李太白集 395《太白巻二十二39憶東山二首 其一》 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 7563
- 2016/03/30
- 20:57
李白 憶東山二首 其一
不向東山久,薔薇幾度花。白雲還自散,明月落誰家。
(會稽の東山を過ぎ、謝安の宅址を弔って作ったものである。)
自分は、敬愛する謝安の空しく残る宅址のある會稽の東山に向わないときめて、随分久しい、薔薇洞の名をつけた庭一面の薔薇の花は、幾回の春を経ただろうか。
同じように堂の名にした白雲は、そのまま自然に散じたままだろうか、明月を望むあの堂からの月は、今宵誰が家を照らすのだろうか。薔薇、白雲、明月、そのものは、依然としてあるも、宅址荒廃したまま、傍らの堂も、今は跡方の無くむなしいものである。
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李太白集818巻二十二39 | 憶東山二首 其一 | ||
Index-23 743年天寶二年43歳 94首-(79) 398 <1000> | |||
年:743年天寶二年43歳 94首-(89)
卷別: 卷一八二 文體: 五言絕句
詩題: 憶東山,二首之一
作地點: 目前尚無資料
及地點: 東山 (江南東道 越州 上虞縣) 別名:謝安山
交遊人物/地點:
詩文:
憶東山二首 其一
(會稽の東山を過ぎ、謝安の宅址を弔って作ったものである。)
不向東山久,薔薇幾度花。
自分は、敬愛する謝安の空しく残る宅址のある會稽の東山に向わないときめて、随分久しい、薔薇洞の名をつけた庭一面の薔薇の花は、幾回の春を経ただろうか。
白雲還自散,明月落誰家。
同じように堂の名にした白雲は、そのまま自然に散じたままだろうか、明月を望むあの堂からの月は、今宵誰が家を照らすのだろうか。薔薇、白雲、明月、そのものは、依然としてあるも、宅址荒廃したまま、傍らの堂も、今は跡方の無くむなしいものである。
(憶東山二首 其一)
東山に向わざること久しく,薔薇 幾度か 花 さく。
白雲 また自ら散ず、明月 誰が家に落つ。
『憶東山二首 其一』 現代語訳と訳註解説
(本文)
憶東山二首 其一
不向東山久,薔薇幾度花。
白雲還自散,明月落誰家。
(下し文)
(憶東山二首 其一)
東山に向わざること久しく,薔薇 幾度か 花 さく。
白雲 また自ら散ず、明月 誰が家に落つ。
(現代語訳)
憶東山二首 其一(會稽の東山を過ぎ、謝安の宅址を弔って作ったものである。)
自分は、敬愛する謝安の空しく残る宅址のある會稽の東山に向わないときめて、随分久しい、薔薇洞の名をつけた庭一面の薔薇の花は、幾回の春を経ただろうか。
同じように堂の名にした白雲は、そのまま自然に散じたままだろうか、明月を望むあの堂からの月は、今宵誰が家を照らすのだろうか。薔薇、白雲、明月、そのものは、依然としてあるも、宅址荒廃したまま、傍らの堂も、今は跡方の無くむなしいものである。
(訳注)
憶東山二首 其一
(會稽の東山を過ぎ、謝安の宅址を弔って作ったものである。)
1 東山 浙江省上虞県の西南にあり、会稽(紹興)からいうと東の山であり、名勝地。晋の太傅であった謝安がむかしここに隠居して、なかなか朝廷の招きに応じなかったので有名。山上には謝安の建てた白雲堂、明月堂のあとがあり、山上よりの眺めは絶景だという。薔薇洞というのは、謝安の居宅のそばにあった酒宴座敷で、かれが妓女をつれて宴をもよおした所と伝えられている。謝安(320年 - 385年)は中国東晋の政治家。王義之らと同時期のひと。宋、施宿等《會稽志、巻九》「東山在縣西南四十五里、晉太傅謝安所居也。