李太白集 393《太白巻十九18朝下過盧郎中敘舊游》 李白 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7553
- 2016/03/28
- 21:26
李白 朝下過盧郎中敘舊遊
君登金華省,我入銀臺門。幸遇聖明主,俱承雲雨恩。復此休浣時,閒為疇昔言。
卻話山海事,宛然林壑存。明湖思曉月,疊嶂憶清猿。何由返初服,田野醉芳樽。
(朝廷を退潮し盧郎中を訪ねて飲み始め、翌日まで飲み続けて酔いつくして、むかし、嵩山や、鏡湖などで遊んだことを思い出して作った詩である)
君は中朝の左に位置するところ門下省に参朝出仕し、吾は右銀臺門より翰林に供奉する。幸にして、徳にすぐれて聡明・賢明な主に遇うて、そしてともに、雲のように包まれ、雨のように降り注ぎ潤す仁徳、恩徳を被っているのである。今日、また、幸に休沐の期に際し、おもむろに前日の事に就いて述べたのである。かくて、海山において、その遊を語り出せば、そこに、幽山、林壑は、宛然として眼前に存するかのように表現される。静かなる夜、明月に、波明かなる湖水に就いてかたり、暁の空に沈める残月の清らかなことを思い、あらわす。隠棲のところの嵯峨たる畳嶂に就いていい、清猿の聾悲しきを思い出して、幽興、更に尽きることはない。しかし、どうすれば、朝衣を脱いで、当初の布衣に著換へ、そして田野に於いて、芳樽に酔うことができようか。
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李太白集巻十九18 | 朝下過盧郎中敘舊游 | ||
Index-23 | 743年天寶二年43歳 94首-(76) | 395 <1000> | |
年:743年天寶二年43歳 94首-(76)
卷別: 卷一七九 文體: 五言古詩
詩題: 朝下過盧郎中敘舊遊
作地點: 長安(京畿道 / 京兆府 / 長安)
及地點: 銀臺門 (京畿道 京兆府 長安)
交遊人物/地點:盧郎中 當地交遊(京畿道 京兆府 長安)
詩文:
朝下過盧郎中敘舊遊
(朝廷を退潮し盧郎中を訪ねて飲み始め、翌日まで飲み続けて酔いつくして、むかし、嵩山や、鏡湖などで遊んだことを思い出して作った詩である)
君登金華省,我入銀臺門。
君は中朝の左に位置するところ門下省に参朝出仕し、吾は右銀臺門より翰林に供奉する。
幸遇聖明主,俱承雲雨恩。
幸にして、徳にすぐれて聡明・賢明な主に遇うて、そしてともに、雲のように包まれ、雨のように降り注ぎ潤す仁徳、恩徳を被っているのである。
復此休浣時,閒為疇昔言。
今日、また、幸に休沐の期に際し、おもむろに前日の事に就いて述べたのである。
卻話山海事,宛然林壑存。
かくて、海山において、その遊を語り出せば、そこに、幽山、林壑は、宛然として眼前に存するかのように表現される。
明湖思曉月,疊嶂憶清猿。
静かなる夜、明月に、波明かなる湖水に就いてかたり、暁の空に沈める残月の清らかなことを思い、あらわす。隠棲のところの嵯峨たる畳嶂に就いていい、清猿の聾悲しきを思い出して、幽興、更に尽きることはない。
何由返初服,田野醉芳樽。
しかし、どうすれば、朝衣を脱いで、当初の布衣に著換へ、そして田野に於いて、芳樽に酔うことができようか。
(朝より下り盧郎中を過ぎて舊遊を敘す)
君は金華省に登り,我は銀臺門に入る。
幸いに聖明の主に遇うて,俱に雲雨の恩を承く。
復た此の休浣の時,閒に疇昔の言を為す。
卻って山海の事を話せば,宛然として 林壑存す。
明湖に 曉月を思い,疊嶂に 清猿を憶う。
『朝下過盧郎中敘舊遊』 現代語訳と訳註解説
(本文)
朝下過盧郎中敘舊遊
君登金華省,我入銀臺門。
幸遇聖明主,俱承雲雨恩。
復此休浣時,閒為疇昔言。
卻話山海事,宛然林壑存。
明湖思曉月,疊嶂憶清猿。
何由返初服,田野醉芳樽。
詩文(含異文):
君登金華省,我入銀臺門。幸遇聖明主【幸逢聖明主】,俱承雲雨恩。
復此休浣時,閒為疇昔言。卻話山海事,宛然林壑存。
明湖思曉月,疊嶂憶清猿。何由返初服,田野醉芳樽。
(下し文)
(朝より下り盧郎中を過ぎて舊遊を敘す)
君は金華省に登り,我は銀臺門に入る。
