送友人  李白

送友人

青山橫北郭、白水繞東城。
草木が青々と茂っている山が、街の城郭の北側に横たわっている、澄んだ水は 城郭の東側をながれている。
此地一為別、孤蓬萬里征。
今、この地でひとたび別れることになれば、風に吹かれてひとつだけで風に飛びさすらう根なし蓬のように、万里の道をゆくのである。 
浮云游子意、落日故人情。
浮ぶ雲は、旅人の心であり、しずむ夕陽は残される友人の感情である。
揮手自茲去、蕭蕭班馬鳴。

手を振って、ここより去りろうとしている、ヒヒーンヒヒーンと、別れゆく馬もものさびしく嘶いた。

草木が青々と茂っている山が、街の城郭の北側に横たわっている、澄んだ水は 城郭の東側をながれている。
今、この地でひとたび別れることになれば、風に吹かれてひとつだけで風に飛びさすらう根なし蓬のように、万里の道をゆくのである。 
浮ぶ雲は、旅人の心であり、しずむ夕陽は残される友人の感情である。
手を振って、ここより去りろうとしている、ヒヒーンヒヒーンと、別れゆく馬もものさびしく嘶いた。


青山  北郭に 橫たはり,
白水  東城を遶(めぐ)る。
此地  一たび 別れを 爲(な)し,
孤蓬  萬里に 征(ゆ)く。
浮雲  遊子の意,
落日  故人の情。
手を 揮(ふる)ひて  茲(ここ)より 去れば,
蕭蕭(せうせう)として  班馬 鳴く。


送友人:友人を見送る。人を送るために、しばし同行してゆく。澄んだ水が、都市(城市)の東側をめぐっている。

青山橫北郭、白水繞東城。
草木が青々と茂っている山が、街の城郭の北側に横たわっている、澄んだ水は 城郭の東側をながれている。
・青山 草木が青々と茂っている山。また、墓所とすべき山。ここでは、前者の意。 ・橫 よこたわる。動詞。 ・北郭 都市の城郭の北側。・白水:澄んだ水。 ・遶 じょう めぐる。めぐらす。とりまく。 ・東城 城郭の東側。

此地一為別、孤蓬萬里征。
今、この地でひとたび別れることになれば、風に吹かれてひとつだけで風に飛びさすらう根なし蓬のように、万里の道をゆくのである。 
・此地 この地(で)。この場所(で)。 ・一爲 ひとたび…をなす(やいなや)。ひとたび…をす(れば)。 ・別 別れること。離別。名詞。・孤蓬 こほう ヤナギヨモギが(根が大地から離れて)風に吹かれて、ひとつだけで、風に飛ばされてさすらうさま。日本のヨモギとは大きく異なり、風に吹かれて転がるように風に飛ばされる。(風に飛ばされて)転がってゆく蓬。飛蓬。「蓬」は、日本のヨモギとは異なる。蓬が枯れて、根元の土も風に飛ばされてしまい、根が大地から離れて、枯れた茎が輪のようになり、乾いた黄土高原を風に吹かれて、恰も紙くずが風に飛ばされるが如く回りながら、黄砂とともに流れ去ってゆく。映画『黄土地』にもその場面が出てくる。江湖を流離う老人が、転蓬とともに歩み去ってゆく。
飛蓬。転蓬。
黄色い砂埃がやがて、老人も転蓬をも隠してゆく…。中華版デラシネ表現の一。流転の人生の象徴。。 ・萬里 遙かな行程をいう。 ・征 旅に出る。行く。

浮云游子意、落日故人情。
浮ぶ雲は、旅人の心であり、しずむ夕陽は残される友人の感情である。
・浮雲 浮かび漂う雲。漂う雲のように行方定まらないこと。・遊子 旅人。家を離れて他郷に旅立つ人。ここでは、李白の友人を指す。 ・意 心。・落日 夕陽。 ・故人 旧知の友人。 ・情 思い。

揮手自茲去、蕭蕭班馬鳴。
手を振って、ここより去りろうとしている、ヒヒーンヒヒーンと、別れゆく馬もものさびしく嘶いた。
・揮手 手を振る。 ・自茲去 …より ここ。 去る。行く。・蕭蕭 馬の嘶く声。また、もの寂しいさま。 ・班馬 離れ馬。