行次西郊作 一百韻 李商隠 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集150- 156 #9

これまで掲載している「甘露の変」を題材にしている李商隠の詩。

李商隠 4 曲江

劉司戸二首 其一 李商隠 39

北斉二首 其二 李商隠  45

有感二首 其一 李商隠 101

有感二首 其二 李商隠 102

重有感 李商隠 -103

鸞鳳 李商隠  -111

漫成五章 其四 李商隠 -107

燕臺詩四首 其三 秋#1 李商隠 -131



行次西郊作一百韻

行次西郊作 一百韻 李商隠 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集150- 149 #1、#2

行次西郊作 一百韻 李商隠 150- 150 #3

行次西郊作 一百韻 李商隠 150- 151 #4

行次西郊作 一百韻 李商隠 150- 151 #5

行次西郊作 一百韻 李商隠 150- 153 #6

行次西郊作 一百韻 李商隠 150- 154 #7

行次西郊作 一百韻 李商隠 150- 155 #8




皇子棄不乳,椒房抱羌渾。
重賜竭中國,強兵臨北邊。
控弦二十萬,長臂皆如猿。
皇都三千里,來往同雕鳶。」#-7
五里一換馬,十里一開筵。
指顧動白日,暖熱回蒼旻。
公卿辱嘲叱,唾棄如糞丸。』#-8
#9
大朝會萬方,天子正臨軒。
年に二度、元旦と冬至に催される大朝の儀式、天下の州と郡からの使者を宮廷に謁見する時のことだ、天子は庭に面する宮殿の軒端近くに臨席された。
采旂轉初旭,玉座當祥煙。
五彩に色彩られた霓旌(げいぜい)は朝日の光をうけてひるがえり、天子の座の両側に据えられた香炉からめでたい香煙がたちのぼった。
金障既特設,珠簾亦高褰。」#-9
その左に金鶏模様の大屏風が特別に前もって設けられてある。屏凰の前に帷があり、真珠を糸で貫いた簾が、高くかかげられていた。
#10
捋須蹇不顧,坐在禦榻前。
忤者死艱屨,附之升頂顛。
華侈矜遞衒,豪俊相並吞。
因失生惠養,漸見征求頻。』#-10
奚寇西北來,揮霍如天翻。
是時正忘戰,重兵多在邊。
列城繞長河,平明插旗幡。
但聞虜騎入,不見漢兵屯。
大婦抱兒哭,小婦攀車轓。」#-11
生小太平年,不識夜閉門。
少壯盡點行,疲老守空村。
生分作死誓,揮淚連秋雲。
廷臣例獐怯,諸將如羸奔。
爲贼掃上陽,捉人送潼關。』#-12


#-9
大朝(だいちょう) 万方(ばんぽう)を会し、天子 正に軒に臨(のぞ)む。
采旂(さいき) 初旭(しょぎょく)に転じ、玉座 祥烟(しょうえん)に当たる。
金障 既に特に設けられ、珠簾(しゅれん) 亦高く褰(かか)げらる
#10
須(ひげ)を捋(な)でて蹇(けん)として顧(かえり)みずして、坐して禦榻(ぎょとう)の前に在り。
忤(さから)う者は艱屨(かんく)に死し、之に附(おもねれ)れば 頂顛(ちょうてん)に升(のぼ)る。
華侈(かし)  矜(ほこ)りて遞(たが)いに衒(てら)い、豪俊 (ごうしゅん) 相い 併呑(へいどん)す。
因りて生恵(せいけい)の養を失し、漸(ようや)く微求(ちょうきゅう)の頻(しき)りなるを見わす。

宮島(3)

行次西郊作 一百韻#9 現代語訳と訳註
(本文) #-9

大朝會萬方,天子正臨軒。
采旂轉初旭,玉座當祥煙。
金障既特設,珠簾亦高褰。」

(下し文) #-9
大朝(だいちょう) 万方(ばんぽう)を会し、天子 正に軒に臨(のぞ)む。
采旂(さいき) 初旭(しょぎょく)に転じ、玉座 祥烟(しょうえん)に当たる。
金障 既に特に設けられ、珠簾(しゅれん) 亦高く褰(かか)げらる

