李太白集 389《太白巻十六32 送長沙陳太守,二首之一》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7533
- 2016/03/24
- 21:24
李白 送長沙陳太守,二首之一
長沙陳太守,逸氣凌青松。英主賜五馬,本是天池龍。
湘水迴九曲,衡山望五峰。榮君按節去,不及遠相從。
(長沙郡の陳太守が潭州に赴くを送る詩、二首の一)
今次、長沙太守に任命された陳君は、まことにあっぱれな人物で、逸気は、青松を凌がんばかりで、大いに俗離れしている。それから、天地の龍種とも称すべき名馬五頭を天子よりたまわり、それに騎して、任地に向うことである。やがて、長江を洩って二衡由二鞘の地へ往くと、湘水の流れは、うねったり、くねったりして、凡そ九曲と称せられ、衡山の五峰は、眼の前にはっきりと見える。君が手綱を緩めて、しづしづと練り行かれるのは、もことに栄誉の極で、早く任地に到着して、今後政績をあげられるのが善いので、いたずらに、別を惜んで、遠く相いしたがうような真似は、断じてすることはないのである。
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743年(70) | 送長沙陳太守,二首之一 | ||
李太白集卷十六23 | 389 | Index-23Ⅲ-2 | 743年天寶二年43歳 94首-(70) |
743年天寶二年43歳 94首-(72)
作時年: | 806年 | 貞元22年 | 39歲 |
卷別: | 卷一七六 | 文體: | 五言律詩 |
| 巻16-23 |
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詩題: | 送長沙陳太守,二首之一 | ||
序文 | |||
作地點: | 長安(京畿道 / 京兆府 / 長安) |
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及地點: | 潭州 (江南西道 潭州 潭州) 別名:潭州 | ||
| 衡山 (江南西道 衡州 衡山) 別名:衡岳、南嶽、衡嶽、南岳 | ||
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交遊人物: | 陳太守 書信往來(江南西道 潭州 潭州) |
送長沙陳太守,二首之一
長沙陳太守,逸氣凌青松。
英主賜五馬,本是天池龍。
湘水迴九曲,衡山望五峰。
榮君按節去,不及遠相從。
(長沙郡の陳太守が潭州に赴くを送る詩、二首の一)
今次、長沙太守に任命された陳君は、まことにあっぱれな人物で、逸気は、青松を凌がんばかりで、大いに俗離れしている。
それから、天地の龍種とも称すべき名馬五頭を天子よりたまわり、それに騎して、任地に向うことである。
やがて、長江を洩って二衡由二鞘の地へ往くと、湘水の流れは、うねったり、くねったりして、凡そ九曲と称せられ、衡山の五峰は、眼の前にはっきりと見える。
君が手綱を緩めて、しづしづと練り行かれるのは、もことに栄誉の極で、早く任地に到着して、今後政績をあげられるのが善いので、いたずらに、別を惜んで、遠く相いしたがうような真似は、断じてすることはないのである。
(長沙の陳太守を送る,二首の一)
長沙の陳太守,逸氣 青松を凌ぐ。
英主 五馬を賜い,本と是れ天池の龍。
湘水 九曲を迴らし,衡山 五峰を望む。
君が節を按じて去るを榮とし,遠く相い從うに及ばず。
『送長沙陳太守,二首之一』 現代語訳と訳註解説
(本文)
送長沙陳太守,二首之一
長沙陳太守,逸氣凌青松。
英主賜五馬,本是天池龍。
湘水迴九曲,衡山望五峰。
榮君按節去,不及遠相從。
(下し文)
(長沙の陳太守を送る,二首の一)
長沙の陳太守,逸氣 青松を凌ぐ。
英主 五馬を賜い,本と是れ天池の龍。
湘水 九曲を迴らし,衡山 五峰を望む。
君が節を按じて去るを榮とし,遠く相い從うに及ばず。
(現代語訳)
送長沙陳太守,二首之一(長沙郡の陳太守が潭州に赴くを送る詩、二首の一)
