」「紫宮(しきゅう)」「紫垣(しえん)」ともいい、天帝の在所とされたため、転じて皇宮、朝廷の異称ともなった。「紫禁城」の「紫」もこれに基づく。
金城 長安城、。
天外飛霜下蔥海,火旗雲馬生光彩。
これより、行く手の路は、いとも遥かにして、天外の飛霜は、葱海に下り、まことに凄寒に堪へられぬが、一行は、火のやうな赤い旗を押し立て、相従う人馬の多きことは、雲の如く、まことに見事である。
葱海 諷典に「安西郡、西、凍勒乳讐軍に至る三千里、葱洩忘去る七百里」とあり、涼州異物志に「葱譲の水、東西lこ分流し、西に大海に入り、束は河浦となるJとある。
火旗 旗の赤くして火に似たるわいふ。
雲馬 馬の多くして雷に似たるむいふ。
胡塞清塵幾日歸,漢家草綠遙相待。
かくて、何れの時かに胡塞の塵が収まって、目出たく歸京せらるるか、都に於では、春囘り、草再び緑にして、遥かに三数公の歸るのを待って居るのである。
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