#-9 (現代語訳)
年に二度、元旦と冬至に催される大朝の儀式、天下の州と郡からの使者を宮廷に謁見する時のことだ、天子は庭に面する宮殿の軒端近くに臨席された。
五彩に色彩られた霓旌(げいぜい)は朝日の光をうけてひるがえり、天子の座の両側に据えられた香炉からめでたい香煙がたちのぼった。
その左に金鶏模様の大屏風が特別に前もって設けられてある。屏凰の前に帷があり、真珠を糸で貫いた簾が、高くかかげられていた。
 

#-9 (訳注)
大朝會萬方,天子正臨軒。

年に二度、元旦と冬至に催される大朝の儀式、天下の州と郡からの使者を宮廷に謁見する時のことだ、天子は庭に面する宮殿の軒端近くに臨席された。
大朝 天下四方の国々の朝貢使節を召見する宮中の儀式。漢以後、元旦と冬至にこれを行う。○臨軒 軒は窓のある長廊。ここは軒端(のきば)。


采旂轉初旭,玉座當祥煙。
五彩に色彩られた霓旌(げいぜい)は朝日の光をうけてひるがえり、天子の座の両側に据えられた香炉からめでたい香煙がたちのぼった。
采旂 鳥の羽を五色に染め、それを綴って虹を象(かたど)って作った五色旗。天子の儀式や行列に掲げる。杜甫「哀江頭 杜甫700- 162」では霓旌:〔げいせい〕虹色の旗と使っている。  
少陵野老呑聲哭,春日潛行曲江曲。
江頭宮殿鎖千門,細柳新蒲爲誰綠。」
憶昔霓旌下南苑,苑中萬物生顏色。
昭陽殿裏第一人,同輦隨君侍君側。
輦前才人帶弓箭,白馬嚼齧黄金勒。
当祥畑 祥炳は御座のそばでたく香炉の煙。当は炉の煙と天子の席の位置とがおおむね一議上にあること。

金障既特設,珠簾亦高褰。」
その左に金鶏模様の大屏風が特別に前もって設けられてある。屏凰の前に帷があり、真珠を糸で貫いた簾が、高くかかげられていた。
金障 金色のついたて。新旧「唐書」に、帝の座の左に、金鶏の大障を張り、前に特別の榻(椅子)を置いて、安禄山を詔して坐せて、共の幄(とばり)をかかげて以て尊寵を示したことが見える。太子が諌めたが、帝は聴き入れなかったと。○ 衣や簾の裾をまきあげること。



 年に二度、元旦と冬至に催される大朝の儀式、よろずの州郡からの使者を宮廷に謁見する時、天子は庭に面する宮殿ののきば近くに臨席される。五彩に色彩られた於は朝日の光をうけてひるがえり、天子の座の両側に据えられた香炉からめでたい香煙がたちのぼる。その左に金鶏模様の大屏風が特別に前もって収けられてある。屏凰の前に福があり、真珠を糸で貫いた簾が、高くかかげられている。そこへおくればせに胡人特有の長い顎ひげを指先でひねくりながら、傲慢にも居並ぶ群臣を顧みずに登場する人物がある。天子の席の前、ほとんど天子と桔抗する高座に彼は悠悠と坐る。誰あろう、それは厄陽の節度使安禄山。もし彼の談倣にさからう者あれば、身分の如何にかかわらずたちどころに足下に斬り伏せられ、彼におもねる軽佻のやからは歎高の位にまで出世できるのだ。
 当時、長安の都では、楊氏一族や安禄山らは、邸宅の華麗さや奢侈を互に誇り、みせびらかしあった。地方の強い勢力を持つ節度使らは、安禄山の三道兼併と争うかのように、その富を独占しようとした。かくて民を愛しみ養うべき攻治の本道は見失われ、中央の財政は困窮し、それを袖うべく次第に賦税がひんぱんに課せられ始めたのだった。