一名謝安山、巋然特立於衆峰間、拱揖蔽虧如鸞鶴飛舞。其巔有謝公調馬路、白雲明月二堂址。千嶂林立、下視滄海。天水相接、葢絶景也。下山出微徑、為國慶寺。乃太傅之故宅、傍有薔薇洞、俗傳、太傅携妓女㳺宴之 所。」「又山西一里始寧園乃謝靈運别墅一曰西莊按 謝安傳云寓居㑹稽與王羲之許詢支遁逰出則漁獵山水入則言詠屬文後雖受朝寄然東山之志始末不渝靈運傳云父祖並𦵏始寧山中并有故宅及墅遂移籍㑹稽故其詩云偶與張邴合久欲還東山。」施宿の會稽志に「東山は、上虞縣の西南四十五里に在り、晋の太侍謝安の居るところなり、一名謝安山、巋然として衆峰の間に特出し、拱揖蔽虧、鸞鶴の飛舞するが如し。その頂に謝公の調馬路、白雲明月二堂の遺址あり、千嶂林立、下に滄海を視る、天水相接す、蓋し絶景なり、山を下って微徑を出づれば、國慶寺たり、乃ち太傅の故宅、旁に薔薇洞あり、俗傳う、太傅が妓女を携えて游宴せしところ」とある。
李白『憶東山二首其二』「我今攜謝妓。 長嘯絕人群。欲報東山客。 開關掃白云。」(我 今 謝妓を攜え。 長嘯して 人群を絕つ。東山の客に報わんと欲っす。關を開いて 白云を掃く。)謝安。晉の時代の謝安は、あざなを安石といい、四十歳になるまで浙江省の東山という山にこもって、ゆうゆうと寝てくらし、朝廷のお召しに応じなかった。当時の人びとは寄ると彼のうわさをした。「安石が出てこないと、人民はどうなるんだ」。時期が来るまで、待っている賢者というものは、一喜一憂しない。敵を油断させる方法にも幾通りもある。ここに言う「芸妓を携えて」というのは、国外のみならず国内にも敵がおり、国を建てなおすにも相手の状況の分析を行い、時機が到来して立ち上がったのであるが、東山に白雲堂、明月堂のあとがあり、山上よりの眺めは絶景だという。薔薇洞というのは、かれが妓女をつれて宴をもよおした所といわれ、妓女と酒を飲んで時期を待っていたことを言う。謝安について李白『送裴十八図南歸嵩山其二』「謝公終一起、相與済蒼生。」とあり、送裴十八図南歸嵩山 其二 李白 :Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白164。○謝世運 時世の進展から去る。世を去る。
送侄良攜二妓赴會稽戲有此贈
攜妓東山去。 春光半道催。
遙看若桃李。 雙入鏡中開。
おいの良が謝安のように二人妓女と会稽に逝くのを送り出すときに、たわむれにこの詩を作って贈るもである。芸者をつれて、むかし謝安が遊んだように東山に出かけるが、春の日の光は途中で人をせきたてることだろう。きっと、二人の妓女が赤い桃花と白い李花がさいているのようだろう、そして、二人の妓女は鏡湖の中に入って、舟を浮かべ宴は、はなやかに開かれているだろう、わたしは、はるかに長江流れからこの地から見ているのだ。
(姪良が二姥を携えて会稽に赴くを送り、戯れに此の贈有り)
妓を携えて 東山に去れば。春光 半道に催す。
遙(はるか)に看る 桃李(とうり)の若く、双(ふた)つながら鏡中に入って開くを。
送姪良携二妓赴会稽戯有此贈 李白Kanbuniinkai紀頌之の漢詩李白特集350 -287
不向東山久,薔薇幾度花。
自分は、敬愛する謝安の空しく残る宅址のある會稽の東山に向わないときめて、随分久しい、薔薇洞の名をつけた庭一面の薔薇の花は、幾回の春を経ただろうか。
2 不向 向わないと決めたこと。起承転結、それぞれの初めが対語になっている。不向に対して、薔薇は堅い約束を示す。白雲だけがはかなく消えてゆくものである。明月は、幾年たっても、同じように宅址を照らす。
3 薔薇
4 幾(几) 数詞. 1.いくつ; 2.いくつか. 名詞. 1.(~儿)小さな机; 2.ひじかけ. 副詞. 1.〈書〉ほとんど.