幸いに聖明の主に遇うて,俱に雲雨の恩を承く。
復た此の休浣の時,閒に疇昔の言を為す。
卻って山海の事を話せば,宛然として 林壑存す。
明湖に 曉月を思い,疊嶂に 清猿を憶う。
何に由ってか 初服に返り,田野 芳樽に醉わんや。
(現代語訳)
朝下過盧郎中敘舊遊(朝廷を退潮し盧郎中を訪ねて飲み始め、翌日まで飲み続けて酔いつくして、むかし、嵩山や、鏡湖などで遊んだことを思い出して作った詩である)
君は中朝の左に位置するところ門下省に参朝出仕し、吾は右銀臺門より翰林に供奉する。
幸にして、徳にすぐれて聡明・賢明な主に遇うて、そしてともに、雲のように包まれ、雨のように降り注ぎ潤す仁徳、恩徳を被っているのである。
今日、また、幸に休沐の期に際し、おもむろに前日の事に就いて述べたのである。
かくて、海山において、その遊を語り出せば、そこに、幽山、林壑は、宛然として眼前に存するかのように表現される。
静かなる夜、明月に、波明かなる湖水に就いてかたり、暁の空に沈める残月の清らかなことを思い、あらわす。隠棲のところの嵯峨たる畳嶂に就いていい、清猿の聾悲しきを思い出して、幽興、更に尽きることはない。
しかし、どうすれば、朝衣を脱いで、当初の布衣に著換へ、そして田野に於いて、芳樽に酔うことができようか。
(訳注)
朝下過盧郎中敘舊遊
(朝廷を退潮し盧郎中を訪ねて飲み始め、翌日まで飲み続けて酔いつくして、むかし、嵩山や、鏡湖などで遊んだことを思い出して作った詩である)
この詩は、退朝の後、盧郎中を訪ひ、因って、自己の舊遊を敘したのである。盧郎中は、詩の破題に君登金華省とあるより見れば、門下侍郎であるが、その名字等は分からない。
起四句は自他今日の境遇、以下舊遊を叙したが、結二句に於ては、舊山に帰りたいといふ遺世の念を逗出して居る。
君登金華省,我入銀臺門。
君は中朝の左に位置するところ門下省に参朝出仕し、吾は右銀臺門より翰林に供奉する。
金華省 御漢以降、門下省をもって金華省という。中朝の左に位置するところであり、登るという表現に遭うものである。劉孝綽《贈任中丞》詩 「步出金華省,遙望承明廬,壯哉宛洛地,佳麗實皇居」三輔黄圖「金華殿,未央宮有金華殿。《漢書》曰,「成帝初方向學,召鄭寬中,張禹,沈《尚書》《論語》於金華殿中。」」
銀臺門 右銀臺門(金馬門)で、大明宮西壁三門の真ん中に位置し、入門して左に翰林院がある。《長安志、東内大明宮章》「西面右銀台門、內侍省右藏庫、次北、翰林門內翰林院學士院、又、東翰林院、北有少陽院、結鄰殿。翰林門北、曰、九仙門。」
幸遇聖明主,俱承雲雨恩。
幸にして、徳にすぐれて聡明・賢明な主に遇うて、そしてともに、雲のように包まれ、雨のように降り注ぎ潤す仁徳、恩徳を被っているのである。
聖明主 ・聖明:天子が徳にすぐれて聡明なこと。また、そのさま。・明主: 賢明な君主。明君。
雲雨恩 雲のように包まれ、雨のように降り注ぎ潤す仁徳、恩徳。
復此休浣時,閒為疇昔言。
今日、また、幸に休沐の期に際し、おもむろに前日の事に就いて述べたのである。
休浣時 休沐におなじ。王琦の解に「漢律、吏、五日に一休沐を得る。休息して洗沐することをいう。」と。また、楊升菴がいう「唐制、十日に一休沐、故に韋應物の詩に、九日駆馳一日閒、白居易の詩にいう、公假日三旬、と。これなり」とある。
疇昔 「疇」は以前,先に,の意〕 過去のある日。昔。また,昨日、前日ということ。
卻話山海事,宛然林壑存。
かくて、海山において、その遊を語り出せば、そこに、幽山、林壑は、宛然として眼前に存するかのように表現される。
宛然 そっくりそのままであるさま。
明湖思曉月,疊嶂憶清猿。
静かなる夜、明月に、波明かなる湖水に就いてかたり、暁の空に沈める残月の清らかなことを思い、あらわす。隠棲のところの嵯峨たる畳嶂に就いていい、清猿の聾悲しきを思い出して、幽興、更に尽きることはない。
何由返初服,田野醉芳樽。
しかし、どうすれば、朝衣を脱いで、当初の布衣に著換へ、そして田野に於いて、芳樽に酔うことができようか。
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