今次、長沙太守に任命された陳君は、まことにあっぱれな人物で、逸気は、青松を凌がんばかりで、大いに俗離れしている。
それから、天地の龍種とも称すべき名馬五頭を天子よりたまわり、それに騎して、任地に向うことである。
やがて、長江を洩って二衡由二鞘の地へ往くと、湘水の流れは、うねったり、くねったりして、凡そ九曲と称せられ、衡山の五峰は、眼の前にはっきりと見える。
君が手綱を緩めて、しづしづと練り行かれるのは、もことに栄誉の極で、早く任地に到着して、今後政績をあげられるのが善いので、いたずらに、別を惜んで、遠く相いしたがうような真似は、断じてすることはないのである。
(訳注)
送長沙陳太守,二首之一
(長沙郡の陳太守が潭州に赴くを送る詩、二首の一)
1長沙 長沙の名は早くも『逸周書』に見え、春秋戦国時代には楚国に属し、成王のとき黔中郡が置かれたことに始まる。秦代に秦36郡のひとつとして長沙郡が設置されている。漢代初には呉芮を封じて臨湘県を都とする長沙王国が設置され、5代46年間続いた。長沙王国の相である軑侯利蒼一族の墓所として有名な馬王堆漢墓を今に伝える。隋唐代から清末にかけて潭州の中心として発展した。唐の郡名、潭州で、江南西道に属していた。この詩は、陳某が新に長沙の太守に補せられて赴任するのを送って作ったのである。
前年四句は一気呵成。湘水、衡山の二旬は、本地の風光を点醒して、人の眉目を清くする。
結二句は、翻って之を激励する意味である。
2 陳 陳の名字閲歴は、不詳。
3 太守 郡の長官のことで、単に守とも呼ばれた。古代から南北朝時代に置かれた。
長沙陳太守,逸氣凌青松。
今次、長沙太守に任命された陳君は、まことにあっぱれな人物で、逸気は、青松を凌がんばかりで、大いに俗離れしている。
4 逸氣 すぐれた気質。世俗を超越した気風。
英主賜五馬,本是天池龍。
それから、天地の龍種とも称すべき名馬五頭を天子よりたまわり、それに騎して、任地に向うことである。
5 賜五馬 五馬は太守の別称でその命をうけたことをいう。四頭馬車の外にさらに一頭の添え馬を付すことを許されたもの。《玉臺新詠‧古樂府・日出東南隅行》「使君從南來, 五馬立踟躕。」(使君、南より來り, 五馬 立って踟躕す。) ▷ 漢時に太守は乘坐する車用に五匹馬でもって駕轅することを許されたことを言う, 因って太守の車駕をいう。
湘水迴九曲,衡山望五峰。
やがて、長江を洩って二衡由二鞘の地へ往くと、湘水の流れは、うねったり、くねったりして、凡そ九曲と称せられ、衡山の五峰は、眼の前にはっきりと見える。
6 湘水迴九曲 水經註 「衡山東南二面,臨映湘川,自長沙至此江湘六百里中,有九向九背,故漁者歌曰:帆隨湘轉,望衡九面。」(衡山東南二面,湘川に臨映す,長沙より此に至る 江湘六百里中,九向九背有り,故に漁者 歌うて曰く:帆 湘轉に隨い,衡に望めば九面なり。)とある
7 衡山 衡山 (南嶽;1,298m湖南省衡陽市衡山県)、衡山(こうざん)は、道教の五岳の一つ、南岳。中国湖南省衡山県にあり、南を司るとされる。最高峰は祝融峰の1,298m。湖南省の洞庭湖の南、湘水の下流西岸にある。
8 五峰 祝融、天柱、芙蓉、紫盖、石禀で、 祝融山が最高峰である。通鑑地理釋「衡嶽潭州衡山縣西三十里衡州衡陽 縣北七十里有五峰曰紫葢天柱芙蓉石廩祝融」(衡嶽は潭州衡山縣西三十里、衡州衡陽 縣北七十里に在り、五峰有り、曰く紫葢、天柱、芙蓉、石廩、祝融)とある。
榮君按節去,不及遠相從。
君が手綱を緩めて、しづしづと練り行かれるのは、もことに栄誉の極で、早く任地に到着して、今後政績をあげられるのが善いので、いたずらに、別を惜んで、遠く相いしたがうような真似は、断じてすることはないのである。
9 按節 馬の手綱を緩めること。
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- カテゴリ:李太白集 巻十六
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