起:不向 → 承:薔薇
→転:白云 → 結:明月
白雲還自散,明月落誰家。
同じように堂の名にした白雲は、そのまま自然に散じたままだろうか、明月を望むあの堂からの月は、今宵誰が家を照らすのだろうか。薔薇、白雲、明月、そのものは、依然としてあるも、宅址荒廃したまま、傍らの堂も、今は跡方の無くむなしいものである。
5 白雲 白雲無根 : 無心に去来して、跡をとどめない《荘子、天地篇》「乗彼白雲、至于帝郷」(彼の白雲に乗じて、帝郷に至る。)
6 明月 曇りなく澄みわたった満月。また、名月。《季 秋》
7 白雲明月 上の薔薇に対し、白雲、明月は堂名であって、これに因んで構想したのである。
白雲について、
陶弘景
四十歳で山中に隠棲したが、梁の武帝から常に諮問をうけ、「山中宰相」と呼ばれた。斉の高帝からの詔にこたえる形で書かれた詩。
《詔問山中何所有賦詩以答》
山中何有所、嶺上多白雲。
只可自怡悦、不堪持寄君。
(山中に何の有る所ぞと詔問せられ、詩を賦して以って答う)
山中 何の有る所ぞ、嶺上 白雲多し。只だ 自ら怡【たのし】み悦ぶべし、持して 君に寄するに堪えず。
「山の中に何が有るのだ」との御下問ですが、嶺の上には白雲が多くただよっています。しかし、これは私が見て楽しむだけで、残念ながら陛下にお届けする訳にはまいりません。
王維
唐代随一の田園詩人。仏教に深く帰依し、書画音楽にも優れていた。長く官僚として生活し、相当の地位にのぼりますが、元来、芸術家肌で役人生活は向いていなかったようで、藍田の麓に輞川商荘を営み、半官半隠の生活を送った。ここで「空山不見人」や「獨座幽篁裏」輞川二十首、田園楽 七首などの有名な詩が詠んだ。脅迫されて安禄山にやむなく仕えたため、長安奪還後、処刑を命ぜられたが、これまでの功績により、特赦されたが、以降輞川荘にこもった。
李白の詩と同様に、、故郷に隠棲する友人を送る詩。
「送別」
下馬飲君酒、問君何所之。
君言不得意、歸臥南山陲。
但去莫復問、白雲無盡時。
馬より下りて君に酒を飲ましむ、君に問う 「何の之【ゆ】く所ぞ」と。
君は言う 「意を得ず、南山の陲【ほとり】に帰臥せん」と。
「但去れ。復た問うこと莫からん、白雲 尽きる時無し」と。
馬から下りて、まず一献。「これから、どうする?」「どうも世の中、思うようにはいかない。終南山の麓にでも引きこもるよ」「そうか、じゃ、行き給え。あの辺りでは、白雲が何時までも君の友達となってくれるだろう」
寒山
隠遁には、様々な形があった、自分の気配、存在そのものを消す、あるいは、自然と一体化するのが隠遁である。しかし、多くの詩人は半官半隱を理想とした。詩人は自己の詩を読んでもらいたいという願望があるからである。寒山は実在した証拠さえ消し去った、正真正銘の隠遁者といえるひとである。水墨画の「寒山拾得図」で知られる浙江省天台山(道教・仏教の霊地)に隠れ住んだ唐代末期ころの人だろうと云われる。
寒山の詩は他人に読ませようという意図が全くないため、三百首余り残存するが、すべて「無題」である。
登陟寒山道、寒山路不窮。
谿長石磊磊、澗濶草濛濛。
苔滑非関雨、松鳴不假風。
誰能超世累、共坐白雲中。
寒山の道を登陟れば、寒山 路 窮まらず。
谿は長くして石磊磊、澗は濶くして草濛濛。
苔の滑らかなるは雨に関わるに非ず、松の鳴るは風を仮らず。
誰か能く世累を超えて、共に白雲の中に坐せん。
寒山の路を登って行く。その道はどこまでも尽きることはない。渓谷は長く、石がごろごろと散らばっており、谷川は広く、草がぼうぼうと生えている。苔がしっとりと滑らかなのは、雨のせいではなく幽邃な山気のためであり、松が鳴っているのは、風のせいではなく、自ずからの天籟なのだ。誰か世の煩いから逃れて、私と一緒に白雲の中に坐してくれないだろうか。
輞川集 20首 もうせんしゅう |
10南 陀 なんだ | 11欹 湖 いこ | ||
13欒家瀬らんからい | 16北 陀 ほくだ | ||
18辛夷塢 しんいお | 19漆 園 しつえん |
田園楽七首 1 千門 |
田園楽七首 2 再見 |
田園楽七首 3 採菱 |
田園楽七首 4 芳草 |
田園楽七首 5 山下 |
田園楽七首 6 桃紅 |
田園楽七首 7 酌酒 |
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- カテゴリ:李太白集 巻二十二
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